控室

首都圏大学非常勤講師組 合

東京公務公共一般労働組合 大学非常勤講師組合

TEL 035-395-5255

http://www.os.rim.or.jp/~town/univ/univers/html

委員長 志田 昇

TEL/FAX 042-627-4420

郵便振替口座

0140-90157425

大学非常勤講師分会

−−本号の主な内容−−


◆志田委員長に聞く(4面)

◆団交・運動ニュース(9面)

◆横浜市立大非常勤講師組合 結成について(10面)

◆[連載]東京都立4大学統合 と非常勤講師の雇用問題(11面)

◆クリップボード(12面)


 

 

2・20 対文科省・厚労省陳 情報告

 

 

文科省 「今後、助成金の非 常勤講師単価のアップに努力」

厚労省 「65万円以上の年収は合算」「産休育休の権利は当然」

 

<参加者>

文科省:高等教育局 私学行政課長ほか人事局等から3名

厚労省:雇用均等・ 児童家庭局、保険局、年金局、社会保険庁、職業安定局から7名

民主党から金田誠一 議員、川橋幸子議員、池田元久議員、共産党、社民党、民主党、自由党から秘 書の皆さんが計9名

組合:首都圏16名、京滋2名、阪神1名、UTU3名

 


 

横向き回答?

 

 今回の文部科学省への陳情の中心は、私学助成金 の中で、非常勤講師給として計算される分の算定基準となっている額を引き上 げさせるという点でした。

 前回の交渉の席 上、「前向きに検討する」と回答があり、期待が寄せられていました。今回の 回答は、「非常勤講師の処遇をよくすることは望ましく、この点では皆さんと 気持ちは同じ」とか、「非常勤の助成金もできるだけ増やしたいと思ってい る。がんばっていきたい」と、格差を認める内容で始まったのですが、肝心の 回答は「15年度予算案では、文科省全体の予算が増えない中で、1時間 3400円という算定額を維持した」という期待外れなものでした。課長自身が 「前向きなんですけれども、結果的には横向きにしかならなかった」と発言 し、一同ガックリ。しかしここは、「何倍もの格差がある」「算定額を絶対下 げることはない。アップに努力する」という発言を得たことに確信を持って、 さらに要求の声を大きくしていきましょう。

 

「パート労働者の 均衡待遇に関する指針」に沿った処遇改善を

 

 回答後の討論では まず、厚生労働省で検討されている「パート労働者の均衡待遇に関する指針 (正規の8割)」が出されるのを機会に、非常勤講師の助成金の算定基準を 大幅にアップしてほしいという要求を出しました。文科省は、格差の存在を認 めつつ、盛んに「文科省全体の予算が増えないから」と言うのですが、「指針」 の考え方は、「仮に人件費の総額が増えない中でも、パートの処遇改善を進め なければならない」とするものです。この考え方から言えば、私学助成の総額 が増えないときでも、非常勤講師の単価アップが当然なのです。「パイ全体が 増えないから格差是正措置は採らない」では、格差はいつまでたってもそのま まです。これに対する課長の回答は、「勉強させてもらう」「参考にさせても らう」でした。どうやら本当にご存知なさそうなので、機会を改めて組合から レクチャーさせていただくことにしたいと考えています。

 

実際の助成金の格差は15倍 !!

 

 次の要求は、私学 助成金の中で非常勤講師給として算定基準となっている1時間あたり3400円という金額についてでした。組合は、あらかじ め提出した要請文で、単価アップと同時に、専任と違って非常勤講師の場合に はその時間だけの労働の対価となっている点を問題にして、費目の充実を求め ました。私学助成の算定基準の格差が、専任教員の給与と非常勤講師給の差別 構造を作り出しているとして、抜本的改善を要求しているのです。

