<資料>国会質問(追加分)

 

 衆参両 院の国会質問の議事録は順次電子化されており、<国会会議録検索システム> (http://kokkai.ndl.go.jp/)にて検索・ダウンロードできます。 以下に「大学」+「非常勤講師」 で and 検索した結果を収録します。(読みやすさのため、「組合」にも下線をつけました。)

 

 

回次

会議名

開会日付

議員名

154

文教科学委員会

05

2002/04/02

林 紀子

154

文部科学委員会

12

2002/05/29

鎌田 さゆり

154

決算行政監視委員会第三分科会

03

2002/07/22

金子 哲夫

155

内閣委員会

07

2002/11/26

川橋 幸子

155

決算委員会

01

2002/12/09

川橋 幸子

155

厚生労働委員会

11

2002/12/11

金田 誠一

156

文教科学委員会

18

2003/06/05

神本 美恵子

156

内閣委員会

14

2003/06/12

川橋 幸子

 

 

 2003年6月末までに上の表のように少なくとも6議員が合計8回、何 らかの形で「大学非常勤講師」問題について質問して います。2002年に行われた質問の議事録(抄録)については、既に別途掲載し ていますので、以下には2003年の第156国会における質問2件(神本美恵子 議員、川橋幸子議員)について掲載します

 

 

回次

会議名

開会日付

議員名

156

文教科学委員会

18

2003/06/05

神本 美恵子

 

 

●神本 美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。

 これ まで、衆議院での議論、議事録を読ませていただきましたし、それから参議院 に移りましてからの議論をお聞きしまして、この国立大学法人法案について中心的に議論がさ れてきておりますけれども、私はお聞きしながら、大体何のための改革なの か、これは大学改革の一貫であるというふうにずっ と御答弁なされておりますけれども、行革・人減らしのための改革ではないか という疑念がいまだに払拭できずにおりますし、本当に学問の自由や大学の自治といったようなものが確保さ れるのか、文科省のより一層の支配が強まるのではないかというような疑念も まだ払拭できずにおります。

 本当 に、教育研究の充実発展、それから、大学が活性化して国際的にもこれまで以 上の役割を果たしていけるような、そういう大学改革になるものなのかという点で疑 問を抱きながら議論を聞いてきておりますけれども、この国立大学法人法案に関してまだ触れられてい ない点についても幾つか、それから、今国会にはこの委員会には六本の法案が 付託されておりますけれども、その中で、国立高等専門学校機構法案、それか らこの法人法案に伴って関係法律整備法案というのも出されておりますので、 そういった点についても御質問をさせていただきたいと思います。

 ま ず、法人法案についてですけれども、今、北岡委員からも幾つか参考人の意見 が御紹介されておりましたが、私も、この参考人の方々から、本当に正に大学の現場にいる方による実感のこもっ たお話、実際その渦中にいる方でないと分からないお話をお聞きしまして、大 変、自分自身は、大学といいますと、学生の経験からし か、その立場からしか見えていなかった部分が本当にたくさんあるんだなとい うことを感じて、大学の内部で今本当に改革のあらしとい いますか、これがいいあらしなのか、いい刺激なのかどうかというのはこれか らだと思いますが、その内部にいての怒りにも似た参考人の御意見もお聞きし ましたし、そういった観点から幾つかお伺いしたいと思います。

 その 一つが、小規模大学、小規模研究所の方々が抱いている 危惧の問題です。

 お茶 の水女子大学の本田学長や大阪社研の小野教授の お話では、大学や研究所の統廃合ということにおいて、小規模なところは小 規模というだけでもうマイナス評価で俎上に、統廃合の俎上に上りやすいとい うふうに受け止められているお話がございました。現に大阪大学の社研では俎上に上ったということ で、実地体験というお話がございましたけれども、お茶の水女子大学の本田学長は、今回の法人化によっ て自分のところのような小規模大学は真っ先に消されてしまうのではな いかという不安もお話しなさいました。

 ま た、評価という点についても、国際競争のあらしが吹き荒れる中で、競争原理 の中で、自分のところのように、共生、ともに生きるということを理念として 掲げてやってきている大学は存在意義が認められない、評価さ れないのではないかというような危惧も出されておりました。

 一 つ、まずこのような小規模大学、研究所の不安や危惧についてどの ように認識していらっしゃるかということが一点と。

 続け て、その評価の問題ですけれども、これについても多くの指摘がございまし た。それは、引用して申し上げますと、現代の研究分野は非常に細分化されて おり、一定の事柄の立派な専門家であっても他の分野では素人である、例えば 分野別に専門家による評価が行われるといっても、結局は素人集団による評価 になり、文部科学省の意向が強く働くのではないかというような御意見や、そ れから、不完全な評価とトップダウンによって、お金が取りやすくて素人受け する研究がもてはやされる傾向が生まれるのではないか、また、高等教育は本 来市場でペイするようなものではない、一定のタームで成果がすぐに現れるよ うなものではない、したがって大学の組織、業務を評価することはでき ないのではないか等々の御意見もございました。

 先ほ ど大臣は、日本は評価になじまない国情もあるというようなことをおっしゃい ましたけれども、現在も評価が行われて、その膨大な作業に評価漬けといいま すか評価疲れもあるというふうなお話もございました。今回の改正によってま た評価が追加されるようですけれども、文部科学省としては、大学に対して何のためにどのような評価 を行おうとしていらっしゃるのか、また、先ほど幾つか評価機関のお話が紹介 されましたけれども、それぞれの評価の役割と関係はどのようなものになるの か、参考人の指摘をどのように受け止められるのかということについて、まず お伺いしたいと思います。

●国務 大臣(遠山敦子君) いろいろな御質問がございました。順次お答えしたいと 思います。

 国立大学の再編・統合という点でございます けれども、これは、各大学の枠にとらわれないで、限られた資 源の有効活用をすることによって教育研究基盤の強化を図るというためのもの でございます。各大学におきましては、こういう観点に立 って各々の教育研究をどう発展させるかという視点から、あるいはまた、更な る活性化の絶好のチャンスということで幅広く検討がなされてきております。 我が省といたしましても、各大学における検討というものを踏まえた 上で、大学同士の合意が得られる、あるいはその地域の社会との関連、 そういった諸条件が整ったものについて再編・統合を進めているところでござ います。

 もう これについては何度も御説明しているわけでございますけれども、再編・統合 につきましては、規模の大小によって一律に再編・統合を進めるという考えで はございませんで、各大学が地域の実情等に応じて自主的に検 討していただくことが重要と考えております。ねらいとしては、いかに個性輝 く優れた大学、活性化した大学が生まれるかという角度であるわけ でございます。先般の参考人質疑の際にも、今回の法人化ということを契機 に、初めて、自らの大学が国立大学として値するのかどうか、その存在 意義は何であるのかということを振り返って、しっかり議論することができた というようなお話が出たように記憶いたしております。

 正に そういった自らの大学の存在意義、特に社会の中における 存在意義というものをしっかりと踏まえた上で、いかにそういう再編・統合も 含めた改革に取り組んでいくかということが大事だと思っております。

 そう した自らの高い目標というものを定めて、その中で中期目標あるいは中期計画 というものを作り、そして、それに対してどれだけ達成できたかということを 評価していくというのが今回の大きな流れの一つであるわけでございます。

 今、 委員御指摘のように、分野別の評価というのができるのかどうか、素人ができ るのかどうかと、様々な御議論もあったかもしれませんけれども、私は、再三 御説明しておりますように、大学におけるそれぞれの教授がどのよう な研究テーマを定め、どのように研究をしていくか、正にそれは学問の自由で ございます。憲法に保障された学問の自由というものはしっかりと守っていく のは当然であるわけでございます。

 私ど もが国立大学評価委員会を通じて見ようとしてい るのは、総体的に、大学がそれぞれの中期目標、中期計画に 基づいてやって、それが十分成果を発揮したのかどうか、そして国費の投入と して成果があったのかどうかという包括的なものを審査してもらおうというも のでございまして、これは当然のことでございます。その点については、北岡 委員も御指摘になったとおりでございます。

 今の 御質問についてだけお答えいたしますけれども、いろんな種類の評価がある と。例えば自己点検・評価といいますものは、それぞれの大学が自らの教育研究水準の向上を図っ て、目的あるいは社会的使命を達成するために自ら自己点検・評価を行うもの でございまして、大学の自律的な活動を促す当然のもので ございまして、これは既に平成三年の大学設置基準の改定で努力義務として定 められ、各大学が既にやっているところでございます。

 国立大学法人の評価委員会が行います評価 は、先ほど来答えておりますけれども、国費を投入するということを踏まえま して、その国費が有効適切に使用されたかどうかということを国として検証す るという観点でございまして、それによって中期目標、中期計画の達成状況を 評価する、そして教育研究の側面については、大学評価・学位授与機構、これはもう先 行的に既に活動を始めているわけでございますが、その意見を聴くということ でございまして、それらのいろんな評価というものを総合的に判断して大学についての評価というものが確立さ れていくというふうに考えております。

