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大学非常勤講師分会

 

 

今度は民主党の二議員が衆参両院で質問

 

 

 第155国会で、今度は民主党の二人の議員が、社会保障問題を中心に 大学非常勤講師の待遇について質問しました。2002年12月9日に川橋幸子議員 が参議院決算委員会で、12月11日に金田誠一議員が衆議院厚生労働委員会で、 それぞれ質問したものです。今回も国会議事録の該当箇所を転載します。

 

 

非常勤講師には雇用関係が成立しない? する? 坂口大臣

 

参議院決算委員会 2002年12月9日

 

 


●川橋幸子君  民主党・新緑風会の川橋幸子でございます。本日は、雇用のセーフティーネッ トの在り方と男女共同参画という視点からお尋ねさせていただきたいと思いま す。

 このテーマに つきましては、11月26日の参議院の内閣委員会、国民生活センターの独立行政法 人化の法案のときに質問させていただきまして、その際の担当大臣は竹中大臣 でいらっしゃいまして、各省の方は事務方からお答えいただいたかと思いま す。本日は、要求大臣すべておそろいいただける決算の締めくくりということ でございますので、各大臣おそろいのところで改めて伺わせていただきたいと 思います。

 さて、失業情 勢は最悪でございます。男子の失業率は6%に達しようとしておりますし、また失業のリスクを回避するた めに妻の就業が増加している。正規従業員が絶対数で見て減少して、パートタ イマー等の非正規従業員が増えるという常用代替、正規従業員代替といいまし ょうか、そういう雇用構造の変化が進んでおります。また、新規学卒の就職戦 線を見ても、今、高卒の就職内定率は2,3割でございましょうか、ちょっと数 字が正確でなくて申し訳ございませんが、異常に低い状況でございます。大卒 を含めてフリーターが増加するとか、女性の大卒の場合は派遣登録という形で 就職という、こういうような状況さえ伝えられているところでございます。連 合の調査によりますと、働く人の二人に一人が今の仕事を失うかもしれないと いう失業不安を現に感じているということでございます。

 ですから、サ ラリーマン家庭の夫婦といいますのは、失業の不安はもちろんでございますけ れども、職を失った後、更に引退後の年金不安というものを抱えていると。ま た、子供たちに対しましては、親も学校の教師も、どのような生活、生涯が持 てるのかという、そういう進路の指導がなかなかできない、こういう悩ましい 状況にあるわけでございます。もう寄らば大樹の陰という言葉は死語ではない でしょうか。自己責任、自立を求められておりますけれども、自己責任、自立 を求めたいと思っても、日本の雇用がどうなるのか、日本の社会がどうなるの かという情報が与えられないままに非常に不安に陥っているという、これが今 の日本の状況でございます。

 現在、不良債 権処理の加速化に伴いまして更に失業の悪化というものが予想され、それに伴 いまして、雇用のセーフティーネットをどのように講じていくかが国政の大き な課題となっているわけでございますけれども、そうした雇用のセーフティー ネットの在り方に関して、かねて男女共同参画の視点からは、性中立的な制度 にする、税も年金もあるいは雇用システムも性中立的であることによって安定 的で持続的な日本の社会システムが構築できるんだと、こういう視点の下に主 張してきたわけであります。

 そこで、まず 第一点目でございます。

 配偶者特別控 除の廃止が今話題になっております。先行減税の財源として話題になっており ます。これに関しては、税制の性中立的な視点も加わっているんだというようなことが言われますが、果たしてそうなのでしょうか。まず、財務大臣にお伺いさせていただきます。

●国務大臣(塩 川正十郎君) 私は、現在取ってまいります所得税、法人税、すべての税制に つきまして、度重なる改正をそのときそのときによる都合によって恣意的に改 正してきた点が多々あると思っております。ですから、思想的に一貫して説明 しにくいようなものも随分出てきております。

 その一つの問 題として、現在、所得税をめぐりますところの空洞化現象が起こってまいりま した。これは、やっぱりこの際に一つの考え方に基づいて訂正していきたいと 思っておるのが今度の税制改正の一つの考え方であります。

●川橋幸子君  財務大臣、大変正直にお答えいただいたと思います。先日の内閣委員会では、 男女共同参画社会の形成にも資するものだという事務方の御答弁がありました けれども、私はそうではない、やっぱり少々場当たり、ちょっと言葉は違うか も分かりませんけれども、恣意的な制度改正も今のように苦しい状況の中では やむを得ないこともあるのだという非常に正直なお答えだったと私、今受け取 りました。しかし、そのときそのときの税制改正はその税制状況によって左右 されるにしても、国の展望というのはそういうものであってはならないと私は 考えるわけでございます。

 さて、そこで 経済財政担当大臣にお伺いしたいと思います。

 先日、内閣委 員会の御答弁ですね、記録を読み直してみましたらこのように述べておられま す。

 政府税調の議 論は、税収を確保して国庫の基礎を築かなければいけないというより現実に近 いところの制約の中の議論でありますと。この点は諮問会議と政府税調の間で はいろんな意見の相違もございまして、ある委員が政府税調の議論は志が低い のではないかという発言をして話題になったと、このように述べておられま す。

 「我々として は」ということは、その諮問会議としてはということだと思いますが、これか ら数年掛けて本格的な税制改正をしていくと、本年度はまあその初年度である という点を踏まえて御理解いただきたいというようなそういう御答弁がありま した。

 さて、将来に ついて竹中大臣、この配偶者控除の問題はどのようにお考えでしょうか。

●国務大臣(竹 中平蔵君) 諮問会議では、この1月から中長期的なあるべき税制の姿ということにつきまして、集 中的に議論をしてまいりました。その中で、一国の税制の基礎として広く薄 く、そういう税制を作るべきである。さらには、その徴税等々、納得のいく徴 税システムであるべきである。それと同じような意味で、重要なものとして国 民のライフスタイルをゆがめないような税制でなければいけないということを 強調してきたつもりでございます。

 その中に、い わゆるその特別控除、配偶者の控除、いわゆるその控除の見直しというもの も、これは広く薄くという観点からも、またライフスタイルをゆがめないとい う観点からも入ってきている重要な問題であるというふうに思っているわけで あります。

