首都圏大学非常勤講師組合機関紙

『控室』第33号

2000年4月29日発行

(WWW版:一部訂正)

正式名称:都区関連一般労働組合 大学・専門学校非常勤講師分会


 首都圏大学非常勤講師組合機関紙『控室』第33号
                2000年4月29日 発行
【都区関連一般労働組合 大学・専門学校非常勤講師分会】
【委員長】志田昇 Tel&Fax 0426-27-4420
【郵便振替口座】00140-9-157425 大学非常勤講師分会
【本部所在地】JR山手線・大塚駅・東京労働会館 5F
 〒170-0005 豊島区南大塚2丁目33番10号
       東京労働会館(ラパスビル)5階
 Tel 03-5395-5255 / FAX 03-5395-5139
【当組合の情報について】
 1) http://www.os.rim.or.jp/%7Etown/
 2) http://quoniam.social.tsukuba.ac.jp/union.shtml
本号の主な内容
「不自由への慣れ」を脱して第5回総会開催 (2面) ◆非常勤講師派遣システムの提案 (4面) ◆団交・運動ニュ−ス (6面) ◆編集後記 (7面) ◆クリップ・ボ−ド (8面) ◆『大学危機と非常勤講師運動』合評会のお知らせ(10面) ◆当組合へのカンパ団体のご紹介(12面)


就職

 当組合の執行委員から二人が、めでたく、この4月より専任教員として働き始めました。 その一人が初代委員長の斉藤吉広さんです。 組合の再三の警告を無視して、組合活動を理由 に違法解雇を強行した東洋大学のような悪質大学があるなかで、 委員長経験者が専任教員に就職できたということは、 日々精 を出して活動している組合員に大きな希望と勇気を与えて くれる大変意義のある、喜ばしいことです。 と同時に、組合加入に二の足を踏んでいる人に も加入を決意させるよいきっかけとなることでしょう。 今号では、まず斉藤さんに寄稿してもらいました。

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「不自由への慣れ」を脱して

斉藤 吉広

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 4月から、稚内北星学園大学の専任講師として仕事をすることになりました。短大 の4大化に伴う、20名から30名への専任教員増員に滑り込めたのです。ここがど んな 街か、なんていうのんびりした話はよほど紙面に余裕がある時にまわすことに します。

 稚内に来たばかりのころ、ガス料金の口座引き落としの手続きの際、「うちは引き 落としが7日か17日なんですけど、どちらにしますか?」 と聞かれて「まだ給料日がいつなのか聞いてないけど・・・7日にして下さい」 と答えました。その時咄嗟に考えたの は、「7日の方が、給料日直前の可能性が低い」ということでした。 しばらくしてから、 「あ、もうそんなこと気にしなくていいんだ」 ということに気付いて一人苦笑いしました。実際、 8年間の非常勤生活の中では『残高不足で引き落としできませんでした』という 通知の来ることはそんなに珍しいことではありませんでしたから、 つい、気にしてしまったんですね。

 さして高額の買い物をするわけでもないのに、日常的に、銀行の残高を意識してい なければならない生活というのは、不自由です。そのことに改めて気付きました。

 これを書いている時点では、 研究室には備品が置いてある以外まだガランとしたまま。 鍵はもらってあって、 巻き尺で寸法を測ってレイアウトをあれこれ考えたりしている段階です。 でも実感したんです。鍵をかけて、占有できて、自由に使っていい空間--自分の "居場所" -- が大学の中に存在するということの重要性を。

 『控室』創刊号から引用させて下さい。 「私たちは、大学の『非常勤講師控室』で、 同じ境遇の仲間たちと顔を合わせていながら、 たいていは会話を交わすこともなく、孤独に授業に向かいます。 しかも私たちは、当の大学にとって『控え』であるだけでなく、 その社会的存在としても『控え』となっていると言えるのではないでしょうか。 この機関紙名『控室』に込めた思いを、 みなさんにもきっと共有していただけると思っています。 /控室にバラバラに放り込まれた私たちは、孤立したままでは、 研究や生活や労働の条件を改善することはできません。 今までは要求する主体がなく、したがって何も要求してこなかったからこそ、 何も改善されなかったのです。 私たち4人は、集い、交流し、調査し、 要求する場としてとにかく労働組合をつくってしまいました。」

 物理的に"居場所"がないということは、 私たちが精神的・社会的な意味での "居場所" を奪われ、 不自由を強いられていることの象徴でもあったのです。 この機関紙名の発案者が誰であったのかは忘れましたが、 「最初の4人」で話し合っているとき、 「あ、それいい」とすぐに合意されたことは覚えています。 非常勤講師控室のあの独特の居心地の悪さに、 非常勤講師問題の重大な側面が集約されていること、 そのことが直感的に了解されたということではないかと思っています。

 今回、運良く「自由」の側に渡ったことによって、 「不自由」の「不自由さ加減」を再認識できたようです。 しっかりと覚えておこうと思います。そもそも私たちの運動は、 「非常勤なんてこんなもの」 という慣れや諦めから脱しようとするところから出発したのでした。