●神本 美恵子君 その評価については、別の委員からは、無駄な書類を山ほど作ると か、紙の無駄というようなこともおっしゃっていました。

 幾つ もの評価機関からの評価を受けるということは、それぞれの役割があって、全 く不必要ということは言えないかもしれませんけれども、受ける側からすれ ば、自己点検、自己評価、それから学位授与機構からの評価、それから認証機 関による評価、今度新しく大学法人からの評価というふうに、それ に対しては報告書を当然出さなければいけないでしょうし、評価を受ける側と いいますか、そちら側のこともやはり考えてやるべきではないか、また評価の 基準なり在り方について、あるいは評価のプロセスの公開というようなことに ついても考えるべきではないかというふうなこともお話を伺いながら感じたと ころでございます。

 次 に、中期目標、中期計画、これについても、これまで何度も議論になっており ますが、大阪大学の小野教授は、実際は大学が決めるのであって、文部科学省の 関与は形式的なものだという、これはこれまで御答弁でもあったんですけれど も、そうであれば、そもそも形式的なものであるならば態度で示すべきである というふうに述べられました。これは、このような規定は無用であり、教育研 究への介入の余地を残すものだとの意見だというふうに私も思います。

 この ことについては、先日、我が党の鈴木委員も指摘をしましたし、届出にすべき ではないかというふうな意見を申し上げたと思うんですけれども、つい近年ま で、教育長の、県の教育長の任命承認制という制度がございましたけれども、 この規定が実際に使われることはなくても、いわゆる伝家の宝刀のように、地 方にとっては大きなおもしとなってきたという事実もございます。このような ことが大学でも起こるのではないかと。

 中期 目標の作成主体は大学であるというふうにおっしゃって、 ずっと答弁されておりますけれども、教育研究には自由な雰囲気が不可欠であ るというふうに考えますけれども、この中期目標、中期計画の決定に関する規 定が大学を実際に萎縮させる、しんしゃくす るというようなことも、そういう言葉も参考人からは出ておりましたが、そう いう可能性についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

 もう 一つ、糟谷参考人からは、そもそも放送大学のスキームを使うべきであった、中 期目標、中期計画、業務報告書は要らないというような、断言的にそういう御 意見もあったわけでございますけれども、その点についても御認識をお伺いし たいと思います。

●副大 臣(河村建夫君) 中期目標、中期計画、法案に基づいて教育研究に文部科学 省の介入の余地があるんではないかという御指摘なんでありますが、国立大学の法人化は、国の直接的な関与とい うものはできるだけ限定をする、各大学の運営上の自主性、自律性を拡大し ながら大学が社会との連携の間で直接意思疎通を図るために新たな環境 を作っていこうとするものでありますから、どうしても中期目標、中期計画、 重要な仕組みであると、こう思っております。

 した がいまして、大学は何といっても、先ほど来も北岡委 員も御指摘ありましたように、大学の本質的な機能である教育研究をい かに向上させて魅力的なものにするかというものでなければなりませんから、 そのことをまず中期目標、中期計画に盛り込むということはこれは私は当然で あろうと、こう思っておるわけでございます。

 もち ろん、国が所要の財政措置を行うために中期目標の策定や中期計画の認可、こ れは必要最小限の関与というのは必要でありますけれども、ありますけれど も、中期目標の作成において国立大学法人の意見に配慮する、あるいは大学の自主性、自律性を十分尊重することが必要であるというこ と、この点は法案にも組み込まれておる。特にそれを配慮しなきゃいかぬとい うのはそこでございます。

 そし て、具体的には国立大学法人法案には、あらかじめ国立大学法人の意見を聴いて、その意見に配 慮する、第三十条にあるわけでございます。そして、特に私は思うのでありま すが、独立行政法人評価委員会とは別に、国立大学の法人評価委員会の意見を聴かなき ゃならぬと、こうなっておるわけでございまして、中期目標、中期計画、これ を定めていく場合には、必ず国立大学法人委員会の意見も聴くわけであり まして、一方的に文部科学省の方がこれに介入をしてということにはならな い、私はこれを、ここで一回レビューされるわけでございます。

 そし て、中期目標を定めたときには、国立大学法人に対しては、指示じゃなくて示 すんだということがそこにあるわけでございまして、一方的に文部科学省がそ れを示して、それをそのとおりに指示してやれと、こういうことにはならない わけでございまして、特に法律の運用に当たっては、国立大学における教育研究の特性に常に配慮 しなきゃならぬということが規定されているのは正にそこにあると、こう思う わけでございます。

 な お、中期目標及び中期計画に記載をされております教育研究の質の向上に関す る事項についてでありますけれども、例えば各大学が目指しております教育目標や研究 水準、その実施体制などに関する事項などを想定しているわけでございます が、第一点として、記載内容は、原則として全学的な視点からのものに限っ て、各大学の特性を踏まえて一層の個性化を図 る観点を考慮しながら明確かつ簡潔に記載することとし、第二点としては、学 部や研究会における個々の子細にわたる教育研究活動についての記載は求めな いこととしておる。

 こう いうことでございまして、大学が自ら中期目標の原案や中期計画に 記載することを希望する場合にはこれを否定するものではないわけでありまし て、大学は中期目標において個々の教員の教 育研究の具体的な在り方を一方的に定めるものではなくて、そういう意味から 考えてみても、私は大学の教育研究に文部科学省が介入する ということにはならないと、こう思っておるわけでございます。

●神本 美恵子君 御説明で、三条に教育研究の特性への配慮、それから、指示ではな くて示すというふうになっているという、配慮がにじんでいることは分かるん ですけれども、それでもなおやはり介入の余地を残しているのではという参考 人の御意見を改めてお聞きしたわけでございます。

 次 に、この法人法案に関していまだ本当に十分に議論されていないのではないか と思われる教職員の方々の問題について幾つかお伺いしたいと思います。

 それ は、この法人化に伴って公務員から非公務員になられるわけですけれども、こ れは通則法によれば、必ずしも非公務員型にする必要はないというふうにお聞 きしています。これまでもかなり議論にはなってきておりましたけれども、教 職員すべてを非公務員型とする理由は何なのか、まずお伺いしたいと思いま す。

●政府 参考人(玉井日出夫君) お答え申し上げます。

 国立大学、今回の法案は、組織や教育研究の 活性化を図りましてより自律性を高めていくということでございますので、し たがいまして教職員の人事がより弾力的に行われる必要があるわけでございま す。

 そこ で、法人化後の国立大学の教職員の身分をどうするか、大変 大きな議論でございまして、様々な角度から多くの関係者によって議論がなさ れました。特に、国立大学等の独立行政法人化に関する調査検 討会議、個々多くの大学関係者が入られていただいた会議で ございますけれども、そこが公務員型、非公務員型の比較を十分しながら御検 討をいただいたわけでございます。

 そこ では、国家公務員法等にとらわれない、より柔軟で弾力的な雇用形態、給与体 系、勤務時間体系が必要ではないか、外国人の学長、学部長等、管理職への登 用を可能にする必要があるんではないか、あるいは兼職・兼業の弾力的な運用 が必要ではないか、さらには試験採用の原則によらない専門的知識、技能等を 重視した職員の採用が必要ではないか等々の弾力的な人事制度を実現し得る と、こういう意味におきまして非公務員型が適当であるというふうに判断をさ れたわけでございまして、その中におきましては、教職員はやはり一体的に活 動するわけでございますので、全体として非公務員型という形になっていった わけでございます。

 そこ で、そういう意味でなっておりますので、私どもとしては、法人化後において 各国立大学が諸規則の緩和だとか大学の裁量の拡大という法人化のメリッ トがあるわけでございますので、そこを最大限に活用して社会から期待される 責務を果たしていただきたい、かように期待をしているわけでございます。

●神本 美恵子君 メリットというお話がありましたが、私は、幾つかデメリットとい いますか危惧される部分もありますので、そこについて続けて御質問させてい ただきたいと思います。

 ま ず、おおよその数字で結構ですから、大学の現在の教職員を事務系、技術・技 能系、医療系、教務、その他の常勤職員の数としてまず示していただきたい。

 また、大学には多くの非常勤職員がいらっしゃ るというふうに参考人の発言にもございましたが、その数も示していただきた いと思います。

 ま た、これは、非常勤に関しては人件費ではなくて物件費で扱われているという ふうにお聞きしたんですけれども、ちょっとそれはあんまりではないかという 素朴な感想を抱いたんですけれども、それはどういうことになっているんでし ょうか。

●政府 参考人(玉井日出夫君) まず、職員の教職員数でございますが、平成十四年 五月一日現在におきます国立大学、これは短大を当然含みますけれど も、国立大学の常勤職員数は、事務系が二万四千五百十六人、技術・技能 系が八千五百十五人、医療系が二万一千七百四十七人、教務系が七百三十六 人、その他七百三十二人、それから教員が六万一千四百六十四人で、合計十一 万七千七百十人というふうになっております。

 それ から、お尋ねの非常勤職員でございますけれども、これは平成十四年七月一日 現在でございますが、国立大学、これも短大を含んでおりますが、 全体で七万二千八百二人という数になっているわけでございます。

