<資料>以下は、首都圏・関西圏・NUGW-UTU・NUGW-FGUの4組合による、文部科学省・厚生労働省に対する陳情(2005年3月8日)の要請書です。参考のため掲載します。
2005年3月8日
文部科学大臣
中山 成彬 殿

要請書

首都圏大学非常勤講師組合
委員長:(省略)

関西圏大学非常勤講師組合
委員長:(省略)

全国一般労働組合東京南部大学教員支部
(NUGW-UTU)
委員長:(省略)

福岡ゼネラルユニオン(NUGW-FGU)
委員長:(省略)


 昨年は、当組合の陳情に基づく文部科学省の迅速な対応により、専業非常勤講師の生活・待遇の低下をある程度防止することができました。各国立大学への通知や私学助成金における非常勤講師給の補助単価の1.5倍化など、文部科学省の大学諸制度に対する「均衡処遇」の見解と対応は、高く評価しております。
 専業非常勤講師の待遇は、全体的にはこの取り組みにより改善されつつあります。しかしながら、昨年4月から7月にかけて、全国一般労働組合東京南部大学教員支部(NUGW-UTU)が外国人教員のみを対象にアンケートを行いましたところ、外国人である専業非常勤講師はもとより、専任教員においても同じ大学教員として平等であるべきところが、外国人であることを理由に様々なかたちで不当な扱いを受けていることが明らかになりました[資料J]
 そこで今回は、今まで具体的な回答をいただけなかった外国人教員の問題を取り上げ、その重要項目を絞りました。文部科学省の見解をより確実に各大学へ周知していただくべく、外国人教員も含めた大学の不安定雇用教員の処遇改善の推進に向けて、以下の点をご検討いただきたく、要請いたします。

1.外国人であることを理由とした特別契約・任期付雇用契約

 [資料J]のように、およそ1/3(33.9%)の外国人教員は、契約があるために日本人と同様の能力があるにも関わらず異なる扱いを受けていると答えています。そのうち1/3(38.5%)の外国人教員は、これは外国人用の特別枠だといわれ、任期付雇用契約への署名を迫られたとのことです。外国人であることを理由とした任期付雇用契約について、文部科学省の現状に対する認識と今後の対策について、担当課からの見解をお伺いします。

2.外国人であることを理由とした昇進差別

 [資料J]によれば任期雇用教員の半数以上が、外国人であるために昇進差別を受けていると感じています。具体的には、有期契約であることや日本語能力を理由とした昇進の拒否等があります。このような実態について担当課からの見解と対策をお伺いいたします。

3.外国人に理解できる言語での情報伝達

 [資料J]によれば外国人教員の半数近くが、契約・就業規則・授業のスケジュール・年金・保険等の重要な情報を、本人が理解できる言語の翻訳で受け取っていないと答えています。そのため例えば大事な大学の行事に参加できず、情報伝達の非能率や混乱から、外国人教員が大学での評判を落とす等の弊害が生じています。日本語能力を問わずに採用した場合でも、外国人の理解可能な言語に関する大学のサポートは殆どありません。このような実態について担当課からの見解と対策をお伺いいたします。

4.外国人教員のビザ(査証)に関する配慮

 [資料J]によれば外国人教員は、外国人であるが故の居住問題を抱えています。外国人に家を貸さない家主・不動産業者に対し、外国人差別を禁止する具体的な法律が存在しないため、外国人教員の半数以上が差別を体験したと答えています。さらに非常勤講師については、大学がビザ申請に必要な書類を発行しない場合、家主・不動産業者のビザ提示の要求に応えることができない等の支障が生じています。大学は非常勤を含む外国人教員を雇用する場合、請求があれば自動的にビザ(査証)の保証をするべきです。この点に対する、担当課の見解と対策をお伺いいたします。

5.外国人教員の年金に対する正当な取り扱い

 外国人教員といえども、日本人教員と同様、年金加入の義務を負っています。しかしながら、専任教員の場合(90.5%)はともかく、事実上のフルタイムである任期付常勤教員の厚生年金あるいは国民年金加入率は、[資料J]によれば63.8%しかありません。また非常勤講師で上記のどちらかの年金に加入しているのは、16.3%しかありません。なお非常勤講師の半数以上が、いかなる年金にも加入していないと答えています。特に、期間以外は専任とほぼ同様の雇用条件であるはずの、任期付常勤教員の加入率の低さに関し、担当課からの見解と対策をお伺いいたします。

