首都圏大学非常勤講師組合機関紙

『控室』第39号

2001年5月27日発行

(WWW版:一部訂正)

正式名称:都区関連一般労働組合 大学・専門学校非常勤講師分会


 首都圏大学非常勤講師組合機関紙『控室』第38号
                2001年5月27日 発行
【都区関連一般労働組合 大学・専門学校非常勤講師分会】
【委員長】志田昇 Tel&Fax 0426-27-4420
【郵便振替口座】00140-9-157425 大学非常勤講師分会
【本部所在地】JR山手線・大塚駅・東京労働会館 5F
 〒170-0005 豊島区南大塚2丁目33番10号
       東京労働会館(ラパスビル)5階
 Tel 03-5395-5255 / FAX 03-5395-5139
【当組合の情報について】
 1) http://www.os.rim.or.jp/%7Etown/
 2) http://quoniam.social.tsukuba.ac.jp/union.shtml

本号の主な内容
専任決まりました!(第 1 面)
第 6 回総会報告(第2面)
団交・運動ニュース(第3面)
「長寿研」裁判を闘って(第6面)
クリップボード(第7面)
編集後記
付録:統一要求書・英語版



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専任決まりました!       

長崎に来て思うこと

       木村 博(当組合前執行委員)

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新年度から、組合員4名が専任教員として、各大学に着任しました。着任の喜び、 専任の立場から見た、今日の大学の問題点、非常勤時代の思い出などを 順次寄せていただく計画です。トップバッターは、昨年まで当組合執行委員として活躍され、 今春長崎の大学の着任された木村博さんです。(編集部)


長崎に来て、もう1月余りとなりました。この間、自分の研究室の本棚や机、パソ コンの注文から始まりその整理にいたるまで、テンテコマイでしたが、それもようや く最終段階にはいり、すこし落ち着いてきました。

その長崎で感じていることがあります。それは、まず、「居場所」ということで す。4月から自分の研究室をもつようになりましたが、そこを24時間いつでも使える ということは、それまでのぼくの経験からいってとても大きな出来事といえるもので す。昨年までは、週に13コマ以上を担当し、その上アルバイトもありましたので、お のずと複数の大学を掛持ちすることになります。日によっては、午前A大学、午後B 大学、夜C大学、予備校ということやら、同じ大学でも、午前D校舎、午後E校舎、 そして夜にはまたD校舎に戻る、ということもありました。むろんその移動だけで も、とてつもない消耗を強いられるわけですが、いっそうの問題は「居場所」です。 効率よく、同一の場所で連続的にコマを担当できれば理想ですが、現実はそういきま せん。具体的にいいますと、朝9時から(1、2限目)E大学で講義があり、つぎのF 大学が夜の最終時限1コマというのがありました。つまり、午前の授業が終わったあ と、つぎの授業が始まるまで8時間空くわけです。その間は、帰宅するわけには行き ませんので、いきおい、つぎの大学の図書館などで勉強の時間に当てることになりま す。でも、その頼みの図書館がいろいろな事情で閉館になるときは悲惨です。文字通 り自分の「居場所」がなくなります。昨年などは、図書館が閉館の上、(たびたびお こる)腰痛が重なり、しかたなくベンチの上で横になって休憩をとり、さいごの授業 をこなす、といった最悪のときもありました。(そうした経緯もありますので、話が やや飛躍していることを承知でいえば、非常勤講師組合が組合事務所を大学に要求し ていることは、自分たちの「居場所」を創造する点でとても大きな運動だと思ってお ります。)

