首都圏大学非常勤講師組合機関紙

『控室』第30号

 1999年12月19日 発行

(WWW版:一部訂正)

正式名称:都区関連一般労働組合 大学・専門 学校非常勤講師分会


 首都圏大学非常勤講師組合機関紙『控室』第30号
                1999年12月19日 発行
【都区関連一般労働組合 大学・専門学校非常勤講師分会】
【委員長】志田昇 Tel&Fax 0426-27-4420
【郵便振替口座】00140-9-157425 大学非常勤講師分会
【本部所在地】JR山手線・大塚駅・東京労働会館 5F
 〒170-0005 豊島区南大塚2丁目33番10号
       東京労働会館(ラパスビル)5階
 Tel 03-5395-5255 / FAX 03-5395-5139
【当組合の情報について】
 1) http://www.os.rim.or.jp/%7Etown/
 2) http://quoniam.social.tsukuba.ac.jp/union.shtml
本号の主な内容
臨時総会開催: 東洋大学の不当労働行為を都労委提訴へ
キャンパス・セクシュアル・ハラスメント ―その3―(2面)
Letter to the Part-Time Teachers' Union(4面)
運動・団交ニュ−ス(5面)
専任の先生方へ(6面)
編集後記(7面)
クリップ・ボ−ド(7面)
丸子警報器賃金差別裁判が和解(8面)


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臨 時 総 会 開 催

東洋大学の不当労働行為を都労委提訴へ

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11月21日、組合員24名(委任状48名)、本部役員1名の計25名の参加で臨時総会が 開催されました。今回の臨時総会は、事実無根の理由で不当に今年度のコマ数を削減 された組合員鈴木暁さんが、コマ数削減の撤回を求めて正当な組合活動をしてきたこ とに対して、東洋大学側が報復的な解雇を予定しているために、法的根拠のある救済 命令を求めて労働委員会に提訴をすることの承認を求めるために開催されたもので す。

開会宣言の後、来賓として出席した当組合の上部団体である都区関連一般労 働組合の小林雅之書記長より、闘う都区一般の象徴的な存在である首都圏大学非 常勤講師組合への活動に期待し、注目をしているとの過分のお言葉をいただきま した。その後、臨時総会へと進みました。

初めに志田委員長より今年3月の第4回総会以降の情勢とこの間の成果、並びに展望 が報告されました。まずいくつかの大学との団体交渉で、専任と非常勤との雇用コス トに20倍もの格差があることが具体的な数字で明らかになりました。従って、経営難 を理由とした非常勤講師の解雇は、決して経営改善につながるものではなく、逆に非 常勤講師を解雇することによって、専任教員の労働強化が計られ、結果的に教育に重 大な支障をきたすことが明らかである。そこで、非常勤講師の雇用を守ると共に、教 育の質の向上を計り、結果的に大学経営の安定につなげることができる、との見通し から、専任組合との共闘の根拠が見出すことができる、との分析がなされました。今 回の臨時総会では(1)東洋大学の不当労働行為を都労委へ提訴(2)組合財政の安 定のために賛助会員制度の導入(3)国立大学の独立行政法人化に反対する声明の採 択(4)組合活動の強化策の4点が議案でした。以下、順に報告いたします。

(1)東洋大学問題は、コマ数減を巡って正当な組合活動を行っている鈴木さんに 対する報復的な解雇であり、典型的な不当労働行為です。労働組合の存在意義が問わ れている昨今、このような不当労働行為を絶対に許してはなりません。闘わずして何 ぞ労働組合を名乗れようぞ!との意気込みで、徹底的に闘うことが全会一致で承認さ れました。今後は都区一般本部、弁護士と綿密な打ち合わせを行い、法的手続きに入 ります。

(2)次に非常勤講師で結成されている当組合の財政の多くを組合に賛同してくだ さる専任教員のみなさんからのカンパに負っています。ところが、今年度の交渉相手 は特に悪質な大学・学校が多く、出費も嵩んでしまい、このままでは財政的な危機に 陥る危険があります。そこで安定した財政を目指して、賛助会員制度の導入が委員長 より提案され、了承されました(賛助会員制度については改めてお伝えします)。

