<資料>以下は、4組合による厚生労働省に対する陳情(2007年3月9日実施)で提出した要請書です。各組合の連絡先と代表者名は省略します。
2007年3月 9日
厚生労働大臣
柳沢 伯夫 殿

要請書

首都圏大学非常勤講師組合
関西圏大学非常勤講師組合
全国一般労働組合東京南部大学教員支部
東海圏大学非常勤講師組合
     

<大学における派遣労働・請負>

  現在、パート・アルバイト・派遣・契約社員等の非正規雇用者が、全労働者の1/3を占めるに至っております。そうした中で今年3月1日、偽装請負から直接雇用への指導強化のため、厚生労働省が都道府県の労働局長に通達を出したことについては、大変高く評価いたします。
 しかしながら問題は、この派遣労働・業務委託(請負)契約が大学にまで導入されている点です。しかも大学が子会社を作って業務を委託しながら、あたかも派遣された語学や教養科目の「教員」のように、大学自らが指揮・監督し授業をさせている事例があります。そこで、以下を要請いたします。

(1) 実態が派遣労働であるチューターを、直接雇用することを早稲田大学に求める等の対応を要請します。

(2) 派遣や請負を導入している大学の全国調査と偽装請負禁止の通知を求めます。

資料によれば(資料1ー3参照)、早稲田大学オープン教育センターは、早稲田大学インターナショナル社(2000年10月設立、早稲田大学資本51%)に語学の講義を委託し、同社の派遣する「教員」(チューター)が早稲田大学の担当教授(コーディネーター)の下で講義を行っています。このような実質的な派遣労働が当大学では既に3年を越えているため、直接雇用を申し入れる義務が発生しているはずです。講義が業務委託であるとしても、大学の指揮監督は職業安定法違反であり偽装請負になります。そこでチューターの直接雇用について、厚生労働省による調査および指導を求めます。また他大学においても同様の事例が発生しないよう、各大学に対する調査および偽装請負に関する通知の送付を求めます。

<大学非常勤講師の厚生年金加入資格>

(3) 社会保険の加入資格拡大を求めます。

現在検討が進められている厚生年金加入条件の改正で、労働時間数だけでなく、年収の資格条件を盛り込むことを求めます。具体的には、2004年度の改正時に厚生労働省が示した「65万円以上」程度の条件を求めます。

(4) コマ切れ・掛け持ちパート労働者にも社会保険の加入資格を求めます。

 厚生年金保険は、強制加入制度であって、本来被雇用者の権利です。しかし、「会社役員」の加入が認められ、働いていない被扶養者(専業主婦など)も、年金を受け取ることができます。
非雇用者に資格が認められ、「コマ切れ・掛け持ちパート」労働者である大学非常勤講師に資格がないのは、制度的欠陥と言わざるを得ません。この点について、厚生労働省としての見解を求めるとともに、コマ切れ・掛け持ちパート労働者にも加入資格を認めるよう求めます。

(5) 大学教員における、いわゆる4分の3要件の具体例を求めます。

1980(昭和55)年に厚生省が出した「内簡」以前は、いくつかの大学で非常勤講師が私学共済制度や厚生年金制度に加入しており、現在彼等には年金が支給されています。しかし「内簡」後、非常勤講師は労働時間が短いことを理由に厚生年金制度から排除されました。
 ところで「内簡」が「常用的使用関係にあるか否か」の認定の基準としている「通常の就労者」とは誰かという問いに対し、2002年9月11日に行われた当組合との交渉で、厚生労働省は「専任教員の契約」だと回答しました。しかし大多数の私立大学の専任教員は、就労規則の中で「9時〜5時が労働時間である」と定められていません。そこで、大学教員の労働時間における4分の3の根拠となる「1」の具体例を明示するよう求めます。

(6) 大学非常勤講師を現行諸法の中で「合算規定」の対象者に位置づけるよう求めます。

大学教員は、例えば社会保険庁監修『誰にも分かる社会保険の手引き』が、合算例としてあげている「複数事業所に雇われている特殊技能者」に当たると思われます。そこで大学の非常勤講師を現行諸法の中で合算規定の対象者とすることを求めます。
 なお合算規程の適用においては、既に国会答弁で示唆された通り、担当授業時間の3〜4倍程度、例えば週2コマ(4時間)の講義で12〜16時間の労働と見なすことを、合わせて求めます。

以上
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