 そこ で、お尋ねの非常勤職員に係る経費でございますけれども、国立大学におきます非常勤職員のいわゆる給 与関係、賃金を含めました給与関係でございますけれども、職務内容や雇用形 態がそれぞれ違いますので、給与を支弁する費目、どこの費目から、国立学校 特別会計のどの費目から出すかということでございますが、それは多種多様で ありますが、一般的に申し上げますと、日々雇用の単純労務に服する者につき ましては、主として物件費として扱われています公費、この中で賃金というこ とがございまして、そこから支弁されるのが一般的であります。

 ま た、これ以外の非常勤講師だとかあるいは非常勤医師と 言われる職員がいらっしゃるわけでございますが、ここでは人件費として扱わ れる非常勤職員手当という費目により支弁をされているということでございま す。

●神本 美恵子君 今お示しいただいた非常勤の方々の職員の数、七万二千八百二人で すかね、というその方たちの問題については、この法案の基になっている、先 ほどもおっしゃった調査検討会議ですかね、その報告の中ではほとんど書かれ ていないし、検討された形跡もちょっと見当たらなかったんですけれども、こ れは非常に大きな問題だと思います。

 そこ で、この非常勤職員の方たちは法制度上これまでどのような位置付けにあっ て、例えば社会保険制度や雇用保険制度はどうなっていたのか、また今度、非 公務員型になってどのようになっていくのかということについてお伺いしたい と思います。

●政府 参考人(玉井日出夫君) 御指摘いただいたその調査検討会議でございますけ れども、ここの基本的な目的は、国立大学の法人化についての組織、業務、人 事制度、目標評価、財務会計制度の基本的な枠組みというものについて多くの 大学関係者を始めとする有識者による検 討が行われる場でございまして、その議論の中では、常勤、非常勤を併せた教 職員全体の身分ということでの議論はなされたわけでございますけれども、非 常勤職員のみを取り出しての議論は確かに行われていなかったと承知をしてお ります。

 そこ で、今のお尋ねの非常勤職員の法制上の位置付けでございますけれども、現在 の非常勤職員は現在、国家公務員でございまして、原則として常勤職員と同様 に国家公務員法や国家公務員災害補償法の適用を受けるわけでございます。た だし、社会保険制度や、あるいは御指摘の雇用保険制度につきましては、民間 と同様に勤務時間数等に応じた健康保険、厚生年金等の保険制度が現在でも適 用されるという仕組みになっているわけでございます。

 そこ で、法人化後でございますが、国家公務員ではなくなりますので、国家公務員 災害補償法ではなくて労働者災害補償保険法の適用ということになりますし、 それから社会保険制度や雇用保険制度につきましては、これはこれまでどおり の扱いになるということになるわけでございます。

●神本 美恵子君 この法が成立すれば、雇用の契約が来年の三月三十一日で切れるだ けでなく、適用法制も身分も変っていくわけですよね。そうすると、退職金は どうなるんでしょうか、支払われるのかどうか。それから、今後の退職金制度 についても教えていただきたいと思います。

●政府 参考人(玉井日出夫君) 現在、国家公務員でございますので、国家公務員退 職手当法によりますと、職員とみなされる、これは国家公務員退職手当は常勤 が前提でございますけれども、非常勤の場合も職員とみなされる非常勤職員、 これは御案内のとおり、十八日以上勤務した月が六月を超えた者というふうな 一定の非常勤職員になるわけでございまして、ここが退職をしたときにはこの 手当法に基づく支給率で計算した退職手当が支給されるという形になっている わけでございます。それ以外の、今の該当しない者は退職手当法の対象にはな らないということになるわけでございます。

 そこ で、今度は国立大学の法人化後の退職金制度がどうなる かでございますけれども、国家公務員退職手当法はもう適用されませんので、 各国立大学法人がそれぞれ定める退職金などの 退職金規定というものをルールとして定めていくわけでございますけれども、 その退職金規定によることとなるわけでございます。

 した がって、現在、今いらっしゃる非常勤職員、先ほど申し上げました一定の非常 勤職員になるわけでございますけれども、これは今までも一年を超えない範囲 内で雇用しているわけでございまして、今までも雇用期間満了したときに退職 手当を今の一定の退職手当法に対象になる者については支給をしているという 形になるわけでございます。

●神本 美恵子君 それで、非常勤職員、公務の場における非常勤職員の方はいわゆる 民間法、これから民間労働法制が適用されることになるわけですけれども、パ ート労働、いわゆる短時間労働者に関して、今、パート労働法の見直しが厚労 省の方で行われておりまして、労働政策審議会での議論を受けて二月に出され た報告では、通常の労働者との均衡を考慮した処遇の考え方を指針で示すとい うふうな報告が出され、お聞きしましたところ、厚労省の方ではその指針を速 やかに作るということで今作業が進められているというふうにお聞きしたんで すが、これは非常勤職員だけではなくて、ごめんなさい、非常勤の職員だけで はなくて非常勤の教員にも適用されることになると考えております。

 そこ で、その指針が示されれば当然これに従うことになると思いますが、文部科学 省として、この民間労働法制のこういう動きも含めて、その適用に関してしっ かりと大学法人の方に説明していく責務がある というふうに思います。また、必要な予算措置も行う責務があると思います。 七万人を超える非常勤の教職員にかかわる生活上の問題でありますし、この問 題については先日、決算委員会で私もお聞きしていたんですが、河村副大臣が お答えになっておりますので、是非ともしっかりとした対応についての御答弁 をお願いしたいと思います。

●副大 臣(河村建夫君) 今御指摘いただいた点でございます、決算委員会は時間が ございませんで若干舌足らずな点もあったと思いますが、改めてお答え申し上 げたいと思いますが、非常勤講師の手当 については、御案内のように、一般職の職員の給与に関する法律第二十二条第 二項にそのことがあっておりまして、常勤を要しない職員については、各庁の 長は、常勤の職員の給与との権衡、バランス、これはバランスのことでありま すが、考慮して、予算の範囲内で給与を支給すると、こういうことによって予 算の範囲内で各大学が決定をしてきておるわけでござい ます。

 今度、国立大学の法人化をいたしますと、非常勤講師についてはいわゆるパート労 働法といいますか、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律、この適用 になっていくわけでございますから、同法によりますと、今度は「事業主は」 と、こうなってきておりますが、通常の労働者との均衡等を考慮して適正な労 働条件を確保すると、こうなっておるわけでございます。国立大学法人の非常勤講師の給与については、この趣旨 にのっとって、この趣旨にのっとって各国立大学法人においてそれぞれの自主性、自 律性の下に決定をすると、こういうことになっていくわけでございます。

 文部 科学省といたしましても、国立大学法人の運営費交付金の算定に当たり ましては、この法人化前における支給実績と、さきの決算委員会では支給実績 等十分実績を踏まえてということを御答弁申し上げましたが、正にこの支給実 績等を十分に踏まえて、今労働省の間で検討されておりますが、そうした流れ といいますか、そういうものの、その趣旨にのっとって、そしてこれまでの実 績、そういうものを踏まえて十分にひとつ交付金の算定をやっていきたいと、 このように考えております。

●神本 美恵子君 ありがとうございます。

 この 非常勤職員、教職員の方々の問題については、今、私学の方では本当にいろん な労働争議といいますか、解雇の問題もありますけれども、そういう問題も起 きておりますので、非公務員になって民間労働法制ですから、しっかりと労使 の間で話ができるように、また今、副大臣からの御答弁いただきましたよう に、運営費交付金の方でしっかり現状を踏まえた上で、また新たな流れも踏ま えて対応していくということで、ちょっと安心をいたしました。ありがとうご ざいます。

 さら に、地方公務員と国立大学附属学校の関係でも問題があるとい うふうに感じております。それは、附属の、国立大学附属学校の教員の約五千四百人、八 割に当たる人たちが人事交流で公立の教職員から国家公務員に身分を変えてこ れまで勤務してきております。衆議院の答弁ではこれまでどおり大学と教育委員会の間に人事交流協定を 結んで実施していくというふうにお聞きしたんですが、しかし、これから民間 になるわけですから、附属に行った場合、そうするとそこでは当然、団体交渉 権、労働協約締結権、争議権、いわゆる労働三権が付与されることになると思 いますけれども、そういうふうに、それで間違いないんでしょうか。

●副大 臣(河村建夫君) 神本委員御指摘のとおり、国立大学の附属教員の八〇%は教員が公立学 校から人事交流で行っていると、そういうことでありまして、これは非常に有 意義な、能力開発等々においても両者の人事交流は非常に大事なものでありま すから、これからもその方針というのは変わらないと思いますが、またやらな きゃいかぬことだと思っております。

 そし て、それをやる場合については、法人化後でありますから、今、委員御指摘の ように、人事交流協定を結ぶことによって引き続き実施していくと、そういう ことでございますし、あわせて、法人化後の国立大学の教職員は、附属学校の教職員も含めて国家公務員の身分を有しないことになりますから、当然、団結権、団体交渉権、争議権、いわゆる労働基本権三権が付与される、こういうことになるわけでございます。