 さらに、この日の 交渉では、京滋の組合が、関西の4大学で「実際に支給されている私学助成金」の分析が報告されま した。この中で、非常勤講師給に回されている助成金は、年間1コマあたり1万 3000円~1万9000円、専任の場合、年間1コマあたり15万円~25万 円で、非常勤講師はその8分の1~15分の1に過ぎないことが明らかとな りました。この4大学での非常勤講師担当コマ数は全体の25~40%に達 していますが、非常勤講師の給与に対する助成金は、助成金全体のたった1 ~1.3%であることも分かりました(『大学危機と非常勤講師運動』 P.265、表7-3「私立大学等への経常費補助金」によれば、1999年度 予算で1.15%と算出されています)。 実際に支給されている助成金に、8倍から15倍の格差があることへの追及の声 と、3400円がどのような計算を経て、年間1万3000円になるのかの説明を求 める声が上がりましたが、文科省側は、「担当者が来てない」と逃げました。 ここで、金田、川橋の両議員から、「税金である私学助成がどのように実際に 使われているかは、公開されるべき」「文科省がつかんでいないなら、調査義 務がある」との発言があり、今後、担当部局(私学助成課)との交渉を持つこ とが約束されました。

 

外国人教員の処遇 改善を!

 

 UTU(外国人教員の組合)も、文部科 学省への陳情を行いました。今回は、外国人教員が専任になることができず、 任期の付いた教員にしかなれないのは外国人差別だという点を追及して、改善 を求めました。外国人非常勤講師の場合は、日本人の場合とは異なるさまざま な問題があり、陳情内容や陳情先を再検討する必要があるのではないかと陳情 後の反省会でも意見が出されました。

 

「合算」は現実に ・・・半コマからの合算を要求!

 

 厚生労働省の回答は、13年度 「パート労働者実態調査」に掛け持ちパートの調査項目が入り、近々に報告書 が出されるということから始まりました。この報告書は出次第、組合として活 用することが必要です。

 今回の陳情の最大 の課題である「細切れ掛け持ちパートの社会保険・雇用保険への加入には、労 働時間の合算が必要」という点については、来年度の厚生年金制度改正 (20時間以上、または年収65万以上)を前提にすると、1校で年収 が65万円以上の場合には、厚生年金の加入資格が生じ、2校以上でそれぞれ 65万円以上であれば、自動的に合算されるということが確認されました。65万 円というのは2コマでどうかという微妙な線ですが、3コマなら必ずクリアーす るはずで、加入資格を持つ非常勤講師、さらには合算される非常勤講師が出て くることは確実です。ここに至って組合としては、細かく合算すること、非常 勤講師に対してはセメスター単位での合算を強く求めました。これに対する厚 労省の回答は、「合算について技術的問題はない」ことは認めつつ、根拠を示 さないまま「65万円は、常用的使用関係のライン」でした。志田委員長が「使 用者側は社会保険逃れのために、基準以内で細かく雇おうとするので、それを 避けるためには、細かい合算がぜひとも必要」と追求し、「アメリカでは約 10万円から資格がある」の発言も出ましたが、次回に持ち越されることになり ました。次回は、1コマ、半コマからの働き方が一般的である大学の非常勤講 師の特殊性を強調して、働き方の特殊性に見合う合算を要求しましょう。

 

雇用保険の資格に も「年収要件」を!

 

 現行の雇用保険の加入資格は、「1事業所で週 20時間以上」のみで、年収の基準がありません。通常一校 で20時間(10コマ)教えることはできませんから、非常勤講師に資格が生じる ことはまずありえません。組合は、社会保険と同様に年収を資格要件に入れる よう要求しました。そもそも以前は、社会保険(年金と健保)と雇用保険の資 格要件は同じでした。陳情の中で、「資格要件を違える理由は何か」「そろえ ることに障害はあるか」という組合の質問に、厚労省は答えることができませ んでした。さらに組合は、日雇い労働者の雇用保険が労働時間の合算をしてい ることを示して、年収による資格要件において、合算を認めるよう要求しまし た。

 

非常勤講師でも産 休の権利行使は当然

 

 今回、すっきりと回答が出たのは、「産休」につ いてです。「実態として期限の定めのない場合にも、妊娠を理由に雇い止めす ることはできない」「大学の対応がおかしかったら、厚労省として指導するか ら、言ってきてください」とのことでした。

 

助成金アップと半 コマからの合算を求めて・・・総会前にもう一頑張りを

 

 今回の交渉では、文科省の私学助成課の担当者が 出席しなかったために、助成金問題を追及し切れませんでした。再陳情の場を 3月中に設定したいと考え、現在、交渉中です。皆で、もう一頑張りしましょ う。

 


 

志田 委員長に聞く

 

