国会5議員 6質問の議事録

 

国会質問の議事録は 電子化されており、次のサイトにて検索・ダウンロードできます。

 

<国会会議録検索システム>  http://kokkai.ndl.go.jp/

 

「専業」大学非常勤 講師などの待遇改善に資する目的で、以下に資料として「大学」+「非常勤講師」で and 検索した結果を収録します。2002年末までに5議員が合計 6回、何らかの形で「大学非常勤講師」問題について質問したことが分かりま す。なお、読みやすさのため、「組合」にも下線をつけました。

 

回次

会議名

開会日付

議員名

154

文教科学委員会

05

2002/04/02

林 紀子

154

文部科学委員会

12

2002/05/29

鎌田 さゆり

154

決算行政監視委員会第三分科会

03

2002/07/22

金子 哲夫

155

内閣委員会

07

2002/11/26

川橋 幸子

155

決算委員会

01

2002/12/09

川橋 幸子

155

厚生労働委員会

11

2002/12/11

金田 誠一

 

*   *   *

 

回次

会議名

開会日付

議員名

154

文教科学委員会

05

2002/04/02

林 紀子

●林紀子君 日本共 産党の林紀子でございます。

 私はまず大学非常勤講師の問題 から質問をしたいと思います。

 今、文部科学省は大学全体で何人の非常勤講師がいるのか。そのうち、非常勤講師の仕事のみをしている人、例 えば社会人であるとか、本務があって非常勤講師をしているという方は除い て、非常勤講師の仕事だけをしている人はどれだけいるのか。そし て、大学の講義全体のうち非常勤講師が占めている割合はどうなっ ているか。待遇はどうか。こうしたことを現在把握していらっしゃいますでし ょうか。

●政府参考人(工藤 智規君) 非常勤講師の方の人数でございますけれ ども、これは三年に一遍調査してございますので、直近は平成十年十月一日現 在でございますが、国公私立大学を通じましての非常勤講師の総数は十三万三千八百六十 九人でございます。全教員に対する割合は四七・八%となってございます。こ のうち、専ら非常勤講師のみを仕事としている方は国 公私で四万五千六十七人でございます。全教員に対する割合は一六・一%でご ざいます。なお、これは、国公私別で見ますと、どうしても全教員に対する割 合は国立よりは公立が若干多く、公立よりは私立が多いという状況になってご ざいます。

 それから、お尋ね のございました、じゃ授業の割合、待遇はいかがかということでございますけ れども、いずれにしましても、どういう方を非常勤講師にお迎えするか、どういう授 業を御担当いただくか、それぞれの大学の御判断でされているものでござい ますが、授業全体に対して非常勤講師の方が担当していらっしゃる 授業というのは、残念ながら国立大学については把握していないのでござ いますけれども、私立大学で見ますと、これも大学でまちまちでございまして、割と規 模の大きい大学で見ますと、全体の二四%あるいは 三四%の割合というデータなどがございます。大学で大変まちまちでございます。

 それから、待遇で ございますが、国立大学の場合は、一応、お迎えする非常勤講師の方の経歴等によりまして若 干違うわけでございますが、予算の範囲内で手当てをしてございまして、一例 を申し上げますと、一時間当たりの単価で申しますと、おおむね四千円から八 千円という状況でございます。また、私立大学につきまして見ますと、実態としま しては一時間当たり四千円前後という状況と把握してございます。

●林紀子君 先日、 私も同席をいたしまして、文部科学省には非常勤講師組合の皆さんから要請を聞いていただく 機会というのを持ちました。ですから、その苦労の一端、状況の一端はそこで もお分かりになったかと思うんですけれども、私はそこで一緒にお話を聞いて いて大変驚いたんですね。

 といいますのは、 今その一端、工藤局長の方からお話ありましたけれども、多くの非常勤講師というのは一年契約なんです ね。ですから、十年、二十年同じ大学に働いていても、地位とか待遇には ほとんどその年限というのは反映されていない。

 給与は月に四、五 回、一こま九十分の授業を受け持って二万五千円程度だというわけですね。 今、一時間四千円程度ということがありましたが、それとちょっと換算がすぐ はできないんですけれども、大学の授業というのは、九十分でそれを 一週間一回行って一こまと数える。だから、この二万五千円というのは、一週 間の一遍が二万五千円じゃなくて、一月に毎週四、五回大学で授業をしてそれで二万五千円だと いうことなんですね。ですから、これだけでは到底食べていくことはできない わけですから、あちこち大学を掛け持ちして十こま二十こま教え ている。カルチャーセンターや予備校、塾でアルバイトをしたりしてようやく 生活費を稼いでいる。

 大学では産休や育児休暇はもちろん、有給休暇もない。多くの場 合は社会保険にも入れない。退職金もない。しかし、研究しないで大学の教師というのは務まらないわけで すから、じゃ必要な文献図書を買うのはどうするか。それも自腹を切って買わ ざるを得ないというんですね。学会や調査に出掛けるときも自費でそれは出掛 けなければいけない。大学に行って、じゃ研究をするのにふさ わしい環境かというと、講師控室という大きい部屋がどんとあるけれども、個 人個人の研究室などというのは到底ないし、それから大学の紀要にも論文発表の機会というの も持てない。こういう状況なんですね。

 今、私立の場合で 二四%から三四%ぐらいの授業を非常勤講師が受け持っているのではない かというお話がありましたけれども、特に首都圏などの私立の大学では半分くらいの授業がこうした非常勤講師の先生によって支えられていると、こういう話なんで すね。

 そこで大臣にお聞 きしたいと思うんですけれども、先ほど来、大学の活性化というようなことも随分言 われましたけれども、こういう劣悪な状況の先生たちが本当に大きな部分を、 授業をしょっているということで、本当に大学の活性化というのはできるんでしょ うか。ですから、個々の私立の大学というのは特にその大学がどうするかという判断だというお 話ありましたけれども、これは個人個人の問題を超えていると思うんですね。 もっと日本全体の大学の在り方の中でこれはどう考えるべ きかというのを位置付けないといけないと思うわけです。

 ですから、今、工 藤局長から一定の状況というのはお話がありましたけれども、もうちょっとき ちんと調査をする、本当に待遇なんかはどうなっているのかということも含め てきちんと調査をする、そういうことを是非していただきたいと思うのです が、いかがでしょうか。

●国務大臣(遠山敦 子君) 今お話しのように、非常勤講師の雇用の在り方あるいは待遇 などにつきましては各々の設置者の責任に基づいて決定されるべきものである わけでございます。

 非常勤講師がどういう条件の下に働いているかなどの実態につき ましては、文部科学省として一般的に調査を行うことは考えていないわけでご ざいますけれども、国立大学におきます非常勤講師について幾つかの点では調査 結果を持っているわけでございますけれども、担当する授業の割合など把握し ていない事柄について今後必要に応じて調査していきたいと考えています。

●林紀子君 必要に 応じて調査をしてくださるということですけれども、今みたいな状況を聞いて くださいましたら、やっぱりそれは今必要なんではないでしょうか。本当にこ ういう、先生の空洞化と言ってしまっていいのかどうか分かりませんけれど も、本当に一生懸命自分たちは大学のそれぞれの先生、助教授、教授な んかにも負けないように学生たちにはきちんと勉強を教えたいんだという、そ ういう誇りも持ちながら、だけれども、こんなひどい状況でやらざるを得ない んですね。

 まず生活も成り立 たないようなこんなところでやっているわけですから、これは必要に応じてと いうお話でしたら、やっぱり今すぐ必要なんじゃないかというふうに思うわけ ですから、是非調査をして、そしてこういうようなところを野放しにしておい ていいのかどうかというのは、調査の結果、それからだと思うんですね。です から、まず調査がスタートだと思いますので、是非、国立、公立、私学も含め まして調査をしていただきたいということを再度お願いしたいと思います。・ ・・以下省略・・・

 

*   *   *

 

回次

会議名

開会日付

議員名

154

文部科学委員会

12

2002/05/29

鎌田 さゆり

 

●鎌田委員 お疲れ さまでございます。きょうもよろしくお願いします。民主党の鎌田さゆりで す。

 時間の方が余りあ りませんので、ぱっぱっぱっと、聞きたいことを、要点を絞ってお聞きしたい と思うんですが、まず、私立学校教員等の雇用保険という問題についてお伺い します。

 去る四月四日に、 教員を雇用保険に加入させていないのは違法だということで、某私立大学が刑事告発されたようでありますけ れども、そもそも、この経緯をいろいろ見てみたり調べてみたりしますと、私 なりに感じるのは、昭和五十年、一九七五年の雇用保険法の施行以来、この問 題について、率直に申し上げて、厚生労働省と文部科学省と議論はしているん でしょうけれども、半ば放置状態に近いような状態にしてきてしまった点がそ の原因、背景であると否めないと思うんですけれども、この件を受けて、文部 科学省、厚生労働省、それぞれに今の見解をお伺いしたいと思います。

●工藤政府参考人  御承知のように、今御指摘がありました昭和五十年が一つのターニングポイン トなわけでございますが、それ以前は失業保険法の時代がございまして、当時 は、私立学校教員については任意の適用でございました。昭和五十年の四月か ら現行の雇用保険法ができまして、この制度のもとでは、私学の教員について も強制適用ということになってございます。

 ただ、私立学校関 係者は自分たちで退職金財団というのをつくりまして、退職金の資金について は全私学の共通の互助会的な運用をしているわけでございますが、私学関係者 の当時からの意識としまして、雇用保険法に入る、掛金をお払いする、それ で、実際に退職した場合にそちらの方から支払われるということなんですが、 どうも、お支払いする掛金に比べて退職金等の支給のメリットが余りないとい うことで、ずっと消極的といいますか、反対姿勢でまいっております。

 私どもも、いわば 板挟みでございまして、私学の自主性はできるだけ尊重したいという立場と、 他方で法律があるわけでございますので、当時の労働省とも御相談いたしまし て、強制加入という建前でございますけれども、余り目くじら立てないでほし いというような御要望などをしながら今日に至っているところでございます。

 いずれにしまして も、その後、いろいろ雇用保険の給付の内容も充実してまいったわけでござい ますし、今後とも、一方では私学関係者の御理解を得なきゃいけない、他方で 厚生労働省の方とも御協議いたしまして、穏やかな解決が見られるように私ど もも努力してまいりたいと思っております。

●青木政府参考人  雇用保険の適用に関するお尋ねでありますけれども、私立大学の教員の方々、当然に雇用保険の被 保険者になるというのが法律の建前でございまして、ただいまその経緯につい て文部科学省の方からお話がございましたけれども、私どもとしても、従来か ら、私立大学の関係者の皆様に教員の加入を勧め ていただけるように勧奨等を行ってまいっております。

 特に、昨年、規制 改革推進三カ年計画の前提となります総合規制改革会議の中間取りまとめ、こ の中でも、さらに適用促進を進めるべしとの決定をいただいている等のことも ございまして、昨年暮れには、第一線機関でございます各都道府県労働局あて に、私学関係者の御理解もいただきながら、計画的に説明会を行ったり、ある いは勧奨文を送付するなど、御相談をしながら加入勧奨の取り組みを行うよう にということで、これに基づいて現在実施をしているところでございます。

●鎌田委員 今、文 部科学省さんからの御説明の中で財団のお話が出ましたけれども、この財団の ことについてちょっと伺いますが、加入資格、あと給付内容についてもう一回 コンパクトにお示しください。

●工藤政府参考人  財団法人の私立大学退職金財団というのがございます。 これは昭和五十六年に設置されたものでございまして、私学関係者が自主的に やっているわけでございますが、今お尋ねの加入校数でございますけれども、 本年三月現在で、大学、短大、高専合わせまして九百十九 校でございます。

 それから、加入の 資格でございますけれども、これは個人加入ではございませんで、学校法人全 体を対象としておりますので、今申し上げたようなことでいえば、九百十九校 で教職員十三万六千弱の方々が加入していることになります。

 それから、給付内 容でございますけれども、実際に登録された教職員の方が退職した場合は、国 家公務員の退職金の支給率に準じまして退職金を支給するというのが基本的な 原則でございます。

●鎌田委員 実際、 今回の件のように失業給付を受けられない、今回のケースでは、カナダからい らっしゃった、特任講師として教えていらっしゃった方のケースのようですけ れども、そういう方の実態、数も含めてですけれども、どれほどいるかという のを把握はしていらっしゃいますか。

●工藤政府参考人  これは、退職金財団の場合も、それから雇用保険の場合もそうなんでございま すが、一応、常勤に準ずる方々への退職金の支給ということになってございま すので、通常は、週二十時間を下回るような勤務形態の非常勤講師の場合は、残念ながら、退職 金財団でも雇用保険法上でも、退職金の支給がなされないのでございます。

 実際にどれぐらい非常勤講師がいらっしゃるかということ でございますが、三年に一遍調査しておりますので、若干古くて恐縮でござい ますが、平成十年十月現在の私立大学における非常勤講師という数が八万八千六百九十 四人でございます。実際に同じようなケースかどうかというのは別にいたしま して、国公私とも、授業の豊富化等を図るために非常勤講師がそれなりに採用されている という実態がございます。