もうひとつ感じるのは、研究費の有無についてです。この4月から研究費が用意さ れただけでなく、さらに「新任特別研究費」が別枠で使えるようになりました。3月 から4月にかけて、同じ人間の研究条件に、雲泥の差が生じたわけです。同じ研究能 力、同じ教育経験にもかかわらず、非常勤という名のゆえに研究費がゼロ、というの は、その内実からみて、とても理不尽なものです。むろん、こうした理不尽さはすぐ に解決できる類のものではないでしょうが、研究費に関連するものとしては、若干手 はあるように思われます。それは、研究助成をもっと活用することです。私事で恐縮 ですが、これまで、(ぼくは)民間の研究助成や学術振興会の奨励研究Bも含めて 3回ほどの助成を受けました。その助成金には大いに助けられました。なによりもま ず、自分の研究領域がずいぶん拡がりました。助成金によって、外国調査も可能とな りましたし、普段はなかなか買えない図書もまとめて購入できましたから。さらに、 民間の研究助成は専任も非常勤もひっくるめた公募のなかで選出されますから、その 採用は社会的なアピールにもなりえます。そのアピールがどれほどのものなのかは客 観的にいうことはできませんが、すくなくとも、社会的な評価は受けた、ということ ができると思います。そして、将来的な点も含めていうと、もし非常勤講師が研究助 成をどんどん獲得していくならば、いまは研究費を出さないことが当たり前であるか のようにふるまっている大学も、(研究費ゼロの状態を)無視しえなくなる状況も生 まれてくる、といえないでしょうか。つまり、民間や学振で研究助成を出しているの に、大学だけがそれを出さないことの理不尽さが客観的に浮き彫りにされてくるとい えないでしょうか。(そうなれば、団交での要求もより現実的なものになりうるよう にも思われます。)

非常勤講師という固有の層としての実力を、非常勤講師全体が、社会的にアピール していくこと――その有力な一助として研究補助金を捉えることができるように思わ れます。長崎に来てそんなことを思いました。


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首都圏大学非常勤講師組合

       第 6 回総会報告

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3月26日、 首都圏大学非常勤講師組合第6回総会がひらかれ、 当組合の昨年度の活動と今後の活動方針が報告されました。 組合内外の皆さんに広くお伝えし、ご意見・ご助力を求めたいと思います。 日本の未来を担う人たちを育てていく大学にとって、 何が一番大切なのか、考えていく機会になれば幸いです。 (編集部)


第1章 情勢

大学をめぐる情勢は一段と厳しさを増している。河合塾の調査によれば、Fランク (フリーパス)の学科をもつ私立大学は全体の四割に当たる194校にのぼり (『週刊朝日』2000年6月23日号)、 とくに短期大学の定員割れが目立っている。

この現象は、18歳人口の減少(ピーク時に200万人、現在は150万を割り、 将来は100万人になる)を背景としており、今後もさらに深刻化すると予想される。 また、国立大学の独立行政法人か実施されれば、国立大学の定員が倍増し、 一部の「名門」私学は別にして、 私立大学の過半数は倒産の危機にさらされる可能性が強い。

こうした中で、最近では、短大の廃校や4年制大学への吸収に伴い、 非常勤講師が大量に解雇される例(東洋大、東洋女子短大、成徳学園など) が増加している。 この動きは数年後には4年制大学にも波及し、 専任教員も含む大量解雇が発生することが予想される。

他方で、経営の安定している私立大学では、非常勤講師の待遇を改善して、 学生に対する教育サービスを向上させようという動き(明治、芝浦工大) も出始めている。 非常勤講師の待遇改善を主張する大学経営者も現れた (『カレッジマネジメント』2000年9月号参照)ことは注目にあたいする。

第2章 この間の成果

《雇用を守る闘い》

昨年の総会以降、新しい解雇問題で3件争い、2件解決した。T女子大、 NK大学については大学側が非を認め、 重大な労使紛争になる前に解雇を撤回させることができた。 G大の解雇事件は現在交渉中である。争議件数が減ったのは、 全員(または大量)解雇の場合、諦める人が多いためと思われる。

また、都区一般の他の分会および本部が取り組んだ教育関係の解雇事件は、 5件あり、いずれも当分会の支援により解決することができた。 東京経済大学臨時職員4名に退職金700万円。A大学臨時職員賃金前払いで退職。 D大学付属高校非常勤講師は雇用継続。小平市学校事務員(嘱託)雇用継続。 なお、当分会のKさんは、Jフォーンの子会社から契約期限内に解雇されたため、 残りの期間の賃金の6割と一時金を獲得した。

《待遇改善の闘い》

前総会以降、明治、法政、立正、神奈川工科、湘南工科、白梅、 東京医薬などで待遇改善を求めて団体交渉が行われた。 主な成果は以下とおりである。
 明治大学では月1コマ最低で28800円(2100円アップ)に
 白梅短大で月1コマ500円アップ実施(8年ぶり)
 法政大学では月1コマ最低で27000円(300円アップ)
 神奈川工科大で5%アップ。
 明治、法政、湘南工科で組合掲示板
 明治、立正大で健康診断(全員)