 組合発足当時は 講座物なども手がけていた委員長ですが、最近では団交等で多忙をきわめ、短 い文章の執筆もままならないようです。そこで編集部では委員長を小一時間拘 束して、インタヴューを行い、最近の組合の問題や今後の課題などについてわ かりやすく話してもらいました。

 


 

専任との関係

 

志田 最近の問題として専任との関係を一つ検討する必 要があると思います。本務校のある先生が非常勤講師をやっている場合どう考 えるかということですね。まず、本務校がある先生に関して非常勤講師をやる べきかという問題があるわけですが、これに関してはまずわれわれの仕事を確 保するという観点から見ていく必要がある。非常勤をやめて本務校でたくさん 働けばいいじゃないかという考え方についてですが、これは間違いであると考 えています。というのは専任の先生は本務校での責任コマ数がどんどん増える という傾向があって、大学によっては10コマを超えているという事態が生じているんです。けれども、 これは従来研究保障のために5コマないし6コマに抑えられていたのが無制限に 授業が増やされることによって事実上研究ができない。逆にいえば非常勤の立 場からすると専任になるのをめざして大学に残ったのに専任になっても意味が ないという事態が生まれつつあるわけです。あくまでもやっぱり本務校でやる 授業の数は制限する。これは研究保障のためにどうしても必要です。それとの 関係で研究保障をされているのだから空いた時間はアルバイトで全部使ってし まうというのは当然おかしいわけで、アルバイト的非常勤については制限が設 けられるのが当然であると思います。そういうふうに考えますと、専任の先生 については研究保障のために本務校での担当コマ数は制限が設けられるのが望 ましいし、同時にアルバイト的な非常勤に対しても規制があるのが当然だとい うふうに考えるべきだと思います。それが非常勤の仕事を確保するためにも一 番合理的な考え方ではないでしょうか。

 次に専任の先生がアルバイト先で非常勤講師と して不当な扱いを受けた場合にどう考えるかということですけれども、これは われわれ専業非常勤講師にも影響が及ぶような問題に関しては組合として取り 上げていく必要があると考えます。今一番問題になっているのは学生からクレ ームが来ると非常勤講師の場合は自動的に首になってしまうことです。これに ついては、基本的に本務校をもっている人の場合でも専業非常勤講師の場合で も同じなのですが、公正で客観的な扱いかたをしていただきたいということに なると思います。つまり専任の先生はどんな授業をやっていても問題にならな くて、非常勤講師の場合はクレームがあれば自動的に首になるというようなこ とはやっぱりわれわれ組合の立場からすると認められない。そういう問題があ った場合には本務校のある非常勤講師の場合でも組合として取り上げていくと いうことになると思います。

−− つまり兼業の 非常勤講師の場合は、専業の非常勤講師の問題と関わる場合にのみ取り上げる ということでしょうか。

志田 基本的にはそういうことだと思います。実際には これまで本務校を持っている先生方の事件をたくさんやってきています。たと えば専任の専門学校講師とか大学の助手とか本務校を持っている非常勤講師な どの人たちの解雇事件をこれまで扱って、何件か解決しているということがあ るわけです。われわれも無視できないような不当な扱いを受けた場合には、大 学の中でも身分が違っていても組合に受け入れて権利を守っていくということ は一貫した立場だと思っています。だから決してあの人は専任だから不当な扱 いを受けてもかまわないというような考えかたをとっているわけではない。専 任として雇われていても外国人教師のように任期がついている場合が多かった り、助手のように身分が不安定な場合などわれわれと共通性の多い人について は従来から取り上げている。また、本務校のある人が非常勤先でひどい扱いを 受けたという場合も組合の問題として取り上げているということです。ただ し、あくまでも組合の中心となっているのは専業の非常勤講師だということで すね。いずれ専任の先生がたくさん入ってくればそれは別の分会を作るという ことになると思います。

 

大学別の組合をど う考えるか

 

−− 現在、横浜市 立大学で兼業の非常勤講師と専業の非常勤講師との両方を組織した横浜市立非 常勤講師組合という組織が作られていますが、この動きについてどんなふうに お考えですか。