 実は今回、同大に新規採用された人の中に、 僕の "組合肩書名刺" を見て「『控室』にはいつも励まされていまし た」 と言って下さった方がいます。また、賃金アップの団交 成果が上がった大学で仕事している人は、 「いつも代わりにやってもらっちゃって」 とカンパ申し出てくれました。 いずれも組合員ではありません。私たちの運動は、 見えないところでも、人を励ましているのです。 そしてその範囲は専業非常勤講師という枠にとらわれるものではないはずです。 そこに確信を持って、 励まし・励まされるようないろいろなつながりを創り育てていきましょう。

 因みに、専任職を得たからといって、 そのことで「転向」して非常勤差別主義者になってしまうような輩でない限り、 自動的に組合員資格を失うという仕組みにはなっていません。 僕は継続して組合員です。今後ともよろしく。

 (2000.3.26記)

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春闘交渉に重点をおいて

―第5回総会開催―

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 平成12年3月26日(日)、東京・大塚にある都区関連一般労働組合本部で、 当組合の第5回総会が開催されました。 組合員28名(委任状参加者を含めると約80名)、来賓を含む外部から10名が参加し、 活発な議論が展開されました。

当組合の周辺をめぐる状況 〜来賓の挨拶より〜

 都区関連一般労働組合本部(当組合の上部組織)、都大協、東京私大教連、中学・ 高校の東京都非常勤講師組合、UTU(外国人教員の組合)、 東京経済大学の非常勤職員の方々が来賓として出席され、 大学をめぐる昨今の状況、パ−ト教職員の待遇に関して貴重な 報告がなされました。主な点は、

1)大学に限らずいろいろな職場で、 パ−トや非常勤のような不安定雇用労働者に対する 雇用打ち切りが行われている。いじめや人権侵害的なものまである。 こうした状況下で、 雇用を守るための闘争が、その方法を模索しながら行われている。
2)国は、「国立大学独立行政法人化」を打ち出し、 国民の教育という責任を投げ出してしまった。 つぶれる私立大学がいくつか出るのは仕方ないという態度をとっている。

 この後、委員長より、議案書に沿って、 1)非常勤講師をめぐる情勢、 2)平成11年度の活動成果、 3)組合組織の改組、 4)平成12年度の活動方針の順に説明がありました。

続けて、会計より、 5)平成11年度の決算報告、会計監査より監査結果が報告されました。さらに、 会計より、6)組合費を納入していない組合員が少なからずいて頭を悩ませている 旨報告されました。こうした報告の後、1)〜6)について、全体討議に入りました。

非常勤講師をめぐる情勢

 委員長は、「18才人口が急激に減少する中で、多くの私立大学は、 人件費を節約しようとして切りやすい非常勤講師をリストラしようとしている。 帝京大や東洋大で大量解雇が行われている。 またカリキュラム改編に便乗して、あるいは一部の専任教員の気まぐれで、 非常勤講師を解雇する場合もある。 しかし人件費節減という目的で非常勤講師を解雇しても、 大学の経営改善には全くつながらない。 なぜなら、もともと非常勤講師の人件費は安く、 専任のそれの1/10〜1/20でしかないからである。 非常勤を解雇し、専任の労働強化をすれば、 学生に対する教育サ−ビスも低下し、大学の評判は落ちる。 そこで人気落ち目の大学は、 なりふりかまわぬ大広告を出して学生を集めようとしている。 これは大学の『キャッチ・スク−ル化』である。」 という趣旨の説明を行いました。

平成11年度の成果

 委員長より、雇用を守るための闘いに関して、「この1年間の活動の特徴は、 1)マスコミが多く報道してくれたこと(「アエラ」1999年9月6日号、 「週刊朝日」2000年2月5日号など)、 2)当組合のホ−ムペ−ジによる宣伝(特に悪質な大学は名前を出して告発)を 行ったこと、3)入学・卒業式、オ−プン・キャンパス、大学祭でのビラまきにより、組 合の存在を広く知らしめたこと、4)当組合が全国組織の機能を果たし始めたこと(組合 員は北海道や四国にもいます)」などが指摘されました。また、待遇改善の闘いに関して 、「約10大学・専門学校と交渉し、法政大、関東学院大、湘南工大、神奈川工大、 白梅短大などで賃金アップ等の成果があった」旨、報告されました。

組合組織の改革について

 組合員数も増加傾向にあることをふまえ、執行委員30人体制を維持し、書記長・書記局 の充実性が指摘されました。その他、編集、ホ−ムペ−ジ、外国人女性問題担当、 大学ごとの連絡会の設置の必要性も指摘されました。

平成12年度の活動方針

 平成12年度の活動方針として、委員長より、「1)最低給でも3万円/月を早く実現でき るように、春闘によって闘う必要があること、2)東洋大・帝京大・相模女子大・長岡リ リックホ−ル・筑波大の未解決事件の早期解決を図ること、3)ユニオン・カレッジ(組 合立大学)を設立し、小人数教育による教育サ−ビスを提供すること、4)関西の組合と 協力して、非常勤講師問題の全国レベルの運動を進めること」が説明されました。