●神本 美恵子君 それで、それでといいますか、衆議院の委員会の中で、これは参考 人質疑の中でのやり取りのようですけれども、非公務員型になると組合運動の温床化するのではないかとの 指摘に対して、文部科学省が、そういうことも含め評価されるから大丈夫と答 えたというふうなことが議事録に載っておりまして、私は、それを見まして、 もう本当に実に不見識なやり取りではないかというふうに正直感じておりま す。

 組合運動というのは当然の働く人たちの権利でございますし、そ のことを評価の対象にしていくという、組合運動をしているとマイナス評価になるというような、抑え込 もうというようなことにも私はぱっと読んで受け取ったわけですけれども、そ ういうことがあっては、決してあってはならないことだというふうに私は思っ ていますので、その点お伺いしたいのと、それから、この法人化を機に大改革 をしようというその入口において、あってはならないと思いますが、不当解雇 が発生したり労働問題が起きたりということは好ましくないというふうに私も 思っております。

 それ で、労働協約や就業規則、これはそれぞれの国立大学法人において事業所ごとに決定され るというふうに思いますけれども、私立学校においてはこういう仕組みがなく て、労働委員会などでは提訴案件が度重なり、教育分野のそういう案件が多い というふうに聞いております。非常勤も含む教職員が安心して共同して大学改革に進んでいけるように、文部科 学省も国大協と十分事前に協議をして対処していかれる必要があると思います けれども、そういったことについての今後の仕組みについてはどのように考え ていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。

●政府 参考人(玉井日出夫君) 委員御指摘の議事録でございますが、もしか違った ら恐縮でございますけれども、私どもの承知しておる限りは、衆議院で御質問 があって、質問者がその質問の中で似たような引用をされたと、こういうこと であって、私どもが何か質問に対してお答えしているということではたしかな かったというふうに私は理解をしております。

 た だ、私どもは、いろんな場面でこの法人化に当たっての、こういう場合にはど うなるのか、ああいう場合にはどうなるのかという御質問を受けますし、また 御説明もいたします。そういうときに、一般論でございますけれども、労使紛 争により長期にわたり正常な大学運営が行われなくなるような場合ど うだというような御質問も受けるわけでございますが、そのときには、そのよ うな大学は社会一般から厳しい批判を受ける とともに評価委員会の評価等にも反映されることになるであろうということは お話しいたしますし、問われればまたそういうふうにお答えするわけでござい ますが、これは何ら合法的に行われるそういう行為等を抑制する趣旨のもので はないことは当然でございます。

 それ から、法人化後は各大学の構成員、当然のことながら、一丸 となって大学の発展を図っていっていただくようなことが当然必要でござ いますので、したがいまして、良好な労使関係構築に向けた取組が不可欠とい うふうに考えておりますし、各国立大学法人において適切な対応がなされる ことを当然のことながら期待をしているわけでございます。

 ま た、国大協の御指摘もございましたが、私ども文部科学省としても、今後とも 国立大学協会等と連携いたしまして、就業規 則の制定等の手続が円滑に進むように各国立大学等に対して必要な情報提供を行うな どの協力は当然のことながら行ってまいりたいと、かように考えているわけで ございます。

●神本 美恵子君 良好な労使関係を構築していくという観点から考えていくというこ とで、私も全くそれが必要だと思います。これまでこの委員会の中でも山本委 員がよく引用されておりましたが、戦後、文部省は学校の先生方の組合を結成するようにという指導もなさ ったというようなことも歴史の中で私は聞かせていただきましたが、そこまで は言いませんけれども、今度、非公務員型になっていく大学法人で働く方たちの良好な労使関係 が結んで、そこで良好な労働環境の中で働いて改革に邁進していけるようにと いうふうなことに是非御尽力いただきたいということを御要望したいと思いま す。

 次 に、午前中の時間が余りなくなりましたが、高等専門学校機構法案について三 点ほどお伺いしたいと思います。

 これ は、国立高専も高等教育機関とされておりますし、行政機関を対象とする独立 行政法人にはなじまないのではないか、なぜ国立大学法人法案と同じような制度設計がで きなかったのかなという単純な疑問を抱いているわけですけれども、その点に ついてはいかがでしょうか。

●政府 参考人(遠藤純一郎君) 大学につきましては、学校教育法の五十 二条におきまして「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門 の学芸を教授研究し、」と、こういう規定をされているわけでございます。大学は、学術の中心として、深く真理を 探求することを本旨とします教育研究機関でございまして、その性格上、学問 研究及びその成果の教授が外部の干渉を受けることなく自由に主体的に行われ ることが必要であるということで、いわゆる大学の自治が慣行として認められている わけでございます。

 この ことを踏まえまして、国立大学法人法におきましては、大学における学問研究の自律性を担保す るという観点から、学長の任免方法や中期目標の作成の方法等について特段の 配慮をするといったようなことでの国立大学法人法となっておるわけでございま す。

 これ に対しまして高等専門学校でございますが、これも学校教育法第七十条の二で 目的が規定されておりますけれども、ここでは、「深く専門の学芸を教授し、 職業に必要な能力を育成することを目的とする。」と、こう規定されておりま す。

 高等 専門学校につきましては、研究教育機関である大学とは異なりまして、実践的技術者の 養成を目的とする教育機関であると位置付けられているということでございま して、このため、現在におきましても国立の高等専門学校につきましては校長 の任免の判断は文部大臣が直接行っていると、こういうこと、それから教授会 が置かれていないといったような、大学とは異なる制度となっているところ でございまして、こういったような法律上の位置付けや役割の差を踏まえまし て、国立高等専門学校につきましては、国立大学のような学問研究の自律性を担保す るための特例は設けずに、原則どおり独立行政法人通則法による法人化を図る ということとしているものでございます。

●神本 美恵子君 法律上の位置付けの違いというふうに今御説明がございましたが、 やはり高等教育機関という観点から考えますと、国立大学法人法案で、三条で教育研究への配 慮義務が担保され、あるいは中期目標を示すというような配慮がされていると 同じような、そのような視点がこの高専の機構法案では全く欠落しているよう に思います。

 それ で、そうなると、他の独立行政法人と同様に、中期目標の決定は文部科学大臣 が指示するというふうになるのでしょうか、確認ですが。

●政府 参考人(遠藤純一郎君) 先ほども申しましたように、独立行政法人通則法に よる法人化でございますので、その独立行政法人通則法の規定に従いまして中 期目標の決定は文部科学大臣が指示するといったような形になっておるわけで ございます。

●神本 美恵子君 五十五の高専を一つの機構本部が取り仕切るというやり方になるわ けですけれども、文部科学省の独立行政法人評価委員会の業績評価に基づいて 文部科学大臣が資源配分を行うという枠組みでは、各高専の自主性や個性化あ るいは活力の発揮ということができるのかどうかということについて大変私は 疑念を抱くわけですけれども、この独立行政法人の仕組みにスケール、規模と いう観点からだけ安易に乗ったのではないかというふうに思えてならないんで すけれども、その点はいかがでしょうか。

●政府 参考人(遠藤純一郎君) 今回、国立高等専門学校を一つの機構とするという ことで法案を提出させていただいておるわけでございますけれども、この点に つきましては、従来それぞれの学校で行われておりました業務の一部、あるい は学校の枠を超えた共通的な課題、例えばインターンシップにつきましては個 々で推進するよりも全体として推進した方がいいのではないか、あるいは研修 を通じました教職員の資質の向上、新たな教材の開発といったような共通的な 課題につきましては、機構が行うということで法律的に対応をすることができ るんではないかということがございます。

 一方 で、各学校では、引き続き学校教育法上の独立した学校でございまして、機構 が行う共通的な課題への取組の基礎の上に立ちまして、それぞれの学校が特色 ある教育活動や学生サービスの向上に重点的に取り組むことによりまして、そ の自主性を一層発揮し、個性化、活性化が推進されるのではないかというふう に考えておる次第でございます。

●委員 長(大野つや子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いた します。

午後零時一分休憩   ─────・ ─────   午後一時開会

●委員 長(大野つや子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。

 休憩 前に引き続き、国立大学法人法案外五案を議題とし、質疑を 行います。

 質疑 のある方は順次御発言願います。

●神本 美恵子君 午前中に引き続き質問させていただきます。

 午前 中は国立大学法人法案を中心に質問させていただ きましたが、午後は、これは実に約六十五万人の公立学校教員の給与の決め方 にもかかわる大きな問題であります関係法律の整備に関する法律案を中心に御 質問させていただきたいと思います。

 まず、国立大学法人法の施行に伴う関係法律の整備 に関する法律案によって、教育公務員特例法第二十五条の五の公立学校教育公 務員の給与の種類及びその額は、当分の間、国立学校の教育公務員の給与の種 類及びその額を基準として定めるものとするとの規定が削除されることになっ ております。いわゆる公立学校教員の給与の国立学校準拠制が廃止されること になります。