志田 一般的なことでいえば本務校のある人と一緒に組 合を作っていくということは問題ないと思います。ただあくまでもうちの組合 に入らない場合には団体交渉に組合の役員が乗り込んでいくということはでき ません。うちの組合の場合には、あくまで専業非常勤講師の利益と一致してい る場合に本務校のある先生とも一緒にやるという立場がはっきりしているの で、成果も上がるし、組合の組織としても安定性があるのではないかと思いま す。これまで大学別の組合というものは何度かできたようですけども、それは 中心となった人が専任になるということで消滅するということが多かったよう です。また本務校のある人が大量に組合に入るという事態は横浜市大のように 大きな問題があったときを別にすれば、一般的にはなかなか考えにくいだろう というように思っています。

−− それはどうし てでしょうか。

志田 基本的に生活の基盤が本務校にあるわけですか ら、非常勤先でまた組合を作って熱心にやるということは考えにくい。組合と いうのは基本的に生活と権利を守るためにあるわけですから、生活の基盤が本 務校にある人が非常勤先での生活と権利を守る運動を一生懸命やるというの は、何か大きな問題があるときにそういう事態も生じるでしょうが、通常は考 えにくいと思います。

−− 大学別の組合 が何度かできたというのは、私たちの組合ができる以前のことでしょうか。

志田 基本的にはそうですね。それ以降はほとんどうち の組合に入っていると思います。

−− すでに私たち の組合があり、委員長のおっしゃるように、もし新たに作ってもあまり見通し がないとすれば、にもかかわらず、あえて別の組織を作る人々が存在するとい うことは、私たちの組合の運営のしかたにも何か問題があるのではないでしょ うか。

志田 今後、専任の先生や本務校のある非常勤講師と も壁を作らないようにしていく努力は必要だと思います。

 

政党との関係

 

−− 私たちの組合 は独立系ということですが、日本の組合運動が非常に錯綜している現在、個人 的にも労働運動史専攻でもないので、その意味が今一つはっきりしないのです が。

志田 組合としては政党からの独立というのは労働組 合の原則ですから、その点では変わった立場をとっているのではないのですけ れども。どこのナショナルセンターにも属していないということに特に意味は ありません。これはたまたま既存の組合で入れるところがなかったので、今の 公共一般に入ったということです。その際に公共一般のなかで自治労連に入っ ている分会はありますけれども、われわれは自治体労働者ではないので、そう いう関係で当面中立でやっているということです。将来どうなるかについては 合意があるわけではないと思っています。

−− その合意は分 会の中でという意味ですか。それともその外で、ということでしょうか。

志田 分会の中では当面、東京地評加盟の中立組合と いうことを確認しただけで、将来もどこかのナショナルセンターに入らないと いうことに積極的な意味を考えたわけではない。いろんな人がいるから全労協 に入るんだという人も全労連に入るべきだという人もいると思いますが、さし あたりそれは選択せずに、組合を作ってそのままになっているということで す。

−− もし仮に統一 的なナショナルセンターというものができた場合にはそこに属すということも ありうるのでしょうか。

志田 その場合には自動的にそうなると思いますけれ ども、どういう可能性も排除していないということですね。

−− 私たちの組合 には、当然、政治的には右の人から左の人までいると思うのですが、その場 合、そういうことは問題にならないでしょうか。

志田 基本的に要求に基づいて政策を作って要求と政策 の一致で団結するということですから。その点では政治的な立場が違っても大 筋みんなが合意できるものがあるのではないかと思っています。

 

授業評価について

 

志田 話は戻りますけれども、今問題になっているのは 授業評価の問題ですね。非常勤の場合には学生がクレームをつけると首にして よいというふうに考えている先生が結構多いわけです。これに関しては当面考 えられるのは非常勤だけ授業評価して入れ替えていくということではなくて、 専任も非常勤も評価してほしい。その上で改善すべき点については専任であれ 非常勤であれ話し合って改善していくということが必要なんだと思います。授 業にならないような場合には、非常勤の場合問題なだけでなく、専任の先生な らなおさら害悪が大きいわけですから、両方とも同じ基準で問題にするという ことでなければ公正さに欠けている。

