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第百五十四回 国会 衆議院 決算行政監視委員会 第三分科会議録(厚生労働省、
農林水産省、及び経済産業省所管)第一号(13-16頁所収)
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平成十四年七月二十二日(月曜日)午前十時開議

出席分科員
主査 山名靖英君 江藤隆美君 桜田義孝君 村上誠一郎君 森田一君 後藤斎君 
長妻昭君 楢崎欣弥君 葉山峻君 山内功君 児玉健次君 穀田恵二君 兼務 井上
和雄君 兼務 山田敏雅君 兼務 上田勇君 兼務 金子哲夫君

厚生労働大臣 坂口力君
厚生労働副大臣 狩野安君
会計検査院事務総局第二局長 増田峯明君
政府参考人・・・略・・・

本日の会議に付した案件
 平成十二年度一般会計歳入歳出決算
 平成十二年度特別会計歳入歳出決算
 平成十二年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成十二年度政府関係機関決算書
 平成十二年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成十二年度国有財産無償貸付状況総計算書(厚生労働省所管)

・・・中略・・・

●山名主査 ・・・中略・・・次に、金子哲夫君。
●金子(哲)分科員 社会民主党・市民連合の金子でございます。きょうは、パート
労働者の問題について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 その前に、質問事項を出しておりませんけれども、また五十七回目の八月六日を迎
えます。大臣にはまた広島、長崎に出席、記念式典に出席をしていただくというこ
と、また、小泉総理も昨年に引き続いて御出席というふうに報道ではお聞きをしてお
ります。また一方で、非常に残念なことですけれども、従来、総理また厚生労働大
臣、厚生大臣が広島、長崎にお見えになった際に、被爆者の代表から聞く会というこ
とで開催をしていただいて、直接被爆者の代表から御意見を伺うという場があったわ
けですけれども、ことしは小泉総理が、広島、長崎、御出席の予定になっております
が、この聞く会に出席はできない、しないというようなことがマスコミ報道されてお
ります。
 直接総理にお伺いをしなければなりませんけれども、所管の厚生労働省ということ
もありまして、大変な日程の中で広島、長崎を続けてお訪ねをいただく、記念式典に
出席をしていただくということについては高く敬意を表したいと思いますけれども、
しかし、これまで続いてきたこうした被爆者代表から聞く会に総理が出席されないと
いうこと、いささか広島の地元の被爆者の皆さんからもなぜという疑問の声が出てお
りまして、ぜひその点改めて、もう少し時間がございますので、.厚生労働大臣の方
からも小泉総理に、被爆者代表の意見を聞く会に出席をぜひしていただきたいという
ようなことを御要望いただきたいというふうに思うんですけれども、その点、まず最
初にちょっとお伺いしたいと思います。
●坂口国務大臣 私も、小泉総理から直接そういうお話を聞いたわけではございませ
ん。何か新聞等の中でそういうニュースが流れているものですから、私もそれを拝見
しているだけでございまして、直接聞いたわけではございません。
 そういうお申し出のありますことも、そういうお話がありますときにはお伝えをし
たいというふうに思っております。
●金子(哲)分科員 ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、早速本題に入りたいと思いますけれども、今厚生労働省の中でも、パー
トタイム労働者の問題について研究会も持たれて、そして最終報告も出たというふう
に伺っております。全般的にパートの労働者がふえ、この問題が重要な検討課題にな
っているということは、私もそういうこと、国会の中にも議員懇談会ができまして、
私もそのメンバーの一人になっておりますけれども、きょうは、そのパート労働者の
中でも、大学の非常勤講師の問題について、特に絞りましてお伺いをさせていただき
たいと思います。
 ちょっと大学の非常勤講師の実態について少し最初にお話をさせていただきたいと