(3)当組合は国立大学の独立行政法人化に対し、非常勤講師の立場で意見を表明 すべきである、と前回の執行委員会で議論し、それを受けて臨時総会に声明案を提出 しました。いくつかの文言を修正した上、首都圏大学非常勤講師組合の国立大学独立 行政法人化に反対する声明が了承されました (声明は別紙を参照してください)。

(4)委員長からの情勢報告にもありましたように、首都圏大学非常勤講師組合、 大学受難の時代を乗り切るために、専任の教職員組合も含めて、様々な団体との共闘 を模索しています。その一つが外国人講師組合との連携です。当組合には多彩な国籍 の外国人組合員もおり、現実に、ある外国人講師組合から賛助会員として当組合に協 力の申し出もあります。外国人講師組合との連携も大切なことなので、将来的な課題 として、組合活動に英語を含める、『控室』英語版、英和対訳本の出版等が考えられ ます。当面は、『控室』に英文欄を設けていく方向が確認されました。

更に、都区一般本部でパソコン教室が開講されていますが、今後ユニオン・カレッ ジの開設や人材派遣をも検討していくことが報告されました。そして直近の課題とし て、都区一般本部との連携で、「年末非常勤110番」を開設することが提案されま した。

議案すべてが全会一致で承認されたことを報告します。今回初めて総会に出席した 人もあり、総会に先立ち、まずは「簡単に自己紹介を」とお願いしたところ、そこは 教員の性とでも申しましょうか、一言口を開けば止めどもなく言葉が出てきてしま い、大幅に時間がずれてしまいました。

臨時総会終了後、『控室』発送作業を行い、本部を後にしたのが午後6時でした。 その後、懇親会へと進み、楽しい一時を過ごしました。(S)


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<キャンパス・セクシュアル・ハラスメント−その3−>

セクシュアル・ハラスメントとはなにか

              浅野富美枝

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ところで、セクシュアル・ハラスメントとはなんだろうか?

親しみをこめたつもりでちょっと肩をさわったら、「セクハラですっ!」などと言 われたが、どんなことがセクハラになるのかわからないという人もいるかと思うの で、今回はセクハラとはなにか、基本的なことを考えてみよう。

セクシュアル・ハラスメントとは、厳密な意味では昇進・昇格や雇用の継続などを 条件に、地位を利用して性的な関係を強要したり(代償型ないし対価型)、職場にヌ ードポスターを貼ったり、言葉や態度で女性労働者の意に反する性的な働きかけをし て不快な労働環境をつくり、女性の働きたいという意欲を妨げ(環境型)、結果とし て女性の働く権利や生きる権利を侵害することを言う(労働省女性局編『職場におけ るセクシュアルハラスメント防止マニュアル』)。

1999年4月1日施行の改正男女雇用機会均等法21条ならびに「雇用機会均等 法のセクハラ指針」は、一般企業で働く女性労働者の権利擁護を目的としたもので、 セクハラの被害者は女性という前提のもとにつくられているが、これらと同時に施行 された国家公務員を対象とした人事院規則では女性の男性に対するセクハラも対象と している。

また、上記『マニュアル』によれば、「職場」とは「事業主が雇用する労働者が業 務を遂行する場所のことだが、通常就業する場所ではなくても、労働者が業務を遂行 する場所(たとえば取引先の事務所、接待のための会食の場所、出張先、顧客の自 宅、取材先など)であれば職場になる。また勤務時間外の宴会であっても、実質的に 職場の延長線上のものであれば職場とみなされる」となっているが、同じく人事院規 則では「職場の人間関係がそのまま持続する歓迎会の酒席のような場」も想定した叙 述になっている。

「性的言動」については、『マニュアル』では「性的な冗談やからかい、食事やデ ートへの執拗な誘い、意図的に性的な噂を流布する、個人的な体験談を話したり聞い たりする、身体への不必要な接触、強制わいせつ、レイプ、ヌードポスターやわいせ つ図画の配布・掲示など」と説明されているが、同時に「いわゆるグレーゾーン」と いう言い方で「女性であるという属性にもとずく嫌がらせ」についてもふれている。 これは日経連出版部『セクハラ防止ガイドブック』では「ジェンダーハラスメント」 と言われているもので、お茶汲みや電話番などの雑用を女性だけにさせることなどを 意味している。