−− 授業にならな いとおっしゃったんですけれども…

志田 実際にならないかは別にして学生のほうからク レームがつくことは多いわけです。クレームで最近多いのは「あの先生は厳し すぎる」。これは熱心な先生がよく言われます。「難しい」。これも熱心な先 生がよく言われます。それから自分が授業を混乱させておいて「あの先生じゃ 授業にならない」というふうに言う場合もある。そういう場合にクレームがつ いたから商品を取り替えるような感じで別の非常勤をつれてくるというのはお かしい。クレームがついた場合にどう対応するかについては専任に対しても非 常勤に対しても共通の制度が必要だし、当事者にも聞く必要があるし、学科と 先生の話し合いも当然必要だと思います。今限りなく大学が学生に迎合してい くということで大学が学生を選ぶ時代から学生が教師にクレームをつけて教師 を取り替える時代になってきているような印象がありますけれども、これは正 常な事態ではないと思います。学生がクレームをつけたり、自主的にアンケー トをとってこれは問題だと言った場合にその先生を排除するということではな くて、学生の評価を尊重するというのならば、それはもちろん専任の先生も含 めてやるべきだと思います。非常勤だけ入れ替えて学生に迎合していくという のはおかしいですね。

 学生のクレームが 理由というのはたくさんあります。今年扱ったのでもピアノの先生の例、アラ ビア語の先生の例、英語の先生の例。特に今年は目立っています。全体として 大学側が何とか学生数を確保しようということから学生に限りなく迎合してい く姿勢が強くなっているからだと思います。

−− 景気が悪くな ったから、値下げして、景品つけて、何とかお客さんを集めようというのと同 じですね。

志田 その精神は必要だと思うのですけれども、専任の 先生は安全圏に置いておいて、専任の先生のほうが責任は大きいはずなのです が、そっちの責任は問わない。パートだけクレームがついたら入れ替えるとい う形が問題だと思います。

−− 私たち非常勤 講師は金銭的にも時間的にも大きな制約のなかで授業を行っているわけです が、その私たちが専任と同じ基準で評価されるのが公正と言えるのでしょう か。

志田 それは現実には非常勤に厳しく専任に甘く評価さ れているわけですから、まずせめて同じに評価してくれという要求が現時点で は妥当な要求だと思います。筋から言えば専任のほうに大きな責任が求められ ると思いますが、それを言ってもしょうがないんじゃないのかなあと思いま す。現状で必要なことは非常勤だけちょっとクレームがついたら取り替えると いうような不公平な扱いはあるかということです。実際問題として非常勤の先 生のほうが授業を一生懸命やる例が多いというふうにも聞きますから、同じ基 準でということで今より不利になるということも現実にはないだろうと思いま す。

 

最近の解雇の特徴 と今後の課題

 

志田 最近の解雇の特徴なんですけども、一つは長く勤 めた人にやめてもらうというわれわれの立場からすると本末転倒の議論がある のですね。組合としては長く勤めた人は専任に準じて扱いをしてほしいという ことを要求しているわけです。ところが大学によっては専任の新しい人が来た から昔からいる非常勤の人は煙たいのでやめてもらいたい。新しい専任の先生 の息のかかった人に非常勤を入れ替えるという動きがあります。もう一つは学 生との関係で若い先生のほうが受けがいいんじゃないかということで昔からい る先生を辞めさせて若い先生に変えようということがやられてきている。これ は非常勤で暮らしているわれわれには到底受け入れられない問題だと思いま す。

 非常勤講師組合の 特殊性ということで言いますと、まず第一に、個人加盟の組合で、特定の大 学、一つの職場で作っている企業内組合ではないということです。だから、一 人でいくつもの大学に通っている人が多いので、人数はそんなに多くないので すけれども、100近くの大学に組合員はいるはずです。だからどっかの大学で組 合をつぶそうと思っても、絶対つぶれない構造になっているというのが一つあ ると思います。それから、職能的なまとまりが強い組合というのが特徴だと思 います。つまり、どこどこの大学に所属しているということではなくて、大学 の非常勤講師であるという職能でまとまっているので、単純な個人の寄せ集め というのではなくて、要求にも共通性があって、普段ばらばらであるにもかか わらず結束しやすいというような特徴があると思います。それと、ほとんど全 国的な組合なので、この点では、文科省と交渉したり、東京都と交渉したりす る上で、個別の企業別組合より強い交渉力を持っていると思っています。