6.外国人教員に対する雇用の安定

 以上[資料J]にあるように、外国人教員は同等の能力を持つ日本人と比べて、専任教員ではなく任期付常勤教員として採用される事例が非常に多く、ただでさえ不安定な外国人としての立場が不安定なまま固定されている実態があります。しかも、その根拠が「外国人である」ということしかなく、教歴・業績・研究活動などの公平な審査の結果に基づいていません。国籍にかかわらず、大学は能力や経験に応じた処遇を行わなければならないのは当然のことです。このような外国人であることを理由にした差別的な取扱いへの対処について、担当課からの見解と対策をお伺いいたします。 また、非常勤講師として採用する場合でも、ビザ(査証)等外国人に特有の滞在・居住に関する困難があるため、特別な配慮が必要です。このような外国人であることに配慮した処遇について、担当課からの見解と対策をお伺いいたします。

7.外国人教員の実態調査

 今回の全国一般労働組合東京南部大学教員支部(NUGW-UTU)の調査では、今まで多少認識されてはいたものの、明確ではなかったいくつかの問題が明らかになりました。そこで、(1)政府・政府関係機関によるこのような実態調査が過去に行われたことがあるのかどうか、(2)あるとすれば何回行われてきたのか、また(3)将来行われる予定があるのかどうか、(4)あるとすればいつ頃どのように行う予定であるか、(5)かつて行われず将来も行う予定がないとすればそれは何故なのか、担当課からの見解をお伺いいたします。

8.文科省通知の意義の周知徹底

 各国立大学への15文科人第326号・平成16年3月15日「法人化後における非常勤講師の給与について(通知)」や、私学助成金における非常勤講師給の補助単価の1.5倍化など、文部科学省の大学諸制度に対する「均衡処遇」の見解は、当組合として非常に高く評価しております。補助単価に関しては、これを受けて一部の大学が組合からの要請に基づき、非常勤講師の給与の増額を検討し実施しました。とはいえ、文部科学省の「均衡処遇」の見解が、充分に周知・理解されているとは言い難い状況です。なぜなら実際に交渉や要請をしてもパートタイム労働法すら知らない大学が大半であり、非常勤講師という「特殊な」労働形態には適用できない、または非常勤講師の時給は常勤講師の週賃金を40時間で割った額よりも高いのだから今でも充分均衡していると主張し、主旨が理解されていないことがわかります。 そのため、パートタイム労働法に基づき,全ての大学は,非常勤講師と常勤講師の均衡待遇の実現に努力する義務があることを,国・公・私立を問わず全ての大学に,2004年度内に1回以上、確実に大学関係者に報知していただくよう、担当課に強く要請いたします。
以上

2005年3月8日
厚生労働大臣
尾辻 秀久 殿

要請書

首都圏大学非常勤講師組合
委員長:(省略)

関西圏大学非常勤講師組合
委員長:(省略)

全国一般労働組合東京南部大学教員支部
(NUGW-UTU)
委員長:(省略)

福岡ゼネラルユニオン(NUGW-FGU)
委員長:(省略)


 先年より専業非常勤講師の待遇について、多くの議員のご協力により国会で質疑がくり返され、専業非常勤講師全体の生活面においては一定の改善がありました。しかし2004年度春からの国立大学法人化により、コストダウンの名目で均衡処遇ルールどころか、明らかに労働基準法違反と目される事態も発生しました。昨夏、厚生労働省からいただきました有給休暇に関する見解のおかげで、専業非常勤講師の不安は一部取り除かれたところです。
 専業非常勤講師の待遇は、これら一連の取り組みにより全体的には改善されつつあります。しかしながら、昨年4月から7月にかけて、全国一般労働組合東京南部大学教員支部(NUGW-UTU)が外国人教員のみを対象にアンケートを行いましたところ、外国人である専業非常勤講師はもとより、専任教員においても同じ大学教員として平等であるべきところが、外国人であることを理由に様々なかたちで不当な扱いを受けていることが明らかになりました[資料J]。
 そこで今回は、今までに充分な回答をいただけなかった外国人教員の問題を取り上げ、その重要項目を絞りました。厚生労働省の見解をより確実に各大学へ周知していただくべく、外国人教員も含めた大学の不安定雇用教員の処遇改善の推進に向けて、以下の点をご検討いただきたく、要請いたします。