このように労働関係の文書では労働現場でのセクハラを対象としているが、もちろ んセクハラは労働の場だけに発生するものではない。そこで広い意味では、職場にか ぎらず学校や地域などあらゆる場で、女性の参加や活動を妨げるような性的な言動の ことをセクシュアル・ハラスメントと言い、<職場におけるセクハラ>、<キャンパ ス・セクハラ>、小中高校でおこるセクハラは<スクール・セクハラ>というように 冠をつけて言われている。 文部省は改正均等法や人事院規則の施行に先立ち、19 99年3月30日、「文部省におけるセクシュアル・ハラスメントの防止等に関する 規程の制定等について」と題する文書を公表した。ここではセクハラは「職員が他の 職員、学生等及び関係者を不快にさせる性的な言動並びに学生等及び関係者が職員を 不快にさせる言動」と定義され、以下のような具体例が示されている(一部省略)。

職場内外でおきやすい発言

○性的な関心、欲求にもとづくもの__スリーサイズを聞くなど身体的特徴を話題 にすること、聞くに耐えない卑わいな冗談を交わすこと、体調が悪そうな女性に 「今日は生理日か」「もう更年期か」などと言うこと、性的な風評を流したり、 性的なからかいの対象とすること
○性別により差別しようという意識等にもとづくもの__「男のくせに根性がない」 「女には仕事を任せられない」「女は学問などしなくても良い」などと発言する こと、成人に対して「男の子」「女の子」「おじさん、おばさん」などと人格を 認めないような呼び方をすること

職場内外でおきやすい行動

○性的な関心、欲求にもとづくもの__職場のパソコンのディスプレイにわいせつ な画像を表示すること、不必要な個人指導をおこなうこと
○性別により差別しようという意識等にもとづくもの__女性であるというだけで お茶汲み、掃除等を強要すること、女性であるというだけの理由で仕事や研究上 の実績等を不当に低く評価すること

職場外でおこるもの

○性的な関心、欲求にもとづくもの__ゼミなどの旅行の宴会に浴衣に着替えるこ とを強要すること、出張先で不必要に自室に呼ぶこと
○性別により差別しようという意識等にもとづくもの__酒席で指導教官等のそば に座席を指定したり、お酌、デュエットを強要すること

以上、いろいろ述べたが、セクハラは、女性を仕事をするうえでの対等のパー トナーとしてみず、逆に性的な関心・欲求の対象としてみているような状況のも とで、また差別的な人間関係がみられる状況のもとで発生しやすい。女性を職場 のパートナーとして見ないということのなかには、自分の職場を女性に侵害され たくないという排除意識、男性と対等に仕事をすることは女性にはむりだという 差別意識、これくらい許されるだろうという女性軽視、男は仕事で女性は職場の 花、潤滑油だとみる性別役割分業意識などが考えられる。差別の廃絶こそセクハ ラ根絶の最善の方法である。

それでもなにがセクハラとなるかわからないという人には、たとえば相手が 上司だったらしないようなこと、自分の妻や娘がそのような言動をされたら不快 に感ずるようなことが一応の目安になるだろう。それでもわからなかったら相手 に率直に聞いてみるとよい。大切なのは働いたり活動したりする対等の仲間とし て相手を尊重することである。セクハラのない職場は平等で働きやすい職場だと 言われるのはそのためである。そして、気づかずに仲間を不愉快にしていないか どうか、仲間同士で率直に話しあうことも必要であろう。


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Letter to the part time teachers' union

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For ten years now, I have been living in Japan and teaching my native German language. In the beginning, work seemed ideal. By introduction I quickly had my first university job as a part-time teacher. At that time, work in university was a great improvement compared to my former jobs in different language schools, since university paid a fixed amount of money regardless of how many students came, and also throughout the holidays. I liked the motivation of university students better as well, they were more open, idealistic, sometimes even romantic in outlook, which made a difference from the people who came to adult classes with their very down-to-earth attitudes (value for money)...