−− 関西の組合と は一応組織は別になっていますが…

志田 関西の組合は、上部団体が違いますけれども、全 国的な問題で交渉するときには、共同でやっています。われわれの組合は沖縄 から北海道までいますけれども、関西の組合と合わせれば、ほぼ全体を網羅し ているのでこれが強みになっていると思います。それから、組合の特徴とし て、女性の比率が高いということがあると思います。専任の教職員組合、特に 教員の組合はほとんど男性ですけれども、うちの組合に関して言えば、組合員 の半分は女性ですし、専業非常勤講師の中で、女性の比率は半分近くになると 思います。一生専業非常勤講師で終わるという人の比率で言えば、女性のほう が高いのではないかと思います。ですから、今までも何もやってこなかったわ けではないのですけれども、もっと女性の研究者の要求を強く出すということ も必要じゃないかと思います。たとえば、産前産後の休暇や育児休業は法律で 保障されているわけですから、これをもっと各大学との交渉の際や文科省、厚 労省に対する陳情の際にも、もっと前面に出していく必要があるのではないか と思っています。これについては調査して、どういう面で差別があるのか等々 も調べていく必要があると思います。専任教員の中で、男性の比重が異常に高 いということもありますから、女性の専任教員を採用するという積極的な措置 を要求していくことも大事じゃないかと思います。

 


 

 

団交・運動ニュース

 

 


 

桜美林団交報告

 

 桜美林では1月30日、始めての団交が行われ、[氈nカリキュラム改訂の説明 と雇用継続、[]設備面の改善、[。]給与改訂と格差の是正を中心に話し 合われました。

 [氈nカリキュラ ム改訂の説明と雇用継続に関しては、淵野辺校舎への移転に伴いカリキュラム 改訂が行われているが、@説明会の開催、A町田校舎英語非常勤講師統括責任 者の明確化、B1クラスの学生数、特に語学関係は30名程度を上限に、C非常勤講師に対して、一方的なコマ数減や 雇い止めを行わないことの確認を求めました。大学側から、「一方的なコマ数 減や雇い止めは行わない。語学関係の1クラスの学生数は、30名を超えないよ う最大限の努力をする」という回答が得られました。

 []設備面の改 善に関しては、@非常勤講師用ロッカーの復活、A渡り廊下の設置、B移動が 大変なので、講義教室はできる限り同じか近い教室を割り当てる、Cテープレ コーダーの各教室への配置、D崇貞館2階トイレの増設を要望し、「ロッカー は善処する。渡り廊下の設置は決定済み」の回答をいただきました。

 [。]給与改訂と 格差の是正に関しては、@非常勤講師給与は平成7年から据え置かれているの で改訂してほしい。その際、大幅な最低ラインの底上げ(22000円を25000~26000円へ)を、A欧米系外国人講師、 ELP講師の給与が、アジア系外国人講師や日本人講師給より高額になっている のは時代遅れ。アジア系外国人・日本人講師給の上げ幅を大きくする形で(欧 米系講師が不利にならない形で)是正を、B格差が是正されるまで、淵野辺校 舎の日本人講師にELP給の支給を要望し、「淵野辺校舎の日本人講師にELP給を 支給する」との回答を得ました。

 最初の団交という こともあり、多くの要望を出しましたが、大学側は前向きに受け止めてくれま した。完全拒絶されたのは崇貞館2階トイレの増設だけで、即答を得られなか った他の事項も前向きに検討するということでした。

 なお、桜美林学園 教職員組合からは資料の提供、オブザーバー出席等々、数多くの支援をいただ きました。(M.Y.)

 

都立短期大学

 

 去る1月30日に都議会文教委員会で私たちの二度目の陳情の審査が行わ れ、今回は不採択と決まりました。多数の方々に署名にご協力いただきなが ら、このような結果に終わったことは大変残念ですが、日本共産党、生活者ネ ット、自治市民の会の3委員から採択ないし趣旨採択との発言をいただいたこ と、陳情の過程で大学管理本部との団交を確立したことなどを積極的に捉え、 これで教育者としての私たちの学生や社会に対する責任は一応果たしたと考 え、今後は私たち自身の雇用の継続を求めて交渉を続けていきたいと思ってお ります。署名にご協力いただいた801名の方々、どうもありがとうございまし た。

 

大学非常勤講師の 初の全国実態調査

 

 年末から京滋地区 私立大学非常勤講師組合を中心にして当組合と阪神圏組合も含めた大学非常勤 講師三組合が行っている大学非常勤講師の初の全国実態調査に、多数の方々の ご協力をいただき、どうもありがとうございました。2月24日現在472名の方々からご返送いただいているそうです。ア ンケートの結果は集計・分析を経て3月末か4月はじめに冊子の形で公表される 予定です。