●鎌田委員 改めて 伺いますけれども、この財団法人私立大学退職金財団、こちらを所管という か、指導するのは文部科学省という認識でよろしいんですよね。

●工藤政府参考人  一応、所管省庁は私どもになってございます。

●鎌田委員 そうし ますと、伺いたいのは、文部科学省さんはこの財団に対して、昭和五十七年度 の十五億円に始まってから、十四年度では百三億、昨年度は百五億と、補助金 を出していらっしゃる。厳密にお伺いをすれば、私立大学退職金財団掛金に係る積算というこ とでの文部科学省からの応援ということなんでしょうけれども、私は、そのよ うな補助金をこの財団に応援という形で出して、そして、民間の大学が民間の財団を募ってつくり、そこ で働いていた先生方の退職金というところをしっかりと保障していこうという ことでつくったものに文部科学省が応援をしているというのを、一方で、その 現実を見ながら、私は率直にすばらしいことだと思ったんですね。民間ででき ることは民間でやってもらう、そして足りないところを補う形で国が応援をし ているという姿に私はすごくすばらしいと率直に思ったんですね。

 ところが、今回の ケースを見て、厚生労働省が所管をする雇用保険という制度の中で、とにかく 適用除外は一切なしと。産業やそういう種別にかかわらず、雇用保険は全部適 用。ましてや、私立学校等の教員の方々についても雇用保険に入るようにとい うような三月の閣議決定も受けてということでの指導がある。

 さっきも板挟みと いう言葉がありましたけれども、私はもうずっとこの長い間、昭和二十二年の 失業保険法、さっきもお話ありました、そこからスタートして、途中雇用保険 法が昭和五十年に始まったわけですけれども、この間、やはりその現場を見 て、現場を知って、そして財団をつくり、きちっとやっていこうという方々の 声を国のどの省庁がしっかりと聞いて、そしてどういう制度につくっていくか という点において、これははっきり申し上げて、国の縦割りの行政の中で、文 部科学省が板挟みという気持ちもわかりますけれども、結局、国の省庁が縦割 りで、きちんとした方向性も見出せないままに今ここに至っているという中 で、某私立大学が告発をされる、そしてまた外国人 の特任講師が告発せざるを得ないというような状況になっていると私は見て感 じたんですね。

 ですから、ここの 間、長い間二つの省庁でこの問題について大分議論を重ねてきたという経緯も いただいた資料で知ることができました。しかし、もうここに至っては、今回 のその告発という事例をそれぞれの省庁がきちんと受けとめて、はっきりとこ の辺で国としてその方向性を導いていく、道筋をつけていくということが私は 非常に大事なのではないかなというふうに思って、きょうの質問に取り上げた んです。

 それで、厚生労働 省さん、適用除外に該当しないというふうに先ほどの説明からは受け取れたん ですけれども、その理由というのを今ここで改めてお示しいただけますか。

●青木政府参考人  理由と申しますと、まず法制的には、雇用保険法では労働者を雇用する事業を 適用事業とするという形の保険制度になっておりまして、基本的に労働者を雇 用するところは雇用保険制度の対象になる、しかし一方で、国それから地方自 治体等で雇用保険と実質的に同じ給付を法律的に保障されている方々、これに つきましては一定の手続によって雇用保険の適用が除外になるという考え方に なっております。

 したがいまして、今、私立大学退職金財団の関係の方々についての お話がございましたけれども、これらの方々はこれに該当しないということが この雇用保険制度、昭和五十年にスタートして以来の解釈でございまして、そ ういったことで現在に至っておるということでございます。

 それから、実質的 な問題としますと、雇用保険というのは、失業というリスクに対して、働いて いる方々と事業主、それに国家が支援をして、その失業のリスクが顕在化した ときに助け合うというシステムになっております。したがって、いろいろ失業 しやすい方、あるいはなかなか失業しないようないわばしっかりしたところに 勤務している方、さまざまな方がいますけれども、そういった方々がトータル に、働く方々が受けているリスクというものを保険し合おうという助け合いの 精神でありますので、できるだけ多くの方々がその制度の対象になっている方 が制度の安定的な運用としていいことだろうというふうに考えています。

●鎌田委員 今御説 明いただきましたけれども、先ほど冒頭に文部科学省さんの方で財団の説明が あったときに、やはり私立の学校で仕事をしている教員等の方々がその掛金を と、学校が掛金を掛けていくという点においては逆にリスクの方が大きいとい うことで、そういう現場のまさにその実態を踏まえた上で財団をつくり、そし て運用しているというわけですから、私は、民間で、今自分たちで努力をして やっていこうというのにもかかわらず、何でかんで国の雇用保険の法制度に組 み入れてやっている、実際やっていますよね。やっているのに対して、だめ だ、法律で全部なんだから、それであなたたちのところもこっちに入らなきゃ だめだ、雇用保険にちゃんとしなきゃだめだというのは、私はもう少し現場に 目を向けていただければなと。

 私立大学、大変な数、先ほども数字を挙げていただきましたけれど も、九百七十校が対象のうち九百十九校がこの私立大学の退職金財団に加入をしていて、そ して国もバックアップをしているというような状況を見れば、これはその適用 除外というところでぜひ厚生労働省さんが検討に動いていただいて、そして文 部科学省さんに対しては、この財団できちんとカバーすることができない人 が、やはり先ほど数字を挙げてもらいましたように、いっぱいいるわけですよ ね。だから、民間でやろうとしているものはその民間の力を認めて、そこを応 援する、ただし、民間でやれないところに対して国が、政府がきちんとケアを していくという姿が私は望ましいのではないかなと思うんですね。

 ですから、厚生労 働省さん、適用除外というところで、閣議決定、三月に出ましたけれども、か たくなに、いこじにならずにここでひとつ検討をしていただけないかという御 質問と、それから文部科学省に対して、今のその財団に対する応援の姿勢とい うものを私なりに高く評価しながら、そしてこの充実を図りながら、そして、 これで救い切れないという人たちのきちんとした社会的な保障というものを、 それこそこれから厚生労働と一緒に考えていくべきじゃないかなということに ついてのそれぞれの答弁をお願いします。

●岸田副大臣 ま ず、財団法人私立大学退職金財団、この事業ですが、退職 金の円滑な支給がこの財団を通じて行われている、教職員の待遇が安定し向上 することは私立大学の発展につながるわけであります し、また、この退職金事業の意義、大変重要だと思っております。ですから、 現在、私立大学等経常費補助金において助成してい るわけですが、今後ともこの支援はしっかりと続けていきたいとまず考えてお ります。

 その上で、御指摘 の雇用保険制度の適用につきましては、厚生労働省とまた連携の上で、その適 切な、具体的な、現実に即した対応を考えるべく努力していきたいというふう に思っております。

●鎌田委員 岸田副 大臣の前向きな、積極的な姿勢というふうにお受け取りをさせていただきます ので、私は、国の行政の縦割りの構造の中で、このようなはっきり言って残念 な出来事になってしまっていると思っていますので、そういうことが起きない ような一つの警告というか、警鐘だと受けとめていただいて、ぜひいい方向を 見出していただきたいと思います。

●河村委員長 厚生 労働省はいいですか。

●鎌田委員 では、 お願いします。

●青木政府参考人  ただいま副大臣から御答弁があったとおりでございますけれども、雇用保険制 度、この退職金財団なるものは、要するに失業というリスクをカバーしている だけの制度ではなくて発達して、関係の皆様に役立っている制度だというふう に考えています。

 それから、御案内 のことと思いますけれども、私立学校にも教員の方もおれば事務職員の方もた くさんいらっしゃるんですね。事務職員の方々は、当然の被保険者として適用 手続も既にとられているんです。ですから、そういった観点等を組み合わせな がらこの問題を考えていかなければならないと思っております。

●鎌田委員 ありが とうございました。今後とも検討していただいて、また機会があったらぜひ議 論をさせていただきたいと思います。・・・以下省略・・・

 

*   *   *

 

回次

会議名

開会日付

議員名

154

決算行政監視委員会第三分科会

03

2002/07/22

金子 哲夫

 

●金子(哲)分科員  社会民主党・市民連合の金子でございます。きょうは、パート労働者の問題 について幾つかお尋ねをしたいと思います。

・・・中略・・・

●金子(哲)分科員  ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。

 それでは、早速本 題に入りたいと思いますけれども、今厚生労働省の中でも、パートタイム労働 者の問題について研究会も持たれて、そして最終報告も出たというふうに伺っ ております。全般的にパートの労働者がふえ、この問題が重要な検討課題にな っているということは、私もそういうこと、国会の中にも議員懇談会ができま して、私もそのメンバーの一人になっておりますけれども、きょうは、そのパ ート労働者の中でも、大学非常勤講師の問題について、特に絞りま してお伺いをさせていただきたいと思います。

 ちょっと大学非常勤講師の実態 について少し最初にお話をさせていただきたいと思いますけれども、非常勤講師というのは大体一年の契約と いうことになっているということを聞いておりますし、授業のみを何こまか担 当するパートの大学の教員というふうに考えていいとい うふうに言われておりますが、今何こまという話をしましたけれども、一こま は、週一回行われる授業で大体九十分間の担当をするということになっている ようであります。

 大学非常勤講師といってもさまざまな形態がありまして、第一に は、大学の専任教員が自分の大学以外で非常勤講師をするような場合、それから 弁護士さんとか公認会計士、医者、マスコミの関係者などが非常勤講師をする場合、それから専任の 教員であった人が退職後にかつての本務校で非常勤講師をする場合、そしてもう一 つ、きょうこれからお話をしたいのは、実際には本務校というかきちっとした 学校を持たずに、主として生活の糧を非常勤講師としての収入から得ているよ うな場合。つまり、この四番、今最後に言いました、本務校はなくて主として 講師のみで生活の糧としていらっしゃる方、こういう人たちを専業非常勤講師、こういうことで呼んでいる というふうに言われております。

 実情はどうかとい いますと、きょうは文部科学省の方もお見えになっておりますけれども、九八 年の調査によりますと、大学非常勤講師の総数は十三万三千八百六十 九人、全教員に対して四七・八%という比率になる。そのうち、私が今言いま した大学の専業非常勤講師の総数は四万五千六十七人、 これは文部科学省の調査によっての数字と聞いておりますけれども、こういう ことになっております。

 ただ、非常勤講師といいましても、先ほど言いましたように、一つの学 校に特定をして勤めているということでありませんから、複数の大学をかけ持ちしているということが言 われますから、これは実数を、もし把握されていればまた後ほどお教えいただ きたいと思いますが、実際には把握できていなくて、ほぼ予想的に言えば、そ ういう非常勤講師をやられている人たちの中で 言われているのは、実数二万人前後の人が専業非常勤講師として働いていらっしゃるの ではないかというふうに言われております。

 しかも、規模の大きい私立大学では、授業の二四%ないし三四%が 非常勤講師によって担当されていると。ある首都圏の私立大学では、非常勤講師の数が専任教員の数を大きく 上回って、授業の五〇%以上をこのような非常勤講師が担当している大学も最近は珍しくなくなっているとい う状況にあるというふうに言われております。

 ところが、こういう大学教育の中で、非常勤講師と今申し上げましたように、 非常に重要な役割を果たしておりますけれども、そのいわば労働条件といいま すか、そのようなものはどうかというと、非常に劣悪な待遇の中で働かされて いるという状況があると思います。

 一こま当たり、先 ほど言いました、週一回やりまして、月に大体四週とすれば、四回出まして月 額で大体どれぐらいかというと二万五千円、まあ九十分ということを考えれば 高いか安いか、いろいろあると思いますけれども、年額にして三十万円前後だ と。ですから、専任教師は週に五こまぐらいやられているようですから、それ だけもし働いたとしても年に百五十万円前後という条件になっているというこ とです。大体、専任教員の年収は八百万から一千三百万円ということですか ら、非常勤講師の待遇は専任教員の七分の一 の待遇の実態にあるということでありますし、それから、重要なことは、雇用 保険等にかかわる問題について、この非常勤講師というのは全く今その待遇が 行われていないということであります。

 もちろん、大学の講師の場合には、ほとんどの場合、専任教師用の研究費、 図書費、出張費等々もありますけれども、非常勤講師の場合には、その専任教員の大体十分の一ぐらいとい う、極めて差別的な待遇で働いているということであります。

 特に、先ほど申し 上げましたように、大学の専業非常勤の講師が、本来はパー ト労働者でも保障されている共済組合とかそれから社会保険への加入がほ とんど認められていないというか、実態上、そういう実態になっていないとい うことになっております。

 ですから、そうい うこと、場合によれば、これは大学ではありませんが、中学校、高校の 非常勤講師の場合はもっとたくさんのこま数を持って担当をして いるというようなこともありますし、そういうことの状況の中で、先ほど言い ましたように、パートの労働者の問題として今研究会も行われておりますが、 これからこの専業の非常勤講師の、特に年金問題などについ て具体的に少しお伺いをしたいというふうに思います。