《仕事の紹介・斡旋・創造》

組合ホームページの公募情報は、好評で、今年もこの情報にもとづき Kさんら組合員が専任教員になることができた。今年、 専任教員として就職することが決定したひとは少なくとも4名。

非常勤の仕事の紹介を求める組合員は多いが、 組合の力不足でほとんど斡旋には成功しなかった。

仕事の創造のためにユニオン・カレッジを作る構想は、NPO(非営利団体) 「教育文化ネットワーク」という形で具体化された。 このNPOは形式上組合とは別組織なので、協力の仕方について今後協議を進める。

《本の普及》 (略)

《専任教職員の組合との共同》

明治大学、中央大学、青山学院大学などの専任の教職員組合と話し合いの場をもった。 今後も大学当局との交渉と平行して、組合間の話し合いを進める。

第3章 組織建設

この間、名簿の整理をしたため組合員数はほぼ横ばいとなった。 ただし加入者は毎月2名程度あり、実質的には増加傾向にある。 年内に200名の目標を達成したい。 『控室』は今年度、6回(昨年度は8回)発行した。

前総会の決定に基づき、教育関係の分会(当分会、大学職員、職業訓練校、 私立高校、学校事務、など)をまとめて教育一般支部(教育ユニオン)を 6月頃に立ちあげる。

第4章 2001年の方針

今年も最大の課題は春闘である。現在、専任教職員の賃金は、 現状維持が普通であるが、非常勤の場合は、 闘えばかなりの賃上げが実現できる条件があり、 明治、中央、法政など主要大学では1コマ3万円まであと一歩のところに来ている。 20大学・専門学校と交渉をもつことを目標とする。

第二に、未解決の解雇事件(筑波大スキルムント事件裁判、 プログレス英会話学校事件裁判、東洋大、相模女子大など) の解決をはかる必要がある。


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団交・運動ニュース

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 理不尽な雇い止めの撤回、労働条件改善のための団交は、 組合活動の基幹をなすものです。 最近の団交の経緯・成果の報告を当事者にお願いしました。 組合結成以来の団交成果一覧もあわせてご覧ください。(編集部)


NK大学のとんでもない助教授による雇い止めとその交渉

私はNK大学・憲法の非常勤講師です。 大学では専任の助教授と2人だけで大学の憲法講義を担当していました。 その助教授は私の先輩にあたり、共通の恩師を通して、 一昨年の秋期から中途退職した非常勤講師の後を受け持つことになりました。

さて、秋期は無事に終わりましたが、昨年度春期の初日に突如、 S学科以外は私の講座を受けてはならない、例外は認めない旨の掲示が張られました。 秋期の初日には教務課のミスで私の講座の二つのうち一つが記載されず、 翌週は祭日のため講義が3週目にスタートするという事態になりました。 受講生は半減し、昨10月末にはカリキュラム変更のためという理由で、 教科主任から雇い止めを言い渡されました。

私は計画的な嫌がらせを疑い、組合の志田昇さんに連絡を入れ、 教務部長と話し合いを持つことにしました。 春期の時点で、某内部関係者より、 助教授が教科書を学内書籍部よりも高額で自ら学生に販売し、 その他文具まで販売し私利を得ている可能性を指摘されていたからです。 受講生が私に流れることを危惧したようです。 なお、私の前任者は助教授と同じ教科書を使用しており、 特に指示のない私は教科書を自由に指定していました。 そこで、雇い止めの理由の開示と、 理由が納得できない場合は最低1年間の雇用延長か 相当の慰謝料を請求することにしました。

初回の非公式な話し合いには助教授も同席し、 教務部長そこのけで意味不明な言い訳がばらまかれました。 志田委員長とともに教科書販売の件を指摘すると逆上し、 その日はそれ以上話が進みませんでした。 2回目以降も雇い止め理由は定かでなく、 3回目にはどうにも話し合いが進まないことを感じました。 そこで相手を総務課に変えて交渉を申し入れたところ、 今年1月、総務の方から大学外に出向いて交渉したいとの連絡が入り、 その交渉ですぐ1年間の雇用延長と教科書の適正販売が決まりました。 大学では理事長らが助教授を審問し、総務に交渉を任せると決定したそうです。

正式な団交には至りませんでしたが、今回の交渉を感じて強く思ったことは、 おかしいことはおかしいと声を上げなければ正当な意見もかき消されてしまうが、 ねばり強く交渉することでこちらの真意が通ることもあるのだということでした。 (H.M.)