 前回も申し上 げましたように、それを制度設計するに当たって、これは政府税調の方で、な いしは与党の方でいろんな制度設計の議論を、今最終段階でございますけれど も、その中でいろんな制約条件の中で議論をして煮詰めていかなければいけな いわけですが、我々としましては、その広く薄くという観点からと、ライフス タイルをゆがめないという観点から、やはり中長期的には是非とも実現しなく てはいけない改革だというふうに思っておりますので、来年度の税制改革を初 年度として引き続きどのような改正が進んでいくか、どのような改正をなすべ きか、諮問会議でも議論をしていきたいというふうに思っているところでござ います。

●川橋幸子君  私も竹中大臣のお考えに賛成の立場でございます。是非その方向でしっかりと 御議論いただきたい。都合のいいところだけつまみ食い、恣意的にされるとい うのでは個人の生活設計も立たない、ライフスタイルに中立的であるどころか 将来展望が描けないという、こういう社会になることを危惧するわけでござい ます。

 そこで、男女 共同参画を担当の官房長官にお伺いしたいと思います。

 性中立的な税 制ということを考えますと、配偶者特別控除ではなくて、むしろ配偶者控除そ のものの問題というのが大きいのではないかと思います。

 民主党の場合 は、税によって世帯の支出を配慮するんではなくて、むしろ手当によって充実 していくと。税そのものは、働くか働かないかによって、あるいは子供が何人 いるかによって左右されるような、そういうシステムであってはいけないとい うことを言っているわけでございますけれども、男女共同参画会議を主管され る担当大臣の方から、将来的に見てこの問題をどのようにお考えになられる か、お伺いしたいと思います。

●国務大臣(福 田康夫君) ただいま財務大臣、それから竹中経済財政政策担当大臣からも答 弁がございましたけれども、税制調査会でも、個々人の自由なライフスタイル の選択に中立的な税制、そういう観点から取り組むべきものであるという、そ ういう考え方を答申の中に示しております。

 そこで、男女 共同参画会議でも、女性のライフスタイルの選択等に影響が大きい諸制度につ いて検討を行ってきたのでございますけれども、御案内のとおりでございま す、本年4月の中間報告におきまして、配偶者控除と配偶者特別控除につい ては女性の就業に関して非中立的になっているとして、その見直しを提言して いると、そういうようなことがございます。

 そういうこと で考えますと、今回の税調の答申はその方向に沿ったものではないのかなと、 こんなふうに考えておるところでございます。

●川橋幸子君  政府税調の中には、それほど明確な思想は私は打ち出されていないと思いま す。

 元々、配偶者 特別控除の方は、通称パート減税と言われますけれども、かつて労働力不足の 時代に家庭の主婦がパートで、駆り出されるというと言葉が悪いですけれど も、労働市場に出てくる。そのときの賃金が余りに低いというところにむしろ 配慮するという格好で出てきた税制でございます。それに対して、今政府税調 の方が言っているのは、むしろ二重に配偶者控除を取っているのではないか と、二重取りを返せと、こう言わんばかりの叙述が多いと、そのように女性の 方が感じてしまうわけでございます。

 もう少ししっ かりとした将来展望を立てまして、これは女性だけではなくて男女両方に影響 するものでございます。しっかりとした展望をこれから御検討いただきたい と。税制改正というなら、そのような抜本的なものを、システム改正を考えて いただきたいと思う次第でございます。

 さて、次の問 いは社会保険の適用でございます。多くは、その中心は厚生年金の問題でござ いますけれども、これも性中立的ではないのではないかという、こういう問題 意識があって、様々なことが男女共同参画の視点から言われているわけでござ いますが、今般、厚生労働省の方からは年金改革のたたき台のポイントが示さ れておりまして、保険制度の財政基盤を強化して持続的なシステムにしたい と。それに付け加えまして、そのためにも、パートタイム労働者等の厚生年金 の加入拡充、加入の拡大ですか、を図るとされているわけでございます。そし て、具体的な点としまして、今、今の適用拡大を図るためにその適用条件を緩 和すると、週20時間以上働いており、年収65万円以上の収入があれば年金の適 用拡大を図りたいという、こういう説が有力だと言われているわけでございま す。

 そこで、まず その将来の方向に入る前に、現行制度の下で、現在、労働市場の変容が様々進 んでおりますけれども、現行制度の下ではどのような適用関係になるのかを伺 いたいと思います。

 どういうこと を伺いたいかといいますと、これもさっきの内閣委員会で紹介したのですが、 雇用形態が多様化するだけじゃなくて、複数事業主、複数事業場で働く掛け持 ち、細切れパートという、こういう表現をいたします。そういう労働者が大変 増えている。特にその典型として、国公立の大学や私学の大学で非常勤講師と いう方が増えております。

 この非常勤講 師の組合を作っておられる方々の調査によりますと、私学の半数ぐらいは、講 座の半数ぐらいはこういう非常勤講師が受け持たれる講座になっていると。大 学も大変経営困難というところで、こういう雇用形態が増えていると。非常勤 講師にも様々な方がいらっしゃると思いますけれども、主としてこの細切れ掛 け持ちをしながら生計を立てているという方々が約2万人というふうに推計されているそうです。

 こういう方々 に対して、現行制度では雇用保険は適用されるのでしょうか。まず、雇用保険 の方から伺わせてください。

●国務大臣(坂 口力君) 大学等にお勤めになっております先生方の中で、掛け持ちをしてお みえになる先生方が非常に多いということは御指摘のとおりだというふうに思 っております。この先生方の社会保障をどうするかという問題はかねてからお 話ございますし、私学等の大学側の意見と我々の意見とは必ずしも一致してい ないわけでございまして、大学側の方の御意見としては、雇用保険等には入ら ないんだからそこから我々は除外をしてほしいという、こういう御指摘がある わけでございますけれども、我々の方といたしましては、いかなる職業であろ うともやはり雇用保険には全部入ってくださいということをお願いをしている わけでございます。

 その前提の上 ででございますが、掛け持ちをされますときに、生計を維持するに必要な主な る賃金を受けておみえになります雇用関係、そこがどこかということだろうと 思うんです。掛け持ちも、同じ時間数各学校に配分をして行っておみえになる ということは困るわけでございますが、どこかに少し拠点を置いて、そして他 の学校にも行っておみえになるといったときには、その主な大学、例えば所定 労働時間が20時間以上であると、そういうのが一つあって、それでほかのと ころに行っておみえになるというときは、20時間お勤めになっているところで これは要件を満たしておりますので、そこで雇用保険もお掛けをいただく、被 保険者になっていただくというのが現状でございます。

