<資料>

 

 以下 は、大学非常勤講師4組合が2004年2月23日に、文部科学省と厚生労働省に対して行っ た陳情の要請書テキストである。各方面の参考に供するため、体裁などを変え て掲載することとする。

 

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2004年2月23日

文部科 学大臣

河村  建夫 殿

 

 

要請書

 

 

                                  首都圏大学 非常勤講師組合

                                  京滋地区私 立大学非常勤講師組合

                                  阪神圏大学 非常勤講師労働組合

                                  全国一般労 働組合東京南部大学教員支部(UTU)

                                  (それぞれ の委員長・連絡先住所は省略)

 

 

 昨年 以来、「コマ切れ・掛け持ち」型パート労働者の典型である、大学の専業非常 勤講師の待遇について、多くの議員のご協力により国会で質疑がくり返されて きました。その結果、大学の根幹である研究・高等教育に密接に関わり、その 存在を無視することのできない専業非常勤講師の生活・健康面においては、文 部科学省の適切な対応により、大きく改善されました。前回の交渉中、私学助 成における非常勤講師給の補助単価を1.5倍に増額するという回答をいただけましたことは、文部科学省 の大学に対する「均等処遇」の見解を示すものとして、高く評価しておりま す。今後は、この均等処遇の見解に基づく非常勤講師補助単価の増額につい て、各大学に対し、まず周知を徹底していただきたく思います。また、明記さ れた費目に従い、誠意を持って対応していただくよう、併せて通知をお願いい たします。

 とこ ろで、来年度からの施行が間近な国立大学法人化後の待遇に関し、現在新たな 問題が提起され、文部科学省の均等処遇のかけ声とは反対に、独立行政法人と なる国立大学の専業非常勤講師にとって、現状はむしろ悪化する方向がうかが えます。

 そこ で前回に引き続きまして、大学の専業非常勤講師をはじめとする不安定雇用教 員の均等処遇の推進に向けて、以下の点をご検討いただきたく、要請いたしま す。

 

 

 

 

1)私学助成について

 

 私学 助成制度に関し、昨年9月の交渉では、私学助成における非常勤講師補助単価を、3400円 から5100円へと一挙に1.5倍に増額することを検討しているという見解をいた だきました。この検討のその後について、私学助成課に結果をおうかがいたし ます。前回同様、「パートの処遇向上を正社員の処遇を見直してでも進めるこ との重要性」を認識し、推進していただければと思います。また、均等処遇の 観点から、次の2点について要請いたします。

 

1-1)2002年12月 に文部科学省が金田議員に提示いたしました、某国立大学における非常勤講師 の給与算定表によれば、私学助成における非常勤講師補助単価は、算定表の 「常勤講師の給与」3級5号棒(9年勤務)に相当します。ここを算定の基準と することについて、見解をお伺いいたします。

1-2)均等処遇の 視点から、専任教員と同程度の費目として、労災保険、私学共済および厚生年 金、雇用保険、研究費、退職金等、私学助成の非常勤講師における費目の充実 を私学助成課に求めます。なお、現在は専任教員においても雇用保険の費目が ありませんが、法的観点からも、費目の設定は必要と思われます。

 

2)国立大学法人について

 

  2004年度からの国立大学の独立法人化に関し、2003年6月 12日第156回国会参議院内閣委員会では、民主党の川橋幸子議員に対して河村 副大臣が、国公立大学の独立法人化後に「いわゆるパート労働法の適用を受け るわけでございまして、通常の労働者との均衡等を考慮して適正な労働条件を 確保するようにと、こうなっておる」とし、「法人化後において大学非常勤講 師の給与はこの趣旨にのっとっていく」と約束しております。

 とこ ろが、関東圏のある国立大学は、2004年度から非常勤講師の給与を一律25%値下げすることを文書 にて通告してきております。その根拠は、従来の非常勤講師給は120分の賃金 計算だが、実態は90分の講義時間であるため、25%の減額とするそうです。こ のような賃金計算の妥当性について、関係所管課に見解を求めます。同様に、 2003年1月29日の朝日新聞他報道にもあるように、独立法人化後の常勤講師の 給与の減額がないにもかかわらず、非常勤講師にのみこのような急激な値下げ を行う正当性についても、均等待遇の視点から見解を求めます。

 ま た、財務省と文部科学省が合意した「国立大学法人運営費交付金算定ルール (案)の概要」では、非常勤講師についてどのように算定しているのか、関連 部分の公表を求めます。