2000年度の団体交渉を振り返って

−前進の見られない法政大学当局の回答−

2000年度の法政大学の春闘は、6月15日に第一回目の団体交渉からはじまり、 以下、7月に第二回目の団体交渉、10月に第三回目の団体交渉、12月に第四回、 2001年2月に第五回の交渉と、回数こそ多くもたれたものの、 時間は1時間ないしは長くて2時間と最初から制限され、しかもその内容は、 到底私たちが納得できるものではありませんでした。

成果としては、賃金単価の月額わずか300円のアップと、 労働災害保険への加入を周知徹底させるという以外、 私たちの要求は全て突っぱねるという姿勢が露骨に見られました。 しかも、従来は無償で貸し出していた教室を、「非常勤講師は外部の人間」として、 教室の借用を有料化するなど、大学当局の姿勢には、 教育者としての非常勤講師の役割を正当に評価しようとする態度が 全くといってよいほど欠落していました。さらに、 私たちが長年要求している非常勤講師のコマ数で受け持つ学生数や 比率などについての情報公開を、今回も拒否するという姿勢を取り続けました。

総じて、非常勤講師への大学当局の姿勢が露骨になった2000年度の団交でしたが、 組合の掲示板設置を勝ち取るなどの前進もあり、 大いにこれらを活用していきたいと思います。

組合員各位にもご協力のほどよろしく御願いします。(文責:執行委員・南雲和夫)


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団交成果一覧

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「雇い止め=解雇」撤回の団体交渉の結果一覧

(組合結成以来:年度=解雇該当年度)

年度大学・学校名人数団体交渉の結果(獲得成果)
1997東京医薬専門学校2雇用の継続、コマ数と科目数は交渉継続
1997E専門学校11年間に限り雇用の継続 (1コマ分の給与のみの形)
1997S学園1ピ−ク時の給与5年分相当の解決金500万円の獲得
1997K大学1解決金100万円(給与1年分)の獲得
1998神奈川大学1雇用の継続、5コマ回復
1998YMCA語学ビジネス専門学校1雇用の継続、2コマ回復
1998K女子短大1雇用の継続、2コマ回復
1998T文科大学1雇用の継続、2コマ回復
1998S大学1見舞金50万円と1999年度の復帰
1998千葉商科大学1産休・育休1年間の後に準専任として復帰
1999白梅短大2コマ数減の撤回
1999K予備校1雇用の継続
1999A専門学校2解決金500万円の獲得
1999ESP学園1雇用の継続、雇用条件改悪の撤回
1999法政大学1雇用の継続
1999帝京大学2未解決
1999相模女子短大1交渉中
1999東洋大学1交渉中
1999G学院1解決金280万円の獲得
1999N財団1和解
1999東京医薬専門学校2コマ数減の撤回
1999札幌国際大学12000年度に復職(3コマ)
1999C専門学校1解決金獲得
1999徳島文理大学1地労委で和解・職場復帰
2000R大学4全員雇用継続(1人は賃金68万円のみで講義なし)
2000カリタス短大1解決金33万円の獲得
2000明治学院大学1解決金80万円の獲得
2000Jホーンの子会社1契約期間の賃金の6割と一時金
2001T女子大1雇用継続
2001NK大学1雇用継続
2001G大学1名誉回復のための大学主催の講演会開催
2001T短大11年分の賃金(82万円)と雇用(肩書き)継続
2001T大学1金銭解決の見込み

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「長寿研」裁判を闘って

                    Y.N.

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私は40歳で現在都内私立大学の非常勤講師(兼任講師)をやっていますが、 これは月に1万5千円の給料しか出ないものです。基本的に私は研究者で、 学位取得後は何年か研究所でポスドクとして働いてきました。 ご存知のようにアメリカをまねたポスドク制には弊害も多く、 若いうちは「好きなことを存分に出来る」という理由でポスドクを勧められますが、 35歳を過ぎると常勤職はもちろんポスドクさえ無くなります。 40歳を過ぎて放り出されることも多いのです。特に女性は大変です。 以下に私の裁判の内容を書きます。 教育職ではないとは言え、非常勤のつらさや契約の曖昧さなどは同じだと思います。