 

白梅短大、メール ボックス問題で協定書

 

 白梅短大では、大 学が、組合の機関紙『控室』をメールボックスに配布することを突然禁止して きた問題で、東京都労働委員会の場で斡旋交渉が行われてきました。このた び、2月12日付けで、双方の合意に基づく協定書が交わされ、これまで どおり、年に4回、メールボックスに『控室』を配布することが認められまし た。組合活動の権利を守ることができてよかったと、喜んでいます。


 

 

横浜市立大学非常勤講師 労働組合結成について

 

 


 昨年、横浜市立大 学では、非常勤給与の支払方法が変更となり、それまで年額(各月均等割)で 支払われていたものを時間給にして出講回数分のみの支払い(病気や学会出席にともなう休講に対しては支払われない)ということになりました。その結果は年間ベースで5%から20%の減収となります。さらにその通知方法は、3月末に 至っての一方的通知で、多くの非常勤講師が給与支払方法の変更にすら気づか いないような隠微なやり方でした。

 4月に入って、講 師控室の中では折に触れこの問題について話が交わされるようになり、それま で相互のつながりを持たなかった非常勤講師の間に、僅かながらも連携をとろ うとする動きが現れたのは、5月に入ってからでした。2、3名の者が集まって個別に動き始め、 さらに教員組合(専任の組合)とも連絡を取り始めました。それらがすこしず つ集まって呼びかけのパンフレットを作り、非常勤講師ネットワーク(連絡組 織、約50名の参加)という形をとったのが6月のことです。その後、教員組合 のバックアップを受けながら、市労連や本庁労務課との会談を行いました。さ らに自治労横浜関連労組協議会からのアドバイスを受けつつ、非常勤講師の立 場でいかなる戦いができるかを模索しましたが、事務当局が個々の非常勤講師 に対し、直接交渉に応じる可能性はきわめて低いと言わざるを得ず、直接交渉 を行うには労働組合を結成する他はないという認識のもと、10月に至り約30名 の参加のもとに組織としての労働組合を結成いたしました(2月20日現在 35名)。遅々とした歩みですが、もともと顔も名前も知らなかった者どうしが なんらかの組織を作り上げるということを考えれば、これだけの時間がかかっ たことは致し方なかったと思います。

 労働組合の結成により、ようやく事務局側を話 し合いのテーブルに着かせることができました。現在、事務当局と今年度の補 償問題ならびに来年度の給与支払方法についての交渉中ですが、官僚組織相手 の交渉はなかなか難しく、また、横浜市大自体が、「廃校も視野に入れて検討 する」といった中田市長の方針のもとで大きく揺れ動いている状態ですから、 すっきりした形の解決は望むべくもありませんが、少なくとも事務局側(本庁 の方でも問題になっているようです)からある程度の譲歩を引き出せるところ までは進んできております。とりあえず年俸制の回復は難しいところですの で、時間単価の改訂と運用方法の見直しで実質的な給与の目減りを最小限に押 さえることが当面の目標です。さらに今後は、年俸制の回復を含め、労働協約 の締結に向けて活動していく予定です。そして、横浜市大の学問と教育の自由 を守り、その質を改善するために、可能な限りの発言を行い努力する所存で す。横浜市大の問題は、改革の名の下に行われている大学破壊の典型と言える もので、経済効率最優先の改編が行われ、それにつれて非常勤講師の大幅削減 および極端な給与カットが実施されるのは目に見えているからです。非常勤講 師問題は、日本の大学全体の問題を解決しない限り、真の解決には至らないで しょう。そのためにも非常勤講師は是非とも団結し、その発言力を強化する必 要があると痛感しております。みなさまの幅広いご支援を切にお願い申し上げ る次第です。

 

横浜市立大学非常 勤講師労働組合


 

 

東京都立4大学統合と非常勤講師の雇用問題(5)

 

 


 昨年10月から取り組んだ都議会への陳情署名(801名分)の審査が、文 教委員会で今年1月末おこなわれ、不採択となった(3会派−-共産党、 生活者ネット、自治市民の会が採択賛成)。文教委員会の構成は、次の通り。 自民党6、民主党2、公明党2、共産党2(委員長1含む)、生活者ネット1、自治 市民1。採択賛成の各会派の委員からは、署名の意義について具体的で前向き な発言がなされた(委員会開催の直前には自民党、生活者ネット、自治市民、 共産党の各委員に面会して要望を伝えた)。