 まず、わかればお 教えをいただきたいと思いますけれども、専業の非常勤講師が、これは私学共済は厚生労 働省の直接の担当ではなくて文部科学省の担当ということになりますけれど も、それからまたは、例えば厚生年金などの社会保険、こういったものに加入 を認めている大学、つまりは、事業主が負担をしなき ゃいけないという問題もありますから、そういった講師の数とかをどれぐらい というふうに、調査とかそういうことがもしおわかりであれば、厚生労働省で も結構ですし文部科学省でも結構ですけれども、お答えをいただければと思い ます。

●石川政府参考人  ただいま専業非常勤講師等の私学共済への加入のお尋 ねがございました。

 私学共済への非常勤講師の加入につきましては、労働日数でありますとか労働 時間が常勤教職員のおおむね四分の三以上というような要件がございまして、 ただ、これを加入させるに当たりましては、各大学から申告といいますか申請に応じて 報告をとっておるものでございまして、その内容について、非常勤であるか常 勤であるかというようなことを区別しないで該当する者の報告を受けておると いうようなことでございまして、ちょっと数字についてはその両者を区別する というふうなことはできておらないところでございます。

●金子(哲)分科員  厚生労働省の方で、例えば厚生年金などの関係で、こういうことについても しおわかりでしょうか。わからなければ結構ですけれども。

●冨岡政府参考人  社会保険の適用状況について御説明申し上げますと、平成十三年十月一日現在 で、全体では適用事業所数が全国で約百六十七万事業所、被保険者数が約三千 二百三十万人おりますが、このうち教育に関しましては、教育全体で適用事業 所数が約一万事業所、被保険者数が約二十三万人となっておりますが、先生御 指摘に係ります大学の専業非常勤講師に特定した社会保険の適用状 況につきましては把握しておりません。

●金子(哲)分科員 先ほど文部科学省からも話がありましたが、ほとんど入っていないという状況だろうと思います。

 今お話がありまし たように、四分の三というお話がありましたけれども、もう御承知のとおり、 今、最初私が申し上げましたとおり、学校、特に大学の場合、拘束される時間というの は、まあこれは大学の先生の労働時間というのは一体どういうふうに計算される のかよくわかりませんけれども、いずれにしても、自分の待機時間も含めまし て、研究時間も含めまして労働時間になる。ところが、今お話ししましたよう に、非常勤講師の場合にはその授業の担当す る時間だけが契約時間ということになりますと、もう到底、これは四分の三と いうようなことには該当しないのは明らかなわけですね。

 そうしますと、今 文部科学省さんおっしゃいましたように、四分の三というものでやっておりま すということになると、実態上はほとんどやっていない。ただ、ある程度良心 的な学校、私どもが把握しているところでありますと、例えば大阪電気通信大学などでは、週四こま以上担当してい る人たちに対しては私学共済に入れるように、そういうことをやっている大学もあるように聞いておりますからす べての大学がそうだということは申し上げませんけれども、ほとんどの 大学がそうだということになると思い ます。

 そうしますと、そ の上に、実態上は、先ほど言いましたように、非常に低い額で働いていらっし ゃるということもあって、いわば複数の学校に非常勤講師として働いていらっしゃると いう実態が、先ほど言いましたように、四万数千人の非常勤講師で実数は二万人だということ は、複数にダブっていろいろな学校にいらっしゃるから、そういう実態になる わけですよね。

 厚生労働省にちょ っとお伺いしたいんですけれども、例えばパートの労働者の場合に、複数の雇 用主の場合でも、この社会保険適用のことが、一応は法律上は適用が可能とい うことになっておりますけれども、こういう場合には、今申し上げましたよう に、大学の専業非常勤講師のような場合には、複数の雇 用主のもとで働いている細切れパートの場合、社会保険には加入は可能なんで しょうか。

●辻政府参考人 お 尋ねの厚生年金の適用でございますが、厚生年金は、いわば被用者、勤め人と いう形で制度が動いているわけですが、その場合に、お勤めの事業所、これは 適用事業所と私ども呼んでおりますけれども、適用事業所に使用される方につ いて適用するということでございまして、あくまでもその適用事業所とのいわ ば雇用関係が、再三出てまいりましたように、同種の業務に従事する通常の就 労者の所定労働時間あるいは所定労働日数の四分の三以上をおおむね占めなく てはいけないということでございますので、それぞれの適用事業所で四分の三 をクリアしなければ、四分の三クリアしていない方が二つを足して四分の三で あるとしても、二つの適用事業所で四分の三を超えているとしても、これは適 用されません。

 その考え方でござ いますけれども、細分化してまいりますと、最後は、一人の方がいろいろなと ころで働いて、そこで賃金をもらえる、俗っぽく一人親方というような言葉が ございますけれども、こういう場合は今国民年金が適用されていますことで、 個人がいろいろなところで賃金をもらえる、国民年金を適用されている状況 と、それから、事業主に対してどのように雇用されているかという雇用の関係 を今四分の三ということで見ているわけですけれども、これとの考え方の違い でございまして、私どもは、その四分の三ということで現在適用しております ので、御指摘のような場合には残念ながら適用されないわけでございます。

●金子(哲)分科員  今のお話で非常に矛盾があると思うんですよね。

 複数の事業所に働 ける。四分の三だ。四分の三以上なければだめだ。複数で四分の三以上働くと いうことになると、一以上の仕事をしなきゃその人は適用されなくなる。一人 の通常の人が働く時間よりも大幅に長く複数で働かなければ実際上できなくな るという、ちょっと矛盾があるわけですよね。

 しかも、今、複数 の事業所に働いていても、適用される人がいるわけでしょう。どういう人が適 用されているんですか。

●辻政府参考人 そ の場合は、あくまでもそれぞれの適用事業所で四分の三以上クリアされる方で ございますから、したがって、非常に多くの時間を就労に当たられて、それぞ れの事業所で四分の三をそれぞれクリアしている方だけが複数で適用されてお ります。

●金子(哲)分科員  その合算規定の適用者の中に、例えば企業の役員などが入っていませんか。

    〔主査退 席、桜田主査代理着席〕

●冨岡政府参考人  補足してお答えいたします。

 会社の役員といっ た方につきましては、そういった経営に判断されるという立場なものですか ら、時間的な要件というものはございません。

 そういうことで、 会社の役員といった方で二以上の事業所で適用されるといったケースもござい ます。

●金子(哲)分科員  ちょっとよくわからないんですけれども、つまり、二以上の事業所で働いて いても、役員だったら経営の側にいるからということで厚生年金適用できる。 ところが、一生懸命働いている、相手側の事情で、特殊な職場なんですよね、 例えば今私がお話ししたように、大学非常勤講師という特殊な職場である場 合、そういうふうなことだけで画一的に適用してまいりますと、これはいつま でたっても適用できないんじゃないか、もう今の社会保険行政の中では救済を されていかないんではないか。

 ですから、私は今 これで、今までがどうだということではないんですけれども、そこらが、複数 の事業所に働いている人たちに対して、一方で法律上はいろいろなことが想定 されたにしても、救済するということを決めていながら、実際、実態上はほと んどそれが、そういう働いている人たちが、しかも雇用関係はしっかりと持っ ている、いわば雇用者、いわば非常勤講師としての働きをしている人た ちに対して、実際には、複数の事業主に雇用されていながら、これが適用され ないような矛盾点はないでしょうかということをちょっとお伺いしたいんで す。

●辻政府参考人 た だいまの役員の場合は、役員の勤務形態そのものがそもそも、一時間、一時間 といったような労働で企業に貢献するのではなくて、その執行責任者としての 貢献の仕方によって企業との雇用関係が認められ、したがって、そのような形 でいわば雇用関係を認めるためには、二つ以上重複する場合がある。

 逆に、時間に対し て、あるいは日に対して労働をし、賃金をもらうという関係の場合は、その二 事業所でそれぞれ四分の三以上、それぞれの事業所における通常の勤務者の四 分の三以上勤めるというのは大変なハードワークをされていると思いますが、 その方はそのような形で雇用関係を持ちますので、四分の三以上を満たす、こ ういった考え方で、今複数の適用事業所で適用される場合があるわけでござい ますが、これをどの程度、事業所との関係ではなくて、複数の事業所に割った ものを足していくかということは、これは、逆に言えば、一人の方がいろいろ なところから賃金をもらえる。

 これは今の形で は、何度も説明して恐縮ですけれども、一人親方というようなことをよく言わ れますけれども、いろいろな現場へ行って、それぞれの現場で賃金をもらっ て、日々あちこちから賃金をもらえる方というのは、収入を得られる方という のは、国民年金に適用されておられるわけでございまして、そこのところの、 どうしてもその考え方の違いというものは出てくるということで、ここのとこ ろは、一つの制度のいわば形から割り切りをせざるを得ないというのが現状で ございます。

●金子(哲)分科員  厚生年金法の第二十四条の二項にも、複数事業所に勤務する者の月額報酬の 給与の合算により算出することが規定をされておりますし、それから、同施行 令の第四条の場合にも、そういう場合における各事業主の保険料負担の案分に よる算出方法も規定をされておりますし、さらに、健康保険法の第三条九項に も同様の規定があるわけですね。

 つまりは、それは あるということは、例えば、私はあえて企業の役員のお話をしましたけれど も、そのほかの対象である、例えば特殊技能を持っている人もそういうことに 入りますということを、社会保険庁のパンフレットの中には合算規定対象者と して書いているわけですね。

 ですから、私は、 そういうことに対して、もともと法律の中に、複数の事業所に働いている人を 対象として考えていた考え方があった、しかし、五十五年に出された厚生省の 通知、内簡というようなものの中に、いや、実際は運用はこうなんだというよ うな規定をして、それで実際上狭められている、複数事業所で働いている人た ちの適用範囲が。

 今回のようなケー スの場合は、私はこれからの検討をぜひ、後でお尋ねしたいと思いますけれど も、もともと精神としては、そういう複数の事業所に働いていても、そういう 人たちに対しても、できるだけそういう社会保険的なものを適用していくよう なシステムをつくろうということで出発したと思うんですよ。だから、今言わ れるように、いや、あの人だけ特殊ということではなくて、ただそれは厚生労 働省の中で、内部にあってそういうことを内簡のようなもので、自分たちで、 こことここが適用だと。

 大体、企業の役員 より、一生懸命働いている人たちがこういう社会保険の適用を受けずに、役員 で高額の報酬を受けている人がこういうことで優遇されているようなシステム 自身が私は問題があるというふうに実は思うのですね。

 ですから、働く人 たちの将来の不安とか、今、国民皆年金の時代と言われている中にあって、そ ういうことで救済されない人たちに対して、やはり救済していく。特殊な事情 で、一つの大学だけではどうしてもそれだけで生活 が得られないために、複数に働かざるを得ない人たち、そういう現に職場があ るということですから、精神としては、複数の事業所に働いていても救済でき るものは救済していくという精神じゃないんですか。その点、もう一度お伺い したいと思います。

●辻政府参考人 少 しかたくなな答弁になって恐縮でございますが、その合算の規定はあくまで も、適用事業所において雇用関係が認められるという場合に、しかしながら複 数の事業所で適用される場合もある、その場合に合算するというふうに位置づ けられるものでございまして、しかも、役員の場合は、言いましたような時間 当たりの勤務あるいは日当たりの勤務といったような考え方ではないものでご ざいますので、極めて例外的でございまして、役員を除きましては、やはり適 用事業所で雇用関係がある、すなわち、四分の三以上ということを満たさなけ れば、それぞれで必ず満たさなければ、合算規定は動きません。したがって、 合算規定はそのような前提のものでございます。

 したがって、ばら ばらの適用事業所のものを足して、そして雇用関係を、複数で見れば雇用関係 があるといいましょうか、その複数というのは、逆に言えば、それが多けれ ば、自営業といいましょうか、自分がいろいろなところへ行って収入を得ると いう形にもなるわけでございますので、そこの点の区分というものが今このよ うになっているということを御説明した次第でございます。

    〔桜田主査 代理退席、主査着席〕

●金子(哲)分科員  私は、今、大学非常勤講師という極めて限定された職業 についてお話をしているわけで、そのときに一般の自営業者とかそういうこと を引き合いに出すことはないじゃないですか。現に、大学非常勤講師という特殊な職場形態がある ことを最初に御説明をして、そのことについてどうかという話をしているわけ で、その中で検討できないかということを申し上げているわけです。

 次に申し上げたい と思いますけれども、先ほども言いましたように、パートの労働に関して、パ ートの年金などについて制度改正を行うべきだということで検討がされてい る。先ほども言いましたように、研究会の最終報告も出されて、例えばその中 では、正規職員のやはり四分の三というのはおかしい、二分の一ぐらいでどう だろうか、年収が六十五万円以上だったらどうだろうか、そういうようなこと が検討されているわけでしょう、現実的には。