 

3)外国人教員の差別の是正について

 

 前回 同様、外国人教員の任用に関し、外国人差別を是正する施策に着手するための 4点を要請いたします。

 

3-1)外国人教員 の雇用契約内容は、日本人教員の雇用契約内容と同じにすること。

3-2)外国人教員 の日本人への教育業績及び貢献は、正当に評価し、待遇に反映させること。

  (a)外国人の 昇進への道のりを、日本人より不利にするなどの差別をしないこと。

  (b)外国人と 日本人教員の大学内出版への人選の差別をしないこと。

3-3)外国人教員 の履歴・論文の評価は、昇進、昇給などの際に、過去の外国での業績なども対 象に含めるなど、幅広く、公明正大に判断すること。

3-4)外国人教員 の困難で不安定な社会的環境条件(住居、言語、査証など)を大学側は認識 し、正当に評価し、配慮も含めて適切に支援すること。

 

4)厚生年金について

 

 厚生 年金制度の運用に関し、昨年3月の交渉で、厚生労働省はすでに「合算について、技術的問題は ない。」と発言されました。「コマ切れ・掛け持ち」型パート労働者として、 @複数の大学を掛け持ちする非常勤講師は、年収200万円を超えていても一大 学においてその基準を満たさない場合が少なくない、A大学の講義単位として セメスター制が急速に一般化されつつある、の2点から、加入資格については 半コマから全ての事業所の「合算」で算出するよう、関係所管課から厚生労働 省に提案することを求めます。

 

5)雇用保険について

 

 雇用 保険に関し、大学課に対して、以下の認識と回答および対応を求めます。

 

5-1)多くの私立 大学で専任教員が雇用保険に入ってないことは、昨年9月の交渉で認識された 通りです。今後の実態の認識と分析、文部科学省の指導方針について大学課に 見解を求めます。

5-2)本来加入資 格のある任期付き教員・非常勤講師に対しても、雇用保険に加入させるよう、 通知徹底を求めます。

5-3)専業非常勤 講師が雇用保険に加入することができるよう、加入資格を厚生年金同様に、半 コマから全事業所の「合算」で算出することを求めます。

 

6)育児休業・介護休業について

 

 パー ト労働者にも育児休業・介護休業を認めるという方向で、いわゆる育児・介護 休業法の改正が予定されているようですが、その場合、任期付き教員・非常勤 講師に対しても同様に育児休業・介護休業が認められることを明確にし、関係 所管課から各大学へ通知の徹底を要請いたします。

 

以上

 

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2004年2月23日

厚生労 働大臣

坂口  力 殿

 

 

要請書

 

 

                                  首都圏大学 非常勤講師組合

                                  京滋地区私 立大学非常勤講師組合

                                  阪神圏大学 非常勤講師労働組合

                                  全国一般労 働組合東京南部大学教員支部(UTU)

                                  (それぞれ の委員長・連絡先住所は省略)

 

 

 昨年 以来、「コマ切れ・掛け持ち」型パート労働者の典型である、大学の専業非常 勤講師の待遇について、多くの議員のご協力により国会で質疑がくり返されま した。その結果、大学の根幹である研究・高等教育に密接に関わり、その存在 を無視することのできない専業非常勤講師の生活面においては、文部科学省の 適切な対応により、大きく改善されました。特に私学助成における非常勤講師 補助単価の1.5倍の増額は、公的機関が大学に対する「均等処遇」への見解を 示したものと、高く評価しております。

 一方 で、厚生年金法改正に関し、「一事業所あたり週20時間または年収65万円以上」の加入要件が見送られ、「コマ切 れ・掛け持ち」型パート労働者である専業非常勤講師にとって、厳しい現実と なりました。特に「年収65万円」の要件については、多くの非常勤講師の要望 でもありますので、引き続き、改正に向けて関係所管課に働きかけをお願いい たしたいと思います。

 さらに、2004年度春からの施行が間近な国立大学法人化について、現在新 たな問題が提起され、文部科学省の均等待遇のかけ声とは反対に、独立行政法 人となる国立大学の専業非常勤講師にとって、現状はむしろ悪化する恐れがあ ります。また、パート労働者関連制度の現状についても、社会保険諸制度にお ける3/4条項(合算規定)の改善内容や、均衡処遇ルールの適用において、そ の明確化と各大学への周知徹底が不可欠です。