組合費滞納者に対する問題

 組合費の滞納者が多いのは問題であることが会計から指摘されました。 この問題を全員で協議した結果、 1)生活に困窮して本当に月800円というミニマムが払えない人もいる、 2)忘れて、あるいはさぼって払わない人もいるのも事実であるから、とにかく請求書は 送るべきだ、3)執行委員が分担して電話により催促する、などの意見が出されました。 結局、こうした意見をふまえて、会計係を中心に執行部で対策を考えることになりました。

その他

 専任の教職員組合とも連絡をとり、話し合いを持った方がよいという意見が出されまし た。ただ、非常勤の解雇事件の場合、解雇を決めるのが専任という場合もあり、専任と非 常勤で共闘できるかどうかは一概には言えないことも指摘されました。また、専任・非常 勤を含めた組合によって解雇を撤回させた例もあり、大学運営や教育について提言してい くべきだという意見も出されました。

 また当組合のホ−ムペ−ジのさらなる充実を求める声もありました。また、『大学危機 と非常勤講師運動』も紹介されました。こうした議論の末、議案書は全会一致で採択され ました。

 最後に新執行委員の選挙が行われ、候補者全員が信任されました。総会は5:30まで続 き、6:00より懇親会が開催されました。約20名が参加し、近況や日頃の考えを述べて、 会場は終始なごやかな雰囲気につつまれていました。


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非常勤講師派遣システムの提案

市村 茜

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 くつろいでいる夜のひととき、突然思いもかけない人から電話がかかってくる。 「非常勤講師をやりませんか」と。私自身はこれ以上コマ数を増やす必要がない場合でも、 このまま断わる気にはなれない。博士課程修了後の最初の非常勤がなかなか見つからなか ったという経験を持つからだ。非常勤とはいえ、身分があるか無いかでは、社会の中での 自分の居場所、研究の条件がまったく違ってきてしまう。必死になって非常勤の口を捜し ている人、多少条件は悪くてもその講義をやりたい人は必ずいる。友人の友人という範囲 では無理かもしれない。でもその友人まで枠を広げれば見つかるのでは、と思いつつ、 「誰か適当な人を捜してみます」と返事をすることになる。

 そういってしまうと、私が責任を持って適当な人を捜さねばならないという妙な義 務感がつきまとってくる。そして、心当たりに可能な限り連絡をとってみることになる。 ところがこれが、なかなか消耗する仕事である。連絡をとった相手がたまたま非常勤を捜 している時は、その人と電話をしてきた人の双方に感謝される。しかしすでに十分なコマ 数を持っている場合、この手の電話は率直に言って迷惑なものではないだろうか。「あり がとう、でも」という声色からして、それが伝わる。一方で、適当な人が見つからなかっ た旨を先方に伝えるのもまた、実に心苦しいものだ。

 私達は、単に非常勤の口を捜すことや、雇い止めを阻止するのに懸命になってい る。ところが、専任教員は非常勤講師を捜すのに大変な苦労をしているらしい。ある知りあ いは、所属学会の名簿を頼りに県内に住む人をアイウエオ順に片っ端から電話したとい う。時間割編成の責任者になると、必要数の非常勤講師を確保できるかどうか、ノイローゼ になりそうな時もあるとの話もきく。最近、一般教養の解体・学科分属が進んでいるが、 教養科目の非常勤を捜そうとしても、縦割りにされた専門学科のなかではその分野の知り 合いがいない場合もあり、どうしていいかわからないという。

 非常勤講師が見つからないとどうなるか。専任の負担する講義数が増える、1クラ スの人数が増えるのもさることながら、担当者が見つからなかったばかりに、その科目 は、今年度休講、この状態が続けば閉講ということになりかねない。「教える場所を捜して いる人」と「教える人を捜してる人」との連絡が悪いだけの理由で、教育の質が落ちてい くのである。別の見方をすれば、私達の職場が失われていくということでもある。

 実際に非常勤講師の仲介をしてみて難しいと思うことが2点ある。ひとつは、短期 間でそこそこの人を紹介しなくてはならないことである。来年度やってくれる人を年内に 捜すというような場合ばかりではない。突然専任が倒れた、入学者の歩止まりをあやまり クラスが増えた、予定していた非常勤に急に辞められたといった状況で、即面接、来週か ら教壇に立ってください、その後で教授会で追認しますということが信じられないような 頻度である。こうした事情であれば、公募のような方法で広く声をかけ、適任者を捜すと いうわけにはいかない。とにかく心当たりに片っ端から電話連絡をとるという方法しかな かろう。

 もうひとつは、条件がはっきりしないことである。こちらも、学位・業績・経験 等、極力はっきりした形できくようにしているが、その条件に合う人を捜してきた段階で新 たな条件が加えられ「その人ではダメ」ということになった経験がある。