 この 国立学校準拠制というのは、国に準拠することによって国立学校教員の給与水 準を同一として、待遇の不均衡を生じないようにして、全国的な教育水準の確 保、均衡を図る、そのために設けられたものであるというふうに承知しており ます。

 この 国立学校準拠制のこのような考え方が今回この二十五条の五の削除によって変 わるわけですけれども、今回の改正によってこの考え方そのものが変更される のかどうかということについてまずお聞きをしたいと思います。

●国務 大臣(遠山敦子君) 今回の改正といいますものは、国立大学の法人化に伴いまして国立学校の教 員が非公務員とされるということを受けまして、これまでの国立学校準拠制と いうのを廃止する、せざるを得ないわけでございます。各都道府県ごとが地域 ごとの実態を踏まえて教員の給料や諸手当の額をより主体的に決定できるよう にする。これは地方分権の流れにも沿っているわけでございます。

 しか しながら、教員の給与ということについての国の基本的な考え方といいます か、それについては変わらないものが多いわけでございまして、この法案にお きましては、教員の職務と責任の特殊性に基づく現行の教員給与体系の基本は 維持するということにいたしているわけでございます。

 御存 じのように、教員の給与につきましては、一つは、人材確保法に基づき優遇措 置を講じております。それから二つ目には、職務と責任の特殊性に基づいて定 めるということになっております。また、職員の給与といいますものは、国や 他の地方公務員などの給与その他の事情を考慮して定められなければならない というふうになっているわけでございまして、これは地方公務員法上のいわゆ る均衡の原則というわけでございますが、それらのことはそのまま引き続き規 定されているわけでございますので必要な水準は保たれるというふうに考えて いるわけでございます。

 教員 の給与水準の確保ということによって必要な教育水準の均衡化を図るという考 え方は基本的に変更がないというふうにとらえております。

●神本 美恵子君 基本的に改正によって考え方が変わるものではないという御答弁を いただいたと思います。

 あ と、少し細かくなっていくと思いますけれども、順次質問をしていきたいと思 います。

 この 現行の教育公務員特例法二十五条の五は、公立学校教員の給与を当分の間、国 立学校教員給与を基準として定めるというふうにしておりまして、この規定は 制定当時、国公立の教育公務員の給与を一本にした給与法の制定を予想してい たためだとされております。全国的な教育水準の均衡を図るために設けられて いた国立学校準拠制が廃止されるわけですので、それに代わる何らかの基準が 必要ではないかというふうに思いますけれども、これについてはいかがでしょ うか。

●政府 参考人(矢野重典君) 国立学校準拠制が廃止された後、国はそれに代わる何 らかの基準を示すべきではないかというお尋ねでございますが、その点につき ましては、私どもといたしましては、これは地方の権限と責任をできるだけ拡 大していくという地方教育行政の改革の方向性に沿ったものといたしますため に、国が公立学校教員の給与について全国的に一律に給与の額を定めるといっ たことは行わないということにいたしたところでございます。

 今後 は、教員の職務と責任の特殊性に基づく現行の給与体系の基本は維持した上 で、それぞれの都道府県が教員の職務と責任の特殊性、また人材確保の趣旨、 さらには現在の教員の給与水準等を踏まえまして、人事委員会の勧告に基づい て教員の給料及び諸手当の額を定めることとなるものでございます。

●神本 美恵子君 考え方も変わらずに教育水準の確保ということも考えていくという ことですけれども、この国立学校準拠制というのは、教育の機会均等あるいは 教育水準の維持向上を全国的に保障するための方策の一つであるというふうに 考えております。今後は、地方の主体性というふうにもおっしゃいましたが、 都道府県の財政力によって給与水準に格差が生ずることがあるのではないかと いうような危惧も抱くわけですけれども、この点についてはどのようにお考え でしょうか。

●政府 参考人(矢野重典君) 公立学校教員の給与につきましては、先ほど申し上げ ましたように、地方の権限と責任を拡大する、そういう観点から、国立大学の法人化に伴い国立学校準拠制を廃 止して、各都道府県が教員の給与水準をより主体的に決定できるようにいたし たところでございます。

 他 方、この法案におきましては、教員の職務と責任の特殊性に基づく現行の教員 給与体系の基本、これは維持することといたしておりまして、具体的には、教 員について一般の公務員給与水準に比較して優遇措置が講じられなければなら ないといういわゆる人材確保法の規定は維持いたします。また、教員の給与は その職務と責任の特殊性に基づき定めることといたします。さらに、地方公務 員一般の原則として、教職員の給与は国や他の地方公務員の給与等を考慮して 定められなければならないということがあるわけでございまして、こうしたこ となどから、各都道府県における教員の給与につきましては引き続き必要な水 準が保たれ、全国的に優秀な教員を確保して義務教育の水準を維持することが できる、そういうふうに私どもは考えているわけでございます。

 そこ で、格差ということについての御指摘がございましたが、この点については私 どもは次のように考えております。

 今回 の改正は、地方分権というそういう観点から、各県が地域ごとの実態を踏まえ て教員の給料や諸手当の額を主体的に決定できるようにするものでございまし て、その結果として、各県ごとに給料や諸手当の額に違いが生じている、これ は御指摘のとおり生じてくることもあるわけでございますが、その場合でも、 先ほど申し上げましたように、国や他の地方公務員の給与等を考慮して定めら れなければならないとされているわけでございます。

 こう したことなどから必要な水準は保たれるわけでございまして、その上で生じて くる差異、そうした差異は、これは各都道府県が、物価などのそれぞれの地域 の事情があるわけでございますが、そうしたそれぞれの事情を踏まえた各自治 体の私どもは判断だというふうに考えるものでございます。

●神本 美恵子君 違いは生ずるであろうが、それは必要な水準を確保した上での違い であるというふうに御答弁をいただきましたので、そうかなとも思いますけれ ども、今回削除される二十五条の五が制定された当時には、その解説を読んで みますと、地方教育公務員の所属する地方公共団体は、その財政能力に種々の 相違があり、放任しておくならば待遇に甚だしい格差が生ずることを避け得な い、これを避けるために規定せられたのが本条第一項なのであるというふうな 解説もございまして、やはり心配がありましたけれども、今の御答弁のように 必要な水準はきちっと確保されると、大きな格差が生じないようにというよう なことは今後とも引き続き是非とも文科省としても御努力をお願いしたいと思 います。

 次 に、それでは本改正案が成立すると各都道府県はどのように教員給与、手当等 を決定をするのか、具体的に、しかも簡潔に御答弁をお願いします。

●政府 参考人(矢野重典君) これまで、公立学校教員の給与につきましては、国立 学校の教育公務員の給与を基準として定められていたために、人事院の勧告に 基づき定められた国立学校の教員の給料や諸手当の額、これに準拠しながら各 人事委員会の勧告等に基づいてそれぞれの都道府県が定めていたわけでござい ます。

 今後 は、国立大学の法人化によりまして国立学校教員 の給与の額に関する規定がなくなりますために、人事院が教員給与について勧 告を行うことはなくなるわけでございますけれども、各都道府県は教員の、先 ほど申しましたように教員の職務と責任の特殊性に基づく現行の教員給与体系 の下で、人材確保の趣旨あるいは国や他の地方公務員の給与、更には現在の教 員の給与水準等を踏まえながら、それぞれの人事委員会の勧告に基づいて教員 の給料や諸手当の額、これを定めることになるものでございます。

●神本 美恵子君 ありがとうございます。

 先ほ どから局長の方からもおっしゃっていただいていますが、この教育公務員特例 法の改正によって十三条に給与の規定が新設されることになっております。そ れは、公立の小学校等の校長及び教員の給与は、これらの者の職務の責任と特 殊性に基づき条例で定めるものとするとされております。第一条の法律の趣旨 でも同じような文言で、「教育公務員の職務とその責任の特殊性に基づき、」 との規定がございます。

 繰り 返し、再度規定されているところに文部科学省としての教員給与に対する責任 意識というものも感じますけれども、あわせて、今後への一抹の不安というも のもあるのではないかというふうに私は読み取るんですが、(「一抹じゃな い、もっとだ。」と呼ぶ者あり)この十三条は具体的にどのようなことが各県 の条例に反映されるよう求めている規定なのかをお伺いしたいと思います。

●政府 参考人(矢野重典君) 先ほど御指摘のように、これまで公立学校教員の給与 につきましては、教育公務員特例法第二十五条の五によりまして国立学校準拠 とされてきたところでございまして、公立の学校教員の給与につきましては、 この規定に基づき国家公務員に準拠することで全国一律に教員の職務と責任の 特殊性を反映した給与体系、これが担保されてきたところでございます。

 国立大学の法人化に伴いこの規定は削除され ることとなるわけでございますけれども、先ほど来御説明申し上げております ように、引き続き教員の職務と責任の特殊性に基づき、一般の公務員とは別の 給与体系とする必要がありますことから、公立学校の教員の給与につきまして はその職務と責任の特殊性に基づき条例で定めるということを新たに規定をい たしまして、一般の公務員とは異なる教員特有の給与体系を担保することとい たしたものでございます。