1.外国人であることを理由とした特別契約・任期付雇用契約

 [資料J]のように、およそ1/3(33.9%)の外国人教員は、契約があるために日本人と同様の能力があるにも関わらず異なる扱いを受けていると答えています。そのうち1/3(38.5%)の外国人教員は、これは外国人用の特別枠だといわれ、任期付雇用契約への署名を迫られたとのことです。外国人であることを理由とした任期付雇用契約について、厚生労働省の現状に対する認識と今後の対策について、担当課からの見解をお伺いします。

2.外国人であることを理由とした昇進差別

 [資料J]によれば任期雇用教員の半数以上が、外国人であるために昇進差別を受けていると感じています。具体的には、有期契約であることや日本語能力を理由とした昇進の拒否等があります。このような実態について担当課からの見解と対策をお伺いいたします。

3.外国人教員の年金に対する正当な取扱い

a.外国人教員への年金加入の保障

 外国人教員といえども、日本人教員と同様、年金加入の義務を負っています。しかしながら、専任教員の場合(90.5%)はともかく、事実上のフルタイムである任期付常勤教員の厚生年金あるいは国民年金加入率は、[資料J]によれば63.8%しかありません。また非常勤講師で上記のどちらかの年金に加入しているのは、16.3%しかありません。なお非常勤講師の半数以上が、いかなる年金にも加入していないと答えています。特に、期間以外は専任とほぼ同様の雇用条件であるはずの、任期付常勤教員の加入率の低さに関し、担当課からの見解と対策をお伺いいたします。

b.外国人教員への年金に関する情報提供

[資料J]によれば、外国人教員の74.4%が、大学からの年金に関して、理解できる言語での情報提供を受けていないと答えています。非常勤講師は事実上年金制度から排除されているため、大学は年金に関する情報を殆ど提供していません(94.6%)。この点に関し、担当課からの見解と対策をお伺いいたします。

c.外国人教員の年金制度の見直し

 上記の背景には、各種年金制度が外国人にも義務づけられていながら、彼らが日本に滞在する保障がないことにあります。確かに多くの外国人教員は、年金受給資格年齢に達する前に、帰国しています。しかし外国人教員においても、永住許可を得ている者・可能な限り日本に滞在する予定の者など多様な状況です。
 なお現行制度では、外国人が25年に満たず帰国した場合、少額の一時金(最高3年分)以外、日本の年金は一切受け取れないと聞いております。この点に関し、確認と見解をお伺いいたします。
 以上の実態から、当組合としては、(1)帰国する場合、希望者には年金制度からの脱退を認め、年金納入額の全額返還、(2)希望者には外国滞在(帰国)中の日本の年金加入継続の保障、(3)諸外国との年金加入期間交換制度の早急な締結、(4)一定期間以上の年金納入者には「空期間」の適用、を提案いたします。この点に関し、担当課からの見解と対策および実情をお伺いいたします。

4.外国人教員に対する雇用の安定

 以上[資料J]にあるように、外国人教員は同等の能力を持つ日本人と比べて、専任教員ではなく任期付常勤教員として採用される事例が非常に多く、ただでさえ不安定な外国人としての立場が不安定なまま固定されている実態があります。しかも、その根拠が「外国人である」ということしかなく、教歴・業績・研究活動などの公平な審査の結果に基づいていません。国籍にかかわらず、大学は能力や経験に応じた処遇を行わなければならないのは当然のことです。このような外国人であることを理由にした差別的な取扱いへの対処について、担当課からの見解と対策をお伺いいたします。
 また、非常勤講師として採用する場合でも、ビザ(査証)等外国人に特有の滞在・居住に関する困難があるため、特別な配慮が必要です。このような外国人であることに配慮した処遇について、担当課からの見解と対策をお伺いいたします。

5.外国人教員の実態調査

 今回の全国一般労働組合東京南部大学教員支部(NUGW-UTU)の調査では、今まで多少認識されてはいたものの、明確ではなかったいくつかの問題が明らかになりました。そこで、(1)政府・政府関係機関によるこのような実態調査が過去に行われたことがあるのかどうか、(2)あるとすればいつ・何回行われてきたのか、また(3)将来行われる予定があるのかどうか、(4)あるとすればいつ頃どのように行う予定であるか、(5)かつて行われず将来も行う予定がないとすればそれは何故なのか、担当課からの見解をお伺いいたします。
以上

[index]
inserted by FC2 system