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                     『控室』 第20号 付録編

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機関紙『控室』第20号 1998年9月13日 発行
首都圏大学非常勤講師組合(都区関連一般労働組合 大学非常勤講師分会)
−委員長:斉藤吉広−Fax: 0428-20-7041
−郵便振替口座−00140-9-157425/大学非常勤講師分会
<本部所在地>JR山手線・大塚駅・東京労働会館5F
170-0005豊島区南大塚2丁目33番10号 東京労働会館(ラパスビル)5階
Tel:03-5395-5255/FAX:03-5395-5139
<当組合について参照>http://quoniam.social.tsukuba.ac.jp/union.shtml
 ないしは http://quoniam.social.tsukuba.ac.jp/
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『控室』第20号付録:韓国の大学非常勤講師(組合)に関する三つの記事
                                        (三戸信人氏訳)
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だぶつく頭脳達
シム・ウォージェ(グラニット・タワー誌レポーター)
グラニット・タワー(The Granite Tower)誌, 298 (6月号), 230-235, 1994

 「学ぶことの目的は、真実の探求である。」とは、韓国の高等学校で使われている教
科書にもある有名な言葉である。しかし、韓国においては、名声をえたり、社会的地位
を獲得するための教養として、また、伝統として、教育に熱意を燃やす慣習が、学ぶこ
との本来的意義に取って代わってしまっていた。したがって、このような事情が原因と
なって、最近、幾多の社会的問題が引き起こされているのである。
 過去、高等大学教育を身につけた知識人の雇用は容易と考えられてきた。ところが、
現在では、1980年に導入された卒業生定員制度(Graduate Quota System)によって大
学生とその卒業生の数が増大し、就職口を見出すことが最近は困難になっている。韓国
経済の将来展望が大きく開け、そこで実施された10ウォン貨幣使用停止の措置は、韓国
が先進国としての地位を確立しようとしていることを示す一つの証と見られていた。し
かし、知識人市場における大幅な「デノミネーション」に韓国社会が関心を失っている
状況、具体的に言うと、知識人雇用が不安定になっているという事態は、一つの社会的
危機と呼ぶに値する。従来、人的資源の力によって韓国経済を発展させてきた韓国社会
の推進力並びに潜在力が、今や、蝕まれつつあると言えよう。この雇用不足現象は、知
識人が選別された結果、偶発的、一時的に生じた失業ではなくて、政府の政策的失敗に
よる構造的失業なのである。この雇用不足は、マンパワーの浪費を意味しているから、
韓国社会は、近年、益々その難問を増大させているように思われる。では、その実例を
示してみよう。

. 知識人不安定雇用の実態:パートタイム講師(以下、単に非常勤講師と呼ぶ。た
だし、わが国における、いわゆる「専業非常勤講師」に相当する。訳者)

 韓国では、博士課程を終えた者の大部分が非常勤講師として働くが、彼らは、これ迄
に幾多の困難を経験してきた。非常勤講師は、韓国の大部分の大学において、その数が
完全雇用教授(フルタイム教授、助手・副手以上の全専任教員を指すと推定される。以
下、専任教授と呼ぶ。訳者)の数に対する比率が約0.67にも達するという状況の下で、
多くの仕事を任せられる立場にある。専任教授の比率が先進諸国における値より遙かに
低いという実態が、失業者に比べても遜色のない程低い非常勤講師という身分に、多数
の知識人を置かざるをえなくしている。教育問題に関心を寄せる多くの政党は、韓国私
立大学が貧困な財政状態にあることが原因で、非常勤講師が大学にそのまま留まること
が必要になっているという見解を述べている。1993年の文部省統計によると、状況は次
のようである。韓国全体の大学の教授と非常勤講師の数は、それぞれ、29,851名と27,1
98名である。全教授数に対する非常勤講師数の比率は、国立大学の場合0.63であったが
、私立大学では1.04であった。このように私立大学では、非常勤講師数が専任教授の数
を上回るという矛盾した状況が生まれている。エリート私立大学の一つ、コリア(Kore
a)大学では、専任教授の数と非常勤講師の数は、それぞれ、748名、879名である。

専任教員に対する非常勤講師の比率
チョンナム(Chonnam)国立大学  0.38
ソウル(Seoul)国立大学      0.63
ヨンセイ(Yonsei)大学       1.07
コリア(Korea)大学        1.19
イワ(Ewha)女子大学       1.34