 具体 的には、教員の給料につきましては、一般職の公務員の給料表とは別に教員特 有の給料表を定めまして、校長、教頭、教諭などの職務に応じた級に分類する こと。また、教員に特有の職務や勤務条件等に対しましては、一般職の公務員 に支給される諸手当とは別に、若しくは別の支給要件に基づきまして、その職 務や勤務条件の複雑困難性に見合う諸手当が支給されることが必要であるとい うふうに考えておるところでございます。

●神本 美恵子君 教員給与の優遇措置、それから教員に係る手当についてもう少しお 伺いしたいと思いますが、今、西岡先生の一抹の不安ではないという声が聞こ えましたが、たしか西岡先生が大臣のときだと思いますが、人材確保法、これ が作られまして、その一部改正で今回三条の「一般の公務員の給与水準に比較 して必要な優遇措置が講じられなければならない。」との規定は残されており ますけれども、それを担保していた第四条の人事院勧告の規定が削除されるこ とになっております。

 で は、この「必要な優遇措置」ということについて、文部科学省は具体的にどの ようなものと考えていらっしゃるのか。この人確法の改正後、この精神はどの ように担保されるのかということについてお伺いしたいと思います。

●政府 参考人(矢野重典君) 人材確保法、改めて申し上げますと、これは義務教育 に従事する教員に優れた人材を確保するために、教員の給与につきまして一般 の行政職員よりも優遇することを定めるものでございまして、現在、同法の趣 旨を踏まえて、給料の額でございますとか義務教育等教員特別手当の支給等に よりまして具体的な優遇措置が講じられているところでございます。

 国立大学の法人化に伴いまして国立大学の教員が非公務員として整理されま すことから、人事院の勧告について定めました人材確保法第四条は、これは削 除することとしておりますけれども、国立大学の法人化後も、一つは優遇措置につ いて定めております同法第三条の規定が引き続き残るということ、それから教 育公務員特例法におきまして、義務教育等教員特別手当の支給根拠を新たに置 くことにいたしました。また、義務教育費国庫負担金につきましては、教員給 与の優遇措置の状況も考慮して算定すること、こうしたことなどから義務教育 に従事する公立学校の教員の給与につきましては、引き続き人確法の趣旨を踏 まえて、一般の行政職員よりも高い水準、優遇措置が保たれるものというふう に考えているところでございます。

●神本 美恵子君 そのことで、引き続き担保されるものと考えておりますではなく て、もう一歩踏み込んでこのように文部科学省としては担保するというふうに お伺いしたかったんですけれども、そこはちょっと通告はしておりませんけれ ども、もう一度念を押したいと思います。

●政府 参考人(矢野重典君) 繰り返しになりますが、人確法の第三条の規定は引き 続き存続いたします。また、義務教育特別手当、これは新たに教育公務員特例 法におきまして支給根拠規定を置いております。こうしたこと、さらに、更に 申し上げますれば、義務教育費国庫負担法、失礼、義務教育費国庫負担金につ きましては、そうした教員給与の優遇措置の状況も考慮して算定するといった ことにいたしておるものでございますから、そういう意味で、現行の人確法が 有しております一般の行政職員よりも高い水準、優遇水準というものを担保さ れるものというふうに考えているところでございます。

●神本 美恵子君 次に、給与特別措置法、いわゆる給特法についてお伺いしたいと思 います。

 時間 外勤務手当、休日勤務手当が支給されないということについての補償措置とし て、教職調整額についてこの給与特別措置法第三条で規定されているわけです けれども、その改正案は、給料月額の百分の四に相当する額を基準として条例 で定めるところにより支給されなければならないというふうにされておりま す。この百分の四という基準は、拘束力があるものというふうに理解してよい のかというのが一点です。

 ま た、その三条二項においては、「教育職員については、時間外勤務手当及び休 日勤務手当は、支給しない。」というふうにされております。この規定は恐ら く現行の三条三項及び八条に定められていたものを規定し直したものであると いうふうに思いますけれども、現行と同じであるというふうに考えてよろしい んでしょうか。

●政府 参考人(矢野重典君) 現在、国立学校の教育職員につきましては、その職務 と勤務態様の特殊性から、時間外勤務手当の支給はなじまないためにこれを支 給しないことといたしまして、これに代えて勤務時間の内外を問わず包括的に 評価するものとして、俸給月額の四%に相当する額の教職調整額を支給するこ とといたしておりまして、公立学校の教育職員につきましても、国立学校の教 育職員を基準として、同様の措置を講じることといたしているところでござい ます。

 国立大学の法人化後も、公立学校の教育職員 の職務、そして勤務態様の特殊性には、これは何ら変化があるものではないわ けでございますから、引き続き公立学校の教育職員につきましては、時間外勤 務手当の支給を義務付けている労働基準法第三十七条を適用しないことといた しますとともに、教職調整額が必ず支給されることとする必要があるというふ うに考えているところでございます。

 その 際には、教職調整額の趣旨が形骸化しない、形骸化することのないように適切 な額が支給される必要があるわけでございまして、教職調整額につきましては 給料月額の四%、これは法律で定めておるところでございますが、それを基準 として条例で定めることといたしたところでございます。

●神本 美恵子君 この給特法については、昨今といいますか、本当に超過勤務が学校 現場では物すごい量になっておりますし、この給特法そのものについて是非が 論じられたりもしております。

 その ことは置いておきまして、今、今後も支給されるべきものであるというような 御答弁をいただきましたが、給料の本体にこれは入るものですので、たとえ四 %じゃなくて三・九九%であっても、そういった格差が県によって出るという ことは大きな格差にまたつながっていくものでもありますので、是非とも百分 の四という基準をきちっと各県が、きちっとといいますか、格差が生じないよ うにすべきものだというふうに私は思いますので言っておきたいと思います。

 次 に、この給特法の一部改正では、第六条において、教員を「正規の勤務時間を 超えて勤務させる場合は、」、いわゆる時間外勤務、超勤ですけれども、「政 令で定める基準に従い条例で定める場合に限る」というふうにされておりま す。この「政令で定める基準」というものはどのようなものなのか、現行と同 じというふうに受け止めていいのかということです。それから、各都道府県は 今回の改正によって改めて条例を制定し直すことになるのか。あわせて、教育 職員に対し時間外勤務を命ずる場合に関する規定というのが昭和四十六年七月 に文部省訓令として規定されておりますけれども、これも同じものが通知で示 されることになるのか。

 以上 三点についてお伺いしたいと思います。

●政府 参考人(矢野重典君) お尋ねの政令におきましては、これまで国立学校の教 員について定められておりました教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合に関 する規定、文部省訓令でございますが、これと基本的には同じ内容のものを考 えているところでございます。すなわち、一つは生徒の実習に関する業務、ま た二番目といたしましては学校行事に関する業務、また教職員会議に関する業 務、さらに非常災害等やむを得ない場合に必要な業務、これらのいわゆる超勤 四項目を同政令において定めることといたしているところでございます。

 した がいまして、国立大学の法人化に伴う今回の改正によっ て、各都道府県は現行の条例につきまして、その実質的な内容を改正する必要 はないというふうに考えているところでございます。また、この新たに定めま す政令の内容等につきましては、現行の教育職員に対し時間外勤務を命ずる場 合に関する規定、文部省訓令と基本的に同じものであると、そういうことを通 知等によりまして各都道府県に対してお示しをしてまいりたいと考えておりま す。

●神本 美恵子君 ありがとうございました。

 次 に、特殊勤務手当についてお伺いしたいと思います。これについては、一般職 給与法十三条、具体的な内容は人事院規則九—三〇に定められておりま す。国立学校準拠制が廃止されると、その内容は各地方公共団体の裁量という ことになるのでしょうか。また、同様の勤務を行っている教員の特殊勤務手当 の内容は全国的に均衡を取る必要があるというふうに思いますけれども、それ についてはいかがでしょうか。

●政府 参考人(矢野重典君) 教員特有の特殊勤務手当といたしましては、現在、教 員特殊業務手当、また多学年学級担当手当及び主任手当がそれぞれの支給要件 に該当する職務に従事する者に対して支給をされているところでございます。

 この ような特殊勤務手当につきましては、国立大学の法人化後も、地方公務員の給与に ついて規定をいたしております地方自治法や地方公務員法の規定等を根拠とい たしまして、公立学校の教員に対しても現行と同様に支給することができるも のでございまして、その上で、特殊勤務手当の支給対象となる職務の特殊性、 困難性はこの法律改正後も変わらないということ、そして、改正後の教育公務 員特例法の規定によりまして、教員の給与は職務と責任の特殊性に基づき支給 されることとされておるところでございますので、こうしたことから、各都道 府県におきましては改正前と同様に適切に支給することが必要であるというふ うに私どもは考えているところでございます。

●神本 美恵子君 全国的に均衡を取ることが必要だと思いますが、その点については いかがでしょうか。

●政府 参考人(矢野重典君) 額につきましては、これは給料本体を各都道府県の判 断にゆだねることとしてございますので、そういう意味での額については各自 治体の判断にゆだねるわけでございますが、今申し上げました手当の種類につ きましては、これは全国的に同じ扱いをしていただく必要があろうかと思って おります。

