控室

首都圏大学非常勤講師組合

東京公務公共一般労働組合 大学非常勤講師分会

TEL 035-395-5255

URL: http://www.os.rim.or.jp/~town/univ/univers.html

2004年6月27日発行 第51号(WWW版)

委員長 志田 昇

FAX 042-627-4420

郵便振替口座

0140-90157425

大学非常勤講師分会

本号の主な内容

    9回総会報告(2面)     ◆ 都立4大学統合と非常勤講師の雇用問題(10) (7面)

    団交・運動ニュース(3面) ◆ クリップボード(8面)

◆ 新入組合員の声(6面)

 

国立大賃下げ撤回続々

私大は駒大・桜美林で賃上げ回答

 独立行政法人化の混乱に便乗した国立大学の大幅賃下げの動きは、当組合の要請により文部科学省が賃下げにストップをかける「通知」を出したことによって根拠をなくし、現在大半は据え置きまたは人事院勧告に連動したマイナス1.1%の線で収まりつつあります。賃下げを撤回した大学は次の通り。

千葉大25%賃下げ撤回(1.1%賃下げについて交渉中)、金沢大25%賃下げ撤回(据え置きに)、富山大25%賃下げ撤回(2.4%賃下げに)、電気通信大学大幅賃下げ撤回(据え置きに)、一橋大学10%賃下げ撤回(1.1%賃下げについて交渉中)。

 東京海洋大(旧商船大30%賃下げ、旧水産大は据え置き)、埼玉大、東京農工大、東京外語大(10%賃下げ)、東京芸術大学(5〜8%賃下げ)の5大学とは現在交渉中です。

 大幅賃下げ計画の背景にはまだ謎が残っていますが、現在でも次の点は確認できます。

 @法人化で、これまでのような使途の明確に決まった予算ではなく、運営費交付金を各大学が自由に配分できるようになったので、仮に非常勤講師人件費の積算がゼロでも、各大学の学内措置で従来通り賃金が払えること。「文部科学省からの予算はゼロだったが、学内措置で従来通り払う」と言っている大学もある。A実際には、大半の大学で非常勤講師の人件費として相当額が積算された。少なくとも、文部科学省によれば、「積算された専任と非常勤の人件費の合計は、昨年度の実績を上回っている」のは事実のようです。B非常勤講師の人件費が昨年並みに積算されたのに、専任の人件費に「流用」された例も明るみに出ている。例えば、朝日新聞西部版によれば、福岡教育大では、「専任の定期昇給分の人件費が4400万円不足」という理由で非常勤の人件費を半分にすると発表(文部科学省は専任の定期昇給分も積算していると一貫して主張)したが、反発が強くて撤回。それでも、非常勤の賃金を約10%下げた。そのため、人件費が2000万円(最初の計画通りなら6000万円)余るという不祥事が起き、地元では大騒動になっている。C結局、大半の場合は、総予算の不足分を弱者である非常勤講師にしわよせしたのが真相のようです。

いずれにせよ、文部科学省の通知も無視して、大幅賃下げを強行した大学は国会などで問題にすることになっています。

 私立大学では、駒沢大学が月一コマの最低額を1600円アップ(26100円に)、桜美林大学は月1コマ最低額を233円アップし、29400円にするという回答しました。明治大学は賃上げする方向で検討中です。

その一方で、昨年、私学助成がアップしたら賃上げするという約束があった東京薬科大学で実質30%賃下げが強行され、非常勤講師の私学助成50%アップに逆行する動きも出ています。現在、東京都地方労働委員会に不当労働行為の救済の申立を準備中です。

2004年3月27日

 

 

 

 

 

第9回総会報告

 

 

 

 

 

  去る3月28日首都圏大学非常勤講師組合第9回総会が開かれました。来賓として東京私大教連書記次長柿崎敦氏と首都圏ネットの小沢弘明氏にご出席いただいたほか、民主党参議院議員川橋幸子氏、共産党参議院議員井上美代・林紀子両氏からお祝いのメッセージを頂戴しました。東京私大教連からは今後の協力と情報交換が必要である、また首都圏ネットからは国公立大学の改革は構造改革の一環であり、経営をトップに置くやり方は大学そのものの変質をもたらすとのお話がありました。