 そこ で前回に引き続きまして、大学の専業非常勤講師をはじめとする不安定雇用教 員の均等処遇の推進へ向けて、以下の点をご検討いただきたく、要請いたしま す。

 

 

 

 

1)大学非常勤講師等「コマ切れ・掛け持ち」型パー ト労働者の実態調査、および、制度改正の展望ないし予定について

 

  2002年12月11日の衆議院・厚生労働委員会で岩田政府参考 人は、パート労働者に関わる社会保険諸制度の改正においては、専業非常勤講 師を典型とする「コマ切れ・掛け持ち」型パート労働者の救済が「検討課題で ある」と答弁しています。そこで、現在どのような調査が検討されているの か、公表を求めます。

 また 関連して、週20時間または年収65万円以上という加入要件の改正見送りに伴 い、今後の展望ないし予定について、例えば5年後にゼロから仕切り直す予定 かどうか等、見解を求めます。

 

2)厚生年金について

 

 一昨 年12月11日の衆議院・厚生労働委員会で、パート労働者に 関わる社会保険諸制度の改正においては、専業非常勤講師等の救済が検討課題 である旨の答弁がなされました。 また厚生年金制度の運用に関し、昨年3月の交渉では、すでに「合算につい て、技術的問題はない。」との発言を伺いました。

「コマ 切れ・掛け持ち」型パート労働者として、(1)複数の大学を掛け持ちする非常勤講師は、年収200万円を超え ていても一大学においてその基準を満たさない場合が少なくない、(2)大学 の講義単位としてセメスター制が急速に一般化されつつある、の2点から、加 入資格については半コマから全ての事業所の「合算」で算出するよう、運用に ついての対応を求めます。

 

3)雇用保険について

 

3-1)多くの私立 大学で専任教員が雇用保険に入ってないことは、昨年9月の文部科学省交渉で も認識されておりました。今後の実態の認識と分析、厚生労働省の指導方針に ついて関係所管課に見解を求めます。

3-2)本来、加入 資格のある任期付き教員・非常勤講師に対しても、雇用保険に加入させるよ う、関係所管課からの通知徹底を求めます。

3-3)専業非常勤 講師が雇用保険に加入することができるよう、加入資格を厚生年金同様に、半 コマから全事業所の「合算」で算出することを求めます。

 

4)育児休業・介護休業について

 

 パー ト労働者にも育児休業・介護休業を認めるという方向で、いわゆる育児・介護 休業法の改正が予定されているようですが、その場合、任期付き教員・非常勤 講師に対しても同様に育児休業・介護休業が認められることを明確にし、関係 所管課から各大学へ通知の徹底を要請いたします。

 

5)外国人教員の差別の是正について

 

 外国 人教員の任用においては、処遇面で、正規の専任教員(日本人)に著しく劣る 場合が目立ちます。そこで、外国人差別を是正する施策に着手すること、当 面、具体的には次の3点を直ちに通知・指導することを要請いたします。

 

5-1)日本人と外 国人の労働条件を同等にすること。

  (a)外国人教 員の雇用契約書に対し、日本人には無い契約期限についての文言を消去するこ と。

  (b)日本人と 外国人の契約で異なった労働条件があれば、削除すること。

5-2)日本に住む 外国人は、言語、住居、査証取得の困難があることを理解し、それらの点も配 慮されるべきである。

  (a)各大学 は、外国人教師の契約書、労働条件、スケジュールなど職務遂行上重要な項目 には、外国人教員の理解可能な言語で通知すること。

  (b)大学は外 国人の日本での住居確保の差別・困難さを理解して、大学管理下の住居もしく は住居確保の手助けをすべきであること。

  (c)大学は外 国人が日本で就労を継続するには、日本政府が発給するビザが必要である事を 認識すべきである。雇用主として、大学は教員ビザの保証を迅速に履行するこ と。

5-3)外国人と日 本人教員は年金制度において同等の利益を受給できるようにすること。

  (a)一部の外 国人は、年金受給資格年齢前に日本を離れるが、日本政府は彼らにまとまった 額を支払うか、帰国後に、彼らに送金すべきである。

  (b)関係所管 課は、外国人教師が年金制度に加入継続する為に、年金受給前の外国人教員が 一方的に解雇されないよう、地位・身分の保障をすべきこと。

 

以上

 

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