I counted myself lucky to have gotten into university. Since I was about to get married at the time, everything seemed to fall into place perfectly: I was going to work as a part-time teacher, and if I got pregnant, I would take some time off, till after the baby was born, and then come back to work, on an hourly basis.

I didn't know what kind of a mother I would turn into. Would I take my child to day-care only a few months after birth? No, it turned out that I wanted to work and take my child with me. I never thought it was a problem to work with my child close by. I would not take my first son to class, only into university, where I hired a babysitter. In the breaks and at lunch-time we could meet.

The first university I worked in, from when my son was half a year old, was a very open-minded place. Nobody complained about me coming to work with my baby.

Then after a year I was asked to come and work in another, in a better position and with a better salary. I accepted the job, under the condition that I could again bring my son to campus with me. He was only 1 1/2 years old. The university agreed. I believed them.

Two years later - my first son was now 3 - I became pregnant again. I didn't see a problem: The second baby was due in June, so I could take one year off, from April, and come back after. I even considered that the family should move closer to the university, so I could handle both work and children better.

But something unforeseen happened: The university asked me to leave. It turned out that they had never liked me bringing my child, and they assumed that I would bring both children with me in the future.

Not only was I disappointed on a personal level, but I thought this was very unkind behaviour towards pregnant women in general. (Dear men of this working world out there, if only you knew what it is like to be pregnant, you would try to make life easy for a pregnant woman, be it at work or at home.) ― If like in other countries, too, there are going to be more single mothers in the future, what are they to do if they lose their job? If they don't have a husband to fall back on?
― And if the work situation changes here like anywhere else, the woman might have a better job than her partner, or the man might lose his job while the woman still has hers. Can a couple like that not afford to have a baby anymore? If, say, she wants to look after her children and work as well?

I have talked to quite a lot of women about this issue. Many of the female university teachers never got married at all or have no children because it seemed impossible to combine motherhood with work. Or they have just one child because it would seem "bad manners" to have more - bad manners towards their employer is what they mean.

And what does a woman do if she gets pregnant by accident? I'm afraid that the difficulties she faces at her job often make her decide to rather have an abortion.

Personally, it makes me very sad that this should be the consequence I am now pregnant for the third time, and each time I lost my job, and was never too sure whether the university would take me back, or when I would find another job.

It makes me feel I'm being punished for having children. Nobody complains about my work, neither the students nor my colleagues, but the children cause the biggest problems. Although in five years now since my first child was born, I have not missed more than two days of class because of any child, and maybe another two because of my own influenza etc.

Research done in the USA shows that a day-care center on the working site shows very good results: The parents work well, don't miss many working days, just because their children are close by. Would it not be possible in Japanese universities to offer day-care as well?

All the problems one faces when working in university and giving birth explain very well why so many women choose not to have children at all. One is sure made to feel it is worthless to lead a family-oriented life. I wonder whether this is what they are trying to teach the students as well, supposedly the country's intelligentsia. (17 Nov. 1999)


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組合・団交ニュ−ス

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関東学院大學春闘交渉経過報告

首都圏大學非常勤講師組合は、関東学院大學の非常勤講師の待遇改善のために大學 側と5月以来団体交渉を重ねてきました。その結果第3回団交(ll月17日)平均 5%給与アップという成果を得ました。平成12年度から改定されるのですが、年齢 が若い層から上に行くに従ってアップ率が少なくなっています。

第1回目は7月7日に行い、『控室』第27号の春闘統一要求に沿って話し合いを 行った。その時は双方ともに一方的な主張に終わっていたが、再度9月29日団交を 持った。相手は相変わらず、事務長は経営難を理由にのらりくらりと一般的な話しに 終始し、実を結ばぬようにおもわれた。そこで、我が委員長、憤激、激昂、過去7年 間のデータを示し、理路整然と反撃を展開。敵艦隊、全滅、撃破、轟沈大破、なすす べなし。すごすご、ぶつぶつ言いながら引き下がる。当方、損傷軽微なれども具体的 成果なし。そのあと、なおもビールを飲みつつ怒りで盛り上がる。