 


情勢

<私学の経営危機>

景気回復により倒産危機のテンポはやや減速したように見えるが、定員割れの大学は依然として増加しつつある。今後、定員の半数を割った時点で私学助成が止められ、倒産する大学が続出する可能性がある。

最近の新しい傾向は、専任教員の労働強化、教育の外注化・委託業者への丸投げ、セメスター制による非常勤講師の解雇・雇用の不安定化の進行などである。

組合としては処遇の改善に加えて、非常勤の活用による専任の研究保障(ワークシェアリング)、非常勤の直接雇用の維持を求めていくことが必要である。

<国立大学の独立行政法人化>

国立大学の独立行政法人化、実質的民営化は、私学の経営を圧迫し、危機を招くと予想されていたが、国立大学は当面混乱と思考停止状態にあり、非常勤職員、非常勤講師など抵抗が弱い部分を犠牲にして安易な人件費削減による「改革」に走っている。

具体的には、専任の労働強化、非常勤講師の解雇・賃下げが進められている。

専任の研究保障と非常勤の活用(ワークシェアリング)、均衡処遇の維持を求めていくことが必要である。

 

この間の成果

<雇用問題>

SH大学金銭解決、桜美林コマ数一部回復、明星大コマ数減金銭解決、東京薬科大7名慰労金およびコマ数一部確保、敬愛大コマ数一部回復

 このうちSH大学、東京薬科大学の場合、同じ分野に専任教員がいない中で専任の仕まで担っていたことが認められたのが解決につながった。

昨年の積み残しーー立正大金銭解決、桜美林大金銭解決

<その他、教育関係>

東京情報大臨時職員雇用継続、早稲田教務補助雇用継続など。

<待遇改善問題>

関西の非常勤講師組合やUTUとともに文部科学省、厚生労働省と交渉。

 文部科学省の積極的な国会答弁を引き出し、均衡処遇を約束させた。これが私学助成の非常勤講師補助単価50%アップにつながった。予算は約14億円増加。また、文部科学省は、国立大学の非常勤講師の賃金の均衡処遇を維持するよう「通知」を出した。

雇用問題も含めると、早稲田、慶応、明治、法政、日大、白梅、関東学院、駒沢、東京薬科大、桜美林大、大東文化大、東京医薬専門学校、千葉大、埼玉大、立正、敬愛大、名古屋短大、湘北短大、明星大、東海大、足利短大、東京情報大などで交渉。交渉をもった大学の数が20をこえたのは初めて。

桜美林大、法政大などで賃上げ。

千葉大の25%賃下げを阻止した。他の国立大学の賃下げも文部科学省からの「通知」を武器に阻止できる展望が開けた。

早稲田、明治、日大、法政、立正、東京薬科、K大学などで予算が付けば、大幅賃上げを検討と約束。

都立短大で有給休暇認めさせる

大東文化大で会費天引きの親睦会に退会の自由認めさせる。

<都立短大問題>

「都民の会」を通じて専任教員や市民との共同を追求。

<専任教員との共同>

千葉大などで前進。

 

組織建設

組合員の実数は増加、ただし名簿整理のため目標の200には到達していない。

 

2004年の方針

50%賃上げを掲げ、関西の組合とともに主要100大学との交渉めざす。

国立大の賃下げを阻止する

これまで以上に雇用問題に取り組む

文部科学省・厚生労働省交渉に取り組む

引き続き、都立新大学での雇用確保に取り組む。

「都民の会」が存続する場合には今後も参加する。

年内に組合員数200名をめざす。


 

  一般討論では、国立大学の法人化後のコマ数削減、教養教育の意義、語学教育の外部委託などに論議が集中しました。

 

 

 

 

 

団交・運動ニュース

 

 

 

 

 


M大学との団体交渉

  私は平成12年にM大学の非常勤講師になりました。担当クラス数は多い年に13コマでした。平成15年度に6コマまで減りました。昨年度に大学の方針が変わって、非常勤講師の担当クラス数は4コマまで制限されることになりました。昨年12月10日にS.教務科長は平成16年度に「5コマでお願い出来ないか」という話をしました。私はそれに応じられないと説明し、教務科長は「まあ、そのむねを伝えていく」と答えました。他の非常勤教員も応じられませんでした。