 条件がはっきりしないのは、採用の条件が需要と供給の関係に、専任採用時以上に 強く依存しているからであろう。専任が急に倒れたということで紹介を頼まれたときは、 講義内容と時間帯が固定しているうえ、早急に教員を確保しなくてはならないという事情 であったから、「業績はどうでもいいから」とはっきり言われた。現に学部卒業でまとも な論文のない人が採用された。もちろんその大学で教えるには十分な力量のある人ではあ ったが、「平時」では採用はありえなかったと思う。逆に、時間に余裕があるときはより よい人を捜そうとするし、適当な人がいなかったらその講義自体を閉講してもいいくらい に考えている場合、紹介された人にどこかひっかかりがあると拒否されるということにな る。そのため、ある時には博士課程に進学出来なかった人が採用された大学で、同じ科目 を担当することになるにも関わらず、学位も十分な業績もある人が応募して拒否されると いうことが起こりうるのである。

 どのような経緯であれひとたび非常勤講師になれば、大学での立派な教歴となる。 業績や経歴が教育者としての適性を保証するということにはならないが、あまりにも場当 たり的な人事をやってはいないか。

 こうした状態を打破するには、非常勤を斡旋するためのしっかりしたルートを作る ことだと思う。個人で紹介できる人は限られてくる。非常勤講師組合では、そのような組 織は作れないだろうか。教員の適切な選択に尽力し、教育の質を上げるという運動であれ ば、専任教員とともに取り組むことができるだろう。また斡旋の段階で他大学の賃金等の 労働条件を伝えることで、待遇改善の要求も説得力を増すと思う。

 では実際どうすればいいかということになると、私自身、こちらの作ったフォーマ ットでの求職願と求人票を出してもらうことしか思いつかない。組合が各大学に、こうし た活動をやっていることを知らせる必要もあろうが、現実に動かしてみないことには、そ の可能性・問題点ともによくわからないという気がする。一般企業の人材派遣会社に登録 している人に問い合わせ、人材派遣とはどのようなものか調べる一方で、自分の出身校に 呼びかけてネットワークを作り、小規模で試験的に動かしてみることを考えているがどう だろうか。組合からは支援してもらえるのだろうか。


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団交・運動ニュ−ス

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白梅短大団交報告 3月13日

神奈川工科大学の非常勤講師の賃金

平成12年度、13年度、2年続けて5%台のアップ!

首都圏大学非常勤講師組合は,神奈川工科大学で働く非常勤講師の待遇改善を求め て大 学側と団体交渉を続けてきました。神奈川工科大学では,非常勤講師の賃金のランク は, 教授待遇,助教授待遇,講師待遇の3つになっています。平成10,11年度の賃金 規定 では,たとえば,教授待遇の場合,週に複数コマ担当している非常勤講師の1コマあ たり の月給は2万6500円であるのに対して,週に1コマしか担当していない非常勤講 師の 月給は3万円となっていて,週に1コマしか担当していない講師の賃金の方が,(3 万− 2万6500=)3500円ほど割高に設定されています。つまり,賃金は受持ちコ マ数 に比例していないのです。助教授待遇,講師待遇でも同様で,賃金はコマ数に比例し てい ません。1コマしか担当していない非常勤講師の賃金を割高に設定するというのは, 大学 サイドからすると,1コマだけだとあまりにも給与が安すぎて委嘱しにくいという事 情を 反映したものです。現在約30名の講師が1コマだけの委嘱です。

 当組合は,賃金をコマ数に正確に比例させるという形で,つまり,教授待遇の場 合,週 に複数コマ担当していても1コマあたりの月給が3万円になるようにするという形で の賃 金アップを求めてきました。大学側は,組合側のこの要望を受け入れ,平成12,1 3年 度の2回にわけて,賃金をコマ数に正確に比例させるという形でのアップを実施する こと を約束しました。その結果,平成12年度,13年度にわたり,それぞれ約5%づつ の賃 金アップが実施されます。12年度は、5.64%のアップです。

 当組合が神奈川工科大学で活動を始めたことによって,平成10年度は5.75% の賃 金アップを実現,11年度は残念ながらゼロ回答でしたが,12,13年度は上記の よう にアップが実現されます。これだけの成果を得ることができた理由の一つは,神奈川 工科 大学の専任教員にも協力をいただいたことでしょう。「非常勤講師の賃金アップに同 意す る」という趣旨の署名に協力をお願いしたところ,16名の心ある専任教員が応じて くれ ました(ただし,まだ全専任教員に頼んだわけではありません。この署名活動は今後 も続 きます)。16名というのは,全専任教員数の1割以上です。この署名を,2回に分 けて 団体交渉の席で大学側に提出しました。

 また,大学では,現在,さまざまな出費を削減しなければならない状況にあるにも かか わらず,非常勤講師の賃金だけ(率を見る限り)大幅なアップを実現できたのは,理 事兼 大学事務局長の尽力のおかげです。この方は,非常勤講師の待遇改善に理解を示して くれ ました。

 当組合は,「非常勤講師の待遇改善は,学生への教育サービスの向上にもつなが る」と いう気構えで活動しています。今後も当組合の活動に御支持をお願いいたします。         (KT)

(編集者より:KTさんからは、 非常勤講師給の詳細な一覧表も添付して寄稿してもらいましたが、 スペ−スの都合で、一覧表は次号の『控室』第34号団体交渉特集に掲載するこ とを予定しています。ご了承下さい。)