 そうしますと、し かし、私はそういう方向にできるだけ下げていくということで検討してもらい たいと思うのですけれども、それであっても大学非常勤講師というのは救済をされないわ けですか。

 先ほども言いまし たように、大学の教員に対して二分の一も労働する ということは一体どうかということになると、大学の先生というのは、先ほども言いま したように、研究時間も含めて八時間というふうに考えられているのかよくわ かりませんけれども、少なくともそのうちの週何時間しか実際に授業を行わな い。そして、非常勤講師の場合は、実際にその一こま 授業を行ったときだけが契約の労働時間ということになりますと、大臣、二分 の一でもなかなか厳しいと思うのですよ、大学の先生と比べて二分の一以上働いて いなきゃできないということになりますと。

 しかも、年収の六 十五万、例えば今出ておりますような六十五万ということになりますと、大体 週二こま担当している非常勤講師が年収六十五万以上クリアし ようと思えば、月額二万七千百円ということに計算上はなるわけですね。今二 万五千円というお話をしましたけれども、そうしますと、これもクリアできな い。ということになりますと、今検討されている問題でも非常に難しい問題が 出てくる。

 ですから、私は、 ある意味では、やはり、先ほど言いましたように、二万人ものいわばそういう 非常勤講師で今現在働いていらっしゃる 人たちがいらっしゃる。しかも、これまた毎年更新ですね、これは非常勤講師ですから。毎年更新で、不安 定な状況で働いていらっしゃる。そういう人たちの将来、しかも、講師をずっ と長く続けていらっしゃる。現実的に大学を見てみますと、一人の人が何年も やっていらっしゃるケースというのは随分あるわけですね。

 そうしてみます と、そういう人たちに対して、今までどおり、例えば厚生年金についても、実 際には働いて大学に対して寄与しているにもかかわら ず、こういう厚生年金事業主負担分が受けられないために厚生年金に加入でき ないというようなシステムがこのまま続いていいのか。

 パートの今度の見 直しをされるときに、こういうことも救済すること、特殊な労働職場というこ とでの救済というものはぜひ検討としてやっていただきたいということを私は 強く要望したいと思いますけれども、その点について大臣のぜひお考えをお伺 いしたいと思います。

●坂口国務大臣 先 ほどからずっと委員の御指摘になりますお話を聞いておりまして、確かに、私 たちが知っております人の中にも、三カ所も四カ所も大学を持ち回りと申しますか、講義をな すっている方があることは事実でございます。

 私も、先ほどから 聞いておりまして、どこかの大学に一つどこか落ちつく場所があっ て、それで、それはそれとしながら、よそへもひとつ講義に行きますよという 場合はいいわけですね。

 だけれども、どこ か一つ落ちつく場所がない。それで、平等にあちらこちらに回っておみえにな る。それは、御本人がそういう形態を好んでおみえになる場合も中にはあるの かもしれないけれども、やはり受け入れ側の大学の方で、そうした場合に受け入れる ということを決めてくれれば、それはそれでいいわけです。

 だから、その雇用 関係をどういうふうにお話し合いをなさるかということになってくる。それが そうでありませんと、先ほど局長が答弁しましたように、大工さんと同じにし て申しわけないですけれども、一人親方のような形で、どこへでもお仕事に行 かれるという形態になってしまうということになります。

 四分の三がいいか どうか。それは二分の一ぐらいだったら、それでいいのかどうか。しかし、そ れでもなおかつ、そういう形態というのは確かに残ることは残るわけですね。 それは、個人が契約をされるときの大学とその先生との間の契約のあり方の 問題なのか、それとも、そうではなくて、あちらこちらへ行かれる場合に、そ れは同じように四つなら四つの大学、同じような時間数ずつしか行って おみえにならないということのために起こってくることなのか。そこは、僕も 頭の整理がなかなかできにくいのですが、大学の先生では、週一時間ぐらいしか教 えてみえない先生もたくさんありますね、正直言って。

 私の知っている先 生でも、週一時間教えたらいいんだという人はあるわけですよ。それで、その 間どうしているのですかと言ったら、いや、行っても行かなくてもいい。行っ ても行かなくてもいいと言ったらしかられますけれども、図書館へ行って勉強 するなり、研究を、いや、それは自宅研究でもいいんだ、こう言っておみえに なる。

 そんないい商売も あるのかなと僕は思うことがございますけれども、その賃金の高い低いは別に して、それはその大学とその先生との契約の問題になって くるんじゃないか。

 どこか一つ、おし りをおろすといいますか、どこかを中心にしてほかへも行く、そのどこかを中 心にしたいと思うところの大学との契約の話になってくるのかな。 それで高い賃金、低い賃金は、それはあると思いますよ。あるけれども、しか し、それはそれでそのお話し合いをいただくことがまずは大事になってくるの ではないかなという気持ちで聞かせていただいた。

 その四分の三がい いか、二分の一にするかという、これは我々も検討したいというふうに思いま すけれども、それだけでは解決のできない問題だということもよくわかりま す。

 だけれども、私も 割り切れないのは、同じように四カ所なり五カ所なりの大学を、同じように毎週一時間ずつ回っ ておみえになるという場合には、どこの大学が中心かということが御本人もわか らないし、周辺もわからないしということになってしまう。ですから、そこは 御本人が、どこと中心にして契約をして、そこへ腰を落ちつけられるかという 話になってくるのではないかという気がしますけれども、どうでしょうかね。

 私も余り十分に認 識をせずにお話しして、申しわけありません。よく検討いたしますけれども。

●山名主査 金子哲 夫君。時間ですので簡潔に。

●金子(哲)分科員  時間が参りましたので終わりますけれども、先ほど、今大臣も非常に難しい 問題だとおっしゃいましたように、文部科学省の中にも、おっしゃいましたよ うに、大学はこれからさらに、大学の経営の問題もあって、私は、こう いう非常勤講師制度というものが進んでいく んではないか、大学の中で占めていく割合も大きくなるんではないかというふう に思います。

 そうしてみます と、やはりそこに働いていらっしゃる方の問題について、今までどおりでいい というわけにはいかなくなるんではないかというふうに思いますので、これは 厚生労働省の問題でもありますし、また文部科学省の問題でもありますので、 今検討されているさまざまな課題の中の重要な、特殊なケースとして、ぜひ今 後の検討課題の中でこういう問題が救済をされていくようにお願いして、時間 になりましたので、ちょっと時間オーバーしましたけれども、質問を終わりた いと思います。

 ありがとうござい ました。

 

*   *   *

 

回次

会議名

開会日付

議員名

155

内閣委員会

07

2002/11/26

川橋 幸子

 

●川橋幸子君 民主 党・新緑風会の川橋幸子でございます。

・・・中略・・・

●国務大臣(竹中平 蔵君) 基本的な役割分担として、我々、経済財政諮問会議で基本的な方向を 議論して、制度設計は政府税調でということでの議論が今進行しているところ であります。

 基本的な考え方と しては、もう言うまでもありませんけれども、正にジェンダーニュートラルと いうか、個人のライフスタイルに対してやはり影響を与えないような税制でな ければいけないということで様々な議論が積み重ねられてきている。現実に は、しかし、政府税調での議論は、一方でやはり税収を確保して国庫の基礎を 築かなければいけないというより現実に近いところでの制約の中での議論であ りますので、様々な制約は出てくるのだと思います。

 この点は諮問会議 と政府税調の間ではいろんな意見の相違もございまして、御承知のように、あ る委員が、政府税調の議論は志が低いのではないかという批判をして話題にな ったこともございますが、これは、原則を大事にしながらも現実の中で実現可 能な税制にしていこうという今までの議論の進捗であろうかと思います。

 我々としては、も ちろんより幅広くニュートラルになるように、個人のライフスタイルに影響を 与えないような税制を構築していくということでありますが、重要なのは、こ れから数年掛けて本格的な税制改革をしていくわけで、来年度はその初年度で あるという点も踏まえて評価をしていく必要があるというふうに思っておりま す。

●川橋幸子君 何 か、先の将来展望まで考えられた上でまあ取りあえずここまでというのなら分 かるのですけれども、激変緩和措置も入れてここまでというのは分かるんです けれども、何かここまで現在の特別配偶者控除の一定限度の廃止というものを ジェンダーの方に引っ掛けて言われますと、随分都合の良いところだけつまみ 食いされたというそういう印象が強いものですから、是非、将来展望まで含め てしっかりとしたものを考えていただければ、女性も払うものは払うというそ ういう態度になるかと思います。

 二点目は、今度は 社会保険の適用緩和の問題。

 これは厚生労働省 の方に関係するんだろうと思いますが、これだけパートが増えると、正規社員 が減ってパート労働者等が増えると、これも財源がもたないためにというよう な印象が非常に強く受けてしまうのですが、適用条件を緩和して、週二十時間 ぐらい、それから年収六十五万くらい、ここぐらいまで下げれば性中立的な制 度になってパートの方々にも社会保険が適用できるというような、こういう話 が伝わってくるのですが、現実を見ますと、むしろ社会保険の適用は事業主の 方がコストアップになるために避ける嫌いがある。従来は女性の方が就業調整 すると言われたんですけれども、このごろは、女性よりもむしろ企業の雇用管 理の方で、細切れ、掛け持ちというのをパートの方々の一つ非常にシンボリッ クな物の言い方になってきています。

 労働市場がそこま で細切れ、掛け持ちに分断されていくというような状況で、これもまた性中立 的な制度改正の方向と言えるのかというのが非常に疑問なのでございますが、 まず、厚生労働省になりますか。

●政府参考人(井口 直樹君) 御指摘の短時間労働者等の厚生年金等の社会保険の拡大問題でござ いますけれども、この問題につきましては、現在、平成十六年に年金改革を控 えておりますので、社会保障審議会等におきましても一つの大きな問題として 積極的な御議論をいただいておるところでございます。その中で、厚生年金等 の社会保険の適用基準につきまして、先生から御指摘ございましたとおり、週 二十時間以上あるいは年収六十五万以上としてはどうかというような御提案も 行われております。

 ただ、いずれにい たしましても、就業形態が多様化している中で、短時間労働者等に対しまして も、被用者にふさわしい年金保障の充実を図るということは大切だというふう に考えておりまして、なるべく今後は適用拡大を図る方向で検討していく必要 があるんじゃないかというふうに考えておるところでございます。

 ただ、その際に、 短時間労働者に係ります給付と負担の在り方、あるいは労使の保険料負担、あ るいは年金財政への影響等の課題がございます。これらの課題とともに、今、 先生の御指摘のございましたような就業調整といいましょうか、そういうよう な問題につきましても、そういうような可能性がないかどうか、これから十分 検討していかなきゃいかぬというふうに考えておりまして、今後は年金制度改 正を考える中で、国民的な議論を進める中で検討してまいりたい、かように考 えておるところでございます。

●川橋幸子君 時間 が短いので、今日はもう一問用意したのですが、これ中途半端に終わることを 避けまして、またの機会を待ちたいと思いますので、むしろ物の考え方として 基本的なことを竹中大臣の方に伺いたいと思います。ある種、情報提供の意味 もございます。

 現在、非常に、先 ほど申し上げましたように、かつては内部労働市場と外部労働市場があって、 内部労働市場は基幹労働者、外部労働市場は非常に単純な労働を担う縁辺労働 と言われていたのが、釈迦に説法でございますが、内部労働市場の中に多様な 就業形態としてパート等が基幹的に入ってきているという、こういう大きな変 化があるわけですね。

 それで、大臣、一 番よくお分かりなのは、大学の中をごらんいただきたいと思うの です。次回に譲りたいと申し上げましたのは、首都圏大学非常勤講師組合という方々がいらっ しゃいます。国公立だけじゃなくて私学を含めて今非常に大学の中もリストラといいましょうか、 合理化といいましょうか、そういうところで正規の教授の方々の割合が減っ て、講座の半分ぐらいは非常勤講師が持っているのではないかと いう、こういうお話もあるわけですね。それを受け持っている方々の実態を言 うと、お一人の方が一つの大学だけではなくて六大学ぐらいにまたがって週に何こまかを 担当される。合算すれば就労時間は優に上がっている。講座の時間だけではな くて、下調べの時間とか大学間を移動する通勤時間を入れればも っとになると思いますけれども、それだけの正規の労働者性を持ちながら、こ れは細切れだからといって社会保険の適用がない、こういう状況があるわけで ございます。

 そこで、私は、こ れを雇用形態の多様化という以上に多就業型の就労の時代に入っていると、こ ういう言い方をする方が多うございます。かつてレーガン政権の時代に、アメ リカの規制緩和に対して、アメリカは雇用機会が増えたと大統領が威張って言 ったら、その目の前にいらっしゃる女性の方が、それはそうでしょうよ、私は 三つ掛け持ちやっていますと言ったという、これは非常にシンボリックな話と して伝えられているわけでございます。