  今年1月14日に人文学部長、英文科長、教務課長に呼び出され、4人で話をしました。コマ数を5コマにするという説明を受けました。私は妥協案を提案しましたが、英文科長は一切妥協しないと言いました。私は法的な手段で問題の解決に努力しますと伝えて、会談が終わりました。

  すぐに首都圏大学非常勤講師労働組合に助けを求め、団体交渉は2月25日にM大学日野キャンパスで行いました。組合側から副委員長と私が出席しました。M大学側から学長、教務課長などが出席しました。しかし、副学長と英文科長は欠席しました。

  組合はM大学に対していくつかの要求をしました。

1.非常勤講師・職員に雇用保険への加入を可能にすること。大学側は可能であると回答しました。

2.非常勤講師は教えることに関しては専任と変わりませんが、非常勤講師の各科目の単価が専任に比べて非常に安いです。給与はアップするべきだと強調しました。大学側はこのことを検討するそうです。

3.非常勤教員の研究を保障するべきです。大学側から明らかな回答はありませんでした。

4.日本で専任は非常勤のコマを削って経費を減らす傾向があり、非常勤講師の働く場所が無くなっています。専業非常勤講師は細切れかけもちパート教員として生活設計をしています。生活保障が必要と強調しました。大学側は雇用保険で保障すると答えました。とても納得できない回答でした。

5.非常勤講師のコマ数の減少については、連絡が遅すぎたことに対して、大学から謝罪と金銭解決の提案がありました。私だけではなく、あと11人の非常勤講師も1コマに相当する金額と謝罪文書を頂いたそうです。

6.水曜日などの授業回数は月曜日の授業回数より遥かに多かったです。しかし、給与が同じでした。結果として、大学側は水曜日の授業回数を減らして、曜日に関わらず授業回数の均一に努めました。

  M大学の対応は素晴らしかったです。しかし、それは首都圏大学非常勤講師労働組合と副委員長のお陰です。

 2月の団体交渉の時に解決が出来なかった問題はまだ残っています。たとえば、給与の問題やコマ数の問題です。様々な問題解決に努力したいと思います。M大学の教職員や職員に相談を応じます。遠慮なく声をかけてください。(MS)

 

2004年度明治大学第1次折衝報告

 明治大学の今年度第1次折衝は、6月4日(金)に行われました。明治大学では、昨年度の折衝の折り、文科省の出した私学助成金の非常勤講師分を1.5倍にするという予算が通った場合、それを非常勤講師給に反映させますか、という私たちの問いに対して、もちろん実行するという確約をしていました。それどころか、明治大学が私学助成の幹事校であるから、その概算要求が通るかどうか、文科省の議員をプッシュするようにアドバイスをしてくれる、相談先の大学企画部調査課の方を紹介までしてくれました。私たちは小躍りして喜び、その方に連絡を取り、「国庫助成に関する私立大学教授会関東連絡協議会」なるものの存在を知りました。その協議会に連絡したところ、非常勤講師に関しては、むしろ私大の教職員組合連合に相談してみる方がいい、しかしこの段階では国会議員の文教委員をプッシュするのが一番よいだろうという結論になり、今まで私たちのやってきたことが正しかったと確認したのでした。ここまで非常勤講師の私学助成アップを支持してくれる大学も滅多にないので、今年度の第1次折衝には胸をわくわくさせて望んだ訳です。

 ところが、今年度は昨年度までの人事部長と人事課長が代わり、意気込んでいった私たちに即答できない状態で、少しがっかりしました。しかし昨年度のいきさつも、明治大学の他の私立大学に対する影響力も十分理解している、すべて出された資料を基に回答するとのことでした。まだ明治大学教職員組合との第1次折衝も開かれていない状態だから、この折衝後に連絡すると約束してくれました。「まあよい感触だった」とのみ報告してほしいとのことでした。私たちもそうご報告します。

 