徳島文理大学不当労働行為事件で和解成立

 徳島文理大学音楽学部で25年間ビオラ教育を担当してきた非常勤講師坪井一仁さん が昨 年3月26日、一方的に不当解雇された不当労働行為事件は、今年3月7日、徳島県地方労働 委員会で和解が成立しました。この和解により坪井さんはこの4月13日より徳島文理大学 で従来通り授業を行っています。  坪井さんは、1994年に日本音楽家ユニオンに加入し、それ以来徳島文理大との団体 交渉 を担当し、社会保険の加入、賃上げ、賃金明細の改善、楽器の購入などを要求し、教 職員 の労働条件の改善や職場環境の整備に取り組むなど、精力的に労働組合活動を展開し てき ました。

 このような坪井さんの組合活動を嫌った大学側は、25年間にわたってビオラレッス ンと 合奏授業で学生を指導してきた坪井さんに対し「資質に問題がある」「ビオラ学生が いな くなった」など、不合理な理由を持ち出して不当に解雇しました。

 徳島文理大学音楽学部には1994年にも声楽の非常勤講師*****さんを不当解雇し、 裁判で和解した「過去」があります。**さんは「私の裁判闘争後は音楽学部で解雇され た先生はおらず」(首都圏大学非常勤講師組合編『大学教師はパ−トでいいのか』74ペ− ジ)と書いていたのですが徳島文理大が再び不当解雇を犯したのです。

 この坪井さんの事件は、徳島文理大と同じく、組合活動を理由とした違法な解雇を強行 した東洋大学不当労働行為事件にも少なからぬ影響を与えることでしょう。

 最後に、坪井さんより、東洋大の違法な不当労働行為と闘っている鈴木さんに応援 のメッセ−ジが届けられていることを紹介しておきます。


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◆編集後記◆

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クリップ・ボ−ド

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(1)『控室』原稿を募集します!

★組合員か否かを問わず随時受けつけ。掲載段階で匿名可(連絡先は必ずご通知のこと) :プライバシ−厳守;電子メ−ルによる原稿を歓迎。短い記事・通信の類は送信者に断り なく『控室』読者の声などとして匿名で掲載することがあります。原稿送信先(編集担当 者宛)は次の通り。
【E-Mail】mkclara@pastel.ocn.ne.jp
【FAX】042-593-0302

(2)公募情報などの収集・配布

★大学教員等の公募情報を電子メ−ルで送信中。受信希望者は下記まで。但し、当方の都 合による遅れ・中断・中止あり。公募の情報/情報源情報を下記連絡先にお寄せいただけ れば幸いです。
【E-Mail】s-kkch@pa2.so-net.ne.jp
★ 公募情報も含め当組合に関する現在の URL:
http://quoniam.social.tsukuba.ac.jp/union.shtml
ないしは<組合本部>
http://www.os.rim.or.jp/~town/

(3)組合関連―現勢・雑報―

★当組合の現勢は151名。組合加入用紙を配ってドンドン仲間を増やしましょう。経費節 約と宣伝範囲拡大のため、手渡しや非常勤講師用メ−ルボックスへの投函などで『控室』 を配布できる方は、FAX:042-593-0302まで、送付先(配布者の住所・氏名など)、配布す る大学(学部)・学校名,配布部数をお知らせ下さい。運動の輪を広げるため可能な方は 、所属学会・研究会等々で宣伝や支援要請など試みて下さい。
★「就職希望調査票」未提出者は担当者まで!
★『大学教師はパ−トでいいのか 非常勤講師は訴える』(定価1200円、組合特価1000円 )普及に1冊でもご協力いただける方はまで!

(4)組合員の声

【1】昨日の飲み会で聞いた話です。大学・短大の新設、短大の4大への移行の際、 文部省がうるさく審査します。その中の「教員審査」書類で、『教歴』から "非常勤" が 近年外されました。つまり、書類上、論文等以外の非常勤経歴は全く考慮されなくなった らしいのです。この1、2年の内に手続きが変わって。かつては“実績”として認められ ていた“非常勤経験”が認められなくなってしまったということ。だから僕の場合、文部 省への提出書類上、「教歴なし」ということで処理されていたそうです。この情報の確度 は高い。この間、書類の書き直しを余儀なくされた事務担当者から聞いた話ですから。文 部省がいちいち関与しないほとんどの人事には関係しないでしょう。だから相変わらず、 非常勤職で頑張ることは重要でしょう。でも、非常勤によるそれが教育であるとは「認め ない」文部省の意図は一体何なんでしょう?(斉藤)