 多数の教育専門家は、この値の高いことが、つまり、多くの講義が非常勤講師に依存
しているという事態が、大学教育の質の低下をもたらしていると指摘している。しかし
、その見解に関して、韓国労働組合総連合(KU)における講師組合の委員長、キム・イン
ホ(Kim  In-ho)は、次のように論評している。「20才代の非常勤講師達は、学ぶこと
と自己完成を探求する熱意ある学生に対して、よりよい講義を提供しようと努力してい
る。しかし、非常勤講師達に依存する授業が膨大な数に上る結果、大学教育の質の低下
がもたらされた。教育の質の低下は、彼らが学問的経験を積む期間が短いために引き起
こされているのではなく、貧弱な教育条件に起因するのである。大部分の非常勤講師は
、良心的な多くの学生達が受講する教養的テーマについての講義を担当している。その
場合、通例、100名以上の学生が受講できるのだが、非常勤講師達は、一人の例外もな
く、学生の学習能力の評価をし、出欠の名前を呼ぶ等々の厄介な作業を、助手の助けも
なしに行わざるをえないのである。このような貧困な教育条件は、学校当局が、最少の
資金で大学を運営しようと意図することから生まれているが、専任の現職教授達にも、
このような状況を生んだ理由について釈明する責任があると言えよう。事実、現職の年
配教授達は、何十という授業の経験があり、教養的テーマに関する講義を効果的に行う
ことが可能である。他方、若い非常勤講師達は、超近代的な知識が豊かで、彼らの特殊
な研究課題に関する講義を行うことが出来る。かように、相互に全く逆転した立場に立
っているのが実情である。」
 また、低賃金は、大学教育の質的低下をもたらしているし、非常勤講師の研究意欲を
も低下させている。韓国の大学における教授達の平均賃金は、月に約2,000,000ウォン
(約22万円)に達する。加えて、彼らは、莫大な研究基金を受けている。しかし、非常
勤講師の場合には、時給平均約15,000ウォン(約1,650円)だし、さらに、サンギイ(S
angii)大学の場合などは、7,000ウォン(700円)に過ぎない。仮に、非常勤講師が1週
間に9時間の授業をするとすれば、彼は、約150,000ウォン(16,500円)を手にすること
になる。この金額は、一ヶ月当たりの賃金に相当する。それは、韓国における最低賃金
の額、200,000ウォン(22,000円)の3/4である。それ故に、非常勤講師は、最低賃金
さえ保証されていないという訳である。労働運動界筋の情報によると、最低生活費は、
3人家族の場合で月額1,000,000ウォン(11万円)である。すなわち、非常勤講師の賃金
の場合、最低生活費の1/7にも達しない額しか支払われていないし、それは、専任教授
の賃金の1/13以下なのである。
 このような貧弱な条件のために、非常勤講師は、中学校または高校の生徒に対する課
外授業をするとか、あるいは、外国語を韓国語に翻訳するとか、さらに、授業を行う機
会がない休暇期間に建設現場で働くといったことさえ、行わざるをえない。ここまで述
べてきたような実態について、ソウル国立大学哲学科のキム・ナムドウー(Kim Nam-do
o)教授は、次のようにコメントしている。「諸外国では、博士課程に進学して修了を
目指す人達は、その課程にある数年間、授業を担当するといった重荷を避けて研究のみ
に専念する。無論、国は、彼らの生活費がえられるよう援助する。我が国でも、今後、
博士課程に進み、修了する意志のある人を支援する計画を立案すべきである。そうすれ
ば、意欲的、かつ、持続的に研究に専心することが可能になるだろう。もし、わが国家
が、将来、『知識国家主義戦争』に貢献すべき兵士たる彼らの育成を、今、怠るならば
、我が国が『先進国』に伍する事は困難となるだろう。」
 非常勤講師が抱える困難さは、さらに多種多様である。まず、非常勤講師用の休息室
がない。彼らの多くが重い鞄を提げて講義室に出向かざるをえないばかりでなく、講義
のために準備をしたり、あるいは、授業時間後に学生と議論したりする特別な部屋をも
てないでいる。その上、もし、非常勤講師が様々の大学で講義を行っている場合には、
自分自身で時間をうまくコントロールするという課題を解決しなければならないだろう
。経営管理学部の2年生リー・サンフーン(Lee Sang-hoon)は、「私は授業時間の後に
非常勤講師に質問をしたいと思うことがよくあるのですけれども、それをする術がない
ので時々憂鬱になります。」と語っている。別に、非常勤講師には次のような不利益も
ある。学校当局は、まず、非常勤講師が図書館に入ることに制限を設けており、正式な
貸し出しサービスを受けるについても差別がある。したがって、非常勤講師は、その生
活費にも満たないと言って良い程低い賃金の下で、研究のために必要な最新の書物は自
らが購入せざるをえない。結果的に、自分が図書館から閉め出されているという現実を
体験する以前に、非常勤講師の大部分が気力を失ってしまわざるをえないのは無理ない
ように思われる。
 さらに、非常勤講師が経験する一層困難な事例がある。非常勤講師は、医療上の保障
が得られない。また、軍の予備役にある間、彼らは一定の拘束状態にあって講義を行う
ことは出来ないし、学校当局に応募するようなこと、したがって、研究資金をえるため
「韓国研究基金」に応募することは禁じられているのである。