思いますけれども、非常勤講師というのは大体一年の契約ということになっていると
いうことを聞いておりますし、授業のみを何こまか担当するパートの大学の教員とい
うふうに考えていいというふうに言われておりますが、今何こまという話をしました
けれども、一こまは、週一回行われる授業で大体九十分間の担当をするということに
なっているようであります。
 大学非常勤講師といってもさまざまな形態がありまして、第一には、大学の専任教
員が自分の大学以外で非常勤講師をするような場合、それから弁護士さんとか公認会
計士、医者、マスコミの関係者などが非常勤講師をする場合、それから専任の教員で
あった人が退職後にかつての本務校で非常勤講師をする場合、そしてもう一つ、きょ
うこれからお話をしたいのは、実際には本務校というかきちっとした学校を持たず
に、主として生活の糧を非常勤講師としての収入から得ているような場合。つまり、
この四番、今最後に言いました、本務校はなくて主として講師のみで生活の糧として
いらっしゃる方、こういう人たちを専業非常勤講師、こういうことで呼んでいるとい
うふうに言われております。
 実情はどうかといいますと、きょうは文部科学省の方もお見えになっておりますけ
れども、九八年の調査によりますと、大学の非常勤講師の総数は十三万三千八百六十
九人、全教員に対して四七・八%という比率になる。そのうち、私が今言いました大
学の専業非常勤講師の総数は四万五千六十七人、これは文部科学省の調査によっての
数字と聞いておりますけれども、こういうことになっております。
 ただ、非常勤講師といいましても、先ほど言いましたように、一つの学校に特定を
して勤めているということでありませんから、複数の大学をかけ持ちしているという
ことが言われますから、これは実数を、もし把握されていればまた後ほどお教えいた
だきたいと思いますが、実際には把握できていなくて、ほぼ予想的に言えば、そうい
う非常勤講師をやられている人たちの中で言われているのは、実数二万人前後の人が
専業非常勤講師として働いていらっしゃるのではないかというふうに言われておりま
す。
 しかも、規模の大きい私立大学では、授業の二四%ないし三四%が非常勤講師によ
って担当されていると。ある首都圏の私立大学では、非常勤講師の数が専任教員の数
を大きく上回って、授業の五〇%以上をこのような非常勤講師が担当している大学も
最近は珍しくなくなっているという状況にあるというふうに言われております。
 ところが、こういう大学教育の中で、非常勤講師と今申し上げましたように、非常
に重要な役割を果たしておりますけれども、そのいわば労働条件といいますか、その
ようなものはどうかというと、非常に劣悪な待遇の中で働かされているという状況が
あると思います。
 一こま当たり、先ほど言いました、週一回やりまして、月に大体四週とすれば、四
回出まして月額で大体どれぐらいかというと二万五千円、まあ九十分ということを考
えれば高いか安いか、いろいろあると思いますけれども、年額にして三十万円前後だ
と。ですから、専任教師は週に五こまぐらいやられているようですから、それだけも
し働いたとしても年に百五十万円前後という条件になっているということです。大
体、専任教員の年収は八百万から一千三百万円ということですから、非常勤講師の待
遇は専任教員の七分の一の待遇の実態にあるということでありますし、それから、重
要なことは、雇用保険等にかかわる問題について、この非常勤講師というのは全く今
その待遇が行われていないということであります。
 もちろん、大学の講師の場合には、ほとんどの場合、専任教師用の研究費、図書
費、出張費等々もありますけれども、非常勤講師の場合には、その専任教員の大体十
分の一ぐらいという、極めて差別的な待遇で働いているということであります。
 特に、先ほど申し上げましたように、大学の専業非常勤の講師が、本来はパート労
働者でも保障されている共済組合とかそれから社会保険への加入がほとんど認められ
ていないというか、実態上、そういう実態になっていないということになっておりま
す。
 ですから、そういうこと、場合によれば、これは大学ではありませんが、中学校、
高校の非常勤講師の場合はもっとたくさんのこま数を持って担当をしているというよ