(5)『控室』読者の声

【1】貴名で首都圏大学非常勤講師組合・宣伝用ビデオが送られてきました。注文した覚 えがありませんが、これまで機関誌『控室』が送られてきますと、同封の振替用紙で活動 支援の気持ちを込めて時々カンパを送ってきましたので、その返礼でビデオが送られてき たのかなと思い、活用させて頂くことにしました。私は戦後、大学の組合運動に参加し、 全国大学高専教職員組合連合の役員となり、日教組結成後、日教組大学部の専門委員、東 京地区大職組(トダコセ)の役員となり、以来、七十年代まで大学の組合運動に関わって きました。しかし、非常勤講師問題をとりあげることなく経ってしまい、貴組合から文書 が送られて来てようやく問題が見えるようになりました。大学の組合運動に長いあいだ関 わりながら非常勤問題には立ち向けなかったことに、私の組合運動の限界を思い知らされ た感を抱き、以来、僅少ながらカンパを続けてきた次第です。しかし、年既に八十歳、現 役を退いて十数年、頂戴したビデオは、もと所属していた大学の組合で活用して貰おうと 思っています。(3月20日、山)

(6)公募情報受信者・『控室』電子メール版の読者の声

【1】公募情報不要となりました。ありがとうございました。(L)
【2】いつも公募情報をお送りいただきありがとうございました。今後は情報を必要 とし ませんので、お手数をおかけしますが、リストから除いて頂ければ幸いです。また、 ささ やかなお礼としてカンパさせていただくつもりです。どうもありがとうございまし た。(YK)

(7)『大学危機と非常勤講師運動』読者よりのメッセ−ジ

【1】S先生へ/ようやく春の気配が濃厚になってきました。 いかがおくらしでしょうか。 『大学危機と非常勤講師運動』という貴重な一冊をお送りいただき、ありがとうござい ました。まだ、多忙で全体を読むには至ってはおりませんが、第三章をとくに興味深く読 みました。京都大学文学部のOさんのことには、未だにこんなことがまかり通っているの かと、大きなショックを受けました。第四章も、新しい知識として、私にはおもしろいも のでした。とりあえず、いただいたことへのご通知とお礼のペンをとりました。山口の独 法化反対の運動では、みなさんの奮闘は大変なもので、この間の朝日新聞の意見広告も九 十九人の人が名前をつらねておられます。お元気でご奮闘ください。(山口県・K)

(8)最近の組合運動関連出版物等

【1】『大学危機と非常勤講師運動』の編集雑感/三戸 信人
 本紙の出版について、私の個人的な感想を述べさせていただきます。日本科学者会議の 非常勤講師問題会議で本を作ろうということになり、昨年の春から作業が始まりました。 とにかく、この本一冊を作ることで、専門外の本を出すことの大変さを、心底体験させら れました。当出版の意義を考えると実現せざるべからず(わが敬愛する一学兄の、今時流 行らない古風な口癖を借りると「義を見てせざるは勇なきなり(論語)」という心境)で 、しかも、時機を失せず、なるべく早くという事情がありました。そこで、不慣れにもか かわらず、編集責任の一端を引き受けたのが、今思えばそもそも間違いだったかも知れま せん。私は途中でダウンしたようなものです。
 まず、出版社任せの学術書と違い、その上、売れる見込みがあまりない本の出版を引き 受けて貰う交渉からして大変でした。しかし、当時は私の友人の誘いで企画した『生命科 学』教科書の出版が、持ち込んだ大手出版社から断られて日が浅かったせいで、厳しい現 実に対する覚悟が幾分出来ていたのは、却って私にとって不幸中の幸いでした。それでも 、二三ご協力の申し出あって、結局、こうち書房に落ち着きました。また、全国に散らば っていて、しかも癖のある活動家の面々から原稿を頂くのにも予想しなかったやりとりが ありました。共著の論点がかみ合わない、自分はインターネットをやらない、ソフトが合 わない、ワープロ・ファクス以外は駄目、パソコンが壊れた、等々です。E-メール使用を 前提とする安上がり出版なのですから、この種、共著者多数の本を出すのにはかなりの覚 悟がいることを痛感しました。労組組織等の実態もかいま見、その狭間で神経、時間、エ ネルギーをすり減らすことにもなりました。今まで偉そうなことを言ったり、書いたりし てきましたが、まだまだ広く私の知らない世界が存在するようです(当然のことですね) 。愚痴めいた感想は際限がなく、本命はこれからというところですが、この辺で切り上げ ます。
 出来た本は、読み返すと、改めて大変勉強になる点が多々あります。編者が今更そのよ うな感想を述べるのを奇異に感じられる向きがあるかも知れませんが、それが実態なので あります。とくに労働問題については教えられるところ少なくなく、各種、数値について は、読み取り方、処理方法の工夫、情報公開運動等が必要と考えさせられました。以前、 専任だった頃の話ですが、着任して間もない某大学から行けと言われて地域社会の同和問 題学習会に参加したことがありました。その時、身近なところの差別問題をなおざりにし て同和問題の解決等できるのかと痛感いたしましたが、今回本書を読み終えた時、ふと、 その学習会の夜を想起した次第です。(2000.4.18)
【2】大宮知信『学ばず教えずの大学はもういらない』(草思社 本体¥1700)
 著者の大宮さんはフリ−のジャ−ナリストで幅広いテ−マで問題を追っており、大学問 題に関しては、『さよなら、東大』(文藝春秋)をすでに発表しています。昨年の秋、当 組合を取材し、執行委員会にも参加されました。その取材内容が本書の「大学を支える非 常勤講師の待遇」(PP.129-132)に生かされています。当組合以外にも、非常に多くの人 へのインタビュ−が本書の骨格をなしています。大学教員である私でさえ知らなかった大 学人の呆れるほどの実態を明らかにしながら、著者は決して構えることなく、冷徹に見つ めています。
 冷徹な目と言えば、本書の帯には「大学は再生できるのか。それとも自滅するしかない のか。東大、早稲田、慶応を中心に、改革不能の内実を明らかにする」とあり、著者は大 学の終焉を見ているように思われます。しかし、じっくり読んでみると、大学再生のため のヒントがあちこちに、直裁的にではありませんが、提案されています。本書を通読して 、ジャ−ナリストの厳しい目で見つめてはいますが、その目は同時に、教育という人間に 関わるテ−マを追ってきた優しい人間の目でもあるように思えました。
 なお、著者からのご連絡によりますと、本書は好評につき、重版が決定しました。 ぜひ一読を勧めます。