. 非常勤講師問題の解決法:全国講師組合(National Lecturers' Union)

 熱い雰囲気に包まれた1987年の民主化運動の最中に、非常勤講師の貧困な条件を改善
するため、約20の大学で講師の会(Lecturers' Council)が結成された。1988年に、そ
れらは、大学教育の質の改善、学校当局による大学運営の民主化、そして非常勤講師の
労働条件の改善を要求して、全国講師の会(National Council of Lecturers)を組織
した。その後、各講師の会が、より効果的に非常勤講師問題を解決しようという目的か
ら、ソウル国立大、コリア大、チョンナム国立大に、合法的な講師組合を結成した。し
かし、非常勤講師が様々な大学で講義を行っているという現実から、彼らは個々の「講
師組合」では非常勤講師問題を解決できないという考えに立って、全国講師組合(Nati
onal Lecturers' Unionn, NLU)を設立した。
 その時以来これまで、 NLUは、文部省が私立大学の固有の権利を侵害する恐れがある
ということを理由にして省みようとしなかった政策を作成してきた;つまり、 NLUは全
大学の非常勤講師の賃金を調査し、賃上げに関する問題について学校当局や政府と協定
を結び、さらに教授組織による援助を得て、大学や社会の民主化を目指して行動を起こ
した。 NLUの委員長、ジョン・ミヨンヒュク(Jeon Myeong-hyuk)は、次のように語っ
ている。「現行の教育法では、教授、準教授、助教授、専任講師、助手を教育スタッフ
と見なしている。文部省は助手でさえ教育スタッフとしているけれども、大学教育の半
分に責任を負っている非常勤講師については、小言以外に何も言わない。
 この矛盾をはらんだ非常勤講師システムは、全世界を見てもこれに匹敵する例がない
。次なる問題は、このような状況を生みだしたものは何か、誰がその責任をとるのかで
ある。その原因とは、次のようなことである:すなわち、政府は、大学の状況を、熱意
を込めては調査しなかった。私立大学の設立は、学校経営によって多額の収入をえるこ
とを前提としている。そして、教育法はそのことを保障しているのである。大学設置基
準法(The Standard Law on Establishment of University)は、次のように述べてい
る。『学校当局は、"教授“に代えて3種類の非常勤講師をもって当てることが出来る。
』また、教育法には、『非常勤講師は、教育スタッフでない。』との表現がある。した
がって、学校当局は、教授達の賃金の僅か1/15〜1/20だけ非常勤講師に支払えばよい
ことになる。特に全大学の75%を占める私立大学の場合で事態はもっと深刻である。」
 NLUは、様々な教授組織と「教育法を改定するジョイント委員会」を組織することによ
って、1990年に改訂された結果、後退した内容になった私立学校法を改定するという目
的の下に行動を起こした。とくに、 NLUは、「非常勤講師の教育条件改善に必要な特別
立法」を行うよう、政府に要求した。この法案の主な内容は、次の通りである。学校当
局は、まず、非常勤講師を教育スタッフとして認定することによって、その社会的地位
を保障しなければならない。また、非常勤講師の任用期間を1年とすることを規則に定
めなければならない、さらに、身分証明書を発行し、教授の教育条件と同等の良好な教
育条件を与え、非常勤講師に関する研究基金を授けることとする等々である。