千葉大学 団交報告プラス

 第2回目の団交が、6月16日(水)行われた。前回は、組合側16名大学側人事課4名の参加であったが、今回組合側は千葉大学支部代表1名と委員長の2名、大学側は佐藤理事と人事課など事務局より、計7名の参加であった。

 まず1.1%カットについては、今年度は撤回できないとの回答であった。組合が均衡処遇に満たない根拠として提示した金田議員の国会における質問・要求に応じての2002年12月13日文部科学省回答の給与表について、これは一例に過ぎず、各大学において予算内で決定できるものであり、これを元に千葉大学が10%以上も専任と非常勤の均衡処遇の点で劣るとする根拠とは認めない。千葉大学においては、今年度専任の賃金は前年度と同じに出たが、非常勤についてはゼロであるので1.1%カットは撤回しないとの理事説明であった。これについて、2月23日の文部科学省交渉時の「運営費交付金は、前年度の専任教員給と非常勤給を上回る人件費を積算として提示している」との直接回答と異なると指摘したが、とにかく千葉大学に関して費目として出ていないというだけでなく、非常勤に関してはゼロ予算であるとの理事回答であった。ぜひ均衡処遇の姿勢だけでも見せてほしいと思った組合員にとっては、文部科学省回答の給与表をあくまで1大学の例とし、専任と非常勤の処遇の違いを当然としているとしか思えない見解は残念である。非常勤講師は授業90分のため、少なくとも賃金として支払われている120分以上の努力をし、授業の準備に追われる非常勤生活の中で研究費など援助はないが研究者としても努力している。常勤に認められている何分の一かの研究援助が認められていない現状での1.1%給与カットの重さは、数字以上のものである。

 有給の具体的とり方について。6ヶ月以上勤務していれば年次休暇の申請により勤務年数に応じて有給がとれる。コマ数ではなく、週の勤務日数と勤続年数により有給日数は決まる。パートタイム労働法に定められている権利は認められているので、事務にその方法を問い合わせ、申請すること。国立大学であった昨年度も有給を取る権利があったことも判明。学部によって事務に支障がある場合、本部事務担当者に直接問い合わせを、との回答。過労で倒れる前に有給をとろう。

 事務当局側からは、法人化に伴う混乱はあるが、パート労働法で認められていることは就業規則でも認めているので臆せず問い合わせをとのこと。また、大学教育は様々の人の努力の上に成り立つものであり、組合側との交渉は、その意味でも大事であるとの言葉。専業非常勤の苦しい生活実態を理解し大学教育における非常勤講師の役割をどこまで認めているかは別にして、大学教育における非常勤の立場とその組合活動を事務当局が認めていることに当然とはいえ、「組合なんて入るな。」と言った専任教員の言葉を思い出し、ほっとする。交渉の後で、常勤教職員組合の先生と懇談。常勤組合も全学部の労働組合に近日衣替えとのこと。まだ非常勤講師組合に入っていない皆さん、愚痴っているだけでなく加入して行動しましょう。混乱の今だからこそできることがあるかもしれません。(兎)


 

新入組合員の声……MS

 


 私は2001年に会社員を辞めて専業非常勤講師になりました。組合のことは2003年の春にたまたま見たインターネットのホームページで知り、すぐに加入しました。知っていればもっと早く加入したのですが。もう少し宣伝をした方がいいのではないでしょうか。

  それにしても大学の非常勤講師というのは給料安いですね。専任と比べてコマ当たりの単価が5分の1なのですか。これでは経営者が専任の雇用を抑えて非常勤で済ましたがるのは当たり前です。専任教員は授業以外にも会議の仕事があるようですが、会議というのは授業の4倍ぐらいあるのでしょうか。

  以前はコンピューターのソフトウェアを開発する中小企業に勤めていましたが、ソフトウェア業界にも非正社員(契約社員やフリーの在宅プログラマー等)は多いです。しかし大学とは逆に、経営者は技術者をむしろ正社員として雇いたがります。正社員と非正社員の間に大学のようなひどい賃金格差がない、というより非正社員の方が割高だし、不定期に入ってくる仕事に対応するためにフルタイムの人材を確保しておく必要があるからです。