うなこともありますし、そういうことの状況の中で、先ほど言いましたように、パー
トの労働者の問題として今研究会も行われておりますが、これからこの専業の非常勤
講師の、特に年金問題などについて具体的に少しお伺いをしたいというふうに思いま
す。
 まず、わかればお教えをいただきたいと思いますけれども、専業の非常勤講師が、
これは私学共済は厚生労働省の直接の担当ではなくて文部科学省の担当ということに
なりますけれども、それからまたは、例えば厚生年金などの社会保険、こういったも
のに加入を認めている大学、つまりは、事業主が負担をしなきゃいけないという問題
もありますから、そういった講師の数とかをどれぐらいというふうに、調査とかそう
いうことがもしおわかりであれば、厚生労働省でも結構ですし文部科学省でも結構で
すけれども、お答えをいただければと思います。
●石川政府参考人 ただいま専業非常勤講師等の私学共済への加入のお尋ねがござい
ました。私学共済への非常勤講師の加入につきましては、労働日数でありますとか労
働時間が常勤教職員のおおむね四分の三以上というような要件がごさいまして、た
だ、これを加入させるに当たりましては、各大学から申告といいますか申請に応じて
報告をとっておるものでございまして、その内容について、非常勤であるか常勤であ
るかというようなことを区別しないで該当する者の報告を受けておるというようなこ
とでございまして、ちょっと数字についてはその両者を区別するというふうなことは
できておらないところでございます。
●金子(哲)分科員 厚生労働省の方で、例えば厚生年金などの関係で、こういうこ
とについてもしおわかりでしょうか。わからなければ結構ですけれども。
●冨岡政府参考人 社会保険の適用状況について御説明申し上げますと、平成十三年
十月一日現在で、全体では適用事業所数が全国で約百六十七万事業所、被保険者数が
約三千二百三十万人おりますが、このうち教育に関しましては、教育全体で適用事業
所数が約一万事業所、被保険者数が約二十三万人となっておりますが、先生御指摘に
係ります大学の専業非常勤講師に特定した社会保険の適用状況につきましては把握し
ておりません。
●金子(哲)分科員 先ほど文部科学省からも話がありましたが、ほとんど入ってい
ないという状況だろうと思います。
 今お話がありましたように、四分の三というお話がありましたけれども、もう御承
知のとおり、今、最初私が申し上げましたとおり、学校、特に大学の場合、拘束され
る時間というのは、まあこれは大学の先生の労働時間というのは一体どういうふうに
計算されるのかよくわかりませんけれども、いずれにしても、自分の待機時間も含め
まして、研究時間も含めまして労働時間になる。ところが、今お話ししましたよう
に、非常勤講師の場合にはその授業の担当する時間だけが契約時間ということになり
ますと、もう到底、これは四分の三というようなことには該当しないのは明らかなわ
けですね。
 そうしますと、今文部科学省さんおっしゃいましたように、四分の三というもので
やっておりますということになると、実態上はほとんどやっていない。ただ、ある程
度良心的な学校、私どもが把握しているところでありますと、例えば大阪電気通信大
学などでは、週四こま以上担当している人たちに対しては私学共済に入れるように、
そういうことをやっている大学もあるように聞いておりますからすべての大学がそう
だということは申し上げませんけれども、ほとんどの大学がそうだということになる
と思います。
 そうしますと、その上に、実態上は、先ほど言いましたように、非常に低い額で働
いていらっしゃるということもあって、いわば複数の学校に非常勤講師として働いて
いらっしゃるという実態が、先ほど言いましたように、四万数千人の非常勤講師で実
数は二万人だということは、複数にダブっていろいろな学校にいらっしゃるから、そ
ういう実態になるわけですよね。
 厚生労働省にちょっとお伺いしたいんですけれども、例えばパートの労働者の場合
に、複数の雇用主の場合でも、この社会保険適用のことが、一応は法律上は適用が可
能ということになっておりますけれども、こういう場合には、今申し上げましたよう
に、大学の専業非常勤講師のような場合には、複数の雇用主のもとで働いている細切