 そういうことから 考えますと、セーフティーネットの在り方というのは、やっぱり平等な機会均 等があるべきだ。セーフティーネットを享受する方も、もちろん保険料も負担 するでしょうけれども、そうしたセーフティーネットの在り方についても対象 者の中での機会均等というものが図られなければいけないと思いますが、こう いう問題について次回聞きますけれども、単純なもう本当に当たり前のことを 聞いているつもりでございますが、大臣のお考えを聞いて、終わりたいと思い ます。

●国務大臣(竹中平 蔵君) 例として御指摘くださいました大学非常勤講師のもの、立場というのは、こ れは実は正式の大学の教授、助教授になるには物すごい 競争社会がありまして、その中でなかなか社会的にしっかりとした位置付けが 与えられていない、大変大きな問題を抱えている分野だと思います。

 この分野が、今、 委員御指摘のように、ある意味で象徴だと思うんですが、要するにもう我々が 想定しているようなこれまでの何かステレオタイプの就業パターンでは割り切 れないように労働市場が多様化している。労働市場が多様化しているというこ とを当たり前の前提とした今の年金、社会・雇用保険のシステムにしていかな ければいけないということ、もうこれに尽きているのだと思います。

 実は、そういう観 点から、先般も経済財政諮問会議に坂口大臣においでをいただきまして、坂口 大臣としては、この年金の問題についても雇用の問題についても、包括的な見 方、ビジョンのようなものを総理に提示して、来年一年間ぐらい掛けてじっく りとこの抜本的な改革を議論したいというふうにおっしゃっておられる。これ は大変重要なことだと思います。一年というのは年金改正、先ほど言った年金 改正に合わせてという意味もあるのでありますけれども、そうした観点で、や っぱり多様性を認めたことによって、それに合わせた年金制度、雇用保険の制 度等々を作ることによって、例えばオランダ等々は労働の問題を片付けたとい う一つの実績もある。そこは学ぶべきところは学んで、やはり真剣に御指摘の ような問題に、多様性を前提とした仕組みの構築に取り組みたいというふうに 思います。

●川橋幸子君 それ では是非その方向で、坂口大臣とお二人で二人三脚でセーフティーネットの在 り方に大臣にも取り組んでいただきたいということを申し上げて、私、質問を 終わります。

 ありがとうござい ました。

 

*   *   *

 

回次

会議名

開会日付

議員名

155

決算委員会

01

2002/12/09

川橋 幸子

 

●川橋幸子君 民主 党・新緑風会の川橋幸子でございます。本日は、雇用のセーフティーネットの 在り方と男女共同参画という視点からお尋ねさせていただきたいと思います。

 このテーマにつき ましては、十一月二十六日の参議院の内閣委員会、国民生活センターの独立行 政法人化の法案のときに質問させていただきまして、その際の担当大臣は竹中 大臣でいらっしゃいまして、各省の方は事務方からお答えいただいたかと思い ます。本日は、要求大臣すべておそろいいただける決算の締めくくりというこ とでございますので、各大臣おそろいのところで改めて伺わせていただきたい と思います。

 さて、失業情勢は 最悪でございます。男子の失業率は六%に達しようとしておりますし、また失 業のリスクを回避するために妻の就業が増加している。正規従業員が絶対数で 見て減少して、パートタイマー等の非正規従業員が増えるという常用代替、正 規従業員代替といいましょうか、そういう雇用構造の変化が進んでおります。 また、新規学卒の就職戦線を見ても、今、高卒の就職内定率は二、三割でござ いましょうか、ちょっと数字が正確でなくて申し訳ございませんが、異常に低 い状況でございます。大卒を含めてフリーターが増加するとか、女性の大卒の 場合は派遣登録という形で就職という、こういうような状況さえ伝えられてい るところでございます。連合の調査によりますと、働く人の二人に一人が今の 仕事を失うかもしれないという失業不安を現に感じているということでござい ます。

 ですから、サラリ ーマン家庭の夫婦といいますのは、失業の不安はもちろんでございますけれど も、職を失った後、更に引退後の年金不安というものを抱えていると。また、 子供たちに対しましては、親も学校の教師も、どのような生活、生涯が持てる のかという、そういう進路の指導がなかなかできない、こういう悩ましい状況 にあるわけでございます。もう寄らば大樹の陰という言葉は死語ではないでし ょうか。自己責任、自立を求められておりますけれども、自己責任、自立を求 めたいと思っても、日本の雇用がどうなるのか、日本の社会がどうなるのかと いう情報が与えられないままに非常に不安に陥っているという、これが今の日 本の状況でございます。

 現在、不良債権処 理の加速化に伴いまして更に失業の悪化というものが予想され、それに伴いま して、雇用のセーフティーネットをどのように講じていくかが国政の大きな課 題となっているわけでございますけれども、そうした雇用のセーフティーネッ トの在り方に関して、かねて男女共同参画の視点からは、性中立的な制度にす る、税も年金もあるいは雇用システムも性中立的であることによって安定的で 持続的な日本の社会システムが構築できるんだと、こういう視点の下に主張し てきたわけであります。

 そこで、まず第一 点目でございます。

 配偶者特別控除の 廃止が今話題になっております。先行減税の財源として話題になっておりま す。これに関しては、税制の性中立的な視点も加わっているんだというような ことが言われますが、果たしてそうなのでしょうか。まず、財務大臣にお伺い させていただきます。

●国務大臣(塩川正 十郎君) 私は、現在取ってまいります所得税、法人税、すべての税制につき まして、度重なる改正をそのときそのときによる都合によって恣意的に改正し てきた点が多々あると思っております。ですから、思想的に一貫して説明しに くいようなものも随分出てきております。

 その一つの問題と して、現在、所得税をめぐりますところの空洞化現象が起こってまいりまし た。これは、やっぱりこの際に一つの考え方に基づいて訂正していきたいと思 っておるのが今度の税制改正の一つの考え方であります。

●川橋幸子君 財務 大臣、大変正直にお答えいただいたと思います。先日の内閣委員会では、男女 共同参画社会の形成にも資するものだという事務方の御答弁がありましたけれ ども、私はそうではない、やっぱり少々場当たり、ちょっと言葉は違うかも分 かりませんけれども、恣意的な制度改正も今のように苦しい状況の中ではやむ を得ないこともあるのだという非常に正直なお答えだったと私、今受け取りま した。しかし、そのときそのときの税制改正はその税制状況によって左右され るにしても、国の展望というのはそういうものであってはならないと私は考え るわけでございます。

 さて、そこで経済 財政担当大臣にお伺いしたいと思います。

 先日、内閣委員会 の御答弁ですね、記録を読み直してみましたらこのように述べておられます。

 政府税調の議論 は、税収を確保して国庫の基礎を築かなければいけないというより現実に近い ところの制約の中の議論でありますと。この点は諮問会議と政府税調の間では いろんな意見の相違もございまして、ある委員が政府税調の議論は志が低いの ではないかという発言をして話題になったと、このように述べておられます。

 「我々としては」 ということは、その諮問会議としてはということだと思いますが、これから数 年掛けて本格的な税制改正をしていくと、本年度はまあその初年度であるとい う点を踏まえて御理解いただきたいというようなそういう御答弁がありまし た。

 さて、将来につい て竹中大臣、この配偶者控除の問題はどのようにお考えでしょうか。

●国務大臣(竹中平 蔵君) 諮問会議では、この一月から中長期的なあるべき税制の姿ということ につきまして、集中的に議論をしてまいりました。その中で、一国の税制の基 礎として広く薄く、そういう税制を作るべきである。さらには、その徴税等 々、納得のいく徴税システムであるべきである。それと同じような意味で、重 要なものとして国民のライフスタイルをゆがめないような税制でなければいけ ないということを強調してきたつもりでございます。

 その中に、いわゆ るその特別控除、配偶者の控除、いわゆるその控除の見直しというものも、こ れは広く薄くという観点からも、またライフスタイルをゆがめないという観点 からも入ってきている重要な問題であるというふうに思っているわけでありま す。

 前回も申し上げま したように、それを制度設計するに当たって、これは政府税調の方で、ないし は与党の方でいろんな制度設計の議論を、今最終段階でございますけれども、 その中でいろんな制約条件の中で議論をして煮詰めていかなければいけないわ けですが、我々としましては、その広く薄くという観点からと、ライフスタイ ルをゆがめないという観点から、やはり中長期的には是非とも実現しなくては いけない改革だというふうに思っておりますので、来年度の税制改革を初年度 として引き続きどのような改正が進んでいくか、どのような改正をなすべき か、諮問会議でも議論をしていきたいというふうに思っているところでござい ます。

●川橋幸子君 私も 竹中大臣のお考えに賛成の立場でございます。是非その方向でしっかりと御議 論いただきたい。都合のいいところだけつまみ食い、恣意的にされるというの では個人の生活設計も立たない、ライフスタイルに中立的であるどころか将来 展望が描けないという、こういう社会になることを危惧するわけでございま す。

 そこで、男女共同 参画を担当の官房長官にお伺いしたいと思います。

 性中立的な税制と いうことを考えますと、配偶者特別控除ではなくて、むしろ配偶者控除そのも のの問題というのが大きいのではないかと思います。

 民主党の場合は、 税によって世帯の支出を配慮するんではなくて、むしろ手当によって充実して いくと。税そのものは、働くか働かないかによって、あるいは子供が何人いる かによって左右されるような、そういうシステムであってはいけないというこ とを言っているわけでございますけれども、男女共同参画会議を主管される担 当大臣の方から、将来的に見てこの問題をどのようにお考えになられるか、お 伺いしたいと思います。

●国務大臣(福田康 夫君) ただいま財務大臣、それから竹中経済財政政策担当大臣からも答弁が ございましたけれども、税制調査会でも、個々人の自由なライフスタイルの選 択に中立的な税制、そういう観点から取り組むべきものであるという、そうい う考え方を答申の中に示しております。

 そこで、男女共同 参画会議でも、女性のライフスタイルの選択等に影響が大きい諸制度について 検討を行ってきたのでございますけれども、御案内のとおりでございます、本 年四月の中間報告におきまして、配偶者控除と配偶者特別控除については女性 の就業に関して非中立的になっているとして、その見直しを提言していると、 そういうようなことがございます。

 そういうことで考 えますと、今回の税調の答申はその方向に沿ったものではないのかなと、こん なふうに考えておるところでございます。

●川橋幸子君 政府 税調の中には、それほど明確な思想は私は打ち出されていないと思います。

 元々、配偶者特別 控除の方は、通称パート減税と言われますけれども、かつて労働力不足の時代 に家庭の主婦がパートで、駆り出されるというと言葉が悪いですけれども、労 働市場に出てくる。そのときの賃金が余りに低いというところにむしろ配慮す るという格好で出てきた税制でございます。それに対して、今政府税調の方が 言っているのは、むしろ二重に配偶者控除を取っているのではないかと、二重 取りを返せと、こう言わんばかりの叙述が多いと、そのように女性の方が感じ てしまうわけでございます。

 もう少ししっかり とした将来展望を立てまして、これは女性だけではなくて男女両方に影響する ものでございます。しっかりとした展望をこれから御検討いただきたいと。税 制改正というなら、そのような抜本的なものを、システム改正を考えていただ きたいと思う次第でございます。

 さて、次の問いは 社会保険の適用でございます。多くは、その中心は厚生年金の問題でございま すけれども、これも性中立的ではないのではないかという、こういう問題意識 があって、様々なことが男女共同参画の視点から言われているわけでございま すが、今般、厚生労働省の方からは年金改革のたたき台のポイントが示されて おりまして、保険制度の財政基盤を強化して持続的なシステムにしたいと。そ れに付け加えまして、そのためにも、パートタイム労働者等の厚生年金の加入 拡充、加入の拡大ですか、を図るとされているわけでございます。そして、具 体的な点としまして、今、今の適用拡大を図るためにその適用条件を緩和する と、週二十時間以上働いており、年収六十五万円以上の収入があれば年金の適 用拡大を図りたいという、こういう説が有力だと言われているわけでございま す。

 そこで、まずその 将来の方向に入る前に、現行制度の下で、現在、労働市場の変容が様々進んで おりますけれども、現行制度の下ではどのような適用関係になるのかを伺いた いと思います。

 どういうことを伺 いたいかといいますと、これもさっきの内閣委員会で紹介したのですが、雇用 形態が多様化するだけじゃなくて、複数事業主、複数事業場で働く掛け持ち、 細切れパートという、こういう表現をいたします。そういう労働者が大変増え ている。特にその典型として、国公立の大学や私学の大学非常勤講師という方が増えております。

 この非常勤講師組合を作っ ておられる方々の調査によりますと、私学の半数ぐらいは、講座の半数ぐらい はこういう非常勤講師が受け持たれる講座になって いると。大学も大変経営困難というところで、こういう雇用形態が増えて いると。非常勤講師にも様々な方がい らっしゃると思いますけれども、主としてこの細切れ掛け持ちをしながら生計 を立てているという方々が約二万人というふうに推計されているそうです。