●川橋幸子君  主たる雇用主が特定の大学であるということがはっきりすれば入れる、これも ちょっと問題でございますが、少なくともそれは制度上可能だということでご ざいますね。

 大学側の言い 分は、働いている人たちが入りたがらないと、このような言い分だったとおっ しゃいますけれども、現にこの組合の方々は入りたい、加入したいと言ってお られるわけです。是非、加入の道筋があるとすれば、それは事務手続は大臣か ら指示していただきまして、手続ができるようにしていただけますね、要件さ え整えば。うなずいていただくだけで結構です。──うなずいていただきまし たので、現行制度はちゃんと適用できるということを事務的に詰めていただき たい、指示していただきたいということを申し上げたいと思います。

 まず、その次 は厚生年金でございますが、こちらの方はいかがでございましょうか。

●国務大臣(坂 口力君) 厚生年金の方でございますが、どの程度の使用関係にある者が適用 対象となるかの判断といたしましては、これは個別の事業所と労働者の関係ご とにこれは行うという前提があることは今更申し上げるまでもありません。そ こで、現在の厚生年金の適用基準は、労働時間がその事業所の通常の就業者の おおむね4分の3以上である人をその適用とするということになっているわ けでございます。

 この条件を少 し引き下げると申しますか、もう少し引き下げてはどうかといったようなこと で今議論をしているところでございまして、週20時間あるいはまた年収65万、そのどちらか、そうしたことが条 件にならないかというようなことも今、今まだ決まったわけじゃございませ ん、次の年金改正に合わせて議論をしているところでございます。

 そういう現在 状況にございまして、先ほど御紹介いただきましたその短時間労働者に対しま す厚生年金などのこの社会保険の適用の在り方と含めてこれは決定をしたい と、こういうふうに思っております。

●川橋幸子君  非常勤講師の方々によりますと、本当に五つ六つの大学を掛け持ちすることが あると。その通勤時間やら、あるいは授業の下調べのための時間というのも労 働時間、通常の労働者ならばカウントされるわけですが、それを除いたにして も、その講座の時間だけを足し上げたにしてもその4分の3、4分の3でなければ駄目なんですよね。

 ですから、何 というんでしょうか、雇い主が一定していれば要件が十分達せられるにもかか わらず、一つ一つで4分の3の要件を掛けられるとすると、1.5倍以上の労働時間がなけ れば、講座時間がなければ適用にならない。4分の3足す4分の3で1.5倍になる わけでございます。これは差別なんじゃないでしょうか。同じ労働者性があり ながら、ただ多数事業主があって特定できないと、こういう状況でございま す。差別だとお感じになりませんでしょうか。

●国務大臣(坂 口力君) 厚生年金、私どもは厚生年金を基準にして言っているわけでござい ますが、厚生年金の場合にはそれは雇用者との関係で考えているものでござい ますから、雇用関係が成立をしないということになるとなかなか難しいという ことになるわけでありまして、ですから雇用関係が成立をして全体の中のある 程度の時間はその一つのところにおって勤めていただくということになれば、 それはそことの関係と言うことができ得ますけれども、五つも六つも同じ時間 数でばらばらっと行っておみえになるというときには、なかなか、そうです ね、どうするかというのは難しい判断だというふうに思わざるを得ません。

 そういう皆さ ん方を、厚生年金ではなくて国民年金なりなんなりにお入りをいただくという ことにならざるを得ないというふうに思っておりまして、そこはもう少し、し かし私たちも、現在のいわゆる基準というものをもう少し引き下げてもう少し 入りやすくして差し上げるということが大事だというふうには思っておりまし て、その議論をこれからしたいというふうには思っているところでございま す。

●川橋幸子君  雇用関係は成立しているわけですね。使用従属関係にあり、この講座はあなた 勝手にその時間つぶしてくださいよというそういう指揮命令ではなくて、これ これしかじかのカリキュラムに従ってこれこれしかじかの教育内容をしっかり と教えてほしいと。雇用関係は成立しているわけでございます。

 坂口大臣、い つも医療改革にしろ無年金障害者の問題にしろ、心の中ではきっと前向きにこ の問題も考えていてくださるんだと思います。確かに、週20時間以上、あるいは年収65万円以上、今の適用条件の半分ぐら いまで緩和すれば、ハードルを下げれば救われる方がかなりいると私も思いま す。

 しかし、ここ でちょっと竹中大臣の方に伺ってみたいと思います。今、雇用の規制緩和が、 有期雇用の年限を上げるとか派遣労働の上限期間を上げるとか、あるいは販 売、事務だけじゃなくて今度は製造現場にも派遣ができるとか、様々な規制緩 和がなされるわけですけれども、こういう規制緩和がなされたときにどのよう な雇用市場の実態になるかというと、それはむしろ短期間の繰り返し更新の雇 用が増えるというのが今までの経験則で、私たち働く女性たちの現場からの声 ではこういう情報が非常に多く上がってきているわけでございます。多様な形 態だけではなくて、多就業時代というふうに申しているのはそういう意味でご ざいます。

 例えば、大学 の非常勤講師、それは例外的な例でしょうとおっしゃるかもしれませんけれど も、これは典型として申し上げているだけで、これからサービス業の中でこう した雇用が増えることということを考えますと、スーパーやコンビニのフリー ターの方々というのは正にこういう短期間の更新、幾つかの働き口を掛け持ち する、こういう者が増えてくるわけですね。

 こういう多就 業時代のセーフティーネットの在り方というのはどうなんでしょうか。労働時 間を合算する。労働者性がちゃんと証明されるわけです、細切れか合算される かの差なんです。しかも、事業主がフリーライドするんじゃなくて、本人は払 いたいと、こういう人たちもいらっしゃるわけです。そういうところで保険料 収入をちゃんと取ってその保険料に見合った給付をするというのが私はセーフ ティーネットだと思いますが、多就業時代の働き方に対して、雇用のセーフテ ィーネットあるいは年金のセーフティーネットというのは、平等に、条件さえ 合えば平等に適用されるべきではないでしょうか。