1996年秋頃、国立精神神経センター・神経研究所の流動研究員だった私は、 これが 1997年5月までで終わるため、職を探していました。年齢も36歳でしたし、 常勤職を熱望していました。しかし、なかなかありません。1997年になって、 国立栄養研究所のある研究部から、ぜひ流動研究員出来て欲しいと言われましたが、 3年で終わってしまうポストでは困るので、お断りしました。 他にも非常勤のポストしかなく、困っていました。3月になると、 癌研究所の非常勤研究員(ただしこれはボスがいる間はそこにいられる)しかなく、 これに応募し、次の部長会で承認されるということころまで来ました。 ちょうどそこに私の知り合いから国立中部病院・長寿医療研究センター (これは名前だけで National center ではない。通称「長寿研」。) の分子遺伝学研究部、部長の M 氏を紹介され、メイルを出しました。 私の知り合いから当時その研究部の室長ポスト (常勤研究員・同研究所には常勤の研究員は部長と室長のポストしかない) があるんじゃないか、tryしてみたらどうか、と言われて出したものです。 内容はポストを探しています、というものでした。

さてそれに対し、彼は
 1)ここには常勤職はなく、流動研究員がある。ただしこれは3年で終わるものではなく、 何年でも更新可能。
 2)サラリーのプロモートは可能です。
 3)流動の給料に自分の研究費からの補充もする。
 4)また、科学技術振興事業団の特別研究員に応募すれば、必ず取れる。 (これは待遇が非常にいいものです。)
 5)戦略(CREST)に応募するが、これが取れたら年間 6,000,000円(給料が)出せる。
 6)長寿研は近い将来national centerになる事が間違いなく、 そうすれば常勤ポストが増えるので、その時点で積極的に採用する。
 7)自分はラボマネージャーになれる人を探している。
等と書いたメイルをよこしました。特に私は条件を良くして欲しいなどとはいってい ないのですが、なんだか、私に来て欲しいようでした。その後3月中に彼に2回会 い、彼は「貴女に是非来て欲しい」と、書いてきました。

私は夫もおり、東京で勤めていましたし、出来れば東京で就職したいと思っていま したが、なかなか常勤職はない所に、上のように書いてこられました。 これは「近い将来ポストに就ける。それまでは非常勤の流動研究員だが、 ポストが出来るまで更新でき、単身赴任になる分サラリーも上乗せがある。 また、その間、3年間は特別研究員になれるので待遇もいい。うまくいけば、 一時的には CREST の研究員になって、高い給料も保証される。」と読めました。 しかし、すべて嘘だったのです。

2)3)について:赴任してすぐの1997年6月中旬、「サラリーはどのように プロモートしていただけるのですか?」と聞きに行くと、 「なんで給料もらってる人にお金を上げるの? 考えたこともないから、書くはずはない。あげるんなら大学院生にあげるよ。」 と言われました。「でも、メイルでそのように書いてこられました」 と言うと、「じゃ、見てみる」と言われましたが、そのまま無視されました。

1)について:7月、困ってセンター長に報告に行きました。 センター長はメイルを見てびっくりされ、「これは大変だ」と思われました。 またこの時、「流動は3年で終わりであり、更新は出来ない。」と言われました。 また、同研究部の室長ポストは空いており、募集中でした。常勤職はあったということです。

4)について:科学技術特別研究員は取れませんでした。 (裁判の中で「あみだくじ」で決めた、とM氏は証言しました。)

5)について:CRESTは取りましたが、研究員になると言う話はでませんでした。

6)について:現在は長寿研が将来national centerになる、と決まりましたが、 当時はまだ病院長、センター長らが厚生省に頼んでいた時期であり、 何も決まっていなかったのです。 また、national center になるとなった現在、 「研究員は部長、室長以外には増えない」と、病院長が明言しています。

