2002年4月7日発行(一部訂正)

 

『控室』号外

 

 

首都圏大学非常勤講師組合

東京公務公共一般労働組合 大学非常勤講師分会

170-0005 豊島区南大塚2丁目33番10号 東京労働会館5階

http://www.os.rim.or.jp/~town/univ/univers/html

委員長:志田昇(TEL/FAX 0426-27-4420)

郵便振替口座:0140-90157425 大学非常勤講師分会

 

 

都議会に都立短期大学廃止反対の陳情書を提出

署名活動にいっそうのご協力をお願いします

 

 現在、東京都は、「東京都大学改革」によって都立の4大学(都立大学、科技術大学、保健科学大学、都立短期大学)を統合し、都立大学B類(夜間)と都立短期大学を廃止しようとしています。東京都はすでに昨年11月に「東京都大学改革大綱」を発表し、この「改革」の大枠を示しています。

 首都圏大学非常勤講師組合は、2月20日から3月28日に会期中の都議会に、都立短期大学廃止反対の陳情書を提出することに決定し、陳情書に添える署名集めを行ってきました。3月16日には都立短期大学昭島キャンパス、18日には同晴海キャンパスの卒業式で卒業生多数の署名を集め、20日には新宿駅西口で街頭署名を行った後、22日に都議会に陳情書を提出しました。陳情書を提出した後も、陳情書が委員会に付託される5月半ば頃まで署名の追加が可能なので、その後も4月4日に両キャンパスで行われた入学式でも新入生多数の署名を集めました。その他、学生自治会や労働組合などさまざまな団体や個人に署名の呼びかけを行っています。5月1日のメーデーでも署名活動を行う予定です。どうぞ皆様がた多数のご参加をお待ちしております。

 都立短期大学は、1954年に都立商科短期大学として発足し、1996年に都立立川短期大学と統合して、都立短期大学と改称されました。昭島と晴海の二つのキャンパスからなり、昼間課程の4学科と夜間課程の2学科からなりたっています。晴海キャンパスは夜間のみです。学生定員は1190名の小さな短大ですが、夜間はやや定員割れしているものの、昼間が定員オーバーのため、全体としては2001年度の場合、学生総数1195名(うち都民929名)でやや定員オーバーとなっています。学費は、入学金が都民の場合83,100円、その他は166,200円で、授業料(年額)は昼間が361,800円、夜間が180,900円で、都立の他の大学の授業料が昼間で496,800円、夜間でも248,400円であることを考えると、きわめて低額に設定されていることがわかります。このように明らかに都民の需要を満たしている学校をいったい何のために東京都は廃止するのでしょうか。

 また教員の構成は、2001年度の場合、常勤68名、非常勤126名ですが、この比率は、都立大学で646対383、科学技術大学で62対54、都立保健科学大学でも88対105であることを考えると、都立短期大学の場合、非常勤教員の比率が極端に高くなっているのがわかります。都立短期大学が廃止された場合、この非常勤教員の全員が退職金もないまま解雇されることになります。おそらくこの半数程度が組合員を含む専業非常勤講師であると考えられます。これほど多数の組合員が一挙に解雇されるのは組合結成以来始めてのことです。どうか皆様がたのいっそうのご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

 

陳情書

「東京都大学改革」による都立短期大学廃止に反対する陳情

2002年3月22日提出

 

東京都議会議長 三田敏哉殿

 

東京公務公共一般労働組合 大学非常勤講師分会

(首都圏大学非常勤講師組合)代表:志田 昇

 

都立短期大学の廃止をとりやめ、存続・充実をはかることを求めます

 

 都立短期大学は、1954年の発足以来、都民に低額な学費で良質な教育を提供してきました。とりわけその夜間部は働く都民に高等教育の機会を提供しています。にもかかわらず今行われようとしている「東京都大学改革」によって、この都立短期大学は廃止されようとしています。

 都立短期大学は、わずか5年前の1996年に昭島キャンパスと晴海キャンパスが統合され、晴海キャンパスは都立晴海総合高等学校とともに新しい校舎の中に移転したばかりです。働く都民にとって都心からのアクセスも容易であり、格好の教育の場になっています。

 「東京都大学改革大綱」(以下「大綱」)によれば、都立の4大学が統合され、短期大学が廃止された後、このキャンパスは新たに設置されるプロフェッショナル・スクール等に使用されることになっています。しかし多額の税金を投入し、新しい建物を作っておきながら、わずか5年で計画を変更し、学校を廃止するというのは、教育として、あまりに一貫性がなく、無定見に過ぎるのではないでしょうか。

 個人の一生で考えてみれば、教育がいろいろな意味でその人の人生を規定する重要な要因であることは疑いを入れません。学校というものは、そのような人生の大切な場で、教員と学生、上級生と下級生、在校生と卒業生など、さまざまな人と人との結びつきを創り出していくものです。それをこのような短期的な見通しのもとに、教員と学生がこれまで築き上げてきた歴史を安易に否定してよいのでしょうか。