 こういう方々に対 して、現行制度では雇用保険は適用されるのでしょうか。まず、雇用保険の方 から伺わせてください。

●国務大臣(坂口力君) 大学等にお勤めになっております先生方 の中で、掛け持ちをしておみえになる先生方が非常に多いということは御指摘 のとおりだというふうに思っております。この先生方の社会保障をどうするか という問題はかねてからお話ございますし、私学等の大学側の意見と我々の意見とは必ずしも 一致していないわけでございまして、大学側の方の御意見としては、雇用保険 等には入らないんだからそこから我々は除外をしてほしいという、こういう御 指摘があるわけでございますけれども、我々の方といたしましては、いかなる 職業であろうともやはり雇用保険には全部入ってくださいということをお願い をしているわけでございます。

 その前提の上でで ございますが、掛け持ちをされますときに、生計を維持するに必要な主なる賃 金を受けておみえになります雇用関係、そこがどこかということだろうと思う んです。掛け持ちも、同じ時間数各学校に配分をして行っておみえになるとい うことは困るわけでございますが、どこかに少し拠点を置いて、そして他の学 校にも行っておみえになるといったときには、その主な大学、例えば所定労働時間が二十時間以 上であると、そういうのが一つあって、それでほかのところに行っておみえに なるというときは、二十時間お勤めになっているところでこれは要件を満たし ておりますので、そこで雇用保険もお掛けをいただく、被保険者になっていた だくというのが現状でございます。

●川橋幸子君 主た る雇用主が特定の大学であるということがはっきりすれば 入れる、これもちょっと問題でございますが、少なくともそれは制度上可能だ ということでございますね。

 大学側の言い分は、働いている人たちが入りたがらないと、この ような言い分だったとおっしゃいますけれども、現にこの組合の方々は入りたい、加入したいと言 っておられるわけです。是非、加入の道筋があるとすれば、それは事務手続は 大臣から指示していただきまして、手続ができるようにしていただけますね、 要件さえ整えば。うなずいていただくだけで結構です。──うなずいていただ きましたので、現行制度はちゃんと適用できるということを事務的に詰めてい ただきたい、指示していただきたいということを申し上げたいと思います。

 まず、その次は厚 生年金でございますが、こちらの方はいかがでございましょうか。

●国務大臣(坂口力 君) 厚生年金の方でございますが、どの程度の使用関係にある者が適用対象 となるかの判断といたしましては、これは個別の事業所と労働者の関係ごとに これは行うという前提があることは今更申し上げるまでもありません。そこ で、現在の厚生年金の適用基準は、労働時間がその事業所の通常の就業者のお おむね四分の三以上である人をその適用とするということになっているわけで ございます。

 この条件を少し引 き下げると申しますか、もう少し引き下げてはどうかといったようなことで今 議論をしているところでございまして、週二十時間あるいはまた年収六十五 万、そのどちらか、そうしたことが条件にならないかというようなことも今、 今まだ決まったわけじゃございません、次の年金改正に合わせて議論をしてい るところでございます。

 そういう現在状況 にございまして、先ほど御紹介いただきましたその短時間労働者に対します厚 生年金などのこの社会保険の適用の在り方と含めてこれは決定をしたいと、こ ういうふうに思っております。

●川橋幸子君 非常勤講師の方々によりますと、本当に五つ六つの大学を掛け持ちすることがあると。その 通勤時間やら、あるいは授業の下調べのための時間というのも労働時間、通常 の労働者ならばカウントされるわけですが、それを除いたにしても、その講座 の時間だけを足し上げたにしてもその四分の三、四分の三でなければ駄目なん ですよね。

 ですから、何とい うんでしょうか、雇い主が一定していれば要件が十分達せられるにもかかわら ず、一つ一つで四分の三の要件を掛けられるとすると、一・五倍以上の労働時 間がなければ、講座時間がなければ適用にならない。四分の三足す四分の三で 一・五倍になるわけでございます。これは差別なんじゃないでしょうか。同じ 労働者性がありながら、ただ多数事業主があって特定できないと、こういう状 況でございます。差別だとお感じになりませんでしょうか。

●国務大臣(坂口力 君) 厚生年金、私どもは厚生年金を基準にして言っているわけでございます が、厚生年金の場合にはそれは雇用者との関係で考えているものでございます から、雇用関係が成立をしないということになるとなかなか難しいということ になるわけでありまして、ですから雇用関係が成立をして全体の中のある程度 の時間はその一つのところにおって勤めていただくということになれば、それ はそことの関係と言うことができ得ますけれども、五つも六つも同じ時間数で ばらばらっと行っておみえになるというときには、なかなか、そうですね、ど うするかというのは難しい判断だというふうに思わざるを得ません。

 そういう皆さん方 を、厚生年金ではなくて国民年金なりなんなりにお入りをいただくということ にならざるを得ないというふうに思っておりまして、そこはもう少し、しかし 私たちも、現在のいわゆる基準というものをもう少し引き下げてもう少し入り やすくして差し上げるということが大事だというふうには思っておりまして、 その議論をこれからしたいというふうには思っているところでございます。

●川橋幸子君 雇用 関係は成立しているわけですね。使用従属関係にあり、この講座はあなた勝手 にその時間つぶしてくださいよというそういう指揮命令ではなくて、これこれ しかじかのカリキュラムに従ってこれこれしかじかの教育内容をしっかりと教 えてほしいと。雇用関係は成立しているわけでございます。

 坂口大臣、いつも 医療改革にしろ無年金障害者の問題にしろ、心の中ではきっと前向きにこの問 題も考えていてくださるんだと思います。確かに、週二十時間以上、あるいは 年収六十五万円以上、今の適用条件の半分ぐらいまで緩和すれば、ハードルを 下げれば救われる方がかなりいると私も思います。

 しかし、ここでち ょっと竹中大臣の方に伺ってみたいと思います。今、雇用の規制緩和が、有期 雇用の年限を上げるとか派遣労働の上限期間を上げるとか、あるいは販売、事 務だけじゃなくて今度は製造現場にも派遣ができるとか、様々な規制緩和がな されるわけですけれども、こういう規制緩和がなされたときにどのような雇用 市場の実態になるかというと、それはむしろ短期間の繰り返し更新の雇用が増 えるというのが今までの経験則で、私たち働く女性たちの現場からの声ではこ ういう情報が非常に多く上がってきているわけでございます。多様な形態だけ ではなくて、多就業時代というふうに申しているのはそういう意味でございま す。

 例えば、大学非常勤講師、それ は例外的な例でしょうとおっしゃるかもしれませんけれども、これは典型とし て申し上げているだけで、これからサービス業の中でこうした雇用が増えるこ とということを考えますと、スーパーやコンビニのフリーターの方々というの は正にこういう短期間の更新、幾つかの働き口を掛け持ちする、こういう者が 増えてくるわけですね。

 こういう多就業時 代のセーフティーネットの在り方というのはどうなんでしょうか。労働時間を 合算する。労働者性がちゃんと証明されるわけです、細切れか合算されるかの 差なんです。しかも、事業主がフリーライドするんじゃなくて、本人は払いた いと、こういう人たちもいらっしゃるわけです。そういうところで保険料収入 をちゃんと取ってその保険料に見合った給付をするというのが私はセーフティ ーネットだと思いますが、多就業時代の働き方に対して、雇用のセーフティー ネットあるいは年金のセーフティーネットというのは、平等に、条件さえ合え ば平等に適用されるべきではないでしょうか。

●国務大臣(竹中平 蔵君) 川橋委員の問い掛けは極めて今後の行政、政策に対して本質的な問い 掛けであろうかというふうに思います。

 先ほど坂口大臣と のやり取りの中でもございましたですけれども、例えば一つの例として、この 業種、大学の講師は準備の時間が要るはずだ と、それをどのように考えるのかと。しかし、ここで難しいのは、確かにそう かもしれないけれども、ある科目については一時間しゃべるのに二時間準備し なきゃいけないかもしれない、ある科目については四時間かもしれない。

●川橋幸子君 それ を言っているんじゃない。

●国務大臣(竹中平 蔵君) 存じ上げております。

 そういう、つまり 多業種というのは、今の例にも見られますように、実は実態把握ないしは一律 の枠を掛けることがほとんど不可能になってくるということをも意味している のだと思うんです。

 そういう意味から いいますと、規制緩和とともに、やはり自由な契約をベースにした、これは年 金にしても何にしてもそうですけれども、そういった枠組みを思い切って作る ということがやはりベースになってこざるを得ないのだと思います。

 ただし、ここで重 要なのは、自由にすればするほどやはり働く側と働かせてもらう側での立場の 差というのをどのように考えるのかという一種の立場、だからこそ団結権とい うのがどの国でも憲法で認められているわけですけれども、それとの兼ね合い で枠組みをどのように作るか。一方で、思い切り自由にしていかなければいけ ないというニーズと、何らかのしかし枠組みを作っておかないと、全く自由に 任せられない労働市場の特性があるということの兼ね合いをどのように付ける かということであろうかと思います。

 オランダ等々で は、そういった中で新しい試みをいろいろしているわけでありますので、今我 が国もそういうことを試行錯誤しながら、少しずつ制度改革していく途上にあ るというふうに思っております。

●川橋幸子君 オラ ンダの例をおっしゃられましたので、オランダのワークシェアリングというの は、もう釈迦に説法でございますけれども、労使の間でしっかりとした社会契 約を結ぶ、労働時間、各職場の中で職務を再設計して、再編成して、どのよう な労働時間を選択できるかというその仕組みの合意からしっかりやっているわ けですね。そうした場合に、もし労働時間が少なくなった場合の事業主の保険 料負担が増える部分については国で補助してもよいと、このような、移行的な 措置かも分かりませんけれども、そういう大ざっぱに言うと、そうした国の政 策判断があるわけです。

 塩川大臣笑ってい らっしゃいますけれども、今回、雇用保険料の引上げについて、塩川大臣は反 対なさいました。むしろそれは国庫で持つべきだと、新基金という構想の中で (「そんなに簡単じゃない」と呼ぶ者あり)そのように受け取られる発言をし ていらっしゃるわけです。

 さてどうでしょう か。景気動向と個人の負担、そういうバランスを考えて、一家言お持ちの財務 大臣として、何か伺ってもいい返事が返ってこないような感じがしますけれど も、それこそ将来を見据えていただいて、日本の国の在り方を見据えていただ いて、御答弁をいただきたいと思います。

●国務大臣(塩川正 十郎君) これは、私は、すべての社会保障関連すべて、一度国民的会議の中 でやっぱりきちっとした議論の中で決めてもらいたいと思うんです。それは、 結局、こういう社会保障は増えていく傾向にあることは当然だろうと思ってお りますが、一方において経営の問題もございますので、そういう点でいろいろ と問題が解決しなきゃならないものもあります。それと同時に、ワークシェア リングの一つの方法として、そういう小刻みの労働ということがこれからも左 右されていくとするならば、それに対してやっぱりセーフティーネットもやっ ていかなきゃならぬ。

 そこで、医療、年 金あるいは雇用関係全部合わせまして、一体そういう社会的コストというもの はどのように制度で負担したらいいのか。保険という形でやっていいのか、あ るいは国民のそういういわゆる必須的な行政の責任としてやっていくのかとい うそこらの根本問題を一回きちっと議論して決めて、方向を決めてもらいたい と。それによって私たちの取扱いが全部決まってくるように思っておりまし て、そのことのチャンスは、私は、十六年度に年金が改正されますね。あの改 正が、来年からというか、もう早々議論が始まると思うんですが、このときが 一番大事な、日本の社会保障の方向付けを決める大事な年ではないかと思って おります。どうぞ積極的な意見を出していただきたいと思います。

●川橋幸子君 ほか にも予定している質問がございますので、たくさん通告した割にはエッセンス だけのお聞きの仕方になったかも分かりません。でも、もう一回、取りまとめ 的にお伺いしたいと思います。

 まず一つは、保険 というせい、保険制度というせいもありますけれども、組織労働者の意見は入 るんですが、例えばパートとか派遣とか契約とか有期雇用とかといった非常 に、フリーターの方々も含めて、本当に未組織の方々の意見というのがちゃん と審議会の場で検討されているのか。あるいは、諮問会議の中でも学者の方々 はそうした組織労働だけではない情報をお持ちだと思いますが、あえて言わせ ていただければ、そうした声を直にヒアリングしてもらうと、こういう機会を 設けていただけないか。やはり私は、一つは社会保障、社会保険における均等 待遇原則というものをしっかりと確立する、これがセーフティーネットとして の命だろうと思いますし、また現役中の賃金についても均等待遇ということを 確立してほしいと思っております。

 先日、性中立的と いう言葉の意味をめぐって、ジェンダーフリーという英語はないというような 御指摘もございましたので、ジェンダーニュートラルというふうに申し上げま したけれども、あれから考えましたら、多分ジェンダーフリーというのはジェ ンダー・ディスクリミネーション・フリー、こういう言葉なんだと思うんです ね。

 人についても、も し市場原理を貫徹させるとすれば、それは一物一価で、人についてもその価値 を平等に計ると。人については様々な制度、慣行が絡むのでそれが難しいとい うことは分かりますけれども、少なくともそれが原則なんだという、原理原則 を打ち立ててほしいと、このように思うわけでございます。