さて、オファーされたことがすべて嘘だった上、 これを知ったセンター長に何度も怒られ、「謝れ」と言われ、 「自分は何も悪くない!」と怒った M 部長は私に色々と意地悪を始めました。 (セミナーで「Y.N.は仕事もしないのに、金を欲しがる」 「ラボを引っかき回している」「どう見ても仕事をしているとは思えない」等と みんなの前で何度も言う。無視する。にらみつける。 わざとセミナーで答えられないように言いがかりをつけ、罵倒する。 400万円もの抗体の発注を命令しておきながら、私が辞めることになった途端 「勝手に高いものを注文しておいて、辞めるとはサイエンティストとして無責任だ」 と罵倒する。自分のスライドを使って研究会でしゃべるように命令したのに、 スライドを見せてくれない。等々。言い出せば切りがありません。) 結局、センター長のはからいで、12月に所内異動してもらい、 1998年3月に辞職になりました。 しかし、私の研究者としての大事な時間は帰ってこないし、 また短期で異動という極めて悪い状態になりました。 さらに、私が愛知県にずっと勤めることになるかもしれなかったので、 夫も愛知に職を変えました。(偶然ですが同じ研究所の、違う部です。) 私は現在東京の私立大学におり、結局、私たち夫婦は離れて暮らすことになりました。

これまで、通常このようなことがあっても多くの人は その後の就職のことなどを考えると、 我慢して泣き寝入りしてしまうものですが、 それを続けていてはいつまでたっても彼らは同じ事を繰り返します。 そこであまりにも理不尽な事に納得できなかった私は、弁護士さんに相談し、 少なくても出すと言ったお金と精神的な損害は賠償してもらおうと思い、 訴訟を起こしました。センター長も証言者として出廷してくれました。 この訴訟の中でも、M 氏は「 Y.N. は自分のコンピュータに不正にアクセスし、 メイルをコピーした」「9月からはほとんど来なくなり、 11月はまったく仕事に来なかった」などと、思いつきの嘘ばかりのべたてています。 もちろん、学会などで、上記のようにM氏が私のことを悪く言うことは十分に想像できます。 全部嘘なのに。 現に私自身は何も言っていない関東の友人から「M部長を訴えてるんだって?」 と聞かれたことがあります。彼があちこちで悪口を言って回っているようです。

最終弁論が先月に終わり、7月6日に判決が出ます。 学問の世界を少しでも風通しを良くするために頑張っています。 今後ともよろしくお願い申し上げます。


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クリップボード

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(1)『控室』原稿を募集します!

★組合員か否かを問わず随時受けつけ。掲載段階で匿名可(連絡先は必ずご通知のこと): プライバシ−厳守;電子メ−ルによる原稿を歓迎。 短い記事・通信の類は送信者に断りなく『控室』読者の声などとして 匿名で掲載することがあります。 また最近の組合運動関連出版物等、当組合員の最近の学術出版等の情報もお待ちしています。 原稿送信先(編集担当者宛)は次の通り。
【E-Mail】s-kkch@pa2.so-net.ne.jp
【FAX】0489-59-5004

(2)公募情報などの収集・配布

★大学教員等の公募情報を電子メ−ルで送信中。受信希望者は下記まで。 但し、 当方の都合による遅れ・中断・中止あり。 公募の情報 / 情報源情報を下記連絡先にお寄せいただければ幸いです。
【E-Mail】s-kkch@pa2.so-net.ne.jp
★公募情報も含め当組合に関する現在の状況は
  http://quoniam.social.tsukuba.ac.jp/union.shtml
 ないしは<組合本部>  http://www.os.rim.or.jp/%7Etown/  をご覧ください

(3)組合関連―現勢・雑報―

★当組合の現勢は3ケタ(2001.5月現在)。ドンドン仲間を増やしましょう。 手渡しや非常勤講師用メ−ルボックスへの投函などで『控室』を配布できる方は、 FAX: 042-593-0302 まで、送付先(配布住所・氏名など)、配布する大学(学部)・ 学校名,配布部数をお知らせ下さい。 所属学会・研究会等々で宣伝や支援要請なども試みて下さい。

(4)韓国「非常勤講師」の待遇「大幅改善」 −組合員情報−

韓国のハンギョレ新聞 2001年4月25日付記事

「時間講師 2000名専任教員に/教育部  三年間国立大任用 講師料も7千ウォン引き上げ」によれば、 日本の非常勤講師にあたる韓国の時間講師 2,000名が政府の文教政策により 2004年までに国立大学の専任教員として採用されます。 記事内容は以下の通り。