。. 結論

 学校当局は、専任教授の率を最近の50%から80〜90%へと増加させなければならない
。その他、韓国の教授達が様々な仕事で多忙であるという実態を考慮すると、政府は、
既存の研究所または新しい政府機関を充実するといった施策を採ることによって、特定
の地位に博士達を配置すべきである。
 また、ヨンセイ(Yonsei)大学の社会学部教授・キム・ヨンハク(Kim Yong-hak)は
、「韓国研究基金は彼らに研究基金を交付すべきである。」と語っている。ほとんどす
べての大学で、教授の数や教育施設の数を増加させたがらないという状況が物語ってい
るように、財政的に困難な状況にある。これが私共の偽らざる実態であるが故に、基金
を増やすことが出来るような計画が立案されなければならないのである。その為に、私
共は、私立大学の基金に対して、公教育において自らが果たしている役割を正しく認識
させ、外部から導入される基金額を増やすよう努力させなければならない。また、大企
業は、その剰余資金の一部を大学のために提供すべきである。そうしてもなお不足する
基金額は、国によって支援されることが必要である。すなわち、日本における私立大学
に対する政府助成金が30%である(ピーク時の値。以後減少して、1997年度は約12%。
 訳者)のに比べて、韓国においては1%そこそこである。それ故に、政府には、様々
に異なるやり方で、教育に関して一層研究する責任があると言わなければならない。
 もし、上記の様々な施策が採られるならば、大学教育は、結果的に正常化され、大学
は、その民主的運営によって、本来の役割を演じることであろう。万一、教育が発展し
ないようであれば、私共の子孫は、痛手を被ることになろう。その結果として、我が国
家に厳しい損失を与えることになるだろう。これらの事実を心底学びとることによって
、私共は、韓国における教育の未来を開く計画を遂行しなければならないのである。

「グラニット・タワー誌レポーター特集記事スタッフによるNLU委員長、ジョン・ミヨン
ヒュク氏へのインタビュー」
          ソウルからプサンへ
ジャン・ジョンイム(グラニット・タワー誌若手レポーター )編集
グラニット・タワー誌, 298 (6月号), 232-233, 1994

 Q: 全国大学講師組合(NLU)設立の歴史と目的を説明して頂けますか?
 A:  1980年代の半ば以後は、博士の学位を取った人たちが急速に増加して、彼らが教
授になるのは益々困難になりました。しかも、学校当局と政府が、この問題に無関心で
、何の対策も講じなかった為に、問題はさらに深刻化した訳です。1988年以降に、その
ような事態に批判的な非常勤講師の何人かが、二三の大学に講師の会を組織しました。
1990年4月28日、全国各地に散在しているこれらの会が一本にまとまって、 NLUに組織
変えしまして、組織としての力は一層強くなりました。
 この組合の目的は、非常勤講師の地位改善、民主的権利の獲得、大学の貧困な教育条
件を変えること等にあります。
 Q: 非常勤講師に対する差別的処遇とか、彼らの貧弱な地位について説明して頂けま
せんか?
 A:  もっとも卑近な例としては、私達自身の給与のことをお話しするのが一番でしょ
う。賃金は、1時間当たり僅か10,000ウォン(1,100円)から20,000ウォン(2,200円)
に過ぎません。しかも、休暇の間は、全く支払われないのです。したがって、私達は1
セメスターにつき、16週分を受け取るだけですから、それを月額に均しますと、実質的
に約300,000ウォン(約33,000円)となります。月々約3,000,000ウォン(約33万円)収
入がある専任教授の額と比べると、私共の条件がどんなに劣悪か、御理解頂けると思い
ます。結局、私達は、一つの大学から他の大学へと、極端な場合は、ソウルからプサン
までも歩き回らざるをえないのです。こうして、教育と研究を辛うじて続けています。
 Q: 非常勤講師の問題をそれ程迄悪化させた原因は何と考えますか?
 A:  何より、学校当局が無関心というのが第一の原因です。非常勤講師は、大学の教
育スタッフと認められていません。そして、大学の管理・運営に関与させられていない
。さらに、新しい教授達が任命される度に、非常勤講師達の期待は、新たな教授陣によ
って益々裏切られていくといった具合です。
 その上、政府の無策ぶりが問題を一層深刻なものにしています。最近の政府は、各大
学の自治権を是認していますが、その代わりのように、あらゆる意見に対して耳を傾け
ようとしません。
 Q: 現在進められている会議の予定や非常勤講師を巡る状況について教えて下さい。
 A:  昨年の全国集会の際に、非常勤講師を教育スタッフと認め、非常勤講師労働組合
(PLLU)を合法化させるといった課題を扱った会議が、いくつも開かれました。しかし
、それらすべてが、現在まで、表だった動きとはなっていません。
 最近、私達は、合法的な労働組合として認められるよう闘っています。また、大学教
育の改革・非常勤講師の地位改善を要求する集会を、6月10日にコリア大学で開催する
準備を進めているところです。