 働く社会人の学習の場と非 常勤講師の働く場の両立という妙案である昼夜開講制についても、現実に即し た検討がされているとはいえない。雇用の流動化はますます広がり「働き方が 自由」というよりは、「働かせ方がより自由」になっている実情を考えれば、 昼夜開講制の必要性は高まっているといえる。現に都立短大で受講生にアルバ イト経験を聞いたところ、「登録型バイト」が主流であることがわかった。 200万人のフリーター、175万人の派遣労働者を含め700万人を超え る失業者・半失業者の中で、必死に社会の中でまともに生きようとする「働く ふつうの社会人(高卒)」が公立大学で学ぶ機会を狭める(閉ざす)ことは、 社会全体の利益にそったものとはいえない。私大の中には、経営努力の一環で もあるが同時に社会的な意義をもつ昼夜開講制を採用するところが増えてきて いる。

 限られた都財政の有効活用 を根拠に、ビジネスエリートを対象に開校される夜間大学院(40名定員)を否定するものではないが、「働くふつうの社会人 (高卒)」が公立大学で学ぶ機会を幅ひろく開くことも同様に重要であり、必 要なことである。またそのことは物理的にも十分可能なことである。

 ある国のことわざに「一年 で成果をえるなら米をつくれ、十年なら木を植えよ、百年なら人を育てよ」と いうのがある。「いつの時代も社会は人なり」である。   (T.W.)

 


 

クリップボード

 


1)『控室』原稿を募集します!

 

 組合員か否かを問わず随時 受け付けます。掲載段階で匿名は可能ですが、連絡先はご通知ください。プラ イヴァシーは厳守します。電子メールによる原稿を歓迎します。短い記事や通 信は送信者に断りなく「読者の声」などに匿名で掲載することがあります。原稿 の送り先は以下の通り。

【E-mail】s-kkch@pa2.so-net.ne.jp

FAX】048-959-5004

 

2) 公募情報などの収集・配布

 

 大学教員等の公募情報を電 子メールで送信します。受信希望者は下記まで。ただし当方の都合による遅れ ・中断・中止もありえます。公募情報・情報源情報を下記連絡先までお寄せい ただければ幸いです。

【E-mail】s-kkch@pa2.so-net.ne.jp

 

3) 組合関連―現勢・雑報―

 

 当組合の現勢は3ケタ。どんどん仲間を増やしましょう。手渡しやメールボックス への投函で『控室』を配布できる方は、FAX:042-627-4420まで、送付先(配 布者の住所、氏名など)、配布する大学(学部)・学校名、配布部数をお知ら せください。

 

4) 組合員の声・読者の声

 

 Q大学R学部から10月分の給料が予定より10万円近く多く、合計20万円も振り込ま れていてビックリしました。9月はじめに集中講義を2日間で授業7回分やった ので、3ヶ月分追加され、合計4ヶ月分の約11万円のはずでした。間違えて多く 振り込んだので返してくれ、と言われるかな、と思いましたが、会計に電話で 問い合わせてみました。先方によると、1コマ14回分の授業の集中講義を2人の 先生で7回ずつ分担してもらう場合、その2人にそれぞれ6ヶ月分の給料をしば しば支払っているそうで、私への支払いはそのケースだとのこと。3万円弱の 月給*(1+6)=約20万円ということでした。多く振り込んだ分を返してく れ、と言われないことがハッキリして安堵しましたが、組合としては、暮らせ る額として1コマ月額5万円は要求したい訳ですから、これぐらいで驚いていて はいけませんね。 K. S.


 

大学非常勤講師実態調査 アンケート 2002 全国調査にご協力いただき、どうも有り難うご ざいました。2月末段階で、475通に達しました。集計結果 ・報告は、4月頃に出版したいと考えておりますが、その際は、普及などで、 引き続き、ご協力お願いいたします。

参照HP:http://hijokin.hp.infoseek.co.jp/

http://hijokin.hp.infoseek.co.jp/news/200211_enquete.html

アンケート実 施者:首都圏大学非常勤講師組合・阪神圏大学非常勤講師労働組合

・京滋地区私 立大学非常勤講師組合(大学非常勤講師3組合)

 

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