れパートの場合、社会保険には加入は可能なんでしょうか。
●辻政府参考人 お尋ねの厚生年金の適用でございますが、厚生年金は、いわば被用
者、勤め人という形で制度が動いているわけですが、その場合に、お勤めの事業所、
これは適用事業所と私ども呼んでおりますけれども、適用事業所に使用される方につ
いて適用するということでございまして、あくまでもその適用事業所とのいわば雇用
関係が、再三出てまいりましたように、同種の業務に従事する通常の就労者の所定労
働時間あるいは所定労働日数の四分の三以上をおおむね占めなくてはいけないという
ことでございますので、それぞれの適用事業所で四分の三をクリアしなければ、四分
の三クリアしていない方が二つを足して四分の三であるとしても、二つの適用事業所
で四分の三を超えているとしても、これは適用されません。
 その考え方でございますけれども、細分化してまいりますと、最後は、一人の方が
いろいろなところで働いて、そこで賃金をもらえる、俗っぽく一人親方というような
言葉がございますけれども、こういう場合は今国民年金が適用されていますことで、
個人がいろいろなところで賃金をもらえる、国民年金を適用されている状況と、それ
から、事業主に対してどのように雇用されているかという雇用の関係を今四分の三と
いうことで見ているわけですけれども、これとの考え方の違いでございまして、私ど
もは、その四分の三ということで現在適用しておりますので、御指摘のような場合に
は残念ながら適用されないわけでございます。
●金子(哲)分科員 今のお話で非常に矛盾があると思うんですよね。
 複数の事業所に働ける。四分の三だ。四分の三以上なければだめだ。複数で四分の
三以上働くということになると、一以上の仕事をしなきゃその人は適用されなくな
る。一人の通常の人が働く時間よりも大幅に長く複数で働かなければ実際上できなく
なるという、ちょっと矛盾があるわけですよね。
 しかも、今、複数の事業所に働いていても、適用される人がいるわけでしょう。ど
ういう人が適用されているんですか。
●辻政府参考人 その場合は、あくまでもそれぞれの適用事業所で四分の三以上クリ
アされる方でございますから、したがって、非常に多くの時間を就労に当たられて、
それぞれの事業所で四分の三をそれぞれクリアしている方だけが複数で適用されてお
ります。
●金子(哲)分科員 その合算規定の適用者の中に、例えば企業の役員などが入って
いませんか。
   〔主査退席、桜田主査代理着席〕
●冨岡政府参考人 補足してお答えいたします。
 会社の役員といった方につきましては、そういった経営に判断されるという立場な
ものですから、時間的な要件というものはございません。
 そういうことで、会社の役員といった方で二以上の事業所で適用されるといったケ
ースもございます。
●金子(哲)分科員 ちょっとよくわからないんですけれども、つまり、二以上の事
業所で働いていても、役員だったら経営の側にいるからということで厚生年金適用で
きる。ところが、一生懸命働いている、相手側の事情で、特殊な職場なんですよね、
例えば今私がお話ししたように、大学の非常勤講師という特殊な職場である場合、そ
ういうふうなことだけで画一的に適用してまいりますと、これはいつまでたっても適
用できないんじゃないか、もう今の社会保険行政の中では救済をされていかないんで
はないか。
 ですから、私は今これで、今までがどうだということではないんですけれども、そ
こらが、複数の事業所に働いている人たちに対して、一方で法律上はいろいろなこと
が想定されたにしても、救済するということを決めていながら、実際、実態上はほと
んどそれが、そういう働いている人たちが、しかも雇用関係はしっかりと持ってい
る、いわば雇用者、いわば非常勤講師としての働きをしている人たちに対して、実際
には、複数の事業主に雇用されていながら、これが適用されないような矛盾点はない
でしょうかということをちょっとお伺いしたいんです。
●辻政府参考人 ただいまの役員の場合は、役員の勤務形態そのものがそもそも、一
時間、一時間といったような労働で企業に貢献するのではなくて、その執行責任者と
しての貢献の仕方によって企業との雇用関係が認められ、したがって、そのような形