●国務大臣(竹 中平蔵君) 川橋委員の問い掛けは極めて今後の行政、政策に対して本質的な 問い掛けであろうかというふうに思います。

 先ほど坂口大 臣とのやり取りの中でもございましたですけれども、例えば一つの例として、この業種、大学の講師は準備の時間が要るはずだと、それをどのように考えるのかと。しかし、ここで難しいのは、確かにそうかもしれないけれども、ある科目については1時間しゃべるのに2時間準備しなきゃいけないかもしれない、あ る科目については4時間かもしれない。

●川橋幸子君  それを言っているんじゃない。

●国務大臣(竹 中平蔵君) 存じ上げております。

 そういう、つ まり多業種というのは、今の例にも見られますように、実は実態把握ないしは 一律の枠を掛けることがほとんど不可能になってくるということをも意味して いるのだと思うんです。

 そういう意味 からいいますと、規制緩和とともに、やはり自由な契約をベースにした、これ は年金にしても何にしてもそうですけれども、そういった枠組みを思い切って 作るということがやはりベースになってこざるを得ないのだと思います。

 ただし、ここ で重要なのは、自由にすればするほどやはり働く側と働かせてもらう側での立 場の差というのをどのように考えるのかという一種の立場、だからこそ団結権 というのがどの国でも憲法で認められているわけですけれども、それとの兼ね 合いで枠組みをどのように作るか。一方で、思い切り自由にしていかなければ いけないというニーズと、何らかのしかし枠組みを作っておかないと、全く自 由に任せられない労働市場の特性があるということの兼ね合いをどのように付 けるかということであろうかと思います。

 オランダ等々 では、そういった中で新しい試みをいろいろしているわけでありますので、今 我が国もそういうことを試行錯誤しながら、少しずつ制度改革していく途上に あるというふうに思っております。

●川橋幸子君  オランダの例をおっしゃられましたので、オランダのワークシェアリングとい うのは、もう釈迦に説法でございますけれども、労使の間でしっかりとした社 会契約を結ぶ、労働時間、各職場の中で職務を再設計して、再編成して、どの ような労働時間を選択できるかというその仕組みの合意からしっかりやってい るわけですね。そうした場合に、もし労働時間が少なくなった場合の事業主の 保険料負担が増える部分については国で補助してもよいと、このような、移行 的な措置かも分かりませんけれども、そういう大ざっぱに言うと、そうした国 の政策判断があるわけです。

 塩川大臣笑っ ていらっしゃいますけれども、今回、雇用保険料の引上げについて、塩川大臣 は反対なさいました。むしろそれは国庫で持つべきだと、新基金という構想の 中で(「そんなに簡単じゃない」と呼ぶ者あり)そのように受け取られる発言 をしていらっしゃるわけです。

 さてどうでし ょうか。景気動向と個人の負担、そういうバランスを考えて、一家言お持ちの 財務大臣として、何か伺ってもいい返事が返ってこないような感じがしますけ れども、それこそ将来を見据えていただいて、日本の国の在り方を見据えてい ただいて、御答弁をいただきたいと思います。

●国務大臣(塩 川正十郎君) これは、私は、すべての社会保障関連すべて、一度国民的会議 の中でやっぱりきちっとした議論の中で決めてもらいたいと思うんです。それ は、結局、こういう社会保障は増えていく傾向にあることは当然だろうと思っておりますが、一方において経営の問題もございますので、そういう点でいろいろと問題が解決しなきゃならないものもあります。それと同時に、ワークシェアリングの一つの方法として、そういう小刻みの労働ということがこれからも左右されていくとするならば、それに対してやっぱりセーフティーネットもやっていかなきゃならぬ。

 そこで、医 療、年金あるいは雇用関係全部合わせまして、一体そういう社会的コストとい うものはどのように制度で負担したらいいのか。保険という形でやっていいの か、あるいは国民のそういういわゆる必須的な行政の責任としてやっていくの かというそこらの根本問題を一回きちっと議論して決めて、方向を決めてもら いたいと。それによって私たちの取扱いが全部決まってくるように思っており まして、そのことのチャンスは、私は、16年度に年金が改正されますね。あの改正が、来年からという か、もう早々議論が始まると思うんですが、このときが一番大事な、日本の社 会保障の方向付けを決める大事な年ではないかと思っております。どうぞ積極 的な意見を出していただきたいと思います。

●川橋幸子君  ほかにも予定している質問がございますので、たくさん通告した割にはエッセ ンスだけのお聞きの仕方になったかも分かりません。でも、もう一回、取りま とめ的にお伺いしたいと思います。

 まず一つは、 保険というせい、保険制度というせいもありますけれども、組織労働者の意見 は入るんですが、例えばパートとか派遣とか契約とか有期雇用とかといった非 常に、フリーターの方々も含めて、本当に未組織の方々の意見というのがちゃ んと審議会の場で検討されているのか。あるいは、諮問会議の中でも学者の方 々はそうした組織労働だけではない情報をお持ちだと思いますが、あえて言わ せていただければ、そうした声を直にヒアリングしてもらうと、こういう機会 を設けていただけないか。やはり私は、一つは社会保障、社会保険における均 等待遇原則というものをしっかりと確立する、これがセーフティーネットとし ての命だろうと思いますし、また現役中の賃金についても均等待遇ということ を確立してほしいと思っております。

 先日、性中立 的という言葉の意味をめぐって、ジェンダーフリーという英語はないというよ うな御指摘もございましたので、ジェンダーニュートラルというふうに申し上 げましたけれども、あれから考えましたら、多分ジェンダーフリーというのは ジェンダー・ディスクリミネーション・フリー、こういう言葉なんだと思うん ですね。

 人について も、もし市場原理を貫徹させるとすれば、それは一物一価で、人についてもそ の価値を平等に計ると。人については様々な制度、慣行が絡むのでそれが難し いということは分かりますけれども、少なくともそれが原則なんだという、原 理原則を打ち立ててほしいと、このように思うわけでございます。

 実施は、小泉 総理がおっしゃるように、大胆に柔軟にで結構です。ただ、表看板がぐらっぐ らっとしない、日本の社会もちゃんとそうした原理原則を持つ、言わばこれは ヒューマンライツといいますか、人権という、そういう物差しになるのかも分 かりません。こういう原理原則をしっかり立てていただきたいと思いますが、 代表して坂口労働大臣から一言お伺いしたいと思います。