●神本 美恵子君 額についてちょっとそれでいいのかなというふうに思いますけれど も、今ずっと、細かいことのようですが、いろいろお聞きをしました。しか し、これはやっぱり国準拠制がなくなるということで、全国の教育水準の確 保、均衡を図るという意味で非常に重要なことだと思って確認をさせていただ きました。

 しか し、この公立学校の教員給与に関して、今非常に大きな根幹を揺るがすような 問題が出てきております。それはもう御承知のように、ここの委員会でも何度 も問題にされましたいわゆる義務教育費国庫負担制度でございます。これにつ いては、去る五月七日、地方分権改革推進会議が示しました重点的に推進すべ き事項ということで、義務教育費国庫負担制度、その中の対象経費の見直し、 定額化・交付金化、全額一般財源化、事務・栄養職員の一般財源化等、こうい ったものが挙げられております。

 義務 教育費国庫負担制度については、この三月にも法律改正が行われて、その際に も議論がなされましたけれども、与野党を問わず、その重要性については皆様 から御意見が出たところでございます。そして、附帯決議においてもその重要 性が確認をされております。そのような中でこういったものが地方分権改革推 進会議の中から出てくるということは、私は国会軽視と言わざるを得ないと思 います。

 子供 の数を基準とした交付金化というようなことも聞こえてきておりますけれど も、学校というのは一つのクラスを単位として動いているというところから考 えますと、非常に現実離れをした机上の空論ではないかというようなことも現 場にいた人間としては感じるところでございます。

 ま た、遠山大臣は、五月二十八日の経済財政諮問会議において、事務職員、学校 栄養職員は、教員と並ぶ学校の基幹的職員であるとの認識をはっきりと示され ております。このことは歴代の文部大臣の答弁でも幾度も確認されてきている ことでございます。

 一方 で、大蔵省、当時の大蔵省ですが、もう十九年も前から事務職員、学校栄養職 員の国庫負担の一般財源化を言ってきております。

 義務 教育費国庫負担の対象外にするという、学校事務職員、栄養職員をですね、と いうような意見は、私はこれもまた学校現場がどのように動いて教育活動、子 供に対して教育活動を行っているのかということを知らない人たちの全く教育 論のない意見だというふうに、大変な私は怒りを持って聞いておりますけれど も、学校現場では、本当に教員のみならず、事務職員、栄養職員、そのほかの 職種の方々も高校などにはたくさんいらっしゃいますけれども、みんなで共同 して教育活動に当たっているという実態を是非考えていただきたい。そういう 意味で大臣も繰り返し、基幹的職員というのはそういう意味でおっしゃってい るというふうに思います。

 中教 審の今後の地方教育行政の在り方の答申でも、教員以外の職員の重要性という ことは指摘されておりますし、是非とも、今申しました教員の給与についての その根幹になる義務教育費国庫負担制度について、日本の教育に責任を持つ、 大臣には何度も決意をと言ってお伺いをしましたけれども、今回のこの法案に もまたその根幹となるものでございますので、是非とも義務教育費国庫負担制 度をめぐる最近の動きに対して、事務職員、栄養職員の問題も含めて堅持する 立場から毅然とした決意を、多分もう決意はしていらっしゃることは分かりな がら、改めてお伺いしたいと思います。

●国務 大臣(遠山敦子君) 先般成立させていただきました義務教育費国庫負担法の 質疑の際にも、明確に与野党の総委員の方々から義務教育費国庫負担制度の根 幹は守るべしというお話がございました。私も答弁の中でそのことを明確に申 し上げましたし、また附帯決議においても明確に書かれているところでござい ます。

 私 は、先般の五月二十八日の経済財政諮問会議でも、非常にあれですね、義務教 育費国庫負担制度というものを国の骨格ないし国の礎という認識をどうも欠い ているのではないかという角度から一般財源化しろ、さらには事務職員、栄養 職員についてもこれは一般財源化というようなことが軽々に論じられたような 気がしたときに、すかさず反論をしたところでございます。

 私の 考えそのものはもう何度も述べているところでございますし、事務職員、栄養 職員も学校の基幹的職員ということは、今、委員がおっしゃいましたように、 学校を構成する教員、栄養職員、失礼しました、養護教員とともに非常に大事 な役割を担っている職種の方々でございまして、これを一部を一般財源化する というようなことは、混乱が生じこそすれ何の私は利益もないというふうに思 うところでございます。

 その ようなことから、義務教育そのものについての重要性、そして、それを実際に 国民に対して一定水準の教育を確保するという角度で頑張っておられる学校の 構成員が安心して職務に邁進していただけるように、この義務教育費国庫負担 制度の根幹を守るというのは私どもの大きな役割だと思っております。

 同じ 経済財政諮問会議が行われました朝、歴代の文部大臣がお集まりいただきまし た。その中には財務大臣と法務大臣は入っておられませんけれども、これは現 職、別の職をやっておられるということもございますが、それらの十人の歴代 の文部大臣の方々の強い御決意も、義務教育費国庫負担制度の根幹を守るとい うことと同時に、事務職員、栄養職員についてもこれを一般財源化することは 絶対にしてはならないという強い御決意を語ってくださいました。また、その 結果につきましては要所要所にお話しいただいたものというふうに考えており ます。

 その ように、これは行政とかいろんな立場を超えまして、日本の、私は日本の国を 一つの城と思いますと、義務教育というのはその石垣、城を構成する石垣の部 分だと思います。その石垣の部分の大きな石を取り崩していくなんというよう なことがないようにやっていくということは私の信念でございますし、また、 委員の先生方の是非ともお力添えを得まして、このことについて私どもとして この考えを全うすることができるように御支援をいただければと思うところで ございます。

●神本 美恵子君 ありがとうございましたというか、お互いに頑張りましょうという ことなんですけれども。

 私も 学校現場におりまして、自分がこの義務教育に携わる者として給与をいただき ながら子供と教育活動、学習してきたわけですけれども、そのときは義務教育 費国庫負担制度というような、こういう制度は知らなかったんですが、この仕 組みということをよくよく見てみますと、ああ、この上に乗っかって安心して 教育活動ができたんだなと、しかも、学校で、構成員とおっしゃいましたが、 様々な職種の人と一緒に携えて教育活動ができたのはこの制度があったからだ ということを改めて、今回浮上してきて再確認をしているところです。

 です から、そのことを私は、自分も国民の皆様によく分かっていただきたいと思い ますし、この国会の中では、ほかのよく訳の分からない人たちにはしっかりと 教育論として、この義務教育費国庫負担制度がいかにこれまでの教育の支えに なってきたのかということを教育論として是非言っていただきたいし、私自身 も学校現場におりましたときに、事務職員、栄養職員の方々の仕事を直接よく 見えなくて理解できなかったという部分も多々あったように思います。そうい う意味では、基幹的職員ということの内実についても是非とも大臣にはこれま で同様に、あるいはこれまで以上に認識をしていただいて頑張っていただきた いということをエールを送りまして、質問を終わりたいと思います。

 ちょ っと超過しまして済みません。ありがとうございました。

 

 

回次

会議名

開会日付

議員名

156

内閣委員会

14

2003/06/12

川橋 幸子

 

 

●川橋幸 子君 ・・・(中略)・・・今日は文部科学省の河村副大臣にお見えいただい ておりますので、質問の順序を今度後ろからにさせていただきまして、河村副 大臣の方の御答弁、せんだっての決算委員会でございますが、中途半端になっ てしまいました。おわびしながら、御答弁ちょうだいしたいと思います。で も、官房長官のお役目にも関係のある話でございますので、お聞きいただきた いと思います。

 女子差 別撤廃条約の日本政府の報告書が近々審査される、差別撤廃委員会の方で審査 されるということでございます。最後の方から参りますので、後もし時間があ りましたらまた坂東局長にも、いつも何か空振りばっかりで申し訳なかったと 思いますけれども、今日はお許しいただきたいと思います。

 先に、 関係部分の方から入りたいと思います。

 前回報 告書の中では、日本政府に対する勧告としては、やはり働く女性たちの賃金の 問題、雇用の問題について格差縮小といいますか、差別がないように政府とし て適当な措置を取るべしという、こういう点が要約すれば大きかったと思うわ けでございます。その中で、最近、日本では非常に大きな問題になっておりま すのが雇用形態の多様化の中でパートタイム等労働者が増えてきている。パー トタイマーと正規社員との間の賃金格差なり、あるいは正規社員には社会保険 の適用、厚生年金の適用がありますが、なかなかパートタイマーの場合は社会 保険にも加入できない。その結果、むしろ厚生年金なり雇用保険も含めた、あ るいは様々な社会保障に共通すると思いますが、空洞化現象が起こってきてい るということがあります。

 という ことで、厚生労働省の方ではパートタイム労働者等の均等処遇の問題、あるい は社会保険の適用拡大の問題について新しい報告を委員会の方にされたと思い ますが、その委員会の方に出された報告、ないしは近々の厚生労働省の方で取 られている施策について御説明いただきたいと思います。