来年より3年間で時間講師2千名が国立大専任教員に任用される。 韓ファンサン副総理兼教育人的資源部長官は、24日午前青瓦台で来年より 2004年まで国立大専任教員を毎年約670名ずつ計 2,000名を増員したいと 金大中大統領に報告した。また、専業時間講師の時間あたり講師料を 2学期より現在の 2万3千ウォンから3万ウォンに引き上げることを明らかにした。 2,000名の時間講師を専任教員に任用することは、約600億ウォンになる。 時間講師の専任教員任用が計画通りにすすめば、 2004年の国立大学教授確保率は現在の 65%から 75%に上昇すると教育部は説明した。 教育部は同時に全国のあらゆる大学の時間講師に、退職金と国民年金、 健康保険の恩恵を与えることで生活安定もすすめることにしたという。 現在全国の 4年制大学の時間講師は44,646名で、 全体の大学講義の38.4%を担当しており、 その内他の職業をもたない専業時間講師は 9,197名に達する。
(情報提供組合員の注記: 1,000ウォンは約100円;記事の 「教授」とは教授・助教授・専任講師を総称していう場合と、 個人の身分をさしていう場合があり、記事の場合は総称で、 日本の大学教員に相当する。)

(5)『控室』読者の声

【1】私は大学常勤者ですが、かつて非常勤の時代が長く、 これまでも非常勤講師組合の活動に強い関心を持ってきました。 実は家族が東京外国語大学で非常勤講師をしていますが、同校では、 合理化と称して通勤距離 8キロ未満の非常勤講師に鉄道運賃を支払わない という通知を出しました(同校「非常勤講師来校旅費支給基準」による)。 8キロといえば、徒歩での通勤はとても無理で、 これは不当労働行為に当たるのではないかと思うのですが、 どのような形でどこに相談すればこのような問題が解決するのか、 知恵を拝借できれば幸いです。交通費は支給しないが、 来校旅費の申請書類は全員出せという通達をみて、 唖然としてしまいました。 (2001.4.29 HN)

(6) 「闘争中の事件」コ−ナ−

当組合では未解決事件のうち、 特に悪質な例をホームページで広く世間に告発しています。現在
(1)東洋大学不当人事(解雇)事件
(2)帝京大学不当解雇事件
(3)相模女子大学不当解雇事件
(4)筑波大学外国人教員スキルムントさん事件
の4件を掲載中。


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【編集後記】

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新編集委員会による『控室』第 1 号 をお送りします。 4月30日、第1回編集会議がひらかれました。 みんなで協力して頑張っていきますので、今年度も愛読してください。(美)
★朝日新聞社『論座』2001年5月号に興味深い記事発見: 日本の大学の非常勤講師制は東大総長も認める「日本の大学の恥部」 で改善したいそうです。(K)

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志田昇訳

『トロツキーわが生涯(下)』

岩波書店(文庫、本体1,100円、2001年3月)

ISBN4-00-341280-X (全2冊完結)

十月蜂起からブレスト=リトフスク講和交渉のドラマを経て内戦へと至る 革命のダイナミズム。レーニンおよびスターリンとの関係。「勝利」から「失脚」 そして「追放」へ・・・。トロツキーがその真実を語る。

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皇帝ネロの家庭教師は、どんな哲学思想を残したか?

鈴木暁訳、ピエール・グリマル著

『セネカ』

白水社(2001年1月、文庫クセジュ835)

ISBN4−560−05835−0定価(本体951円+税)

ストア派の哲学者として、皇帝ネロの「家庭教師」をつとめたセネカ。 彼は多くの道徳書簡や戯曲作品を残す一方で、ローマ帝政の実権を手中に収めていった。 本書は、セネカの全生涯をたどりつつ、彼の哲学思想の本質を仔細に検討する。 古代ローマ研究の碩学として名高いグリマルによる、セネカ解読の手引き。

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『控室』第39号 付録:English version
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The Union of Part-time Lecturers in Tokyo Area:

The Collective Requests for the 2001 Annual Spring Offensive

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At the private universities in Kanto Area (Tokyo Area), the number of part-time teachers is far greater than that of the full timers; at many schools more than 50% of their total classes are being taught by part-timers, about half of whom are without no home base schools and have to live on the incomes from teaching part-time at various colleges. During the 20 years from l975 to l995, there was 95% increase in the number of part-time teachers; almost twice of only 25% increase in full-timers. In spite of the fact that the part-timers thus play a great role in university education and research work and the fact that the ratio of the number has been getting greater, the part-timers are incredibly mal-treated.