個人インタビュー  「私達は安定した地位を得る権利がある」

全国大学講師労働組合(National Labor Union of University Lecturer, NLUL)は、韓
国の大学における講義の50%を担いながら、公認されていない講師、30,000名に及ぶ非
常勤講師を代表するユニークな組織である。NLULは、これ迄、大学教育改革や講師の地
位改善を目指して、様々な努力を試みてきた。本誌は、NLULの委員長:チュン・ミョン
ヒョク(Chun Myoung-hyeok)氏にインタビューした(編集部)
   '94〜'95全国大学講師労働組合活動報告書、284、全国大学講師労働組合(1995.
9.23)

 Q: NLULが組織された背景、 NLULの目的は何ですか?
 A:  非常勤講師の社会における義務といえば、大学教育を率先して行うことです。し
かし、非常勤講師は、最も劣悪な労働条件に置かれている社会階層の一つを構成してい
ると言わなければなりません。30,000名の、これら講師達は、教育者の身分でありなが
ら未公認でした。私達は、 NLULを結成して、このように深刻な社会的、経済的問題を
打破しようとしています。
 Q: NLULが取り組もうとされる最重点課題は何でしょう?
 A:  NLULは、基本的活動として大学当局と団体交渉を行ってきました。それは、過去
4
年間は非合法の労働組合であったからです。昨年の7月19日に、私達は労働組合設立許
可を獲得して、 NLULを合法化しました。今や、私達は、「労働3権」に守られて、大学
の教育改革や非常勤講師の社会的、経済的地位改善を要求して、団体交渉を行うことが
出来るようになりました。
 Q: 非常勤講師の地位については、従来、現状改善に反対する立場から多くの批判が
ありました。この件についてどうお考えですか?
 A:  大学における教育職の約半分を非常勤講師が占めているという実態があるにも拘
わらず、教育法の中に、その地位に関する規定がありません。講師の身分が、国家レベ
ルで、つまり、法規上、確定されるべきです。このことが不可欠なのです。何より第一
に、私達は、労働組合として立法化を要求している月給制を実現しなければなりません
。そして、それを団体交渉によって獲得するつもりです。
 Q: 専任講師と非常勤講師との違いはどのような点ですか?
 A:  専任講師は、公認された教授職ですが、非常勤講師は、非公認です。非常勤講師
は、セメスターの初めに大学学長によって委嘱されます。それで、質の良くない専任講
師ほどにも保証されることが出来なかったのです。
 Q: 非常勤講師に高度に依存していることが原因で教育の質的低下がもたらされてい
ると屡々言われてきました。このことをどう思われますか?
 A:  非常勤講師は、若く、覇気に満ち、活動的に研究に従事しています。したがって
、専任教授に比べて非常勤講師の質が凋落しているということはありません。
 Q: 最近、ある教授達が、前から決まっていた縁故関係とか贈賄によって雇用されて
いるという事例がありました。 その対策として、NLULは何か行っていますか?
 A:  話題の大学の財団は、民主的システムによっては雇用されていませんでした。そ
の財団や大学当局が、能力よりも重要と見なされていたわけです。したがって、このよ
うな悪弊を是正するには、講義システムや講義評価システムを公開するといった方策が
必要でしょう。
 Q: 今後、 NLULとしては、どのような行動計画をおもちですか?
 A:  私達は、まず、月給制と安定した地位を獲得しなければなりません。最近の時間
給の平均値は、15,000ウォン(1,650円)です。それでは、最低生活経費を賄うことも
できません。
(本誌企画部)

【訳者コメント】
 原文は、コリア大学英文キャンパス雑誌・グラニット・タワー(1994)所載の記事(2
篇)および韓国全国大学講師労働組合チュン・ミョンヒョク委員長へのインタビュー記
事(英文、1995)である。これらは、これまでに首都圏大学非常勤講師組合に送付され
てきたもので、やや旧聞に属するが、韓国における大学非常勤講師問題、彼らの活発な
運動の近況を知りうる資料として訳出した。原文それぞれに若干誤記と思われる記載が
あったが、相互にチェック可能な点等については、訳に当たって訂正した。しかし、作
業を急いだ為、訳者として当然他の資料を調査、分析すべき幾多の箇所について、その
労を怠ってしまった。例えば、固有名詞等々である。お気づきの誤り、その他について
、ご教示賜れれば幸甚である。なお、本文中、100円が906. 12ウォンという換算は、19
98年7月22日現在の値である。 (三戸信人)

   *****************************  end    ***************************

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