第3回。天気晴朗なれど、波高し。いよいよ決戦の時とて委員長はじめ、主力艦数 隻、関東学院大學に結集。第2回の経験から委員長の主砲始めから炸裂。曰く、「専 任教員の給与は首都圏の主要大学ランキングベスト2なるも、非常勤の待遇たるや平 均以下とは何ぞや。」事務長某曰く、「そんなことは絶対にない。それは絶対にあり ません云々。」と連呼。当方、資料を示し反撃。敵艦隊なすすべなし。今回も第2回 の二の舞になるやと内心危ぶまれたとき、にわかに、敵常務理事の白旗あがるを見 る。おずおずと、白旗をかかげつつ机の下から、持ち出したる一枚の紙。曰く、「そ んなにぼろくそに言われたら折角準備してきたものも出すに出せませんなあ。」当方 きょとん。

成果: 平均5%アップの表を提示し、これを受理するか否か問われる。当方、内 心欣喜雀躍せるも、むっつりと押し黙り、寛大、大度の態度を以てこれを今回は粛々 と受理するを通告。

粘り強い話し合いの成果であるが、とりわけ実り豊かであったのは、常務理事以下 数名の中に良識をわきまえ、教育に情熱を持つ誠実な人士がいることを発見したこと である。誠実な交渉を続けることが結局は相手の誠意を動かすことが出来ることを学 んだ。乏しい成果とはいえ久しぶりの成果に我ら数名意気上がり、豪華な駅前食堂に て乾杯。 (M.K.)


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専任の先生方、大学教職組の皆様へ

――大学「改革」は「革命的」にやらないで、

教育問題らしく、ソフト・ランデイングで行きましょう――

元木 養樹

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拝啓

温かい日と寒々とした日が交代して訪れます。それでも一雨ごとに寒気が増し、黄 色の花が美しい季節になりました。

今、大学「改革」で、何処でも皆様ご多忙と思います。今日は一件のみ、セメスタ ー制への転換についてだけお願いがあります。

この制度への移行は、2年前、京滋地区の某私立有名大学で非常勤講師の立場を無 視して一方的に実施され、当地の組合は非常勤講師の立場を守るべく、熱心に交渉を 重ねたと伝えられています。その後、その大学が、どのように非常勤講師や学生の立 場を考慮した「ソフト・ランデイング」に切り替えたか、寡聞にして知りませんが、 問題があることはこの例によってもわかります。

セメスター制に、色々なメリットがあることは勿論です。その故に、非常勤講師に は日頃十分理解があると思える専任の先生方にも、この制度を前向きに取り上げよう という方が少なくないのも事実です。しかし、これを同僚である非常勤講師にいきな り適用する場合、問題です。一年雇用が突然、半年雇用に変化し、あるいは、もし、 その担当授業科目が、選択科目の場合、4月に入ってから、半年あるいは一年失職と なります。これらのことを充分ご配慮の上、実施して下さい。非常勤講師にあらかじ め、この制度変更が周知されていると本人も生活設計がある程度立てられるでしょう が、一般には、非常勤講師はカリキュラム改革等について最終段階まで知らされてい ず、多くの場合、来年の授業科目名の変更とか雇い止めの形でしか知りえないので す。

セメスター制は、大学審議会が積極的に採用することを提案していますし、グロー バル化した昨今の諸大学ではとくに急がれる制度ですから、積極的に学生のニーズに 応えると諸大学で取り上げられ出しています。

でも、これを急激に施行すると、非常勤講師にしわ寄せがくるのは上述の通りで す。しかもこのことにより、非常勤講師を合法的に止めさせることが可能ですから、 大学の経営者側にとっては、大きなメリットになります。制度を「革命的」に変更す るとそれによって幾多の美味しい成果があるということを、経営者は良く知っていま す。しかし、専任の先生方には、それを防止して欲しいのです。皆様の同僚・専任教 員が突然亡くなったり、転出したりした場合如何ですか。学生達の立場を考えて、自 分がきつくても自らがその人の授業を代わりに担当したりして、穴をあけないように するでしょう。非常勤講師の場合は、その場で生きているのです。自分たちが肩代わ りすれば済むという問題でもありません。隣国、韓国の非常勤講師達は、セメスター 制で悩んでいます。日本のように一年雇用にしろと要求して当局と交渉しているそう です。近年、日本の国公私立大学等の管理的立場にある教職員が中国、韓国といった 近隣諸国を訪問する交流が盛んです。それ自体結構なことですが、中には、韓国の大 学のセメスター制はいい、うちもそうしよう。そうすれば、経営の改善が図れるし、 一石二鳥の効果があると考える経営者、先生方がいると憶測して当然でしょう。