●国務大臣(坂 口力君) 今お話をいただきましたように、雇用が非常に多様化してまいりま したし、これから一層多様化するものというふうに予測されます。また、その 雇用の中身もまた多様でございまして、そうした雇用に対しましてどういう社 会保障を確立をしていくかということがこれから問われることは御指摘のとお りでございます。

 今までの社会 保障制度は、どちらかといえば終身雇用を中心にした雇用体系の中で社会保障 をどうするかということであったわけでございますが、そうした体系の中から はみ出るというとちょっと言葉は悪いですけれども、その中に当てはまらない 雇用の仕方の人たちが増えてきている、あるいはまたそういう雇用を望んでい る人もおみえになることが事実でございます。

 したがいまし て、これから社会保障の問題を考えてまいりますときに、我々も、終身雇用の 団体の皆さん方の御意見だけではなくて、もう少し幅広くいろいろの角度から の検討をしなければなりませんし、そうした皆さん方の御意見も伺っていかな ければならないというふうに思っております。

 先ほど財務大 臣から御答弁がございましたとおり、いよいよ来年1年掛けまして年金の議論をしていただくわけでございますが、こ の年金こそ、やはりそうした中で今後どうしていくかということを本当に真剣 に議論をしなければならないというふうに今思っているところでございます。

●川橋幸子君  ・・・中略・・・質問を終わらせていただきます。


 

 

非常勤は90分単位でしか見ない 木村 副大臣

 

衆議院厚生労働委員会 2002年12月 11日

 

 


●金田(誠)委 員 民主党の金田誠一でございます。・・・中略・・・

 次に、本題に 入らせていただきます。

 きょうは、い わゆる細切れパートと呼ばれる方々の社会保険の適用等について伺いたいと思 います。

 いわゆる細切 れパートとは、複数の勤務先に同時に勤務するパート労働者で、かけ持ちパー トあるいはダブルワーカーなどとも呼ばれているようでございます。

 典型的な細切 れパートとしては、大学の専業非常勤講師があろうかと思います。大学の非常 勤講師には、分類すれば四つほど類型があるということでございますが、その うちの一つの専業非常勤講師というものは、大学院の修了者で他に本務がな く、主として非常勤講師の仕事だけで生活している者と定義することができる わけでございます。

 文部科学省に よれば、平成10年現在で国公私立大学を通じた非常勤講師の総数は13万 3869人、全教員に対する割合は47.8%、専ら非常勤講師のみを仕事とする専業 非常勤講師の人数は国公私立で4万5067人に上るとされております。しかし、 この非常勤講師の労働組合の側から言わせますと、この4万5067人のうち、複 数大学かけ持ち勤務が多いので実数は2万人前後ではないか、こう言っている ところでございます。

 非常勤講師の 待遇は信じられないほど劣悪でございまして、歴史的経過から、それで生活す るというレベルでは考えられておりません。

 首都圏大学非 常勤講師組合によれば、1回の講義を1こまと数えるようでございますが、1こまおおむね 90分で、これを1年間やりますと年収30万円、その上、多くの大学が非常勤講 師の担当を一人4こま以下としているために、1校につき1こまから4こまを担当 し、複数校をかけ持ちするという、いわゆる細切れパートにならざるを得ない わけでございます。

 京都・滋賀地 区の私立大学非常勤講師組合の調査によれば、専業非常勤講師の77.3%がかけ持ち勤務、平均2.7校、最高8校で、平均8.5こま、最 高21こまの講義を担当しております。語学系であれば20こまもどうにか可能、 ぎりぎりいっぱいだと言われておりますが、それ以外であれば10こまが限界で あり、これによる年収は300万円程度にすぎないわけでございます。

 その上、非常 勤講師は、1年単位、半年単位の有期雇用のため身分は極端に不安定で、さら に最近では、第二外国語の廃止や縮小、短期大学部や夜間部の廃止、国立大学 の再編成などにより、雇いどめなどが広がっている状況でございます。

 そこで、問題 の第一でございますが、こうした細切れパートに対する公的年金や健康保険な ど社会保障を適用することでございます。現行法においても、厚生年金保険法 と健康保険法に、複数事業所勤務者の給与合算により標準報酬を算出すること がそれぞれ規定されており、適用可能だと考えます。このほか、労災保険、雇 用保険等の問題もございます。

 細切れパート の社会保険適用をどうするか、とりわけ典型的な細切れパートである専任非常 勤講師[専業非常勤講師]の社会保険適用をどうするか、ひとつ明快な御 答弁をいただきたいと思います。

●木村副大臣  細切れパートの件につきましては、私もこれは非常に前から関心を持ってお り、また心配しておりまして、先生が今言ったように1こま90分なんですが、実際は前もっていろいろな準備をしたり、 後また答案の採点とかも含めて、結構90分以外に、準備する時間、事後の時間 等が随分かかっておるんですね。だから、実際は90分以上の大きな時間をそう いう非常勤講師の方々は勤めておられるんですが、常勤の人たちはそこは全部 見てくれるんですが、非常勤は90分単位でしか見ないので、先生おっしゃると おり、まことに私は何とかしてあげたいなという、本当にずばり言って、ずば っと答えたいのでありますけれども、そこで、先生御承知のように、これは仕 組みも難しいんですね。それから、実務的にも大変難点があるわけでありま す。

 いずれにいた しましても、昨今働き方が多様となってきている中で、就業の形態が変わって も被用者にふさわしい保障が受けられるよう、短時間労働者に対する厚生年金 等の社会保険の適用を拡大する方向で検討していくことが必要と考えており、 平成16年の年金改革に向けて幅広く議論をしてまいりたい。

 これは私も何 とか本当にしたいという気持ちはある、これをお酌み取りいただきますよう、 お願いを申し上げる次第であります。

●金田(誠)委 員 最初のイントロがすばらしいイントロだったものですからかなり期待感を 持って聞いておりましたところ、それは副大臣ちょっとつれない御答弁ではな いかと思うわけでございます。

 現行法にちゃ んとあるわけですよ。私、珍しく法律、条文を読んできまして、第45条、同時に二以上の事業所で報酬を受ける被保険者について報 酬月額を算定する場合においては、各事業所について、第何条、第何条、第何 条の規定によって算出した額の合算額をその者の報酬月額とする、こうなって いるわけですよ。