 長く続く日本経済の景気低迷の結果生じた失業や減収のために、能力をもちながら、四年制大学への進学を断念せざるをえない高校生が多数発生してきています。そのような生徒たちのために教育の機会を提供する受け皿の一つが短期大学であり、とりわけその夜間部なのです。私立大学が短大や夜間部を廃止してきているいま、都立短期大学の役割はいっそう大きくなってきています。

 「大綱」によれば、この「改革」は産学公の連携を強化し、東京の産業の活力向上をめざすものとされています。しかし二度とめぐってこないかもしれない教育の機会を都民から奪って、営利を優先させる大学を設置することをはたして都民が求めているのでしょうか。「大綱」には「社会人聴講制度の新設」や「科目履修生制度の拡大」が謳われていますが、この制度では「短大卒」の資格を得ることはできません。

 最後に、この「改革」によって現在都立短期大学に勤務している非常勤教員のほぼ全員の解雇が見込まれます。非常勤教員のほぼ半数は専業非常勤講師であり、本務校をもたない教員です。非常勤講師は一年契約を更新するパートタイム教員で、時間給を支給され、一時金や退職金の支給はほとんど受けていません。今回の「改革」にはこの非常勤教員の存在はまったく視野に入っていません。

 従って都において、次のことが実現されるように、都議会としてぜひはたらきかけていただけますよう、強く要望いたします。

 

1.都立短期大学の廃止をとりやめ、存続・充実をはかること。

2.都立の大学「改革」によって、各大学に勤務する非常勤講師の勤務条件の改悪や雇用の機会が失われることのないようにすること。

3.都立の大学「改革」は、各大学に学び、また働く関係者、および都民の総意にもとづくものとなるように、ひきつづき検討を行うこと。

 

 

「東京都大学改革」の簡単な経過

 

1999年4月 石原都知事就任

1999年7月 都「財政再建推進プラン」発表

2000年1月 都知事、私学に売却、B類廃止発言

2000年2月 都知事、4大学の統合発言

2001年2月 「東京都大学改革基本方針」4大学の統合、設置者機能の一元化、法人化など

2001年6月 教育庁大学改革担当「都立の大学改革に当たっての基本的枠組み」4大学の再編統合、経営と教学の分離、短大と夜間課程の廃止、法人化、重点化、プロフェッショナル・スクールの設置など

2001年7月 大学管理本部設置

2001年11月 「東京都大学改革大綱」発表

 

 

東京都立四大学統合と非常勤講師の雇用問題(1)

 

T.W)

 

 東京都は、昨年11月「大学改革大綱」を公表した。都立四大学の統合を柱に、短大と夜間部全体の廃止をきめた。それにともない、教員定数の「約20%」が削減される。今回の統合は民間企業であれば「合併」に該当し、雇用契約その他は合併後の新組織に包括承継される。したがって、専任の雇用問題は、雇用条件の調整(労働条件の不利益変更の問題を含む等)はあっても、基本的には生じない。

 しかしわれわれ「専業非常勤講師」の場合は、統合の過程で随時「雇い止め」となる。担当コマ数が減り、減収となる場合や、さらに都立短大・夜間部しか非常勤をしていないことで「職」そのものを失う場合など深刻な問題がうまれる。学生数の減少がまだ底をうっていない現状でさえ、定員割れする大学・学部が相次ぐ中で、次の非常勤先につくことはきわめて困難である。つまり、大学再編が活発化する現在、非常勤先をひとつでも失うことは、研究者・教育者であることを断念することにつながりかねない。

 都立四大学の主たる労働組合である、都立大・短期大学教職員組合は「大学改革大綱」に反対する。しかし非常勤講師、とりわけ「専業非常勤講師」の雇用問題は十分に視野にはいっているとはいい難い。研究活動を続けながら、同じ教壇にたち、情熱を傾けて日々教育にあたるという点では本来、専任と非常勤とは差はないはずである。したがって「専業非常勤講師」の「職」の確保は、都立四大学の雇用上の責任であるとともに、教職員組合の問題でもある。現在、都立短大には、わが組合員が数名おり、夜間部廃止反対を表明している学生自治会や卒業生、都民に訴えかけて、短大・夜間部の存続と非常勤講師の「職」の確保のための活動を力をあわせて具体的にすすめることが求められている。

(『控室』第42号から再録、つづきは同、第43号に掲載予定)

 

 

都立短大廃止反対の署名集めに ご協力をお願いします

 

 署名をお願いする方は住所、年齢、国籍などを問いません。どなたでも結構です。陳情書を提出した後も、陳情書が委員会に付託される5月半ば頃まで署名の追加ができます。署名用紙は同封の封筒で本部まで送り返してください。

 

<組合本部(送付先=組合本部)>

      郵便番号 170-0005

      豊島区南大塚2-33-10 東京労働会館5階 東京公務公共一般労働組合気付

 

5月1日メーデーの署名活動に ご参加ください!

 

 5月1日のメーデーでも都立短大廃止反対の署名活動を行います。多数の方々のご参加・ご協力をお待ちしております。

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