<資料>

 

 以下は、2004年9月16日に文部科学省に陳情した際の要請書テキストです。 参考のため、ホームページに掲載します。(なお、厚生労働省に対する陳情は 行われませんでした。)

 

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2003年9月16日

 

文部科 学大臣

遠山  敦子 殿

 

 

要請書

 

 

首都圏大学非常勤講師組合

京滋地区私立大学非常勤講師組合

阪神圏大学非常勤講師労働組合

全国一般労働組合東京南部大学教員支部(UTU)

(各組合の委員長名・連絡先住所は省略)

 

 

 昨年 以来、「コマ切れ・掛け持ち」型パート労働者の典型として、特に大学の専業 非常勤講師の待遇について、多くの議員のご協力により質問がなされてきまし た。その数は、2003年6月までに衆参両院内の委員会等で7回に及んでおります。 しかしながら、大学の機能である研究・高等教育に密接に関わり、その存在を 無視することのできない専業非常勤講師の生活・健康面の認識と対応につい て、前向きな姿勢は伺えるものの、充分に納得のいく回答をいただいておりま せん。

 特に 今回は、2004年度春からの施行が間近な国立大学法人化について、待遇に 対する私立大学への影響を考えますと、専業非常勤講師にとって大変気になる ところです。また、検討されているパート労働者関連制度についても、社会保 険諸制度における3/4条項(合算規定)の改善内容や、均衡処遇ルールの適用 において、その明確化と各大学への周知徹底が不可欠と思われます。

 そこ で前回に引き続きまして、大学の専業非常勤講師をはじめとする不安定雇用教 員の均等処遇のよりいっそうの推進へ向けて、以下の点をご検討いただきた く、要請いたします。

 な お、私たちが昨年末から実施し刊行しました、大学非常勤講師アンケート調査 報告書(2002〜2003調査)『大学非常勤講師の実態と声2003』によ れば、切実な要望の上位に「賃上げ」、「雇用の安定」、「健康保険・年金 (厚生年金等への加入)」があげられました。また、「日本育英会奨学金の返 還免除」の要望もあります。参考資料として是非ご活用いただきたく存じま す。また報告をご検討いただき、今後の改善に向けてのさらなる対応をお願い いたします。

 

 

 

 

(1) 非常勤講師の処遇に関し、過日、文部科学省から一定の見解が示されました。

  2003年6月5日第156回国会参議院文教科学委員会において、 民主党の神本美恵子議員の質問に対し、河村建夫文部科学省副大臣は「非常勤 講師の手当については、御案内のように、一般職の職員の給与に関する法律第 二十二条第二項にそのことがあっておりまして、常勤を要しない職員について は、各庁の長は、常勤の職員の給与との権衡、バランス、これはバランスのこ とでありますが、考慮して、予算の範囲内で給与を支給する」と答えていま す。

 また 2003年6月12日第156回国会参議院内閣委員会において、民 主党の川橋幸子議員に対して同副大臣は、国公立大学の独立法人化後に「いわ ゆるパート労働法の適用を受けるわけでございまして、通常の労働者との均衡 等を考慮して適正な労働条件を確保するようにと、こうなっておる」とし、 「法人化後において大学非常勤講師の給与はこの趣旨にのっとっていく」と約 束しました。

 さら に「私学においても、国立大学も法人化してこうなってまいりますから、それ に準じた対応をしてもらわなきゃならぬと、このように考えております」とし て、私学の非常勤講師に対する処遇もまた、国公立大学の法人化後と同様の均 衡対応を求めていくことを明らかにしています。

 

(ア)そこで、このような現状を副大 臣のいう「通常の労働者との均衡等を考慮して適正な労働条件を確保するよう に」是正していくための具体的な対策について、大学課の見解を求めます。

(イ)いわゆるパート労働法の指針の 改定により、今まで以上に均等処遇が厳格に義務づけられます。大学課より各 大学への周知徹底を求めます。

(ウ)2003年9月 6日の赤旗報道によれば、「文部科学省高等教育局私学部は五日、来年度予算 の概算要求のなかで、私立大学の非常勤講師への手当の補助単価引き上げを検 討していることを明らかにしました」とあります。そこで、検討内容につい て、詳細な説明をお願いいたします。

 

(2) 国立大学の独立行政法人化とパート労働法の指針改正後は、副大臣がいうとこ ろの「均衡等を考慮して適正な労働条件を確保」しなければなりません。前回 までに既に専任と非常勤講師との間の算定基準には何倍もの格差があることを 認めた以上、それを是正する措置が不可欠です。報道によれば、私立大学の非 常勤講師への手当の補助単価引き上げも検討されているようですが、パートタ イム労働研究会の最終報告で述べられたとおり、「パートの処遇向上を正社員 の処遇を見直してでも進めることの重要性」を認識し、推進していただく必要 があります。

 

(ア)そのため、私学助成金における 非常勤講師給の1時間3400円という算定額の大幅アップを私 学助成課に求めます。

(イ)社会保険を中心とする費目の充 実を私学助成課に求めます。

 

(3) 以前、外国人教員の任用に関し、外国人差別を是正する施策に着手するため次 のような点を要請いたしました。その後の個々の対応状況について、関係所管 課に対し回答を求めます。

 

(ア)外国人教員の雇用契約内容は、 日本人教員の雇用契約内容と同じにすること。

(イ)外国人教員の日本人への教育業 績及び貢献は、正当に評価し、待遇に反映すること。

(ウ)外国人教員の不安定な社会的環 境条件(住居、言語、査証など)を大学側は認識し、正当に評価し、適切に支 援すること。

 

(4) 厚生年金に関し今後制度の改正で、加入資格が一事業所あたり「週20時間以上、年収65万円以上」となれば、多くの専業非常勤講師 が加入資格を持つ可能性が出てきます。法改正が行なわれた場合、文部科学省 が各大学に非常勤講師の厚生年金加入手続きを進めるよう強力に指導すること を求めます。

 本年 3月11日の陳情交渉で、厚生労働省は「合算について技術的 問題はない」と発言されました。そこで、@複数の大学を掛け持ちする非常勤 講師は、年収200万円を超えていても一大学においてその基準を満たさない場 合が少なくない、A大学の講義単位としてセメスター制が急速に一般化されつ つある、の2点から、加入資格については、セメスター1コマから全ての事業 所の「合算」で判断するよう、関係所管課から厚生労働省に提言することを求 めます。

 

(5) 雇用保険に関し、大学課に対して、以下の認識と回答および対応を求めます。

 

(ア)多くの私立大学では教員が雇用 保険に入っておりません。これについて、実態の認識と分析、文部科学省の指 導の現状について大学課に回答を求めます。

(イ)専業非常勤講師が雇用保険に加 入することができるよう、加入資格を厚生年金同様、セメスター1コマから全事業所の「合算」で判断することを求めます。これに ついて、また当面は、厚生年金と同じく「65万円以上」の要件を入れることに ついて、厚生労働省に提言することを求めます。

 

以上

 

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