<資料>以下は、首都圏・関西圏・NUGW-UTUNUGW-FGUの大学非常勤講師等4組合による、文部科学省・厚生労働省に対する陳情(2006417日実施)の要請書(組合代表者名などは省略)です。参考のため掲載します。

 

2006417

文部科学大臣

小坂 憲次 殿

 

 

要請書

 

 

首都圏大学非常勤講師組合

関西圏大学非常勤講師組合

全国一般労働組合東京南部大学教員支部(NUGW-UTU

福岡ゼネラルユニオン(NUGW-FGU

(注:上記4組合の代表者名などは省略)

 

 専業非常勤講師の待遇については、近年以来、文部科学省の「均衡処遇」という取り組みの姿勢を大変歓迎しております。ただし、構造改革特区制度の下で平成164月に開学した株式会社立大学・LEC東京リーガルマインド大学(以下LEC大)において、専任教員(助教授)が業務委託という契約で月5万円程度の収入しかなく、専用の机も研究費もないという実態を、前回の交渉で紹介いたしました。このような大学の運営は、組合が文部科学省との確認の上で積み上げてきた、専業非常勤講師の位置づけと大きく矛盾することになります。

 今回は、前回積み残した問題点とともに、株式会社立大学の実態に関し、文部科学省の見解をお伺いしたいと思います。また、文部科学省の対応をより確実に各大学へ周知していただくべく、外国人教員も含めた大学の不安定雇用教員の処遇改善の推進に向けて、以下の点をご検討いただきたく、要請いたします。

 

 

 

 

 

1.大学教員の雇用形態の認識

 

 LEC大の事例で明らかなように、最近は、大学教員の雇用形態が直接雇用だけではなく、派遣や業務委託などの形も借りた不透明な状況になってきております。そこで、以下の5点について担当課の回答をお伺いいたします。

 

 ①全国の大学における派遣・業務委託の実態について、担当課からの情報提供を求めます。

 

 ②LEC大問題に関して馳浩文科省副大臣は、第164回参議院・行政監視委員会(2006.4.10)において「そもそも大学の授業に求められている社会的な要請と、資格試験予備校に求められている社会的な要請は全く違うわけでありますから、これを混同するような、まさしく看板に偽りありのような運営を、確信犯的にやっていたとすれば、まさしく言語道断でありますから…」と激しく非難しています。このように、大学の講義と各種予備校・専門学校の講義は社会的要請が異なるとすれば、一部の大学のように、語学を他の専門学校へ丸投げするような状況は言語道断といえますが、この点について担当課の見解をお伺いいたします。

 

 ③LEC大の専任教員が業務委託契約であることについて、同行政監視委員会の質疑の中で吉川春子議員が「…3月末、労働基準局から請負ではなくて労働者であると改善命令が出されたという報告を受けております」と公表しました。馳副大臣の答弁と併せて考えれば、そもそも大学教育を大学当局の直接指揮命令できない業務委託によって運営することは不可能であり、大学教員の業務委託は不適切であると思われますが、この点について担当課の見解をお伺いいたします。

 

 ④特に語学系の講義に関して、近年大学が派遣社員を導入する傾向がありますが、文部省令第28号・大学設置基準第14条以下において、全ての教員は原則として研究上の業績等を有する者であることを、大学が認定する必要があります。しかしながら労働者派遣法267項では、いわゆる派遣先の事前面接は禁止されており、この場合の教員資格の認定の問題について、担当課の見解をお伺いいたします。

 

 ⑤労働者派遣法によれば、派遣期間の制限について、一定の要件を満たす場合は1年を超え3年以内のあらかじめ定めた期間まで、それ以外は1年までとなっています。つまりこの法律の趣旨は、恒常的に必要とされる業務は派遣では不適切であるということを示していますが、語学系の講義は全て基礎教養・専門科目として恒常的に設定されています。この矛盾について、担当課の見解をお伺いいたします。

 

 

2.均衡処遇という意義の周知徹底

 

 各国立大学への15文科人第326号・平成16315日「法人化後における非常勤講師の給与について(通知)」や、私学助成金における非常勤講師給の補助単価の1.5倍化など、文部科学省の大学諸制度に対する「均衡処遇」の見解は、当組合として非常に高く評価しております。国立大学の独立行政法人化に伴う非常勤講師の賃下げに関しては、河村文科省副大臣(当時)の第156回参議院・文教科学委員会(2003.6.5)での答弁「非常勤講師についてはいわゆるパート労働法といいますか、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律、この適用になっていくわけでございますから、通常の労働者との均衡等を考慮して適正な労働条件を確保する」や、第156回参議院・内閣委員会(2003.6.12)での「これは、国立大学法人に今度なりますと、運営交付金が算定して渡されるわけでございます。この枠の中でやるわけでございますが、法人化になった途端にどんと下がるというようなことはあり得ないことであります。そんなことがあってはならぬわけでございまして」など、均衡処遇の観点から大巾な賃下げは行わないという方針が示されました。しかし文部科学省の「均衡処遇」の見解を、全く理解せず賃下げを強行する大学があります。

 例えば埼玉大学は、公表されている国立大学の非常勤講師給与に関する算定基準と計算式について、専任の労働が強化されその分専任の「教育業務時間」単価が下がったとし、それに「均衡」させて非常勤の給与を下げるための根拠としています。この点に関する担当課の見解をお伺いします。

 

 

3.外国人教員の実態調査

 

 外国人教員の実態に対しては、事実についての把握がなされておりませんが、文部科学省の責任ある見解をいただくために、今後の実態調査についての予定を担当課にお伺いいたします。