  ソフトウェア業界では「人月」という概念が使われます。これは一人分の一ヶ月の仕事という意味で、1人月は大手ソフトウェア会社が顧客に請求する段階でだいたい130万円ぐらいのようです。例えばある新規のインターネット通信販売システムを作るのに技術者4人で5ヶ月かかる、合計20人月で2600万円也、というような計算です。大手ソフトウェア会社はブローカーのようなもので、実際の作業は1人月70〜90万円ぐらいで下請けの中小企業に流します。何人月というのはあくまでリスクを見込んだ営業上の見積もりで、たいていはそれよりだいぶ少ない作業時間で済みますから、いきおい中小は複数の取引先から受注して社員の頭数以上の人月をこなします。私などもいちばん多い時で、一ヶ月に2人月半ぐらいの仕事をしていました。会社としては一人分の決まった給与に多少の残業代をプラスして払えばいいだけなので、大儲けだったでしょう。これがフリーのプログラマーを使っていたならば、会社は2.5人分支払わなければなりません。

  ではなぜ技術者はフリーにならずに社員なんかやっているのか。フリーならば働けば働いただけ収入を得られますが、やはりリスクも高い。仕事の切れ目にすぐに次の仕事が入らなければ無収入状態になります。社員ならば現在のプロジェクトが終わった後のことを心配する必要がない。たくさん仕事をしても収入は増えないが、まったく仕事が無くても収入は減らない。身分が安定している方が余暇にも打ち込めるし、高い買い物でローンも組めます。

大学教員もコンピューター技術者と同じように高度な専門知識を要求される職業なのですから、非常勤のような不安定な身分の場合、対価として専任より高額な報酬が支払われて然るべきです。2倍といわずに6倍ぐらい要求しませんか?


 

 

東京都立4大学統合と非常勤講師の雇用問題 (10)

 

 


 前回のつづきで、受講生が一定数以下の場合に大学がクラスを不開講にする際の問題を考える。

大学非常勤講師の労働契約は、ほとんどが1年ごとの有期労働契約である。履修者(受講生)が僅少またはゼロの場合、大学側がクラスを開講しない旨、定めることが少なからずみられるようになってきた。非常勤講師の側としては、4月以降、不開講といわれても、その年度、その曜日のその時間に他の大学の講義等を代わりに受け持つことは事実上不可能である(後期以降は可能になる場合はありうる)。したがって専業的大学非常勤講師の生活設計上「クラス不開講の際の生活保障問題」は重要である。そこで大学側の事情も考慮し、問題解決の方策について具体的に考えてみると以下のようになる。

1.労働基準法上の規定に則して考えると、

A 30日分の保障(第20条 解雇予告手当)、1か月分の賃金請求権。

B 平均賃金の6割以上の保障(第26条 休業手当)、約7か月分の賃金請求権。

2.民法の規定に則して考えると、

債務不履行にもとづく損害賠償請求権の保障(第415条)、期間の定めのある労働契約の場合、期間途中の契約解消は原則としてできない。例外としてやむを得ない事由がある場合については、即時解約が可能となるが、その事由が当事者の一方の過失によって生じた場合は、相手方に損害賠償を請求できる。つまり1年(100%)分の賃金請求権がある。

  以上のように、法律的に考えると、1か月分から12か月分まで幅の賃金請求権があることになる。大学側にとっては、クラスが成立せず、講義(労働)もないことからできるだけ賃金支払いを少なくすることが目指され、非常勤講師にとっては、年収確保の点からできるだけ賃金保障を厚くすることが求められる。

 事実、実際にこの問題に対する大学側の対応もそのように幅(1か月分から12か月分)を持ったものである。兵庫県のある私大では1か月分を、神戸や東京のある私大では12か月分を支払う例もある。

  法律論として考える際、1−Bの休業補償では、受講生の多寡が「使用者の帰すべき事由」といえるかの問題がある。受講生の数が少ないのは、大学側の宣伝不足や時間割のせいだといえるか、ということである。同様に、2の場合も、「当事者の一方の過失」といえるか、の問題であるといえる。次回はこの問題のまとめをのべることにしたい。(TW)


 

クリップボード

 


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【編集後記】給与が上がらないのはなぜか質問されても私も答えられません。いったいなぜなのでしょうか。(行)


 

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