 実施は、小泉総理 がおっしゃるように、大胆に柔軟にで結構です。ただ、表看板がぐらっぐらっ としない、日本の社会もちゃんとそうした原理原則を持つ、言わばこれはヒュ ーマンライツといいますか、人権という、そういう物差しになるのかも分かり ません。こういう原理原則をしっかり立てていただきたいと思いますが、代表 して坂口労働大臣から一言お伺いしたいと思います。

●国務大臣(坂口力 君) 今お話をいただきましたように、雇用が非常に多様化してまいりました し、これから一層多様化するものというふうに予測されます。また、その雇用 の中身もまた多様でございまして、そうした雇用に対しましてどういう社会保 障を確立をしていくかということがこれから問われることは御指摘のとおりで ございます。

 今までの社会保障 制度は、どちらかといえば終身雇用を中心にした雇用体系の中で社会保障をど うするかということであったわけでございますが、そうした体系の中からはみ 出るというとちょっと言葉は悪いですけれども、その中に当てはまらない雇用 の仕方の人たちが増えてきている、あるいはまたそういう雇用を望んでいる人 もおみえになることが事実でございます。

 したがいまして、 これから社会保障の問題を考えてまいりますときに、我々も、終身雇用の団体 の皆さん方の御意見だけではなくて、もう少し幅広くいろいろの角度からの検 討をしなければなりませんし、そうした皆さん方の御意見も伺っていかなけれ ばならないというふうに思っております。

 先ほど財務大臣か ら御答弁がございましたとおり、いよいよ来年一年掛けまして年金の議論をし ていただくわけでございますが、この年金こそ、やはりそうした中で今後どう していくかということを本当に真剣に議論をしなければならないというふうに 今思っているところでございます。

●川橋幸子君 ・・ ・中略・・・質問を終わらせていただきます。

 

*   *   *

 

回次

会議名

開会日付

議員名

155

厚生労働委員会

11

2002/12/11

金田 誠一

(質疑事項:大学非常勤講師等のかけ持ちパート労働者に社会保険を適用する 必要性)

 

●金田(誠)委員  民主党の金田誠一でございます。・・・中略・・・

 次に、本題に入ら せていただきます。

 きょうは、いわゆ る細切れパートと呼ばれる方々の社会保険の適用等について伺いたいと思いま す。

 いわゆる細切れパ ートとは、複数の勤務先に同時に勤務するパート労働者で、かけ持ちパートあ るいはダブルワーカーなどとも呼ばれているようでございます。

 典型的な細切れパ ートとしては、大学の専業非常勤講師があろうかと思います。大学非常勤講師には、分類すれば四つほど類 型があるということでございますが、そのうちの一つの専業非常勤講師というものは、大学院の修了者で他に本務がなく、主と して非常勤講師の仕事だけで生活している者 と定義することができるわけでございます。

 文部科学省によれ ば、平成十年現在で国公私立大学を通じた非常勤講師の総数は十三万三千八百六十 九人、全教員に対する割合は四七・八%、専ら非常勤講師のみを仕事とする専業非常勤講師の人数は国公私立で四万五千 六十七人に上るとされております。しかし、この非常勤講師の労働組合の側から言わせますと、この四万五 千六十七人のうち、複数大学かけ持ち勤務が多いので実数は二万 人前後ではないか、こう言っているところでございます。

 非常勤講師の待遇は信じられないほど劣悪でございまして、歴史 的経過から、それで生活するというレベルでは考えられておりません。

 首都圏大学非常勤講師組合によれば、一回の講義を一こまと数えるよう でございますが、一こまおおむね九十分で、これを一年間やりますと年収三十 万円、その上、多くの大学非常勤講師の担当を一人四こま以下とし ているために、一校につき一こまから四こまを担当し、複数校をかけ持ちする という、いわゆる細切れパートにならざるを得ないわけでございます。

 京都・滋賀地区の私立大学非常勤講師組合の調査によれば、専 業非常勤講師の七七・三%がかけ持ち勤務、平均二・七校、最高八 校で、平均八・五こま、最高二十一こまの講義を担当しております。語学系で あれば二十こまもどうにか可能、ぎりぎりいっぱいだと言われておりますが、 それ以外であれば十こまが限界であり、これによる年収は三百万円程度にすぎ ないわけでございます。

 その上、非常勤講師は、一年単位、半年単位の有期雇用のため身分は極端 に不安定で、さらに最近では、第二外国語の廃止や縮小、短期大学部や夜間部の廃止、国立大学の再編成などにより、雇いどめなど が広がっている状況でございます。

 そこで、問題の第 一でございますが、こうした細切れパートに対する公的年金や健康保険など社 会保障を適用することでございます。現行法においても、厚生年金保険法と健 康保険法に、複数事業所勤務者の給与合算により標準報酬を算出することがそ れぞれ規定されており、適用可能だと考えます。このほか、労災保険、雇用保 険等の問題もございます。

 細切れパートの社 会保険適用をどうするか、とりわけ典型的な細切れパートである専任非常勤講師(正しくは「専業非常勤講 師」・・・引用者)の社会保険適用をどうするか、ひとつ明快な御答弁を いただきたいと思います。

●木村副大臣 細切 れパートの件につきましては、私もこれは非常に前から関心を持っており、ま た心配しておりまして、先生が今言ったように一こま九十分なんですが、実際 は前もっていろいろな準備をしたり、後また答案の採点とかも含めて、結構九 十分以外に、準備する時間、事後の時間等が随分かかっておるんですね。だか ら、実際は九十分以上の大きな時間をそういう非常勤講師の方々は勤めておられるんで すが、常勤の人たちはそこは全部見てくれるんですが、非常勤は九十分単位で しか見ないので、先生おっしゃるとおり、まことに私は何とかしてあげたいな という、本当にずばり言って、ずばっと答えたいのでありますけれども、そこ で、先生御承知のように、これは仕組みも難しいんですね。それから、実務的 にも大変難点があるわけであります。

 いずれにいたしま しても、昨今働き方が多様となってきている中で、就業の形態が変わっても被 用者にふさわしい保障が受けられるよう、短時間労働者に対する厚生年金等の 社会保険の適用を拡大する方向で検討していくことが必要と考えており、平成 十六年の年金改革に向けて幅広く議論をしてまいりたい。

 これは私も何とか 本当にしたいという気持ちはある、これをお酌み取りいただきますよう、お願 いを申し上げる次第であります。

●金田(誠)委員  最初のイントロがすばらしいイントロだったものですからかなり期待感を持っ て聞いておりましたところ、それは副大臣ちょっとつれない御答弁ではないか と思うわけでございます。

 現行法にちゃんと あるわけですよ。私、珍しく法律、条文を読んできまして、第四十五条、同時 に二以上の事業所で報酬を受ける被保険者について報酬月額を算定する場合に おいては、各事業所について、第何条、第何条、第何条の規定によって算出し た額の合算額をその者の報酬月額とする、こうなっているわけですよ。

 恐らくどこも政府 管掌保険適用だと思いますよ。私学共済とか入れてくれていないと思います。 政府管掌保険であれば手っ取り早いんじゃないですか。どこかで四分の二の仕 事をした、どこかで四分の一やった、四分の一やった、足したら四分の四、こ れで正規の雇用者並みの報酬になるわけで、合算して健康保険と厚生年金とつ けるというふうに四十五条に書いているんですよ。

 だから、別に広く 意見も聞かなくても何にもしなくていいわけです。副大臣がわかったと言えば 済む話ですから、一声、現行法で可能と言ってくださいよ。

●木村副大臣 わか ったと言えるようにこれから一生懸命先生とともに考えてまいりたい、こう思 っております。

●吉武政府参考人  今先生お尋ねがございました厚生年金保険法第二十四条第二項の規定でござい ます。

 これは現在の解釈 を御説明申し上げますと、健康保険もそうでございますが、被保険者の関係 は、適用事業所と常用的使用関係にある方を適用するというふうになってござ いまして、その使用関係の有無につきましては、労働日数、労働時間等を見ま して判断をするということになっています。それで、基本は、労働時間、所定 労働日数がおおむね四分の三以上である方を常用的使用関係にあるということ で被保険者として適用しておるわけでございます。

 したがいまして、 現行の今先生がおっしゃいました二十四条第二項の解釈は、まず被保険者であ るということが前提でございまして、被保険者である方が二つの事業所で働い ておられる場合にそれを合算するという規定でございます。

 ただ、先ほど副大 臣からもお話がございましたように、短時間労働者等の方につきまして、今の 四分の三のままの適用基準でいいかどうかということにつきまして、これから 十六年の年金制度改革に向けまして検討を行うということになっておりまし て、例えばその中で、女性と年金の検討会で少し提案された案で申し上げます と、二分の一以上、あるいは時間数が二分の一以上だけではありませんで、例 えば、収入が一つの事業所で六十五万以上の方についても検討したらどうかと いうことでございます。そういう中でどの程度対応できるかということも検討 していく必要があるだろうというふうに思っております。

●金田(誠)委員  その解釈は間違っていると思うんですね。これは健康保険も厚生年金も同じ適 用だと思うんですよ。セットでこれは加入になるわけですから。私は厚生年金 保険法の方をちょっと読まないで来まして、健康保険法だけ今見て言っていま す。だけれども、結局中身は同じことでしょう。

 この健康保険法に よれば、今の局長の答弁ですと、どこか一カ所で四分の三以上勤めていないと 適用しないんだということなんですよ。しかし、複数で勤めていて、一カ所で 四分の三勤めていれば、それはそれだけでもう健康保険も年金もついちゃうわ けですよ、一カ所だけで。合算も何もしなくていいわけですよ。わざわざ合算 して高い健康保険料を払う人がいますか。年金だったら戻ってくるからという のはあるかもしれませんけれども、健康保険はどれだけ払ったって給付は同じ なわけですから。そんなばかな話ないでしょう。

 それで大臣、これ はこういう解釈をずっとしているんだそうですよ。それはおかしいんじゃない ですか。四分の一ずつ三カ所で働けば四分の三、それでつけなきゃだめです よ、今の制度で四分の三で被保険者になるんだから。今後、年金改正あるいは パートをどうするかということで、それを四分の二にしようとか、金額的にも 下げようという話はあります。しかし、それはそれ。現状の合算規定というの は、現状四分の三でつけているのであれば、合算して四分の三になったらつけ る。政府管掌だもの一カ所で管理できるでしょう。それが現行法ですよ。そう でないと納得できませんね。

●吉武政府参考人  繰り返しの話でまことに恐縮でございますが、健康保険法も厚生年金保険法も 適用事業所との関係で被保険者という位置づけをさせていただいているわけで ございます。

 その適用事業所と の関係で、例えば、二つの企業に勤めていただきますと使用関係が二つになり ます。それぞれの関係について、四分の三以上の方について被保険者とすると いうルールをやっておりますので、先ほどから何度も申し上げておりますが、 二十四条の二項はそういう前提に立った条文だということでございます。そう いう解釈に基づいて今実施をいたしております。

 それで、先生のお 考えでございますが、例えば、合算をいたしまして四分の三になった方がおら れるといたしまして、ある事業所で四分の一、ある事業所で四分の一、ある事 業所で四分の一、その場合に、その方にとって合算して四分の三でございます が、事業主との関係で申し上げますと、四分の一の方と同じ使用関係にあると いうことでございます。そこの点も考えないと、この被用者保険なり被用者年 金の関係はなかなか、事業主負担の問題もございますので、解決がしにくいと いう問題があるというのが背景にあるんだろうと思います。

●金田(誠)委員  それはおかしいですよ。それじゃ、四分の三以上を二カ所で勤めていなきゃ合 算しない、A事業所で四分の三、B事業所で四分の三、では四分の六になるん ですか。八時間労働が十二時間労働になるんですか。労働基準法違反じゃない ですか、そんなことしたら。そんなばかなこと言っちゃいけませんよ。

 では、こういう聞 き方をしたらどうなります。一カ所四分の三以上でなきゃつけないんだ、健康 保険、適用しないんだと。そうしたら、二以上の合算規定で健康保険の標準報 酬を徴収しているというのはありますか、それじゃ。一カ所で済むでしょう、 それなら、四分の三の一カ所だけで。現実に、A事業所、B事業所、四分の 三、四分の三ということで保険料を徴収しているのなんか、ないでしょう。

●木村副大臣 この 件に関しましては、金田先生も私も非常に共鳴するところがありますので、私 もこの件に関しては、先ほど言ったように、平成十六年、議論ではなくて真剣 に検討する方向でともにやっていこう、こういうことでいかがでございましょ うか。(金田(誠)委員「それはそれでまずわかりました。しかし、私の質問 にも答えてください」と呼ぶ)

●吉武政府参考人  手元に具体的な数字はあれでございますが、実務は社会保険庁で実施をいたし ておりますが、私が承知しております限りでは、こういうケースに当てはまる 方がおられます。