 

 

4.外国人に理解できる言語での情報伝達

 

 私立大学の外国人教員の多くが、契約・就業規則・授業のスケジュール・年金・保険等の重要な情報を、本人が理解できる言語の翻訳で受け取っていないという実態があります。そのため大学の行事に参加できず、外国人教員が大学での評判を落とす等の弊害が生じています。また日本語能力を問わずに採用したにもかかわらず、外国人の理解可能な言語に関する大学からのサポートは殆どありません。国立大学だけでなく私立大学においても、外国人に理解できる言語での情報伝達の周知徹底を要請いたします。

 

 

5.LEC大の実態把握と対応

 

 今年に入ってから、衆議院・文部科学委員会(2006.3.15/29)、参議院・予算委員会(2006.3.24)において、それぞれ保坂展人議員、小泉顕雄議員がLEC大について様々な問題点を指摘しています。先の行政監視委員会においては、シラバスの問題点が具体的に指摘されましたが、既に年次調査においても警告の出ているLEC大に対する、文科省の実態把握と今後の対応について、担当課の見解をお伺いいたします。

 

以上

 

 

2006417

厚生労働大

川崎 二郎 殿

 

 

要請書

 

 

首都圏大学非常勤講師組合

関西圏大学非常勤講師組合

全国一般労働組合東京南部大学教員支部(NUGW-UTU

福岡ゼネラルユニオン(NUGW-FGU

(注:上記4組合の代表者名などは省略)

 

 専業非常勤講師の待遇については、多くの議員により国会で質疑が積み重ねられており、近年は厚生労働省の回答を得て、専業非常勤講師全体の生活面においては一定の改善がありました。ただし、構造改革特区制度の下で平成164月に開学した株式会社立大学・LEC東京リーガルマインド大学(以下LEC大)において、専任教員(助教授)が業務委託という契約で月5万円程度の収入しかなく、専用の机も研究費もないという実態を、前回の交渉で紹介いたしました。

 今回は、大学教員の契約関係を中心とした労働問題を起点に、厚生労働省の見解をより確実に各大学へ周知していただくべく、外国人教員も含めた大学の不安定雇用教員の処遇改善の推進に向けて、以下の点をご検討いただきたく、要請いたします。

 

 

 

 

 

1.大学教員の雇用形態の認識

 

 LEC大の事例で明らかなように、最近は、大学教員の雇用形態が直接雇用だけではなく、派遣や業務委託などの形も借りた不透明な状況になってきております。そこで、以下の3点について担当課の回答をお伺いいたします。

 

 ①LEC大の専任教員が業務委託契約であることについて、第164回参議院・行政監視委員会(2006.4.10)の質疑の中で吉川春子議員が「…3月末、労働基準局から請負ではなくて労働者であると改善命令が出されたという報告を受けております」と公表しました。この件については、既に労働基準局への告発当事者である組合員の了解を得ておりますので、より詳細な報告をお願いいたします。

 

 ②労働者派遣法267項では、いわゆる派遣先の事前面接は禁止されておりますが、この規定の目的及び趣旨について担当課の見解をお伺いいたします。

 

 ③労働者派遣法によれば、派遣期間の制限について、一定の要件を満たす場合は1年を超え3年以内のあらかじめ定めた期間まで、それ以外は1年までとなっています。このような派遣期間の制限の目的及び趣旨について、担当課の見解をお伺いいたします。

 

 

2.専業非常勤講師の年金・保険の合算制度の確立

 

 厚生年金については、かつて第155回衆議院・厚生労働委員会(2002.12.11)で、パート労働者に関わる社会保険諸制度の改正においては、専業非常勤講師等の救済が検討課題である旨の答弁がされています。また厚生年金制度の運用に関し、20033月の当組合との陳情交渉では、すでに「合算について、技術的問題はない。」との厚生労働省からの回答をいただいております。「コマ切れ・掛け持ち」型パート労働者として、①複数の大学を掛け持ちする非常勤講師は、年収200万円を超えていても一大学においてその基準を満たさない場合が少なくない、②大学の講義単位としてセメスター制が急速に一般化されつつある、の2点から、厚生年金の加入資格については半コマから全ての事業所の「合算」で算出するよう、運用についての対応を要請いたします。

 また、雇用保険について、現在、専任教員の雇用保険への加入が進んでいるところと思われます。この点についての現状の報告をお願いいたします。また、加入資格のある任期付き教員や非常勤講師に対しても、雇用保険に加入させるよう、関係所管課からの通知徹底を要請いたします。さらに、専業非常勤講師が雇用保険に加入することができるよう、加入資格を厚生年金同様に、半コマから全事業所の「合算」で算出することを要請いたします。

 

 

3.外国人に理解できる言語での情報伝達

 

 私立大学の外国人教員の多くが、契約・就業規則・授業のスケジュール・年金・保険等の重要な情報を、本人が理解できる言語の翻訳で受け取っていないという実態があります。そのため大学の行事に参加できず、外国人教員が大学での評判を落とす等の弊害が生じています。また日本語能力を問わずに採用したにもかかわらず、外国人の理解可能な言語に関する大学からのサポートは殆どありません。

 このような現状においては、外国人教員は充分な労務の提供をしたくともできない状況におかれています。労働契約等に関して、契約内容にそった労務の提供のため、本人に理解できる言語・手段での情報提供を雇用主の責務として、2006年度内に、厚生労働省より各大学に周知するよう要請いたします。

 

以上

 

 

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