For example, though, at some universities (Meiji, Hosei, Kanagawa Technical) wages have been improved since the establishment of the union, many other schools standard is around Y25,000 per class per month (Y300,000 per year). Even if he or she taught 5 classes, as in the norm of full-timer, she or he gets only about Y500,000. This is only 1/7 of a full-timers annual salary, which is from Y9,000,000 to Y12,000,000.

The retirement fee and insurances (unemployment and social security) included, a full-timer gets more than 10 times, and after the inclusion of the grants for research expenses, expenses for books, or attending at conferences, and miscellaneous expenses (office telephone, etc.), a part-timers income becomes only 1/20 of that of a full-timers. The discrimination is not only against the principle of Equal wages for equal labor, but also against Public order and standards of decency (according to the verdict of Nagano District Court on Maruko Alarm Device Case). Furthermore, since what college teachersユ responsibilities are for education and research work, part-time teachers are equally asked to meet the required standard in ability and achievements in that field. Yet, they have no access to the grants of research expenses or conference attending, or any privilege for contribution in school journals. They have no office of their own to prepare for their classes or help their students with their questions or problems in.

As part-time teachers are on the 1-year-contract, they are in extremely insecure position. Since the recent tendency is toward abolishing or minimizing the number of 2nd language classes, a great number of part-timers have lost their jobs. Moreover, with the closure of junior colleges, we have witnessed a mass dismissal of part-time teachers (Toyo University, Toyo Womenユs Junior Colleges, Seitoku Gakuen, etc.) The transfer of junior college full-timers to the 4-years also forces out the part-timers. This is also the case when night class divisions are closed or united with day class divisions. Due to the decrease in the youth population, the number of students is less than the quota at many colleges, which accelerate the tendency of dismissal of part-timers or diminishing the number of classes they teach. Administrators taking advantage of this tendency, we have a case after another of a part-timers unjustifiable dismissal.

The Union of Part-time Lecturers in Tokyo Area has taken up 30 cases since it was organized 5 years ago, in 26 cases (31 teachers) of which we have been successful in making the administrators withdraw the dismissal notice. (Beside these we supported 3 part-time or temporary office workers and won the cases.) However, the reality is still unfavorable and many teachers are helpless even when they are dismissed from a school where they have taught for 20 or 30 years.

This situation causes the degradation of college education, causing the disappointment of students: an implication that universities are not fulfilling their responsibility for the communities. Therefore, we must say that for the improvement of university education and research activities, the improvement of part-time teachers position is urgent necessity.

Recently unions have been organized in various areas (Kyoto-Shiga, Osaka-Kobe, Kanto) and the media began to make more and more reports about the part-time teachers being unfairly treated. This tendency influences some of the administrators to say: Part-time teachers are treated poorly in Japan, and now they are organizing a union. Actually, part-timers are more skilled in teaching and more favorably received by students. (Hiromi Ishikawa, Chairman, Shibaura Tech. U. Board of Trustees) Well greatly improve the treatment, and thus better the quality of university education. This is my policy. (Kazuo Noda, President, Miyagi U.) (Both quotations are from College Management Oct. 2000.) We make a request to universities and the Ministry of Education and Science that the part-time teachers treatment be improved so that they may be able to freely and proudly engage in teaching and researching.

I Defining Our Social Position and Investigating Our True State of Affairs

  1. How many classes does each university depend on how many part-time teachers? (Classify those who have full-time position and who have not.)
  2. Their working conditions (wages, etc.)
  3. Teaching/Researching conditions (availability of a private office, extra fee for researching or making copies, free access to the library, etc.)
  4. Inquiry after the life style of those whose entire incomes depend on part-time teaching.

II For the Security of Teaching Position

III Improvement of Working Conditions

IV Improvement of Research and Teaching Conditions

V Prohibition of Full-time teachers Teaching Part-time

VI Part-time teachers as well as full-timers should be exempted from the obligation of paying back her/his scholarship money, or extend the grace period.

VII Provide a bulletin board and an office for the part-time Teachers Union. (The bulletin board is provided at Shiraume Junior, Meiji, Hosei, Shonan Tech.)


For additional info, if you are an English-speaking non-Japanese, please contact:
  1. Tel: 03-3977-3757
  2. Tel: 045-543-2960; E-mail: Meat113@aol.com
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