(9)当組合員の最近の学術出版等

★林正子「『大南寔録』の成立過程――道光五旬節慶賀使節を中心として――」 『フォ−ラム』(跡見学園女子大学)18号PP.105-121
★鈴木暁「語学教育と非常勤講師問題」『専修大学外国語教育論集』 (専修大学LL研究室)第28号PP.101-110

(10)当組合のホ−ムペ−ジ「闘争中の事件」コ−ナ−

 当組合では未解決事件のうち、特に悪質な大学・学校をホ−ムペ−ジに載せ、 広く世間に告発しています。現在

  1. 東洋大学不当人事(解雇)事件
  2. 長岡リリックホ−ル不当解雇事件
  3. 帝京大学不当解雇事件
  4. 相模女子大学不当解雇事件
  5. 筑波大学外国人教員スキルムントさん事件
  6. 秀明大学不当解雇事件

の6件を掲載中。ホ−ムペ−ジアドレスは  http://www.os.rim.or.jp/~town/univ/univers.html

(11)芝浦工業大学の非常勤講師給与規定改定

 芝浦工業大学では、平成12年度より非常勤給与規定を改定しました。主な改定点は、( 1)今までの大学卒業後経過年数による給与単価の適用を、業績、技能、経験等個人の能 力に基づいた給与単価の適用に改める。(2)今までの年間最大13ヶ月分(月次給与12ヶ 月及び期末手当、半期ごとに0.5ヶ月分、年間1ヶ月分)の支給を月次給与10ヶ月分の支給 とする(ただし年収全体では、従来の13ヶ月分を上回るようになっている)の2点です( 具体的な支給額については次号の『控室』第34号に掲載する予定です)。
 大学側は能力給の導入や従来の年収を上回るように改定していることに、意味合いをも たせようとしているようですが、これまで行ってきた一時金の全面廃止など労働条件の不 利益変更については、該当する労働者の同意を得ていない点で労働基準法違反の疑いがあ り、労働者との交渉で抜本的な改善が求められます。


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オ−ルスタッフ裁判勝利解決!

 ―3年半ぶりに和解へ

(出典:「音楽人通信」2000年2月号)

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 音楽ユニオンは、長い間、非常勤講師の身分確立の運動にとりくんで来た。しかし、講 師の皆さんは立場が弱いため、権利侵害に会っても、どうしても諦めてしまう人が多く、 なかなか大きな運動に発展していかない。だが、音楽ユニオンに結集し、権利侵害とたた かった数少ない講師の皆さんは、それなりの解決を見、成果をつくって来たのである。今 回の株式会社オールスタッフの権利侵害に立ち向かった三名の講師(河崎美智子、内御堂 真弓、石田仁)の皆さんは、東京地方裁判所に於ける和解という形で、解雇撤回及び解雇 したことに対する陳謝を勝ち取るという成果を上げることが出来た。これは、判決に匹敵 する重さを持ち、今後の講師の身分確立の運動に大きな力になることは間違いないだろう 。音楽ユニオンは、現在も音楽講師の争議をいくつか抱えているが、これをバネにして、 勝利解決してゆきたいものだと思うし、また、講師の身分確立の運動をますます前進させ て行ければよいがと願っている次第第である。

 ここで、解決までの経過を簡単に振り返ると、この事件は、株式会社オールスタッフが イズミ・ミュージカル・アカデミーで、長い間、教鞭をとってきた講師を、正当な理由も なく、1996年3月31日付けで、全員辞めさせようとしたことによって起きた解雇事件であ る。その内、前述の3名の講師の皆さんが諦めずにたたかったのである。音楽ユニオンと しては、話し合いによる円満解決がベターであると判断し、粘り強く話し合いを重ねたが 、会社側から誠意ある回答が得られず、やむをえず、同年12月に東京地方裁判所に「身分 確認」の訴訟を起こした。裁判で、会社側は、1年ごとの委任契約であると主張、それが 駄目だと判ると、仮に雇用だったとしても解雇理由は正当であったと主張した。