●政府参 考人(渡辺芳樹君) お答え申し上げます。

 パート 労働者の適正な労働条件、処遇が確保されるようにするということは大変重要 な課題であると認識しております。

 こうし た観点から、今後のパートタイム労働対策につきまして労働政策審議会におい て議論が行われました。御承知のとおりだと思います。そこで、正社員とパー トタイム労働者との間の均衡を考慮した処遇の考え方をパートタイム労働法に 基づく指針に具体的に示して、社会的な浸透、定着を図っていくことが必要で あるという御報告を三月中旬に取りまとめていただいたところでございます。

 厚生労 働省といたしましては、現在その指針の改正案について内部的に検討を進めて おりまして、速やかに労働政策審議会の方で御議論をいただけるように努力し たいというふうに考えております。

 なお、 厚生年金等社会保険のパート適用の問題につきましても、年金部会等で今いろ いろな御議論をいただいていることは御承知のとおりでございます。

●川橋幸 子君 という正確な情報が今御答弁いただいたところのようなことなのでござ いますが、これに関連しまして文部科学省の方にお伺いしたいということでご ざいます。

 雇用形 態の多様化と一言に言うと、様々な働き方が増えたんだろうなと一般的には理 解されるわけですが、事実としては、非常に想像を超えるほど多様化といいま すか、働き方の変化が進んでおります。雇用管理の仕方の変化が進んでおりま す。

 例え ば、一番分かりよく表現をいたしますと、細切れ掛け持ちパートという、こう いう言い方が女性たちの中で、あるいは女性だけではなくて男性も含めて多様 な雇用形態の中では進んでいます。どういうことかといいますと、フルタイム というのはある事業所で八時間なりあるいは相当時間、週何十時間なり働くわ けですが、事業所を替えて転々転々とされるわけですね。

 それ で、その典型が大学非常勤講師の方々にとても大きいと。大学非常勤講師の方々の場合は、大学の経営難ということもあってコスト、人件費をカットしたいという、こういうニーズもあるとは思いますが、本質的に、例えば英語の授業ならこま数は多く要るけれども、非常に少数、マイノリティーの言語なんというのは一大学月一回あればいいということになり ますと、本当に一週間五、六か所の大学を掛け持ちしながら、足し上げると それこそ週四十時間以上、フルタイマー以上に働く、生計もそれで維持してい る。フルタイマーと違うところは、ただ事業所によって細切れになる。だけれ ども、そこの合算ができないからなかなか社会保険の適用もうまくいかない と、こういう状態なわけでございます。

 そこ で、二点お伺いさせていただきます。

 まず、 先ほど厚生労働省の方から答弁のありましたパートタイム労働者等の処遇改善 のためにはガイドラインを、行政指導の具体的なよりどころとなるガイドライ ンを今審議中だと、いずれ近々発表されるということになるわけでございま す。そうした場合、国公立の大学の場合は今独法化が進んでおりまし て、文教委員会の方で審議中なわけですが、いずれ通るでしょう。それが実施 されると、今度は民間の労働者となるわけでございますね。そうしますと、パ ートタイム労働者等の法律がそのまま適用される。ですから、格差、均衡処遇 を確保するためのガイドラインが厚生労働省から出た場合には、それはそっく りその非常勤講師の方々も適用されて、専任の 講師、まさか教授と比べろとは言いません、類似の労働者ですから、専任の講 師の方と非常勤で幾つか大学掛け持ちなさる方との賃金、これは 均衡を保たなければいけないというガイドラインに沿った指導は文科省として 当然なさるということですね、ということ。

 プラス して、私学は今でも適用があるわけでございますが、具体的なガイドラインが なかったということでございますけれども、具体的なガイドラインができれば 即、独法化というようなその機構改正を待たずに適用される問題でございます ね。お願いいたします。

●副大臣 (河村建夫君) 川橋委員御指摘のように、現時点では、いわゆる時間給は、一般職の職員の給与に関 する法律があるわけでございます。これに基づいて当該職員を常勤講師として 採用した場合に受けることとなる月給ですね、いわゆる俸給ですが、この予算 の範囲内で非常勤講師の給与も決めていると。この 単価、単価は時間給という形でありますけれども。ただ、この場合に、講義時 間以外にも講義のための準備や学生に対する研究指導等も行うということもご ざいますものですから、単純に常勤講師を時間で割ってというような形ではな くて、高めにといいますか、大体三倍弱でありますが、経験年数という、いろ いろ計算式はあるようでございますけれども、そのものを差し上げているとい う状況でございます。

 そこで、御指摘のいわゆる法人化後でございますが、いわゆ るパート労働法の適用を受けるわけでございまして、通常の労働者との均衡等 を考慮して適正な労働条件を確保するようにと、こうなっておるわけでござい ますので、法人化後において非常勤講師の給与はこの趣旨にのっとっ ていくということでございまして、これは、各国立大学法人においてそれぞれ自主的に、自 律的に決めていただくと、こういうことになっておりますし、これは、国立大学法人に今度なりますと、運営交付金 が算定して渡されるわけでございます。この枠の中でやるわけでございます が、法人化になった途端にどんと下がるというようなことはあり得ないことで あります。そんなことがあってはならぬわけでございまして、当然、今までの 支給実績というものがまずありますから、それを踏まえて対応していかなきゃ ならぬと、こういうことになるわけでございます。その点は十分、今回、新し く今検討されておりますが、その趣旨を受けて対応するようにということでご ざいます。

 また、私学においても、国立大学も法人化してこうなってまいります から、それに準じた対応をしてもらわなきゃならぬと、このように考えており ます。

●川橋幸 子君 明快なお答えをどうもありがとうございました。

 それ で、それでは次にもう一点確認させていただきたいと思います。厚生年金を始 めとする社会保険の適用拡大に関する問題でございます。

 これ は、雇用保険法の一部改正の際の参議院厚生労働委員会における附帯決議でご ざいますが、例えばその附帯決議の五項めに、私立大学を始め未適用の事業所に対する適用 促進を強力に進めることということを政府に対して要請しているものでござい ますが、例えば、どうしてこういう要請がわざわざ入るかといいますと、これ は関西のある大学でございますけれども、非常勤講師雇用規程というものが、これ は私学でございますが、決められておりまして、その中に、非常勤講師の社会保険の加入については 本法人はその責めに任じないという。要するに、前、今までは働いている人た ち自身が入りたがらないと言っていたんですが、いや、使用者の方がむしろそ の責任はありませんと言っていた部分があるわけですね、雇用主負担があるわ けですから。

 こうい うことはもうこれからは許されない。社会保険の適用拡大、週二十時間、年収 六十五万ですか、このように要件緩和されれば、当然その資格が今の非常勤講師の方々に、緩和されれば加入 資格が出てくるわけでございますが、もうそうした責めに任じないなんという 大学に対しては文科省の方から指導すべ き立場にはおありになると思いますが、この件についてのもう一つ明快な御答 弁をちょうだいしたいと思います。

●副大臣 (河村建夫君) 社会保険、厚生年金の問題だと思います。

 基本的 には厚生労働省において取り組んでいられるところでありますけれども、これ はやっぱり文部科学省としても、大学非常勤講師を始めとするいわゆるパ ート労働者でありますが、この問題、大変大事な問題だと考えておりまして、 この適用が、今、厚生労働省の、今御指摘のあったように、四分の三以上、常 勤の方の、以上あれば加入するんだということが、今度は二十時間ということ で検討されているということでございますから、これによりまして加入の範囲 が非常に増えていくだろうと、こう思っておりまして、当然、この検討の状況 を受けて、大学非常勤講師の実態等も踏まえながら、こ れはもう正に適切に対応していかなきゃいかぬ課題であると、こう思っており ますし、もう私学は、特に雇用保険のこともあるんでありますが、これを、是 非加入をすべきであるということでこれまでも要請してきておりまして、この 際に、私学の方に対しても一体のものとしてこの推進を更に努めてまいりたい と、このように考えております。

●委員長 (小川敏夫君) 川橋さん、後の質疑の都合もありますので、時間でお願いし ます。

●川橋幸 子君 はい。三十秒ぐらいですね。

 どう も、大変明快な御答弁をありがとうございました。何回か御質問して、今日ほ どはっきり御答弁いただいたのは初めてでございます。本当に副大臣にお見え いただきまして、是非これからも御活躍願いたいと思います。

 という ことで、私の持ち時間なくなりまして、また、坂東局長、済みませんでした。 でも、対日審査、多分局長が政府代表になられるんでしょうから、差別撤廃委 員会での日本政府の報告に対しては、このような状況を踏まえられて、なお努 力する旨の御答弁をちょうだいしたいと、答弁といいますか、報告をしていた だきたいと思いますし、このような形で女性の、働く女性の地位向上といいま すか、差別解消が進んでいくことについて、男女共同参画担当大臣である官房 長官にも更に御理解と御支援賜りたいということをお願いいたしまして、終わ らせていただきます。

 ありが とうございました。

 

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------<End of File>

 

inserted by FC2 system