 恐らくどこも 政府管掌保険適用だと思いますよ。私学共済とか入れてくれていないと思いま す。政府管掌保険であれば手っ取り早いんじゃないですか。どこかで4分の2の仕事をした、どこかで4分の1やった、4分の1やった、足 したら4分の4、これで正規の雇用者並みの報酬になるわけで、合算して健康保 険と厚生年金とつけるというふうに45条に書いているんですよ。

 だから、別に 広く意見も聞かなくても何にもしなくていいわけです。副大臣がわかったと言 えば済む話ですから、一声、現行法で可能と言ってくださいよ。

●木村副大臣  わかったと言えるようにこれから一生懸命先生とともに考えてまいりたい、こ う思っております。

●吉武政府参考 人 今先生お尋ねがございました厚生年金保険法第24条第2項の規定でございます。

 これは現在の 解釈を御説明申し上げますと、健康保険もそうでございますが、被保険者の関 係は、適用事業所と常用的使用関係にある方を適用するというふうになってご ざいまして、その使用関係の有無につきましては、労働日数、労働時間等を見 まして判断をするということになっています。それで、基本は、労働時間、所 定労働日数がおおむね4分の3以上である方を常用的使用関係にあるということで被保険 者として適用しておるわけでございます。

 したがいまし て、現行の今先生がおっしゃいました24条第2項の解釈は、まず被保険者であるということが前提でござ いまして、被保険者である方が二つの事業所で働いておられる場合にそれを合 算するという規定でございます。

 ただ、先ほど 副大臣からもお話がございましたように、短時間労働者等の方につきまして、 今の4分の3のままの適用基準でいいかどうかということにつきまし て、これから16年の年金制度改革に向けまして検討を行うということになって おりまして、例えばその中で、女性と年金の検討会で少し提案された案で申し 上げますと、2分の1以上、あるいは時間数が2分の1以上だけではありません で、例えば、収入が一つの事業所で65万以上の方についても検討したらどうか ということでございます。そういう中でどの程度対応できるかということも検 討していく必要があるだろうというふうに思っております。

●金田(誠)委 員 その解釈は間違っていると思うんですね。これは健康保険も厚生年金も同 じ適用だと思うんですよ。セットでこれは加入になるわけですから。私は厚生 年金保険法の方をちょっと読まないで来まして、健康保険法だけ今見て言って います。だけれども、結局中身は同じことでしょう。

 この健康保険 法によれば、今の局長の答弁ですと、どこか1カ所で4分の3以上勤めていないと適用しないんだということなん ですよ。しかし、複数で勤めていて、1カ所で4分の3勤めていれば、それはそ れだけでもう健康保険も年金もついちゃうわけですよ、1カ所だけで。合算も 何もしなくていいわけですよ。わざわざ合算して高い健康保険料を払う人がい ますか。年金だったら戻ってくるからというのはあるかもしれませんけれど も、健康保険はどれだけ払ったって給付は同じなわけですから。そんなばかな 話ないでしょう。

 それで大臣、 これはこういう解釈をずっとしているんだそうですよ。それはおかしいんじゃ ないですか。4分の1ずつ3カ所で働けば4分の3、それでつけなきゃだめですよ、 今の制度で4分の3で被保険者になるんだから。今後、年金改正あるいはパート をどうするかということで、それを4分の2にしようとか、金額的にも下げよう という話はあります。しかし、それはそれ。現状の合算規定というのは、現状 4分の3でつけているのであれば、合算して4分の3になったらつける。政府管掌 だもの1カ所で管理できるでしょう。それが現行法ですよ。そうでないと納得 できませんね。

●吉武政府参考 人 繰り返しの話でまことに恐縮でございますが、健康保険法も厚生年金保険 法も適用事業所との関係で被保険者という位置づけをさせていただいているわ けでございます。

 その適用事業 所との関係で、例えば、二つの企業に勤めていただきますと使用関係が二つに なります。それぞれの関係について、4分の3以上の方について被保険者とするというルールをやってお りますので、先ほどから何度も申し上げておりますが、24条の2項はそういう 前提に立った条文だということでございます。そういう解釈に基づいて今実施 をいたしております。

 それで、先生 のお考えでございますが、例えば、合算をいたしまして4分の3になった方がおられるといたしまして、ある事業所で4分の 1、ある事業所で4分の1、ある事業所で4分の1、その場合に、その方にとって 合算して4分の3でございますが、事業主との関係で申し上げますと、4分の1の 方と同じ使用関係にあるということでございます。そこの点も考えないと、こ の被用者保険なり被用者年金の関係はなかなか、事業主負担の問題もございま すので、解決がしにくいという問題があるというのが背景にあるんだろうと思 います。

●金田(誠)委 員 それはおかしいですよ。それじゃ、4分の3以上を2カ所で勤めていなきゃ合算しない、A事業所で4分 の3、B事業所で4分の3、では4分の6になるんですか。8時間労働が12時間労働になるんですか。労働基準法違反じゃないですか、そんなことしたら。そんなばかなこと言っちゃいけませんよ。

 では、こうい う聞き方をしたらどうなります。1カ所4分の3以上でなきゃつけないんだ、健康保険、適用しないん だと。そうしたら、二以上の合算規定で健康保険の標準報酬を徴収していると いうのはありますか、それじゃ。1カ所で済むでしょう、それなら、4分の3の 1カ所だけで。現実に、A事業所、B事業所、4分の3、4分の3ということで保 険料を徴収しているのなんか、ないでしょう。

●木村副大臣  この件に関しましては、金田先生も私も非常に共鳴するところがありますの で、私もこの件に関しては、先ほど言ったように、平成16年、議論ではなくて真剣に検討する方向でともにやっていこ う、こういうことでいかがでございましょうか。(金田(誠)委員「それはそ れでまずわかりました。しかし、私の質問にも答えてください」と呼ぶ)

●吉武政府参考 人 手元に具体的な数字はあれでございますが、実務は社会保険庁で実施をい たしておりますが、私が承知しております限りでは、こういうケースに当ては まる方がおられます。

 その場合に は、両方の賃金を合算いたしまして、それによりましてこの方の標準報酬を設 定いたします。標準報酬を設定いたしまして、保険料の徴収につきましては、 賃金の生額の案分比率で徴収する、そういう形の取り扱いを行っております。

●金田(誠)委 員 これで納得したわけではありませんが、次の項目もありますので、進ませ ていただきたいと思います。

 大臣、ぜひ考 えていただきたいんですが、この条項は、4分の1ずつ3カ所で勤めていたら健康保険をつけるということです よ。そういうふうに解釈すれば済む話ですから、ぜひそういう形で早期に御検 討いただきたい、これは強く要請をしておきたいと思います。