 しかし、証人による証拠調べで、会社側の主張はことごとく否定された。証拠調べが終 わった段階で原告と被告双方が和解交渉を受けいれた。和解交渉は9回に及んだが、1999 年12月14日に、裁判官による和解調停案を、原告、被告双方が了承しご3年半ぶりに円満 解決した。

 和解条項の骨子は以下の通り。

  1. 被告は原告らに対し、平成7年9月9日にした平成8年3月31日限り解雇する旨の意思表示 を撤回する。
  2. 当事者双方は、本日、原告らが被告を円満退職したことにより、各原告と被告との間 の労働契約が終了したことを相互に確認する。
  3. 被告は、第1項の解雇により原告らに対して多大な精神的苦痛を与えたことを陳謝する。
  4. 被告は、原告らに対し、金550万円の解決金の支払義務があることを認める。

 ご支援をいただいた多くの皆さんに心から感謝申し上げる次第である。 (全国本部・安並克磨)

(編集者註:文中の石田仁さんは、 1996年11月10日の「非常勤講師問題を考える」フォ−ラムで上演されたミュ−ジ カル 「使い捨てライタ−」の作者であり、演出家の忠の仁さんです。)

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第1回 大学非常勤講師問題会議 コロキウム

−『大学危機と非常勤講師運動』出版記念 合評会−

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 『大学危機と非常勤講師運動』(2000年3月・こうち書房発行)出版を記念して、次の ように合評会を行います。ご意見、ご感想、そして、運動の発展のためのご提言等をお聞 かせいただければ幸いです。会場はいささか手狭ですが、お気軽にご参加下さい。

大学非常勤講師問題会議      
日時:2000年5月15日(月)18時半〜21時
会場:文京シビックセンター3階C会議室(文京区春日1-16-21文京区役所ビル内)
交通:(1)JR中央線・水道橋駅・徒歩8分
   (2)営団地下鉄・三田線・春日駅・徒歩1分
   (3)同上・丸の内線・後楽園駅・徒歩2分
評者:東京私大教連、日本私大教連、東京大教職組協、首都圏大非常勤組、
   東京高等教育研、ジェンダー問題研究者、
   JSA(日本科学者会議)大学問題委員会  (以上は予定ないし交渉中)
参加費:無料

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――昨年度当組合へカンパを寄せて下さった教職員組合のご紹介――

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 当組合の財政は、専任教員・非常勤講師を問わず、数多くの善意の人々や専任教職員組 合からの暖かいカンパでまかなわれています。平成11年度、以下の教職員組合より当組合 へカンパが寄せられました。暖かいご支援に心から感謝する意味で、ここに掲載させてい ただきます(敬称は略させていただきます)。今年度も引き続きご支援をよろしくお願い いたします。

 なお、個々人でカンパを寄せてくださった方々については、プライバシ−を配慮し、掲 載は見合わさせていただきました。ご了承願います。

  1. 金沢大学教職員組合
  2. 高崎芸術短期大学教職員組合
  3. 北海道教育大岩見沢校教職員組合
  4. 東京都立大学・短期大学教職員組合
  5. 高エネルギ−加速器研究機構職員組合
  6. 桜美林大学教職員組合
  7. 高千穂商科大学教職員組合
  8. 専修大学教員組合
  9. 早稲田大学教員組合
  10. 明治大学教職員組合
  11. 室蘭工業大学職員組合
  12. 国立天文台職員組合
  13. 作新大学教職員組合
  14. 城西大学教職員組合

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<資料:しんぶん赤旗2000.4.20より>

パートの労働条件 正社員に合わせて 労働省の研究会が報告書

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 近年増加しているパートタイム労働者と、正社員との間の労働条件のバランスについて 検討していた労働省の「パートタイム労働に係る雇用管理研究会」(座長佐藤博樹東大教 授)は19日までに、「正社員と同じ職務のパートの場合、労働条件の決定方式を正社員に 合わせていく方法がある」などと指摘した報告書をまとめました。同省は、今年度中に全 国の会社や労働組合などに約2万部を配布する予定で、「労使の物差しづくりの参考にし てもらいたい」としています。
 報告書は、パートと正社員を比べる際、まず同じ職務をおこなう正社員との比較が適切 としました。その場合、賃金の構成要素や支払い形態などの処遇と労働条件の決定方式を 「正社員と同じにすることで、結果的に処遇や労働条件のバランスが保たれると指摘。決 定方式を合わせられない場合でも、時間当たり賃金など正社員とのバランスを図ることを 勧めています。また、同じ職務の正社員に賞与(一時金)や退職金が支給されている場合 、パートにも賞与や退職金の制度を設けることが適切と提言しています。
 正社員と異なる職務の場合では、具体的な比較は困難としながらも、正社員との均衡を 考慮して職務やそのレベル、能力に見合った処遇や労働条件を考えることが重要としてい ます。

【パート労働者】

 パート労働者は1999年には1138万人と10年前に比べて1.9倍に増加。雇用労働者全体に 占める割合は13.1%から21.8%へ、女性労働者全体における割合も25.2%から 37.4%へ大幅に上昇しています。


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