でいわば雇用関係を認めるためには、二つ以上重複する場合がある。
 逆に、時間に対して、あるいは日に対して労働をし、賃金をもらうという関係の場
合は、その二事業所でそれぞれ四分の三以上、それぞれの事業所における通常の勤務
者の四分の三以上勤めるというのは大変なハードワークをされていると思いますが、
その方はそのような形で雇用関係を持ちますので、四分の三以上を満たす、こういっ
た考え方で、今複数の適用事業所で適用される場合があるわけでございますが、これ
をどの程度、事業所との関係ではなくて、複数の事業所に割ったものを足していくか
ということは、これは、逆に言えば、一人の方がいろいろなところから賃金をもらえ
る。
 これは今の形では、何度も説明して恐縮ですけれども、一人親方というようなこと
をよく言われますけれども、いろいろな現場へ行って、それぞれの現場で賃金をもら
って、日々あちこちから賃金をもらえる方というのは、収入を得られる方というの
は、国民年金に適用されておられるわけでございまして、そこのところの、どうして
もその考え方の違いというものは出てくるということで、ここのところは、一つの制
度のいわば形から割り切りをせざるを得ないというのが現状でございます。
●金子(哲)分科員 厚生年金法の第二十四条の二項にも、複数事業所に勤務する者
の月額報酬の給与の合算により算出することが規定をされておりますし、それから、
同施行令の第四条の場合にも、そういう場合における各事業主の保険料負担の案分に
よる算出方法も規定をされておりますし、さらに、健康保険法の第三条九項にも同様
の規定があるわけですね。
 つまりは、それはあるということは、例えば、私はあえて企業の役員のお話をしま
したけれども、そのほかの対象である、例えば特殊技能を持っている人もそういうこ
とに入りますということを、社会保険庁のパンフレットの中には合算規定対象者とし
て書いているわけですね。
 ですから、私は、そういうことに対して、もともと法律の中に、複数の事業所に働
いている人を対象として考えていた考え方があった、しかし、五十五年に出された厚
生省の通知、内簡というようなものの中に、いや、実際は運用はこうなんだというよ
うな規定をして、それで実際上狭められている、複数事業所で働いている人たちの適
用範囲が。
 今回のようなケースの場合は、私はこれからの検討をぜひ、後でお尋ねしたいと思
いますけれども、もともと精神としては、そういう複数の事業所に働いていても、そ
ういう人たちに対しても、できるだけそういう社会保険的なものを適用していくよう
なシステムをつくろうということで出発したと思うんですよ。だから、今言われるよ
うに、いや、あの人だけ特殊ということではなくて、ただそれは厚生労働省の中で、
内部にあってそういうことを内簡のようなもので、自分たちで、こことここが適用だ
と。
 大体、企業の役員より、一生懸命働いている人たちがこういう社会保険の適用を受
けずに、役員で高額の報酬を受けている人がこういうことで優遇されているようなシ
ステム自身が私は問題があるというふうに実は思うのですね。
 ですから、働く人たちの将来の不安とか、今、国民皆年金の時代と言われている中
にあって、そういうことで救済されない人たちに対して、やはり救済していく。特殊
な事情で、一つの大学だけではどうしてもそれだけで生活が得られないために、複数
に働かざるを得ない人たち、そういう現に職場があるということですから、精神とし
ては、複数の事業所に働いていても救済できるものは救済していくという精神じゃな
いんですか。その点、もう一度お伺いしたいと思います。
●辻政府参考人 少しかたくなな答弁になって恐縮でございますが、その合算の規定
はあくまでも、適用事業所において雇用関係が認められるという場合に、しかしなが
ら複数の事業所で適用される場合もある、その場合に合算するというふうに位置づけ
られるものでございまして、しかも、役員の場合は、言いましたような時間当たりの
勤務あるいは日当たりの勤務といったような考え方ではないものでございますので、
極めて例外的でございまして、役員を除きましては、やはり適用事業所で雇用関係が
ある、すなわち、四分の三以上ということを満たさなければ、それぞれで必ず満たさ
なければ、合算規定は動きません。したがって、合算規定はそのような前提のもので