 では、次の質 問に移りますが、こうした細切れパートの場合は、雇用主は国、地方公共団 体、民間と異なることが多く、労働法体系も国公法、地公法、民間法制と異な っている場合が多いわけでございます。とりわけ国公法、地公法にはパートの 位置づけは不明確であり、にもかかわらず民間法制のパート労働法、労働組合 法等は適用されないという状況にございます。

 一般職の職員 の給与に関する法律によれば、非常勤職員の給与については、第22条2項で、各庁の長は、常勤の職員の給与との均衡を考慮し、予 算の範囲内で給与を支給するとされております。

 そこで、文部 科学省、おいでだと思いますが、質問をいたします。

 国立大学にお ける専業非常勤講師の給与、諸手当はどのように定められているか、また、常 勤の職員の給与との均衡はどのように考慮されているか、お答えいただきたい と思います。

●結城政府参考 人 国立大学の非常勤講師の給与でございますが、専任あるいは専業であるか どうか、あるいは兼任であるかを問わず、その担当いたします授業の時間数に 応じて支払われております。その場合の一時間当たりの単価でございますけれ ども、その非常勤講師の方が有しております経験年数などに応じて、予算の範 囲内においてそれぞれの大学が決定しておるということでございます。

 もう少し具体 的に申し上げますと、予算の範囲内で執行しておりますので各国立大学により 単価が異なっておりますが、一例として、ある国立大学の場合で申し上げます と、一時間当たりの単価といたしまして、おおむね4千円から8千円程度になっております。その方の経験年数等によ って、この範囲で具体的に決まっておるということでございます。

 なお、非常勤 講師の給与につきまして、一般職の職員の給与に関する法律第22条第2項との関係でございますけれども、この22条第2項の趣旨 を踏まえまして、その者が常勤講師として採用されたとして、その場合に受け ることとなる給与をもとに算出して、予算の範囲内で支給をしているというこ とになっております。

●金田(誠)委 員 これはそうなんですか、本当に。均衡を考慮してということですが、常勤 講師もこれほど低いものなんでしょうか。1こま年間30万、こんな低い金額で常勤講師は採用されているもの ですか。

 今、一時間当たり4千円から8千円と言いましたけれども、この4千円から8千円に は、木村副大臣おっしゃったように、準備の時間もあれば採点の時間もついて 回るわけでして、この4千円から8千円というのが均衡を考慮されているとは到 底思えない。本当に、どのように具体的に均衡しているとおっしゃるわけです か。

●結城政府参考 人 考え方といたしましては、今のように、その非常勤講師の方が常勤講師と して採用された場合に受けることになる給与をもとに、その単価を算定してお るわけでございます。

 平成14年度の予算で申し上げますと、一時間当たりの単価、これは予 算上の単価でございますが、4850円という単価で予算が組まれておるわけでご ざいます。

●金田(誠)委 員 ここで、数字のことなものですから、今のような説明を受けましても、そ れで均衡がどうなっているのかというのはよくわかりません。ぜひ具体的にど ういう計算で均衡しているとおっしゃるのかわかるような、これこれこういう 計算式によって均衡しているのだというようなものを後で提出していただけま すか。

●結城政府参考 人 後ほど資料を届けさせていただきます。

●金田(誠)委 員 それでは、よろしくお願いをして、次に入ります。

 例えば、 2002年3月にこういうことがあった。横浜国立大学で非常勤 講師が雇いどめになった、当局はこの問題で組合との交渉を拒んでいるという ふうに聞いております。組合というのは首都圏非常勤講師組合という組合でご ざいますが、雇いどめの問題で交渉を拒むというのは穏やかな話ではございま せんが、これは一体どういうことでございましょう。

●結城政府参考 人 ただいまお尋ねの件につきまして、横浜国立大学に確認をいたしました。

 この非常勤講 師の方でございますけれども、横浜国立大学で平成9年に設置されました新設の学科の実験系の科目を、平成11年度の 後期、それから平成12年度、13年度の前期、後期、合わせて二年半の間、週 1回担当されてきた方でございます。その各年度、毎年度の採用になっており まして、その非常勤講師の採用時には、その都度任用期間を明示した文書を交 付してきております。

 今年度、 14年度からこの非常勤講師の方の新たな採用を行わないこ とにしたわけでございますが、これは、その新設の学科の整備が13年度、昨年 度をもって完成いたしまして、14年度以降のカリキュラムの見直しを行いまし て、今年度からはこの実験系の科目をすべて常勤の職員で賄う方針になったと いうことでございます。また、横浜国立大学では、この非常勤講師の方に対し まして、本年度採用しないこととする理由などを、昨年の10月以降、先月まで の間に9回にわたり直接御説明もしているところでございます。

 なお、この件 に関しましては、昨年の11月28日付の要望書が出てきておりまして、都区関連一般労働組 合と同組合の大学・専門学校非常勤講師分会、これは通称首都圏大学非常勤講 師組合と言っておりますが、それからこの組合員たるこの非常勤講師御本人の 三者の連名で、団体交渉を設定してもらいたい旨の要望書が学長あてに出され ております。が、その後、先ほど申し上げましたように、御本人とは数次にわ たりまして話し合いも行っておりますし、当該非常勤講師以外の組合関係者の 方から特段のそれ以降の要望も来ていないというのが現状でございます。

●金田(誠)委 員 これは団体交渉には応ずるということなんでしょうか。いろいろ説明はあ りましたけれども、要は、この方が加盟する労働組合から交渉の要求があるわ けですから、応ずるか応じないか、応じないとすれば理由は何か、これをお答 えいただきたいと思います。

●結城政府参考 人 応ずる必要はないと思っております。

 国家公務員法第108条の5第1項におきまして、人事院に登録された職員団体から適 法な交渉の申し入れがあった場合においては、当局はその申し入れに応ずべき 地位に立つものとされております。昨年11月に出されました要望書の当該労働 組合でございますけれども、この国家公務員法に言う人事院登録職員団体には なっておりませんので、当局といたしましては、その交渉に応ずる義務はない というふうに考えております。