セメスター制にせよ、他の制度改革にせよ、様々な教育的配慮、経営的配慮、情報 公開をしながら、立案し、実施するのが、良識の府・大学人の使命というものです。 再び、提案します。大学「改革」は「革命的に」ではなく、ソフト・ランデイングで 行きましょう。どさくさにまぎれて利潤を挙げようというような大学経営を止めさせ て、非常勤講師と一緒に真の教育改革を致しましょう。 (1999.11.25)


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◆ 編集後記 ◆

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■確定申告が接近中。原稿料収入ありの方は例えば次をチェックしては!?: (1)三木義一・松岡基子「科学者の印税等の必要経費は44%」『日本の科学者』 1994年2月号54頁;(2)三木義一「科学者と税金」『日本の科学者』1983年3月号 47-50頁;(3)直所5−5昭和32年3月1日「印税および原稿料の所得標準率の適用に ついて」。肝心の(3)の通達が今も有効ならば、普通は収入100円当り30円の必要 経費を引いた70円が所得になるのに対し、研究者については70円の2割の14円をさら に必要経費として控除できるそうです(合計:30円+14円=44円)。
■年度末に1998年分について確定申告したときの話。原稿料収入について普通30%の ところ44%の経費を認めてもらいました。もともと少額でしたから結果は誤差範囲で したが、原則として認められた点で意義あり!? 申告書作成を見てくれた税務署員 (?)の方は、そんなに昔の通達は無効だ、経費44%で申告しても良いが取り消しが あり得る、などとも述べていました。44%の通達が無効という通達がない限り、取り 消しなしと期待。後日の話ですが、TK大学で私の事実上の指導教官であったY教授 は、20年以上にわたって今まで一度も取り消されたことはないそうです。なお、私自 身も取り消されませんでした。そのうち、可能ならば、三木義一さんに「大学非常勤 講師の場合の確定申告」について原稿依頼する予定です。その場合、おそらく、『控 室』付録として発行することになると思います。
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クリップ・ボ−ド

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(1)『控室』原稿を募集します!

★組合員か否かを問わず随時受けつけ。掲載段階で匿名可 (連絡先は必ずご通知のこと): プライバシ−厳守;電子メ−ルによる原稿を歓迎。短い記事・通信の類は送信 者に断りなく『控室』読者の声などとして匿名で掲載することがあります。 原稿送信先(編集担当者宛)は次の通り。
【E-Mail】 mkclara@pastel.ocn.ne.jp
【FAX】042-593-0302

(2)公募情報などの収集・配布

★大学教員等の公募情報を電子メ−ルで送信中。受信希望者は下記まで。 但し、当方の都合による遅れ・中断・中止あり。 公募の情報/情報源情報を下記連絡先にお寄せいただければ幸いです。
【E-Mail】 s-kkch@pa2.so-net.ne.jp
★公募情報も含め当組合に関する現在のURL: quoniam.social.tsukuba.ac.jp/union.shtmlないしは
<組合本部> http://www.os.rim.or.jp/~town/

(3)組合関連―現勢・雑報―

★当組合の現勢は141名。 組合加入用紙を配ってドンドン仲間を増やしましょう。 経費節約と宣伝範囲拡大のため、 手渡しや非常勤講師用メ−ルボックスへの投函などで 『控室』を配布できる方は、斉藤FAX0428-20-7041まで、 送付先(配布者の住所・氏名など)、配布する大学(学部)・学校名, 配布部数をお知らせ下さい。運動の輪を広げるため可能な方は, 所属学会・研究会等々で宣伝や支援要請など試みて下さい。
★「就職希望調査票」未提出者は担当者まで!
★『大学教師はパ−トでいいのか 非常勤講師は訴える』(定価1200円) 普及に1冊でもご協力いただける方はまで!