ございます。
 したがって、ばらばらの適用事業所のものを足して、そして雇用関係を、複数で見
れば雇用関係があるといいましょうか、その複数というのは、逆に言えば、それが多
ければ、自営業といいましょうか、自分がいろいろなところへ行って収入を得るとい
う形にもなるわけでございますので、そこの点の区分というものが今このようになっ
ているということを御説明した次第でございます。
   〔桜田主査代理退席、主査着席〕
●金子(哲)分科員 私は、今、大学の非常勤講師という極めて限定された職業につ
いてお話をしているわけで、そのときに一般の自営業者とかそういうことを引き合い
に出すことはないじゃないですか。現に、大学の非常勤講師という特殊な職場形態が
あることを最初に御説明をして、そのことについてどうかという話をしているわけ
で、その中で検討できないかということを申し上げているわけです。
 次に申し上げたいと思いますけれども、先ほども言いましたように、パートの労働
に関して、パートの年金などについて制度改正を行うべきだということで検討がされ
ている。先ほども言いましたように、研究会の最終報告も出されて、例えばその中で
は、正規職員のやはり四分の三というのはおかしい、二分の一ぐらいでどうだろう
か、年収が六十五万円以上だったらどうだろうか、そういうようなことが検討されて
いるわけでしょう、現実的には。
 そうしますと、しかし、私はそういう方向にできるだけ下げていくということで検
討してもらいたいと思うのですけれども、それであっても大学の非常勤講師というの
は救済をされないわけですか。
 先ほども言いましたように、大学の教員に対して二分の一も労働するということは
一体どうかということになると、大学の先生というのは、先ほども言いましたよう
に、研究時間も含めて八時間というふうに考えられているのかよくわかりませんけれ
ども、少なくともそのうちの週何時間しか実際に授業を行わない。そして、非常勤講
師の場合は、実際にその一こま授業を行ったときだけが契約の労働時間ということに
なりますと、大臣、二分の一でもなかなか厳しいと思うのですよ、大学の先生と比べ
て二分の一以上働いていなきゃできないということになりますと。
 しかも、年収の六十五万、例えば今出ておりますような六十五万ということになり
ますと、大体週二こま担当している非常勤講師が年収六十五万以上クリアしようと思
えば、月額二万七千百円ということに計算上はなるわけですね。今二万五千円という
お話をしましたけれども、そうしますと、これもクリアできない。ということになり
ますと、今検討されている問題でも非常に難しい問題が出てくる。
 ですから、私は、ある意味では、やはり、先ほど言いましたように、二万人ものい
わばそういう非常勤講師で今現在働いていらっしゃる人たちがいらっしゃる。しか
も、これまた毎年更新ですね、これは非常勤講師ですから。毎年更新で、不安定な状
況で働いていらっしゃる。そういう人たちの将来、しかも、講師をずっと長く続けて
いらっしゃる。現実的に大学を見てみますと、一人の人が何年もやっていらっしゃる
ケースというのは随分あるわけですね。
 そうしてみますと、そういう人たちに対して、今までどおり、例えば厚生年金につ
いても、実際には働いて大学に対して寄与しているにもかかわらず、こういう厚生年
金事業主負担分が受けられないために厚生年金に加入できないというようなシステム
がこのまま続いていいのか。
 パートの今度の見直しをされるときに、こういうことも救済すること、特殊な労働
職場ということでの救済というものはぜひ検討としてやっていただきたいということ
を私は強く要望したいと思いますけれども、その点について大臣のぜひお考えをお伺
いしたいと思います。
●坂口国務大臣 先ほどからずっと委員の御指摘になりますお話を聞いておりまし
て、確かに、私たちが知っております人の中にも、三カ所も四カ所も大学を持ち回り
と申しますか、講義をなすっている方があることは事実でございます。
 私も、先ほどから聞いておりまして、どこかの大学に一つどこか落ちつく場所があ
って、それで、それはそれとしながら、よそへもひとつ講義に行きますよという場合
はいいわけですね。
 だけれども、どこか一つ落ちつく場所がない。それで、平等にあちらこちらに回っ