 その場合には、両 方の賃金を合算いたしまして、それによりましてこの方の標準報酬を設定いた します。標準報酬を設定いたしまして、保険料の徴収につきましては、賃金の 生額の案分比率で徴収する、そういう形の取り扱いを行っております。

●金田(誠)委員  これで納得したわけではありませんが、次の項目もありますので、進ませてい ただきたいと思います。

 大臣、ぜひ考えて いただきたいんですが、この条項は、四分の一ずつ三カ所で勤めていたら健康 保険をつけるということですよ。そういうふうに解釈すれば済む話ですから、 ぜひそういう形で早期に御検討いただきたい、これは強く要請をしておきたい と思います。

 では、次の質問に 移りますが、こうした細切れパートの場合は、雇用主は国、地方公共団体、民 間と異なることが多く、労働法体系も国公法、地公法、民間法制と異なってい る場合が多いわけでございます。とりわけ国公法、地公法にはパートの位置づ けは不明確であり、にもかかわらず民間法制のパート労働法、労働組合法等は適用されないという状況にご ざいます。

 一般職の職員の給 与に関する法律によれば、非常勤職員の給与については、第二十二条二項で、 各庁の長は、常勤の職員の給与との均衡を考慮し、予算の範囲内で給与を支給 するとされております。

 そこで、文部科学 省、おいでだと思いますが、質問をいたします。

 国立大学における専業非常勤講師 の給与、諸手当はどのように定められているか、また、常勤の職員の給与 との均衡はどのように考慮されているか、お答えいただきたいと思います。

●結城政府参考人 国立大学非常勤講師の給与でございますが、専任 あるいは専業であるかどうか、あるいは兼任であるかを問わず、その担当いた します授業の時間数に応じて支払われております。その場合の一時間当たりの 単価でございますけれども、その非常勤講師の方が有しております経験年 数などに応じて、予算の範囲内においてそれぞれの大学が決定しておるということでござい ます。

 もう少し具体的に 申し上げますと、予算の範囲内で執行しておりますので各国立大学により単価が異なっておりますが、 一例として、ある国立大学の場合で申し上げますと、一時間当 たりの単価といたしまして、おおむね四千円から八千円程度になっておりま す。その方の経験年数等によって、この範囲で具体的に決まっておるというこ とでございます。

 なお、非常勤講師の給与につきまして、一般職の職員の給与に関する法 律第二十二条第二項との関係でございますけれども、この二十二条第二項の趣 旨を踏まえまして、その者が常勤講師として採用されたとして、その場合に受 けることとなる給与をもとに算出して、予算の範囲内で支給をしているという ことになっております。

●金田(誠)委員  これはそうなんですか、本当に。均衡を考慮してということですが、常勤講師 もこれほど低いものなんでしょうか。一こま年間三十万、こんな低い金額で常 勤講師は採用されているものですか。

 今、一時間当たり 四千円から八千円と言いましたけれども、この四千円から八千円には、木村副 大臣おっしゃったように、準備の時間もあれば採点の時間もついて回るわけで して、この四千円から八千円というのが均衡を考慮されているとは到底思えな い。本当に、どのように具体的に均衡しているとおっしゃるわけですか。

●結城政府参考人  考え方といたしましては、今のように、その非常勤講師の方が常勤講師として採用さ れた場合に受けることになる給与をもとに、その単価を算定しておるわけでご ざいます。

 平成十四年度の予 算で申し上げますと、一時間当たりの単価、これは予算上の単価でございます が、四千八百五十円という単価で予算が組まれておるわけでございます。

●金田(誠)委員  ここで、数字のことなものですから、今のような説明を受けましても、それで 均衡がどうなっているのかというのはよくわかりません。ぜひ具体的にどうい う計算で均衡しているとおっしゃるのかわかるような、これこれこういう計算 式によって均衡しているのだというようなものを後で提出していただけます か。

●結城政府参考人  後ほど資料を届けさせていただきます。

●金田(誠)委員  それでは、よろしくお願いをして、次に入ります。

 例えば、二〇〇二 年三月にこういうことがあった。横浜国立大学非常勤講師が雇いどめになった、当局は この問題で組合との交渉を拒んでいるというふうに 聞いております。組合というのは首都圏非常勤 講師組合という組合でございますが、雇いどめの問題で 交渉を拒むというのは穏やかな話ではございませんが、これは一体どういうこ とでございましょう。

●結城政府参考人  ただいまお尋ねの件につきまして、横浜国立大学に確認をいたしました。

 この非常勤講師の方でございますけれども、横浜国立大学で平成九年に設置されました新設の 学科の実験系の科目を、平成十一年度の後期、それから平成十二年度、十三年 度の前期、後期、合わせて二年半の間、週一回担当されてきた方でございま す。その各年度、毎年度の採用になっておりまして、その非常勤講師の採用時には、その都度任用 期間を明示した文書を交付してきております。

 今年度、十四年度からこの非常勤講師の方の新たな採用を行わない ことにしたわけでございますが、これは、その新設の学科の整備が十三年度、 昨年度をもって完成いたしまして、十四年度以降のカリキュラムの見直しを行 いまして、今年度からはこの実験系の科目をすべて常勤の職員で賄う方針にな ったということでございます。また、横浜国立大学では、この非常勤講師の方に対しまして、本年度採 用しないこととする理由などを、昨年の十月以降、先月までの間に九回にわた り直接御説明もしているところでございます。

 なお、この件に関 しましては、昨年の十一月二十八日付の要望書が出てきておりまして、都区関 連一般労働組合と同組合大学・専門学校非常勤講師分会、これは通称首都圏大学非常勤講師組合と言っております が、それからこの組合員たるこの非常勤講師 御本人の三者の連名で、団体交渉を設定してもらいたい旨の要望書が学長 あてに出されております。が、その後、先ほど申し上げましたように、御本人 とは数次にわたりまして話し合いも行っておりますし、当該非常勤講師以外の組合関係者の方から特段のそれ以降の要 望も来ていないというのが現状でございます。

●金田(誠)委員  これは団体交渉には応ずるということなんでしょうか。いろいろ説明はありま したけれども、要は、この方が加盟する労働組合から交渉の要求があるわけですか ら、応ずるか応じないか、応じないとすれば理由は何か、これをお答えいただ きたいと思います。

●結城政府参考人  応ずる必要はないと思っております。

 国家公務員法第百 八条の五第一項におきまして、人事院に登録された職員団体から適法な交渉の 申し入れがあった場合においては、当局はその申し入れに応ずべき地位に立つ ものとされております。昨年十一月に出されました要望書の当該労働組合でございますけれども、この国家公 務員法に言う人事院登録職員団体にはなっておりませんので、当局といたしま しては、その交渉に応ずる義務はないというふうに考えております。

●金田(誠)委員  これは、いわゆる細切れパートの方だと思います。したがって、雇用主が、今 横浜国大であれば国でしょうし、どこかの公立の大学にも勤めているかもしれませんし、 民間にも勤めているかもしれません。こういうことが当然あり得るわけでござ います。

 また、国公法や地 公法の体系では、細切れパートのみならず常勤的パートの存在も前提としたよ うな法体系になっておらない。団体交渉などいわゆる職員団体との関係も、い わゆる職員団体、国公法に基づく職員団体ということになっているわけで、い ろいろなところをかけ持ちするパートが国公法の枠の職員団体ということでく くられるかというと、これは法的に不備があるんだと思うんですよ。そのこと をまた盾にかたくなに交渉を拒否する方もする方だ。これは国公法に基づく職 員団体にこの方が入れるわけでもないでしょうから、そういうやはり実態に即 した運用というものが私は必要だと思うわけでございます。

 そこで、これは大 臣に一つ御提案でございますけれども、パート労働法を含む民間労働法体系、 労働組合法なり労働基準法なり、さまざまあ る民間労働法体系、これについては国や地方公共団体に雇用される者も含めて 適用する、者というのは一般の公務員ではなくてパートとかそういう方々、今 問題にしている方々、こういう方々も含めて民間の法体系を適用するというこ とを考える時期に来ているんではないか、こう思うわけでございます。こうし た考え方に立てば、国公法、地公法の適用は一般職の公務員、いわゆる正規の 公務員ですよ、正規の公務員と、議会の議員や審議会の委員など本来の特別 職、これに限定したものになる、公務員法の体系は。これが一番すっきりする んではないか。

 そのパートとか嘱 託とか非常勤という方々は、かけ持ちもある、民間に行ったりいろいろあるわ けですから、これは国公法、地公法で枠を囲うというのはもう現実的にかなり 厳しい状況。しゃきっと国の方もやっているのならいいですよ、やられていな いわけだから。そういう中では、厚労省として、これは民間の担当だとはいう ものの、国や地方公共団体に雇われていてもその体系できちんとそれを囲うと いう考え方を打ち出して、公務員法制を所管する省庁との協議に私は入るべき 時期に来ていると思うんですが、大臣、いかがでございましょう。

●坂口国務大臣 こ のパートの皆さんの話は、参議院におきましても川橋先生から出たわけでござ います、四苦八苦して答えたわけでございますが。同じように大学等にお勤めになります皆さんのお話 でございました。

 それで、そのパー トにかかわります部分、いわゆる大学でいえば、民間の大学の部分につきましては、これはパー トの範囲に入ってくると思いますから、これはパートのいわゆるさまざまな角 度からの問題を今検討いたしておりますから、その中でどういうふうにしてい くか、パートの皆さん方の社会保障というのをどうするかということを今やっ ているわけでございますから、これはそうした中でもひとつ議論したいと思っ ております。

 いわゆるどこでと るか、先ほどの話のように、三分の一、三分の一、三分の一というふうに同じ ように勤めておみえになる人をどうするかというのは困るわけでございます が、どこか一つちょっと半分なら半分勤めて、ほかに半分、半分、こういくの だったら処理しやすいわけでございますけれども、同じようなところにどうす るかという問題がございまして、そこはなかなか難しいと思うんですが、これ は一遍検討させてください。

 それで、もう一つ 大きな話、公務員との話でございますが、これは、現在の我々の方のやってお ります法律は民間のところを中心にしてやっているわけで、公務員の中のこと は一切入ってきていないわけですね。これをまとめて一つの案にするというの は、考え方としてはなるほどそれはあるかもしれませんけれども、これは大変 な根っこからの大改革になるわけでありますから、それはそこまで一足飛びに 行くのはなかなか難しいと思いますが、今後雇用の形態というのが変わってく るわけでありますから、変わります雇用の形態の中でどう対応していくかとい うことに焦点を当てながらそうした全体のことも考えていきたい、そういうふ うに思っております。

●金田(誠)委員  大臣、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。

 その検討をこれか らするにしても、いわゆる細切れパートの実態が把握されていないという状況 があると思うわけでございます。この際、厚労省と文部省、協力して、専業非常勤講師を中心とする細切れパート、 この実態調査をすべきではないかと思いますが、最後の質問です、いかがでし ょう。

●工藤政府参考人  先ほど先生お挙げになった数字は、私どもの行ってございます教員統計調査の 報告結果でございます。これは調査にお答えいただく大学等の御負担を軽減するために三年に 一遍やってございまして、十年の後は昨年度、十三年度に調査して、今集計中 でございます。これは今月中にその結果をまとめて公表したいと思いますが、 それはまた先生のところへお届け申し上げます。

 そういう数字のほ かに、私ども、国立大学や私立大学等の実態について、その非常勤講師の方々のどれぐらいのこま数 の分担であるか、どれぐらいの給与実態であるか等については、その都度把握 させていただいているところでございます。今後ともその事実関係の把握に努 めながら、各大学の適切な対応をお願いしてまいりた いと思います。

●岩田政府参考人  厚生労働省の立場から申し上げさせていただきますと、大学の専業非常勤講師だけではなくて、民間企業の パートタイム労働者の中にも一人で複数の事業所をかけ持ちでパートで就労さ れていらっしゃる方もいるのが現状でございます。そういう現状が十分把握さ れていないというのは確かでございますので、検討課題であるというふうに思 います。

 まず、そういった かけ持ちで就労されているパートタイマーの何が問題かといったようなあたり にまず問題を洗い出した上で、そういう問題意識に沿った現状の把握の仕方が 効果的かというふうに思いますので、関係部局とも相談しながら検討してまい りたいと思います。

●金田(誠)委員  教員統計調査といいますと、いわゆるかけ持ちパートという観点からこの実態 がどうかという、恐らく調査項目にはなかなかなっていないのかなという気も いたしますので、ぜひその辺も今後念頭に入れて、実態が浮き彫りになるよう な調査をぜひお願いしたいと思います。

 最後に、団体交渉 の問題でございますが、国公法に基づく職員団体にこうした細切れパートの方 が加入するなんというのは不可能です。その辺は幅を持って、団体交渉という 名前がつくかどうかは別にしても、その労働組合の方々含めて、誠意を持ってやはり 話し合いをしていただきたい、このことをぜひ文部科学省には強く御要請をい たしまして、時間でございますから終わらせていただきます。どうもありがと うございました。

<End of File>

 

inserted by FC2 system