(4)組合員の声

【1】SK大学についての『控室』への寄稿は、 もう少し先の事にさせて頂きたく、 御理解を頂きますようお願い申し上げます。(G)

(5)最近の組合運動関連出版物等

■当初の予定より大分遅れましたが、第二著作 (大学非常勤講師問題会議編『非常勤講師と大学問題』=仮題) が2000年1月19日刊行予定です。
■広田研二「書かれざる帝京大学沖永荘一総長の『暗黒の学園 』経営の畏怖すべき内情」『噂の真相』噂の真相2000年1月号PP.88-93。 中見出し:文部省を抱き込み拡大した帝京の歴史、 荘一による学内恐怖支配の構図、マスコミ対策の手口 (お読みになった感想を、是非、『噂の真相』「読者の場」 FAX:03-3341-0860 までお寄せ下さい。)
★文献など何かご存知の方は編集担当者までお知らせ下さい。

(6)当組合員の最近の学術出版物等

★掲載希望の組合員の方は『控室』編集担当者までお知らせ下さい。

(7)本部関係

都区一般本部は、関連協と対都交渉を行っています。当組合も都に対し、 都立大学・都立短大における非常勤講師の待遇改善と A専門学校での不当解雇事件への都の指導を要請しています。 具体的な成果があれば、改めて報告します。(S)

(8)当組合のホ−ムペ−ジ「係争中の事件」コ−ナ−

当組合では未解決事件のうち、特に悪質な大学・学校をホ−ムペ−ジに載せ、 広く世間に訴えています。現在(1)東洋大学不当人事(解雇)事件(2)中央 法律専門学校不当解雇事件(3)長岡リリックホ−ル不当解雇事件(4)帝京大 学不当解雇事件(5)相模女子大学不当解雇事件(6)筑波大学外国人教員スキ ルムントさん事件(7)秀明大学不当解雇事件の7件を掲載中。

ホ−ムペ−ジアドレスは  http://www.os.rim.or.jp/~town/univ/univers.html
(入力のヒント:“~”は「Shift」と「へ」を一緒に押します。 あるいは、「%7E」でもよろしいです。

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転載 <出典:しんぶん赤旗11月30日付>

丸子警報器賃金差別裁判

臨時社員 全面勝利の和解

労働条件、正社員並みに

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自動車部品メ−カ−丸子警報器(長野県丸子町)の女性労働者28人が、 「臨時社員」とされ差別を受けるのは不当だと会社を相手取り、賃金差別の是正 を求めていた裁判は東京高裁で29日、労働者の全面勝利の和解が成立しました。 臨時・パ−ト労働者と正規職員との賃金差別を是正し、働きつづける制度として 法的に確立させたのは、全国で初めてです。

和解内容は、▽給与を日給制から月給制に変更、▽正規社員との賃金格差を うめるため5年間、特別に賃金を増額する、▽夏冬の一時金は正規社員と同一月 数で支給、▽和解成立後の勤続にたいする退職金の支給係数は正社員と同一(和 解成立時までは2.5倍化)など。「原告らの労働条件を実質的に正社員化するも の」(原告、弁護団、支援団体の声明)です。

長野地裁上田支部の判決(96年3月)は、▽臨時社員であるという理由で同じ 仕事に従事する正社員と差別するのは違法▽賃金・一時金・退職金も含め正社員 の8割以下とするのは公序良俗に反するとしていました。和解により、一審判決 を上回る賃金格差の是正を実現しました。5年後には、正社員との比率は最低で 87.1%、最高で97.7%になります。

弁護士会館で開かれた勝利報告集会で、原告の滝沢貴美子さんは、「私たち は本当に幸せです。28人が1人も脱落することなくここまでこられた。(臨時労 働者が働きつづけられるよう)制度的によく改善でき、これから職場に残る人は、 働くことに生きがいを感じられるようになります」と紅潮した顔で、なんども支 援者にお礼の言葉をのべました。

同争議は財界の雇用流動化政策のもとで、パ−ト労働者の賃金差別の是正を 正面から掲げた初の訴訟として全国的に注目され、18万7千人の署名実現など、 全労連、生協労連パ−ト部会、新日本婦人の会や地元の長野県労連などが精力的 に支援してきました。


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