ておみえになる。それは、御本人がそういう形態を好んでおみえになる場合も中には
あるのかもしれないけれども、やはり受け入れ側の大学の方で、そうした場合に受け
入れるということを決めてくれれば、それはそれでいいわけです。
 だから、その雇用関係をどういうふうにお話し合いをなさるかということになって
くる。それがそうでありませんと、先ほど局長が答弁しましたように、大工さんと同
じにして申しわけないですけれども、一人親方のような形で、どこへでもお仕事に行
かれるという形態になってしまうということになります。
 四分の三がいいかどうか。それは二分の一ぐらいだったら、それでいいのかどう
か。しかし、それでもなおかつ、そういう形態というのは確かに残ることは残るわけ
ですね。それは、個人が契約をされるときの大学とその先生との間の契約のあり方の
問題なのか、それとも、そうではなくで、あちらこちらへ行かれる場合に、それは同
じように四つなら四つの大学、同じような時間数ずつしか行っておみえにならないと
いうことのために起こってくることなのか。そこは、僕も頭の整理がなかなかできに
くいのですが、大学の先生でな、週一時間ぐらいしか教えてみえない先生もたくさん
ありますね、正直言って。
 私の知っている先生でも、週一時間教えたらいいんだという人はあるわけですよ。
それで、その間どうしているのですかと言ったら、いや、行っても行かなくてもい
い。行っても行かなくてるいいと言ったらしかられますけれども、図書館へ行って勉
強するなり、研究を、いや、それは自宅研究でもいいんだ、こう言っておみえにな
る。
 そんないい商売もあるのかなと僕は思うことがございますけれども、その賃金の高
い低いは別にして、それはその大学とその先生との契約の問題になってくるんじゃな
いか。
 どこか一つ、おしりをおろすといいますか、どこかを中心にしてほかへも行く、そ
のどこかを中心にしたいと思うところの大学との契約の話になってくるのかな。それ
で高い賃金、低い賃金は、それはあると思いますよ。あるけれども、しかし、それは
それでそのお話し合いをいただくことがまずは大事になってくるのではないかなとい
う気持ちで聞かせていただいた。
 その四分の三がいいか、二分の一にするかという、これは我々も検討したいという
ふうに思いますけれども、それだけでは解決のできない問題だということもよくわか
ります。
 だけれども、私も割り切れないのは、同じように四カ所なり五カ所なりの大学を、
同じように毎週一時間ずつ回っておみえになるという場合には、どこの大学が中心か
ということが御本人もわからないし、周辺もわからないしということになってしま
う。ですから、そこは御本人が、どこと中心にして契約をして、そこへ腰を落ちつけ
られるかという話になってくるのではないかという気がしますけれども、どうでしょ
うかね。
 私も余り十分に認識をせずにお話しして、申しわけありません。よく検討いたしま
すけれども。
●山名主査 金子哲夫君。時間ですので簡潔に。
●金子(哲)分科員 時間が参りましたので終わりますけれども、先ほど、今大臣も
非常に難しい問題だとおっしゃいましたように、文部科学省の中にも、おっしゃいま
したように、大学はこれからさらに、大学の経営の問題もあって、私は、こういう非
常勤講師制度というものが進んでいくんではないか、大学の中で占めていく割合も大
きくなるんではないかというふうに思います。
 そうしてみますと、やはりそこに働いていらっしゃる方の問題について、今までど
おりでいいというわけにはいかなくなるんではないかというふうに思いますので、こ
れは厚生労働省の問題でもありますし、また文部科学省の問題でもありますので、今
検討されているさまざまな課題の中の重要な、特殊なケースとして、ぜひ今後の検討
課題の中でこういう問題が救済をされていくようにお願いして、時間になりましたの
で、ちょっと時間オーバーしましたけれども、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
●山名主査 これにて金子哲夫君の質疑は終了いたしました。・・・以下略・・・

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