●金田(誠)委 員 これは、いわゆる細切れパートの方だと思います。したがって、雇用主 が、今横浜国大であれば国でしょうし、どこかの公立の大学にも勤めているか もしれませんし、民間にも勤めているかもしれません。こういうことが当然あ り得るわけでございます。

 また、国公法 や地公法の体系では、細切れパートのみならず常勤的パートの存在も前提とし たような法体系になっておらない。団体交渉などいわゆる職員団体との関係 も、いわゆる職員団体、国公法に基づく職員団体ということになっているわけ で、いろいろなところをかけ持ちするパートが国公法の枠の職員団体というこ とでくくられるかというと、これは法的に不備があるんだと思うんですよ。そ のことをまた盾にかたくなに交渉を拒否する方もする方だ。これは国公法に基 づく職員団体にこの方が入れるわけでもないでしょうから、そういうやはり実 態に即した運用というものが私は必要だと思うわけでございます。

 そこで、これ は大臣に一つ御提案でございますけれども、パート労働法を含む民間労働法体 系、労働組合法なり労働基準法なり、さまざまある民間労働法体系、これにつ いては国や地方公共団体に雇用される者も含めて適用する、者というのは一般 の公務員ではなくてパートとかそういう方々、今問題にしている方々、こうい う方々も含めて民間の法体系を適用するということを考える時期に来ているん ではないか、こう思うわけでございます。こうした考え方に立てば、国公法、 地公法の適用は一般職の公務員、いわゆる正規の公務員ですよ、正規の公務員 と、議会の議員や審議会の委員など本来の特別職、これに限定したものにな る、公務員法の体系は。これが一番すっきりするんではないか。

 そのパートと か嘱託とか非常勤という方々は、かけ持ちもある、民間に行ったりいろいろあ るわけですから、これは国公法、地公法で枠を囲うというのはもう現実的にか なり厳しい状況。しゃきっと国の方もやっているのならいいですよ、やられて いないわけだから。そういう中では、厚労省として、これは民間の担当だとは いうものの、国や地方公共団体に雇われていてもその体系できちんとそれを囲 うという考え方を打ち出して、公務員法制を所管する省庁との協議に私は入る べき時期に来ていると思うんですが、大臣、いかがでございましょう。

●坂口国務大臣  このパートの皆さんの話は、参議院におきましても川橋先生から出たわけで ございます、四苦八苦して答えたわけでございますが。同じように大学等にお 勤めになります皆さんのお話でございました。

 それで、その パートにかかわります部分、いわゆる大学でいえば、民間の大学の部分につき ましては、これはパートの範囲に入ってくると思いますから、これはパートの いわゆるさまざまな角度からの問題を今検討いたしておりますから、その中で どういうふうにしていくか、パートの皆さん方の社会保障というのをどうする かということを今やっているわけでございますから、これはそうした中でもひ とつ議論したいと思っております。

 いわゆるどこ でとるか、先ほどの話のように、3分の1、3分の1、3分の1というふうに同じように勤めておみえに なる人をどうするかというのは困るわけでございますが、どこか一つちょっと 半分なら半分勤めて、ほかに半分、半分、こういくのだったら処理しやすいわ けでございますけれども、同じようなところにどうするかという問題がござい まして、そこはなかなか難しいと思うんですが、これは一遍検討させてくださ い。

 それで、もう 一つ大きな話、公務員との話でございますが、これは、現在の我々の方のやっ ております法律は民間のところを中心にしてやっているわけで、公務員の中の ことは一切入ってきていないわけですね。これをまとめて一つの案にするとい うのは、考え方としてはなるほどそれはあるかもしれませんけれども、これは 大変な根っこからの大改革になるわけでありますから、それはそこまで一足飛 びに行くのはなかなか難しいと思いますが、今後雇用の形態というのが変わっ てくるわけでありますから、変わります雇用の形態の中でどう対応していくか ということに焦点を当てながらそうした全体のことも考えていきたい、そうい うふうに思っております。

●金田(誠)委 員 大臣、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。

 その検討をこ れからするにしても、いわゆる細切れパートの実態が把握されていないという 状況があると思うわけでございます。この際、厚労省と文部省、協力して、専 業非常勤講師を中心とする細切れパート、この実態調査をすべきではないかと 思いますが、最後の質問です、いかがでしょう。

●工藤政府参考 人 先ほど先生お挙げになった数字は、私どもの行ってございます教員統計調 査の報告結果でございます。これは調査にお答えいただく大学等の御負担を軽 減するために3年に一遍やってございまして、10年の後は昨年度、13年度に調査 して、今集計中でございます。これは今月中にその結果をまとめて公表したい と思いますが、それはまた先生のところへお届け申し上げます。

 そういう数字 のほかに、私ども、国立大学や私立大学等の実態について、その非常勤講師の 方々のどれぐらいのこま数の分担であるか、どれぐらいの給与実態であるか等 については、その都度把握させていただいているところでございます。今後と もその事実関係の把握に努めながら、各大学の適切な対応をお願いしてまいり たいと思います。

●岩田政府参考 人 厚生労働省の立場から申し上げさせていただきますと、大学の専業非常勤 講師だけではなくて、民間企業のパートタイム労働者の中にも一人で複数の事 業所をかけ持ちでパートで就労されていらっしゃる方もいるのが現状でござい ます。そういう現状が十分把握されていないというのは確かでございますの で、検討課題であるというふうに思います。

 まず、そうい ったかけ持ちで就労されているパートタイマーの何が問題かといったようなあ たりにまず問題を洗い出した上で、そういう問題意識に沿った現状の把握の仕 方が効果的かというふうに思いますので、関係部局とも相談しながら検討して まいりたいと思います。

●金田(誠)委 員 教員統計調査といいますと、いわゆるかけ持ちパートという観点からこの 実態がどうかという、恐らく調査項目にはなかなかなっていないのかなという 気もいたしますので、ぜひその辺も今後念頭に入れて、実態が浮き彫りになる ような調査をぜひお願いしたいと思います。

 最後に、団体 交渉の問題でございますが、国公法に基づく職員団体にこうした細切れパート の方が加入するなんというのは不可能です。その辺は幅を持って、団体交渉と いう名前がつくかどうかは別にしても、その労働組合の方々含めて、誠意を持 ってやはり話し合いをしていただきたい、このことをぜひ文部科学省には強く 御要請をいたしまして、時間でございますから終わらせていただきます。どう もありがとうございました。



 

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